僕だけがいない街を全巻無料で一気読みする方法紹介!漫画アプリや電子書籍で最終巻完結までタダ?藤原竜也有村架純で実写化作品

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「ヤングエース」にて連載され、アニメ化・実写映画化もした人気マンガ「僕だけがいない街」を全巻無料で読めるお得な配信サイトを調査しました。

 

昨今、各出版社が漫画アプリに力を入れており、連載中のマンガでも漫画アプリを通して無料で読むことができます。

 

例えば、小学館が運営する漫画アプリ『サンデーうぇぶり』では、サンデー系列で連載中のマンガや過去の名作マンガに至るまで幅広く無料で読むことができます。(←1番オススメの漫画アプリ

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『サンデーうぇぶり』で無料で読める主な作品一覧
  • 名探偵コナン
  • YAIBA
  • MAJOR(MAJOR2nd)
  • switch(スイッチ)
  • からかい上手の高木さん
  • 銀の匙
  • ドロヘドロ
  • だがしかし
  • 犬夜叉
  • らんま1/2
  • 境界のRINNE
  • 今日から俺は
  • お茶にごす
  • 天使な小生意気
  • 今際の国のアリス
  • 焼きたて!!ジャぱん
  • うえきの法則
  • からくりサーカス
  • 月光条例
  • うしおととら
  • 双亡亭壊すべし
  • マギ
  • 烈火の炎
  • H2
  • タッチ
  • 信長協奏曲
  • 天野めぐみはスキだらけ!
  • くノ一ツバキの胸の内
  • 結界師
  • チ。地球の運動について
  • よふかしのうた
  • 葬送のフリーレン
  • MIX
  • クロスゲーム
  • KATSU
  • ラフ
  • ジャガーン
  • ダンスダンスダンスール
  • 土竜の唄
  • 魔王城でおやすみ
  • アオアシ

などなど…

 

しかし、『僕だけがいない街』に関しては今現在、無料で読める漫画アプリはありません

 

そこで漫画アプリではなく『僕だけがいない街』を配信しているすべての電子書籍を調査すると、1つの電子書籍サービスを使って『僕だけがいない街』を実質無料で全巻読む方法が見つかりました!

 

最終巻まで実質全巻無料で読む方法を解説します。

 

この記事では

・『僕だけがいない街』を今すぐ全巻無料で読みたい

・お得に漫画が読める電子書籍サービスを知りたい

『僕だけがいない街』のあらすじや見どころが知りたい

そんな疑問を持った漫画好きなあなたにオススメです!

結論!電子書籍『コミックシーモア』を利用して『僕だけがいない街』を実質全巻無料で読める

『コミックシーモア』には、新規ユーザーに対して2つの超お得な特典を用意しています。

 

それが以下の特典です。

 

特典①は、『コミックシーモア』に無料登録した方、全員に「50%OFFクーポン」を配布しています。

1冊どの漫画でも半額で購入できます。もちろん『僕だけがいない街』の最終刊も半額で購入可能です。

 

50%OFFクーポンだけなら、他の電子書籍も特典として配布しているところが多いですが、『コミックシーモア』の超お得な特典は②の「月額メニュー登録で最大20000ポイントを後日お返し!」です。

 

簡単に説明すると、月額メニューを2ヶ月継続することで1ヶ月分のポイントが全額返ってくるという特典です。

月額メニューとは、毎月定額で『コミックシーモア』内のマンガを購入するために必要なポイントを買うシステムです。

普通に現金で購入するよりお得になるシステムです。

 

作品購入の時には、ポイントと現金の価格が表示されています。

 

「僕だけがいない街」を1巻〜最終9巻まで普通に購入すると・・・5220pt(税込5742円)となります。

 

月額メニューは、月額5500円のコース(コミックシーモア5000)に加入すれば6200ptがもらえて、さらに翌月には特典②により5000ptが返ってきます!

 

使ったはずの5220ptが5000ptになって返還されるので実質全巻無料というわけですね!

 

『僕だけがいない街』を実質全巻無料でお得に読みたい方は、月額メニュー「コミックシーモア5000」がオススメです。

 

筆者は、このシステムを使って、『鬼滅の刃』を実質全巻無料で読みました。

 

新規ユーザー限定の特典ですので、まだ『コミックシーモア』を利用したことない人は、活用することをオススメします。

 

 

特典まとめ

・新規ユーザー限定で漫画1冊50%OFF!

・新規ユーザー限定で月額ポイント全部返還!

その他のお得な電子書籍

筆者も愛用しており、一番のオススメは先ほどご紹介した『コミックシーモア』ですが、その他にもお得に漫画を購入できる電子書籍がありますので表にまとめておきます。

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・国内大手の電子書籍サービスで安心

・新規のユーザー限定で6冊まで50%OFF

・約1万冊の漫画が無料公開されている(読み放題)

まんが王国

・国内大手の電子書籍サービスで安心

最大50%のポイント還元

Amebaマンガ

・大企業サイバーエージェントが運営しているので安心

・無料会員登録で500ポイント(500円相当)付与

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・無料会員登録で漫画2冊分のポイント付与

 

個人的に上記4つのサイトはどれもオススメですが、特に『ebookjapan』は使いやすく、無料作品が豊富、さらに新規ユーザー限定でお好きな漫画(新作を含む)が6冊まで50%OFFですので、『コミックシーモア』と併せてよく活用しています。

 

お得に漫画を読むなら『コミックシーモア』と『ebookjapan』は必須の電子書籍サービスとなっています。

オススメ漫画アプリ

上記で紹介した『サンデーうぇぶり』以外にも集英社が運営する漫画アプリヤンジャンマンガMeeも特にオススメです。

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マンガMee-人気の少女漫画が読めるマンガアプリ

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以下のような有名作品が随時、更新され無料で読むことができます。

 

『ヤンジャン』で無料で読める主な作品一覧
  • 東京グール:re(東京喰種:re)
  • キングダム
  • GANTZ
  • BUNGOーブンゴー
  • DINER ダイナー
  • 高校鉄拳伝タフ
  • TOUGH-タフー
  • かぐや様は告らせたい
  • テラフォーマーズ
  • リクドウ
  • 久保さんは僕を許さない
  • TIEMPO-ティエンポー
  • 干物妹!うまるちゃん
  • サラリーマン金太郎
  • 息子がかわいくて仕方がない魔族の母親
  • 群青戦記
  • 元ヤン
  • ハチワンダイバー
  • ウマ娘-シンデレラグレイ-
  • LIAR GAME
  • 地獄先生ぬ~べ~
  • ゴールデンカムイ
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  • 九龍ジェネリックロマンス
  • ジョジョの奇妙な冒険
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  • 明日ちゃんのセーラー服
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  • ラジエーションハウス

などなど…

 

『マンガMee』で無料で読める主な作品一覧
  • この音とまれ!
  • 悪魔とラブソング
  • 美食探偵 明智五郎
  • ダメな私に恋してください
  • 雛鳥のワルツ
  • 虹色デイズ
  • 高校デビュー
  • ごくせん
  • ストロボエッジ
  • アオハライド
  • NANA
  • 青空エール
  • 素敵な彼氏
  • デカワンコ
  • G線上のあなたと私
  • センセイ君主
  • シュガーズ
  • 僕に花のメランコリー
  • ひるなかの流星
  • メイちゃんの執事
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などなど…

 

「無料でマンガを楽しみたい!」という方は使ってみてはいかがでしょうか?

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こちらの記事では、特にオススメする漫画アプリを厳選してランキング形式でご紹介しています。「無料で多くの漫画を読みたい」と思っている方はぜひ一読してみてください。

完全無料!おすすめ漫画アプリをランキング形式で紹介!【お金がかからない読み放題のマンガアプリ!知らなきゃ大損!】

 

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『僕だけがいない街』読者の反応は?

 

『僕だけがいない街』序盤ネタバレ紹介!

第1話 走馬灯

原稿を破り捨てる悟

 

『うーん、うちではちょっと厳しいなぁ』『踏み込みが甘い』『伝わってこない』

 

少年フライトの編集者の言葉が頭をよぎります。

 

漫画家として連載を目指す藤沼悟(ふじぬまおさむ)に突きつけられたのは、世の中の現実でした。

 

今年で29歳を迎える彼に求められるのは、「即戦力」としての力。

 

つまり、第一線で描く作家達と同等以上のクオリティが求められるのです。

 

「届いていないのは自分でもわかる、腹立たしいが編集者(ヤツ)の言う通りだ」

 

そう考える悟。しかし悟にとって一番応えたのは、編集者の『作品から、作者(あなた)の顔が見えてこない』の言葉だった。

 

これは「自分」と「キャラクター」を同化させることではない。と悟は解釈します。

 

キャラクターの心を奥まで掘り下げることで出る、「読み手の心に届く言葉」が足りないということ。

 

これは同時に自分の心を掘り下げる作業でもあるのです。

 

「踏み込んでない部分があるならそこだ」そう考えると同時に悟は、踏み込むことで自分が「何もない人間」だと思われることが怖い。そう考えていました。

 

自分なりに、踏み込んで書いたつもりだった。しかし他者からの悟への評価は、「足りない」と言うものでした。

 

本当にギリギリまで踏み込んでいないことを読み手は見抜いてしまうのです。

 

日々、心によぎる「あの時、こうしていれば」という言葉。

 

これは後悔の言葉ではなく、「こうしていれば出来たはず」と自分の心が折れるのを防ぐための言い訳だ。そう悟は考えます。

 

そしてその「言い訳」が成り立たない世界。

 

「自分の顔」を晒し他者から評価される世界。

 

悟は、そんな世界の中で、自分自身の存在に評価が下されるのが怖いと考えています。

 

そんな悟は、ピザ屋さんでバイトをしています。

 

ある日、悟がバイクで配達に出ようとした時、一人の女の子が声をかけます。

 

同僚で女子高生の片桐愛梨(かたぎりあいり)でした。

 

『藤沼さん、ピザ途中で食べちゃ、だめだよ』という片桐に悟は『食わねぇよ』と言います。

 

悟は片桐のことを「変な女」だと考えており、このジョークに対しても心の中で「拾えねぇジョーク」と厳しい評価をしました。

 

配達中、悟はこんなことを考えます。

 

誰も気づいていないけど、それぞれの人間の周りでは常に「何か」が起き続けている。

 

その中で「何を拾うか」はとても重要なことだ。

 

漫画家なら尚更だ。

 

配達中にまで漫画のことを考えている自分に対して、悟は呆れた様子でした。

 

配達を続けている悟に異変が起きます。

 

「どくん」心臓の音とともに悟が異変に気づきます。

 

さっき通ったはずの道に戻っているのです。頬に汗をかく悟。

 

「間違いない、またアレがきた」「関わりたくないが、やるしかない」そう悟は考えます。

 

「探せ、違和感を」

 

「どこだ」

 

「見つけろ」

 

悟は周りを見ながら考えます。

 

すれ違うトラックに目をやる悟。

 

「あった」「これだ!」何かに気づきます。

 

「どくん」心臓の音とともに悟は、1回目同様の場所に戻ります。

 

「見つけたぞ」何かを確信した表情の悟。

 

すると先ほどは素通りした、信号待ちをしている小学生に声をかけます。

 

『こんにちは』

 

『悪いんだけど、今日はあっちの信号から渡ってくれる?』

 

そう言って悟は、小学生を別の方向に向かわせます。

 

たまたま様子を見ていた片桐は「何してるんだろ」と不思議そうな顔で悟を見ています。

 

再びバイクに乗った悟は、猛スピードで進んでいきます。

 

すると先ほど同様トラックとすれ違った後Uターンをし、トラックの運転席に近づきます。

 

『おーい!そこのトラックとまれ!』運転手は呼びかけに応じません。

 

悟は走りながら運転席に目をやります。

 

するとそこには、気を失った運転手がぐったりとしていました。

 

「こりゃあ、まずい」そう考える悟。

 

トラックはスピードを落とすことなくそのまま歩道に乗りあげ進み続けます。

 

『大丈夫か!』『起きろ!』悟は呼びかけ続けます。

 

同時に心の中で悟は、「畜生」「やっぱり関わるんじゃなかった」「他人なんかに関わって、いいことあったか?」と後悔します。

 

「・・・だけど」 次の瞬間。

 

ものすごい衝撃が悟を襲います。対向車と正面衝突したのです。

 

「なんだ、これ?」悟の目の前には、今までの記憶が広がっています。

 

「あぁ、走馬灯ってやつか」

 

「じゃあ俺死んだのか」

 

「ほらな、やっぱり他人と関わるとろくなことがねぇ」

 

「まぁいいか」「どうせ他人とうまくやれる俺じゃないし」

 

そう考える悟の目の前に、一人の少女が映ります。

 

「あれ?」「こいつ・・・」少女を見ていると、片桐の声が聞こえてきます。

 

『目が開いた!』目を開けた悟がいたのは、病室のベッドでした。

 

『おはよう、藤沼さん』『自分が誰とかここ(病院)にいる理由とかわかる?』

 

片桐の質問に悟は『藤沼悟、29歳、トラックを追いかけて・・・事故った』と言います。

 

片桐は安心した表情で、外傷がないことや脳に異常がなければ2〜3日で退院できることを伝えました。

 

『まだ誰も来てないみたいね』『あたし連絡とってあげようか?』『彼女さんとか友達とか』

 

と言う片桐に対し、悟は「よく喋る娘だな」と内心思いつつ、『ありがとう、でもいい。わざわざ知らせたい奴はいない』と返します。

 

すると片桐は、指をハサミのようにして動かし、『チョキチョキ』と言います。

 

『何それ、平成生まれのジョーク?』

 

と動揺する悟に対して片桐は、

 

『何か薄いまくで覆われているみたいだから』

 

『藤沼さんって人に心開かなそうだもんね』

 

と悟に伝えます。

 

続けて、『でもちょっと見直した』と言う片桐に、悟は『何が?』と言います。

 

『子供助けたでしょ?』と言う片桐。

 

実は悟は信号待ちの小学生の通学路を変えることで助けていたのです。

 

また片桐も、その現場をたまたま目撃し、感心していたのです。

 

そして片桐は、トラックの運転手が運転中に心臓発作で亡くなっていたこと、死傷者が悟と運転手の二人だったことを知らせます。

 

『よく気づいたね』と言う片桐。

 

悟は、「気づいてしまうから、仕方なくやってるだけだ」と考えます。

 

沈黙が続き、気まずい雰囲気を察知した悟は質問を投げ掛けます。

 

『片桐くんはさ、なんでバイトしてるの?』

 

片桐は、『へー、意外に踏み込んでくるんだ』と言い、続けて『夢があるんだ』と言います。

 

自分で稼いだお金でやりたいことがある。と言う片桐。

 

そして片桐が悟に質問をします。

 

『藤沼さんは、ある?夢』片桐の質問に対し悟は、

 

『人に夢とかはなしちまって、実現しなかったらどうしようとか思わない?』と言います。

 

片桐は『別に恥ずかしくない。言葉って、口に出してるうちに本当になる気がする』と言います。

 

そう言って片桐は、バイトがあるから、と言って病室を出て行きます。

 

悟は「話していて子供っぽいと思っていた彼女は、俺なんかよりよっぽど大人なんだ」と考えます。

 

「体に異常は感じない」

 

「頭は・・・疲れた」

 

「眠い」そして悟は眠りにつきます。

 

昔の夢ばかり見る。そう考える悟は夢に出てくる少女のことを思い出していました。

 

「そうだ、雛月加代(ひなづきかよ)確か、あのあと間も無く、死んだんだった」

 

無関係に思える出来事も、実際は全て連鎖の中の出来事なのだ。

 

悟はのちに知ることになる。

 

そして、「事故」はその始まりで、思い出すことのできない少女の言葉を、再び彼女の口から聞くことになることを、この時はまだ知る由もなかったのです。

 

悟の回想が流れます。

 

「記憶の中のその母親は、笑っていた」

 

「娘が行方不明になりわずか十日ほど経った登校時のことだった」

 

「ゴミ袋に中に、見覚えのある体操服が見えた」

 

「理解できなかった」「ゾッとする感覚を初めて体感した」

 

「気がつくと学校を通り過ぎていて、知らない家の庭で吐いていた」

 

「走りすぎたせいか、あの母親のせいか、多分両方だろう」

 

「その娘、雛月加代の顔を最後に見たのは、黒く縁取られた写真(遺影)の中だった」

 

「いつものように、その目はこっちを見ていなかった」

第2話 死刑囚

「体中がバキバキに痛え」そう思いながら、悟は退院の準備をしています。

 

退院手続きがなぜか終わっており、無事退院する悟。

 

悟の身に起こるあの巻き戻しの現象を、悟は「再上映(リバイバル)」と呼んでいます。

 

「大体1〜5分くらい前に戻り、何度も同じ光景を見る」

 

「決まって何か悪いことが起きる直前だ」

 

「まるでお前が防げと誰かに強制されているように」と悟は考えます。

 

悟は今まで何度となくトラブルを回避してきました。

 

「しかしそれはあくまで、「マイナス」だったものを「プラマイゼロ」にする行為で、自分にとって、むしろ「マイナス」に働くこともある」と悟は考えています。

 

タクシーで家に帰り着くと、玄関の鍵が空いており、そこには悟の母、藤沼佐知子(ふじぬまさちこ)の姿がありました。

 

『おかえり悟』と佐知子が言います。

 

続けて佐知子は『病院行ったんだけど、あんた寝てるしつまんないからこっち来ちゃった』と言います。

 

すると佐知子は帰って間もない悟に次々に質問を繰り返しました。

 

そしてお皿や食材を買いに行くと言って外へ出ます。

 

その日の夜、佐知子からお驚きの言葉が出ます。

 

『あたし当分ここに住むから、問題ある?』

 

その言葉を聞き悟は『なんだそれ?なんでだよ』と明らかに動揺します。

 

『俺だって仕事も漫画もあるんだぞ』と悟はなんとかそれを阻止しようとします。

 

しかし、佐知子の話術に言いくるめられ、『ぐぅ』とぐぅの音を漏らす始末です。

 

「昔から自分勝手に色々決めてきた、今回もここを拠点に観光するつもりだろ。うざいところは変わってねぇ」と悟は考えます。

 

『ホテル行けよ』『入院代返すからそれを宿代に』そう言う悟に対し佐知子は

 

『悟、上野って電車一本で行ける?』と言う。

 

「・・・妖怪め」と悟は引いています。

 

その日の夜。『悪いね、布団とテレビもらっちゃって』と佐知子は言います。

 

悟は『あぁ、いいよ』と言いつつも、心の中では「そんなことより、夜中トイレに行くとき気を使う方が嫌なんだ」と考えます。

 

すると佐知子は『夜中トイレ行く時、気を使わなくていいからね、あたし起きないからさ』と言います。

 

悟はまたしても、「・・・妖怪め」と思うのでした。

 

その時テレビでは、行方不明だった女の子が保護されるニュースが流れていました。

 

それを見て佐知子は、『悟さ、覚えてる?』と聞きます。悟が『何?』というと佐知子は昔起きた事件について語りました。

 

『あんたが小学五年生だったかの時、近所で起きた事件』

 

『今でも時々テレビに取り上げられるわりに、記憶薄いだろ』

 

『周りの大人も必死だったのさ、あんたたちから事件の記憶を少しでも取り除こうとしたんだ』

 

続けて佐知子は、『悟、危ないところだったんだよ』と言いました。

 

一人になった悟は、事件のことを考えていた。

 

「事件もそうだが、小学校以前の記憶が全体的に薄い、忘れさせられた?」

 

「いや、少し違う」と悟は考えます。

 

そして悟は昔を思い出していた。

 

「幼い頃、ユウキさんというお兄さんがよく遊んでくれたこと」

 

「ユウキは本名ではなく、勇気を連発するからだったこと」

 

悟は、周りの友達の遊びに混ざることができず、いつも遠くから見ていました。

 

そんな悟にユウキさんは、ペーパークラフトの作り方を悟に教えた。

 

悟はユウキさんにとても懐いていたのです。

 

『そうか、悟くんも人間関係が苦手なタイプなんだね』

 

『僕も同じだから気持ちがわかる』とユウキさんが言います。

 

続けてユウキさんは、『君のクラスの人気者のこと当ててみようか?』と言い、悟のクラスの人気者の特徴を見事言い当てます。

 

『すげー』そう言い悟は、なんで分かるの?と言う表情を浮かべます。

 

『人気者になる奴は大抵そんな奴さ。真似してみたらどうかな。恥ずかしがらず、勇気を持って』ユウキさんはそう言って悟を勇気づけます。

 

後日、ユウキさんの提案のおかげで友達ができた悟は、グループの友達からこんな話を聞きます。

 

『なぁなぁサトル知ってた?』『泉水小にも行方不明になった女子がいるんだって』

 

『え!?本当?』悟は驚きます。

 

そしてグループの一人が言います『雛月だけじゃなかったんだ』

 

そこで秀才のケンヤが口を開きます。

 

『先生たちの言う、雛月は家出して祖父の家行ってるっていうのが嘘だって証拠だ』

 

ケンヤが言うには、泉水小の女子も「家出」ということにされているようです。

 

『これは、連続誘拐事件だ』ケンヤが言います。

 

『怖い』一人がそう言うと、『大丈夫、犯人は女子小学生を狙う変態だ』とケンヤが収めます。

 

そして、次の日は「アジト」に集合することを約束し、その日は解散します。

 

ここで悟の回想に入ります。

 

「一つのことを思い出すと、芋づる式に他の記憶も蘇ってくる。思い出せないことの方が多いが、一つ確かなことを思い出した」

 

「俺はこの事件に自分で蓋をした」

 

「忘れたかった」「誰が何をしたのか」

 

「誰が何をされたのか」「忘れたままでいたかった」

 

「事件から半年後、連続誘拐殺人犯としてつかまったのは」

 

「白鳥潤、当時23歳、2006年5月現在、確定死刑囚」

 

「1988年3月から6月にかけて、小学生女子2名、小学生男子1名を殺害した」

 

「・・・ユウキさんだ」

第3話 死神

悟の回想から入ります。

 

「あまりにも身近に起こった事件」

 

「小学生だった自分には到底受け止められなかった事柄だったことは、はっきりと自覚できる」

 

「それを俺は今思い出したいのか?」「作家としての興味か?」

 

「もう大人になったから?」「別に、もう一度忘れてしまっても構わないんじゃないか」

 

「でも俺は、その本(昭和の重大事件誌)をとっていた」

 

本屋さんから出た悟は、頭を冷やそうと自販機で飲み物を購入します。

 

『腰に手当てて何飲んでんの?』声をかけてきたのは片桐でした。

 

『オ◯◯ミンC』悟が答えると、片桐は頭と体の状態を聞きます。

 

『もともと全然大丈夫だよ』悟が言うと、『じゃ早くバイト来てよ!人手が足りなくてテンテコマイだよ』と片桐が言います。

 

悟が、今からバイト先に挨拶に行くことを伝えると、片桐は仕事に戻って行きました。

 

『すみません店長、色々お世話になってばかりで』悟が言うと

 

『いーから気にすんな。また明日から頼むよ』と店長は気遣う言葉をかけます。

 

挨拶を終え外に出ると、仕事を終えた片桐と会いました。

 

他愛もない話をしながら帰っていると、左手に見えたビルを見て片桐が言います。

 

『あ、このビル取り壊すんだ。レトロでいい感じだったのにな〜』

 

『レトロ趣味とかあんの?』悟が聞くと

 

『て程でもないけど、新しいものって味なくない?』片桐が答えます。

 

悟が応えようとしたその時

 

「どくん」

 

『あ、このビル取り壊すんだ。レトロでいい感じだったのにな〜』片桐が言います。

 

悟は確信します。「リバイバルだ」

 

また、時間が巻き戻ったのです。悟は周りを見ながら同じ道を歩きます。すると

 

「どくん」

 

『あ、このビル取り壊すんだ。レトロでいい感じだったのにな〜』片桐が言います。

 

またもやリバイバルが起きました。

 

悟はビルを眺め「ま、ここで鉄板だろう」と答えを出します。

 

悟はビルの中に入っていきます。

 

片桐は困惑の反応を見せつつ後をついていきます。

 

「どこだ」悟は原因を探します。

 

「ついこないだリバイバルに遭ったばかりなのに、性懲りも無くまた首を突っ込んじまった。俺の馬鹿野郎!」

 

悟は自分を責めながら階段を登っていきます。

 

『藤沼さん、どこ?』

 

片桐は藤沼を見失ったようです。

 

『おい!誰かいるのか!?返事をしろ!』

 

悟は声を荒げながらビルの中を見て回ります。

 

「なんで俺は駆けずり回ってんだ。危険な予感しかしねぇってのに」

 

「またひどい見返りがあるかもしれねぇのに、なんで・・・」

 

「俺は・・・」悟は考えます。

 

『おい!誰かいないのか!』悟は声を出しながら走っていると、3つのランドセルが地面に置いてあるのを見つけます。

 

悟はゾッとします。

 

「子供か・・・!」「もっと上の階だ・・・!叫んだのは逆効果だったか」

 

『おい!お前たちそこを動くな!』と悟は言い、こんな言葉逆効果だとすぐ後悔します。

 

そして悟が上の階に上がった瞬間、子供が上から落ちてきました。

 

偶然にもその階にいた片桐が『えいっ!』と言う掛け声とともに子供をキャッチします。

 

しかしその衝撃はものすごく、片桐ごと下に落ちそうになります。

 

「だめだっ、落ちる」片桐は思います。

 

すかさず後ろから悟が引っ張り、ギリギリのところでことなきを得ました。

 

小学生を連れて外に出ると、片桐が言います。

 

『だめだよ!こんなとこで遊んじゃ!』『何してたの?』

 

すると小学生は『隠れ家ごっこ』と答えます。

 

続けて片桐は、『イジワルで言ってんじゃないんだよ、入っちゃいけない場所っていうのは、ちゃんと理由があるんだから』

 

それを聞いていた悟は、「なんだか俺も昔こんなこと言われた気がするな」と頬に汗をかいています。

 

そして片桐は、このことは内緒にする代わりに、危ない場所ではもう遊ばないことを約束させ、この場はおさまりました。

 

『藤沼さんありがとう』と感謝する片桐に対し悟は、

 

「俺のせいで起きたわけではないが、なんだかバツが悪い」と思いました。

 

『愛梨さー、腕痺れてガッタガタだよ』片桐が言い、ここで悟は片桐の下の名前がアイリであることを知ります。

 

悟が『明日か明後日筋肉痛かもな』というと、

 

片桐が『今度は愛梨の番かよ〜、ホント男の子ってさ、危険な場所で遊ぶの好きだよね』と言います。

 

ここで悟は、片桐の一人称が「私」から「アイリ」に変わったことで、距離感が少し近づいたのかも、と感じます。

 

すると、続けて片桐が『藤沼さんの危険なおせっかいもその延長みたいだよ』と笑いながら言います。

 

「お節介の一言でバッサリか・・・」

 

「遊びじゃねーけどな」と悟が考えていると、

 

『助けてもらっといてこんなこと言うのもなんだけど、藤沼さんってもしかして、死神?』

 

片桐のセリフに悟は、「ちょっと距離感が近くなったと思ったら死神かよ!」と、やっぱり距離感が掴みづらいと考えます。

 

片桐とは解散します。

 

ここで悟の回想に入ります。

 

「隠れ家(アジト)か、子供のころ、友達ができるようになってから、いくつか覚えがある」

 

「大人が近づくなと言う場所を選ぶのは必然だし、そこで今日みたいな事件が起こるのも、必然と言える」

 

「子供だけの特別な場所」

 

「アジトに出入りする時は、大人に見つからないか、いつもスリルがあった」

 

「河川敷にあるアジトの近くではいつも、ユウキさんがペーパークラフトの飛行機を飛ばして遊んでいた」

 

「みんなはユウキさんを警戒していたので、僕の方から声をかけることはなかった」

 

「ユウキさんもそんな僕に(多分)気を遣って、声をかけてきたりはしなかった」

 

「ただ、ふと目があった時だけ、ユウキさんは微笑んでいた」

第4話 誘拐未遂

悟の回想から入ります。

 

「幼い頃、他人が自分に優しくしてくれる理由がわからなかった」

 

「そこには確固たる理由などないのだから、わかるはずなどないのだが」

 

「笑いかけてくるクラスメイトや、他人を心配する他人の感情が、理解できなかった」

 

「普通の子供のような態度を取れるようになったのは、様々な要因が、自分の中で合致した時だった」

 

「友達ができたから笑顔になるのではなく、笑顔で人と接していたら、友達ができた」

 

「自分にも人と同じことができた」

 

「最初は真似事だった態度だが、いつの間にか自然に怒ったり笑ったりできるようになっていた」

 

「そんな頃に起きたのが、連続誘拐殺人事件だった」

 

「犯人逮捕後、僕らの頭の中から事件の記憶を消そうと、教師や母を含む保護者たちは必死になっていた」

 

「それは功を奏し、子供たちは皆事件の話をしなくなり、思い出すこともやめたようだった」

 

「だが自分の場合、大人たち以上に自ら必死で心の奥に封じ込めた」

 

「いなくなったクラスメイト」「捕まった犯人」

 

「しかし本当に忘れてしまいたかったのは、事件そのものではなく、自分の心の中の」

 

「ある一つの思いだ」

 

ある日の昼、悟と佐知子はスーパーで買い物をしていました。

 

買い物が終わり駐車場を二人で歩きます。

 

悟が『いくら何でも買いすぎじゃね?大体二人分でもいいのになんでこんな買い込むんだよ』と言います。

 

それに対し佐知子が『二人分?まあカレーは何日も食べれるっしょ、千葉は物価高いけどこの店は安いしさ』と言います。

 

すると『ウワァァン』とアイスを落とした子供が泣き始めました。

 

『だから走るなって言ったのに』とお母さんが注意をします。

 

同タイミングでどこからともなく片桐の声が聞こえてきます。

 

『藤沼さーん!これ落とし物!』そう言って近づく片桐でしたが、段差につまづき転けてしまいます。

 

次の瞬間、「どくん」

 

『ん、悟なした?あはは、荷物が重すぎたかい?』『千葉は物価高いけどこの店は安いからさ』と佐知子が言います。

 

そう、「リバイバル」が起きました。

 

「このタイミングでリバイバルかよ」と悟は考えます。

 

泣き喚く子供、こっちに近づく片桐、「違和感を探せ」と悟はリバイバルの原因を探します。

 

「アイリか!?」そう考えた悟は『片桐くん!走るな危ない!』と言います。

 

「違ったか?」「マズい、判らない」「なんだ、何が起こる?」「正直こりゃあお手上げだぞ」

 

「どくん」もう一度リバイバルが起きます。

 

すると悟は、「こうなりゃ猫の手でも借りるしか」と考え『母さん、周り見てくれないか』『ちょっと、変な感じがしないか?』と言います。

 

佐知子は『何言ってんのあんた。そういや、前にも同じようなこと言ったこと時があったね、まだうちにいた頃。あん時は、ボヤ騒ぎ・・』

 

話すのをやめ、佐知子は何かに気づきます。

 

佐知子の視線の先には、大人の男性が小さな女の子と手を繋いでいます。

 

男性は佐知子の顔を見ると、明らかな動揺を見せます。

 

「こっちを見た・・いや気づいた?」佐知子は考えます。

 

『藤沼さん!これ、落とし物!』悟は近づいてくる片桐に気を取られます。

 

佐知子が見ていた男性は、小さな女の子を残し、車に乗りその場を離れます。

 

悟は、リバイバルが起こらなかったため「変わったか?何か起こったのか」と考えます。

 

「時は進み始めたが何も起きない。いや、もう何かは回避されたのか?」

 

「何故だ、多分・・・お袋が何かに気づいたからだ」と考えます。

 

帰り道、黙って歩く佐知子に片桐は気まずそうにします。

 

その様子に気づいた佐知子が、『ごめん、考え事してた』と謝ります。

 

『アイリさんだっけ?カレー作るけど食べて行かない?』と佐知子は片桐を家に招きます。

 

片桐はそれを喜んで承諾し、三人で家に帰ります。

 

帰り道、先程の男性が物陰に潜み、幸子を見つめていました。

 

三人は家に帰り一緒にご飯を食べています。

 

食べ終わって悟は片桐を駅まで送ります。

 

佐知子と二人になった悟は、昼間のことについて聞きます。

 

悟が『そういえば、昼間の件だけど、駐車場で何か気づいたことある?』と聞くと佐知子は

 

『誘拐事件が未遂に終わったよ』と言います。

 

『なんだって!?』と言う悟に対し佐知子は『・・・冗談に決まってるべさ』と言います。

 

佐知子は考えます「あの目の男を、私は知っている」

 

「誰だっけ、いつ見たっけ、何故あの目を覚えてる?嫌な感じがする」

 

「覚えているのは気持ち悪さとペアだからだ。なんだろう。ここまで思い出せないのはなぜ?きっとそれがヒントだ」

 

考え込む佐知子に悟が話しかけます『母さん、物騒な冗談はやめてくれよ。その話は、また明日な。おやすみ』

 

一人になった悟は考えます。

 

「お袋の言葉が冗談なんかじゃない事は、あの時の話し方や態度からも、長年の付き合いで俺にはわかる」

 

「だが、冗談じゃなくても信じがたい話だ」

 

「俺も何度か人の命を救ってきたけど、人に話してもやはり信じてはもらえないだろう」

 

「誘拐という言葉と、最近やたらと思い出す、18年前の記憶が妙にシンクロしたせいか、気がつくと俺はその本を開いていた。そして、思い出してしまった」

 

「犯人、ユウキさんこと白鳥潤が殺害した三人の小学生。雛月加代、中西彩、そして杉田広美」

 

「女の子のような顔立ちと名前で、やはり俺のように友人関係が不得意だった」

 

「ヒロミだ」「俺が一番忘れたかった人間だ」 と悟は考えます。

 

ヒロミは悟たちがアジトに行くのを反対していたようです。

 

そんなヒロミに悟は『わかったよ。好きにしなよ』と言う言葉をかけてしまっていました。

 

「違う言葉をかけるべきだった。ヒロミは僕らのグループから離れていき孤立していった」

 

悟は後悔しています。

 

「アジトの近くに来てた日もあった。声をかければよかった。ヒロミにもう会うことができないと知った時、母に一度言った言葉がある」

 

「それこそが、自分が一番忘れたかった思いだ。そしておそらく、母が俺から本当に消そうとしていたものではなかったか?」

 

「僕なら助けられたはずなのに」

第5話 真犯人

小学生時の悟と佐知子の会話から始まります。

 

『ただいまー!ねーねー今日お祭りだよ!行くっしょ?』悟が言います。

 

佐知子は浮かない様子で下を向いています。顔と手を怪我している様でした。

 

悟が『手、なしたの?』と心配そうに聞きました。

 

佐知子は悟に気づき、『あ、悟おかえり。社長がさ、結婚しろってうるさいから引っぱたいたら手の方怪我しちゃったさ』と言います。

 

『お母さん・・・』と悟が心配そうにすると、佐知子は『あはは』と笑い、『冗談に決まってるべさ』と言います。

 

続けて、佐知子は悟に心配をかけぬよう、『おいで悟、転んじゃっただけだ。もう痛くないよ。お祭り行こうか』と笑顔で言います。

 

すると悟は嬉しそうに『うん!』と答えます。

 

悟は大いにお祭りを楽しんでいます。

 

帰り際、仮面屋さんの前で立ち止まる悟に、佐知子は悟が好きなヒーローの仮面を買ってあげました。

 

悟は『いいの!?やったー!やったー!』と、無邪気にはしゃいでいました。

 

ここで現代の悟の回想が入ります。

 

「その翌日から母はしばらく仕事に行く事はなかった」「馬鹿だった俺は、母が家にいることが嬉しかったっけ」

 

「あの日、お袋は社長と揉めて、数年間世話になった土建屋を辞めてきたんだ」

 

「冗談に決まってるべさ」

 

「お袋がこれを言うときは、本当のことを言っている時だ」

 

「昨日のリバイバルの後お袋は言った。お袋が誘拐と言う言葉を使うくらいだからおそらく事実だ」

 

「俺には話してくれても良さそうなんだが、お袋も迷っているのかもしれない」

 

「僕なら助けられたはずなのに」

 

「18年前の俺のこの言葉が、お袋を頑なにさせてしまったのだろう」

 

「だが気になる。リバイバルは2回起きた」「本当に誘拐が起きていたとしたら、2回目で未遂になった」

 

「お袋が目撃していることを犯人の方も気づいたからだ」「それだけのことか?」

 

「あの後のお袋の様子が何か只事じゃないように見えたが、誘拐を目撃したんじゃ当然のことか」

 

「きちんと説明してくれねぇせいで、モヤモヤする」

 

そして悟は、家に帰ったら事件のことについて、幸子に問い詰めることを決めます。

 

一方スーパーで買い物をしている佐知子も、事件のことについて考えています。

 

「一見親子にしか見えなかったけど、だったら置き去りにするわけない。あれは間違いなく誘拐だ」

 

「あたしと目があったから連れ去るのをやめた。あのパーカーを着た男」

 

「誘拐を断念したのは、慎重だからではない。あたしがあの目を知っていると認識したように、あいつもあたしを認識したんだ」

 

「あの反応は、見られた!じゃなくて、知り合いに見られた!だべ・・・」

 

「あの目と気持ち悪さはペアだったっけ」

 

「この気持ち悪さはどこから来てる?」

 

『あ、判った』と佐知子が言います。

 

ここで佐知子は、一度自分が誘拐の疑いから外したものであるから思い出せないのだ。いうことに気づきます。

 

そして佐知子は買い物をやめ、その足で図書館に向かいます。

 

18年前の事件の資料を開いた佐知子はまたしても、『あ、判った』と言いました。

 

そして佐知子はあの目の男を思い出します。

 

そして、「18年前に起きた連続誘拐殺人事件の犯人、本当に白鳥くんじゃないのかも」と考えます。

 

そして佐知子は、警察に行くべきか、葛藤します。

 

「あたしの話を信じてもらえるか」「昨日のが誘拐であったと証明できるか」と考えます。

 

そして今の状況では警察は動いてくれないと判断します。

 

そして佐知子は誰かに電話をかけます。相手はこの時点では分かりません。

 

家に着いた佐知子は考えます。

 

「18年前の事件は無効だ。けどあの様子は、かなり手慣れている」

 

「同じ様な手口で何度も犯行を繰り返しているに違いない」

 

「今現在行方不明になっている子供の何人かは、あの男の手にかかっているかもしれない」

 

「18年前の事件は、まだ終わっていない」

 

そして佐知子は、悟ときちんと向き合い事件のことを話すことを決断しました。

 

すると、家の玄関が開く音がしました。

 

佐知子が『悟・・』と振り返ったその時です。

 

佐知子が背後から包丁で刺されます。

 

倒れる佐知子を見下ろしているのは「あの目」の男です。

 

佐知子は言います『あぁ、やっぱり・・・』

 

『悟に・・・電話しなくちゃ・・帰ってくるなって』『そして・・・謝らなくちゃ』

 

そう言って佐知子は、ユウキさんこと白鳥が捕まった時のことを思い出しています。

 

『犯人はユウキさんじゃない!』と涙目で何度も何度も主張する悟に対し佐知子は、犯人は捕まったから全てを忘れるように諭しました。

 

そして倒れている佐知子は言います『あの時、最後まで信じてあげるべきだった・・・』『警察が信じなくても、周りが信じなくても、せめて、あたしが・・・』

 

『信じてあげなくちゃいけなかった。悟・・・ごめんね』

 

『忘れてなんて言ってごめんね、お母さんが間違ってた・・・』

 

『信じてあげたかった・・・信じてあげられなかった・・・』

 

『あたしがこいつ(真犯人)を・・・野放しにしてしまった・・・』

 

悟との思い出を、蘇らせ、佐知子は何度も悟の名前を呼びます。

 

『悟・・・』

 

『さとる・・・』

 

『柔らかくて、優しくて、甘えん坊で、あったかい』

 

『悟・・・』

 

佐知子は、息を引き取りました。

 

しばらくし、バイト終わりの悟が帰ってきます。

 

半開きのドアを見て、『しょうがねぇなぁ』と言います。

 

部屋についた悟は『母さん!何やってんだ北海道の実家じゃねーんだぞ!』『鍵・・・くらい・・・閉め・・・』

 

倒れる佐知子を見た悟は言葉を失います。

 

悟は言います『嘘だろ・・・』

 

『おい、返事しろよ、やめろって、起きろよ・・・』

 

『言えよ、冗談に決まってるべさって・・・』

 

『・・・母さん』

 

幼少期の回想が流れます。

 

「母さん、いつも俺は待っていた」

 

「甘やかされた、優しかった、厳しくもされた、怖かった」

 

「忙しかったはずなのに、随分と遊んだ思い出がある」

 

「あの時以来、俺はあんたを避けてしまった。理解されないと思ったんだ」

 

「でも俺も覚えていないような俺のことを覚えてくれていた」

 

「母さん」

 

「かあさん・・・」

 

「かあさん・・・!!」

第6話 逃亡者

『死ぬな!母さん!』『目を覚ましてくれ!』悟は必死に呼びかけながら心臓マッサージをします。

 

「だめだ・・・」悟は心配蘇生は無理だと悟りました。

 

「何だこれ?」「何だこれ?」「何だこれ?」悟は相当に混乱しています。

 

『ホントに・・・死んじゃったのか?母さん・・・』悟は語りかけます。

 

悟は考えます。

 

「助けられねぇのか・・・?」

 

「そうだリバイバル・・・」

 

「今だろ!?今来ねぇでいつ来んだよ、来い・・・!」

 

『何のためのリバイバルだよ!!来い!来いよ!』悟は叫びます。すると

 

「どくん」

 

リバイバルが起き、時間が戻りました。

 

リバイバルが起きたことを悟は確信します。

 

「リバイバルだ!」「ホントに戻りやがった、助けられるぞ!!」悟は走り出します。

 

『母さん!』家に着いた悟が勢いよくドアを開けます。

 

しかし、そこには先ほど同様佐知子が倒れています。

 

「何だ?何だこのリバイバル!?」

 

「もっと前だ!もっと前の時間に戻れ!馬鹿野郎!」悟は怒りをあらわにします。

 

悟は考え込みます。

 

「いつもは事件が起こる前にリバイバルが起こる」「今回のはお袋が死んでから起きている」

 

「どうやっても間に合わないってことか・・・」「何でもっと前にもどらねぇんだ!」

 

「どうすりゃいい?俺は何をすればいいんだ」「救命はだめだった。他に・・・」

 

『あ・・・』と悟は何かに気づきます。

 

「そうか!犯人がまだすぐそばにいるんだ!」と悟は考えます。

 

外を見ると、隣の大家さんの家の庭に男が潜んでいます。

 

「居た!」悟は犯人を見つけます。

 

『逃がすかこのやろう!』そう叫び悟は犯人を追います。

 

ただならぬ様子を目撃した大家さんは警察に通報します。

 

「こいつ、こいつ・・・!よくもお袋を!」「殺してやる・・・!」悟はすごい形相で犯人を追います。

 

犯人を追い、庭の塀を飛び越えると、そこには犯人の姿はありません。

 

「居ない・・・!」「どっちへ行った」「嘘だろ!?」悟は周辺を探します。

 

「逃したのか?」「冗談じゃねぇ、ふざけんな!」「どこだ、どこへ行きやがった!」悟は焦ります。

 

その時、バイクがこっちに向かって走ってきます。悟は犯人かもしれない、バイクの前に飛び出します。

 

しかしバイクに乗っているのは犯人ではなく警察でした。

 

『何をしてるんだ君は!』警察が呼びかけると、『すみません』と悟は言います。

 

そして悟は腕に佐知子の血がついていることに気がつき、隠します。

 

警察が不審がる目で見てきたため、悟は走りだします。

 

『ちょ、ちょっと待ちなさい!君!』という警察の静止を無視して悟は路地裏に逃げ込みます。

 

「畜生!」「畜生!」

 

「逃しちまった・・・お袋を殺した奴を・・・!」逃げながら悟は犯人を取り逃したことを嘆いています。

 

『クソォ!!』そう言って悟は床をどん!と叩きます。

 

「目の前にいたのに、俺は・・・なんてマヌケなんだ」

 

「俺が奴を必ず見つけ出してやる」そう考え悟は今までの出来事を整理し始めます。

 

「少し、冷静になれ」そう自分に言い聞かせ、悟は考えます。

 

「奴との距離が近かったために油断した。すぐ捕まえられると思ってしまった」

 

「あいつは土地勘のあるやつだ・・・」

 

「それより、お袋はなぜ殺された?」「昨日の事件と関係あるに違いない」

 

「誘拐犯が目撃者であるお袋を処分したんだ」「家までつけられていたってことだろうな」

 

「てことは、俺とアイリが狙われるかもしれないってことか?」

 

「奴が俺たち3人が同じ家に入っていくのを見てたなら、その可能性は結構あるぞ」

 

「だが・・・それならなぜ家の中に隠れて俺を待たない?」

 

「簡単に俺を殺せたはずだ」

 

「なぜ大家の家に隠れていた?」

 

「俺を殺すつもりがないならなぜさっさと逃げない?」

 

ここで警察のサイレンが聞こえてきます。そして悟は気付きます。

 

「そうか!やられた・・・!」「俺が母親殺しの犯人だ・・・!」

 

「狡猾なやつ・・・!」「殺人事件を起こしておいて、犯人まで用意するとは・・・」

 

「状況から考えても、客観的に見て俺が一番の容疑者だ」「逃亡の様子を大家に見られている」

 

「マズい、逃げないと・・・」

 

「今捕まったら、警察は俺を犯人にしちまうだろう」

 

悟が考えているその時です。

 

『ここで何をしているんですか?』後ろから誰かが語りかけてきました。

 

「マズい、警官か!?」と悟は焦ります。

 

「畜生、お袋を殺された上に殺人犯になるのか?」

 

「冗談じゃねぇぞ、奴を見つけ出すまでは、逃げなくては・・・」

 

「どう切り抜ける・・・!?」

 

「リバイバル・・・起きろ!」

 

悟はリバイバルでしかこの状況を変えられないと考えます。

 

「さっきみたいなハンパなのじゃだめだ!ちゃんと戻れ!戻れ!」

 

「戻れ!」「戻れ!」「思いっきり・・・戻れ!!」

 

「どくん」

 

「どくん」

 

「どくん」

 

リバイバルが起き、あたりは明るく、雪が降っています。

 

『・・・昼間になった!!』

 

『リバイバルだ・・・』『お袋を助けられるぞ・・・!』

 

悟は喜びます。

 

しかし悟は、周りの景色に違和感を感じます。

 

『ここはどこだ?見覚えあるけど、なんか妙だぞ?』

 

悟は考えます。

 

「俺はどこへ向かっている?」「知らない街じゃないが・・・」

 

「変だ・・・」「変だぞ・・・」

 

すると後ろから、『ようっサトル。急がないとチコクするぞ』

 

ランドセルをからった小学生が話しかけてきました。

 

「はっ」ここで悟は何かに気付きます。

 

『嘘だろ?』

 

『昭和63年!?』

 

終わり。

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