本記事はこんな疑問を解決します。
ご紹介する方法は、登録不要でもちろん合法です。違法手段ではないので、安心してください。
『史上最強オークさんの楽しい異世界ハーレムづくり』は漫画アプリ『マンガワン』で全巻無料で読める?
いきなり、結論です。
『史上最強オークさんの楽しい異世界ハーレムづくり』は、こちらの小学館が運営する漫画アプリ『マンガワン』にて全巻無料で読むことができます。
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『マンガワン』は小学館が運営する公式アプリなので安全に利用できます。アプリをダウンロードする際もお金は一切かからないので安心してください。
『マンガワン』では、このように『史上最強オークさんの楽しい異世界ハーレムづくり』を無料で読むことができます。
安心安全に、そしてタダで『史上最強オークさんの楽しい異世界ハーレムづくり』を全巻無料で読破したい方は『マンガワン』を使う方法が最もお得です。
また『マンガワン』では、『史上最強オークさんの楽しい異世界ハーレムづくり』以外にも
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こちらの記事では、👇特にオススメする漫画アプリを厳選してランキング形式でご紹介しています。「無料で多くの有名漫画を読みたい」と思っている方はぜひ一読してみてください。
次に『マンガワン』の使い方(システム)を簡単にご説明します。
『マンガワン』の使い方を簡単に紹介
マンガワンを無料でお楽しみいただくには、以下の『ライフ』と『SPライフ』の使い方をマスターしておくだけでKOです。
簡単に説明していきます。
『ライフ』とは?取得方法と使い方を解説
- ライフとは、アプリ内で漫画を読むために必要なアイテム
- 朝9時、夜9時に4ライフずつ配布される(1日計8ライフ貰える)
- 1ライフ消費で好きな作品(漫画)を1話無料で読むことが出来る
以上が簡単なライフの取得方法と使い方の説明です。
つまり毎日、計8枚配布されるライフを使って1日に8話分の作品をタダで読めるシステムです。
但し1点だけ注意があり、ライフを4つ以上貯めこむことは出来ません。
朝9時に4ライフが配布され、その4ライフを使わずに夜の9時を迎えたとしても新たにライフが加算されることはないので注意が必要です。
『SPライフ』とは?取得方法と使い方を解説
- SPライフとは、アプリ内で漫画を読むために必要なアイテム
- ライフがなくなってしまった場合でもSPライフを使用することで好きな作品(漫画)を1話無料で読む事が出来る
- 新規ダウンロード特典でSPライフが50枚付与される
- 毎日、短い広告動画を1度見るだけでSPライフが1枚付与される
以上が簡単なSPライフの取得方法と使い方の説明です。
下記画像のように新規ダウンロード特典では、SPライフが50枚無料配布されます。(50話分)
そして毎日、短い広告動画を視聴することで漏れなく1SPライフを取得することが出来ます。(アプリを起動すると↓の画面が表示されます)
つまり『マンガワン』を新規ダウンロードした暁には特典で貰えるSPライフ50枚で好きな作品を50話(巻数にして6~7冊分)を一気に読破できてしまうのです。
控えめに言わずとも読者ファーストの神アプリ。是非、一度試してみる事をオススメします。
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『史上最強オークさんの楽しい異世界ハーレムづくり』は面白い?世間の感想調査!
🐥史上最強オークさん楽しい異世界ハーレムづくり
可愛い女の子を孕ませ、ハーレムを作るために、最強を目指す物語。お母さんのぶっ飛び具合や、修業編、冒険編と、ストーリーが読んでて面白い。絵も綺麗で読みやすく、ハーレムですが、セクシー描写はほぼなし。おすすめ! pic.twitter.com/wn25HrfwNt
— チキン@異世界マンガ (@chicken_0331) July 7, 2021
『史上最強オークさんの楽しい異世界ハーレムづくり』★★★☆☆
ハーレムを作るために強くなるオークと人間のハーフのお話。
オークの能力や強くなりたい動機がバカバカしくて面白い。修行で習得した技能を持て余しそうなのと、異世界転生の設定はいらなかった。構成と今後の展開次第ではバケる。 pic.twitter.com/gdp5ytHIwb— マンガ1巻の感想書くだけのやつ (@manga_yomise) August 27, 2021
「史上最強オークさんの楽しい異世界ハーレムづくり」第一話からトチ狂っててなかなか面白い
— una@創作垢 (@Doh9Dj) September 10, 2020
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『史上最強オークさんの楽しい異世界ハーレムづくり』あらすじ紹介!
異世界に転生してしまった。
主人公、オルクは勇者ではなく、はては人間でもなく、オークに転生してしまったのです。
オークの族長と人間の女騎士とのハーフであるオルクは外の世界も知らずに、生きてきました。
しかし『族長集会』という他の種族の長とが顔を合わせる会で、他の種族のエルフ族や犬人族の女の子(メス)を知りました。
オルクは早速仲良くなろうとしますが、オークというのもあって他の女の子には避けられ続けてしまい、玉砕します。
そんなわけで、女の子に好かれる、もとい堕とすために魅力あるオークになるために強くなる修行を始めるのでした。
そして四年後、成人したオルクは一人ハーレムづくりの旅に出るのでした。
『史上最強オークさんの楽しい異世界ハーレムづくり』wiki的な登場人物紹介!
オルク
黒髪と細身の体をした精悍な男です。
今作の主人公です。
転生者として異世界にやってきたオルクは半分オーク、半分人間という珍しいキャラクターです。
オルクは最初、自分の住む村しか知らず、オーク面の女の子だけしか知らずに生きてきました。
ですが、初めて目にした外の女の子を見て、孕ませてみたいと本能的に感じたオルクは積極的に話に行くのですが、オークという種族的なレッテルもあり、結果は惨敗。
これを機にオルクはモテるために修行を始めるのでした。
基本的には嘘をつくこともなく、誠実な性格ではありますが、性欲にも嘘をつくことはなく、たびたび蔑まれています。
しかし根は熱く、惚れた女の子が危機に陥れば、命をもいとわない勇気も持っています。
権力に興味がなく、自分の目標であるハーレム作りに没頭しています。
ミレーユ・フォーランド
ブロンド色の長い髪の毛を後ろで束ねた美女です。
オルクの母親であり、先代の勇者として活躍していました。
通り名を『蒼雷の勇者』として、のちのオルク父親になる魔王に勝負を挑み、敗北したことによって魔王に惚れるというなんともびっくりな馴れ初めを持っています。
フォーランド王国という大国の姫でもあり、元は王女になる予定の人物でもありました。
性格は誰にでも優しく、元姫というのもあって気品のある口調ではありますが、その口からは耳を疑うような直接的な下ネタなども飛んできます。
思考的には戦士のそれであり、しかもオークよりの考えを持っている風にも取れる場面がいくつか存在します。
しかし愛する息子のためには鬼にも、天使にもなる親バカといえるでしょう。
ヘルフ・ランドール
髪の毛の真ん中がはげた中年の男で、ふくよかな体型と片眼鏡が特徴的な人物です。
ランドール商会という街でも多くの商品を手広く扱っている大商会の長をやっています。
その商才で一代にして最大規模の商会を作り上げた『商人の神様』として登場します。
ミレーユによって呼ばれたオルクを最強に鍛える教師の一人です。
主に計算や商人としての心得をオルクに教え込みました。
ローランド・ベル
筋肉質の体とたくし上げられた髪に、軽装備。
勇者として活躍していた時代のミレーユのパーティメンバーの一人です。
気を扱い、拳では世界最強の男です。
オルクを最強に鍛えるためにミレーユが呼び出した教師の一人です
主に気の扱い方をオルクに教え込みました。
性格は陽気で、軽薄なイメージがありますが、頼れる兄貴という印象を受けます。
そのチャラい性格も、ミレーユの前では委縮してしまうようです。
ヴァレオ・フォーランド
白髪でひげを伸ばした老人です。
フォーランド王国の先王であり、『賢王』ともたたえられています。
そしてミレーユの祖父であり、オルクの曾祖父にあたります。
ミレーユがオルクを最強にするために呼んだ教師の一人です。
主に帝王学、政治、法律、歴史についてオルクに教え込んだ人物になります。
性格は才能のあるものにはとことん愛をそそいであまいですが、その逆に才能のない者には無関心で冷たいようです。
マリン・エンライト
長い黒髪と黒いロングコートを着こんだ長身の男です。
昔からある物語や伝説に名前が出てくるほどの大賢者であり、五人の義娘をもつ父親でもあります。
反則級の魔術をいくつも持っており、オルクの暴走する力を押さえつける封印を施した張本人であり、ミレーユの師匠でもあります。
その体は万能スライムというなんにでもなれるスライムに魂を移して、不老不死を手に入れています。
その顔からは表情が読みづらく、ほとんど真顔でいます。
しかし五人の義娘にはあまく、唯一の弱点とされています。
ミレーユが一生のお願いを使って呼んだ、オルクを最強に鍛える教師の一人です。
主に魔術とオルクの奥の手の封印の開閉を教え込んだ人物です。
性格は普段は希薄で、真顔でさらりと怖いことを言ったりします。
しかし肝心の部分では熱く、声をあらげたり、オルクに餞別を贈ってりと、優しさを感じられる部分もあります。
ティータ
腰まで伸びた長い金髪と翡翠色の瞳。
そして肉付きのよい体。巨乳!!
エルフの里に住む長の孫にあたり、オルクとは囚われた姿で出会います。
競りに出されたティータをオルクが助けたことで村に帰るまでついていくこととなりました。
ティータは母の病を治すために人間の暮らす地域に出向き、その時に奴隷商に捕まってしまいました。
根から優しさがにじみ出るティータは、ハーレムの最初の一員となります。
性格は優しく、甲斐性もあります。
最初こそオルクのハーレムに対して、嫌悪感を感じていましたが、最終的にはオルクに納得するという心の深さも持ち合わせています。
クルル
黄金(こがね)色の髪とふさふさな獣耳、しっぽをもつ狐の獣人です。
体は小さく、少し幼い様子を見せます。
神鉄の一族と呼ばれ、勇者が持つとされる神託の剣を打つことの出来る鍛冶師です。
神託の剣を引き抜くイベントが開催されていた神鉄の一族が住むスラバールで出会います。
最初はオルクの事をオークというだけで、卑猥な想像をしてしまうませた一面も見せておりますが、ハーレムの一員となります。
性格は純真で嫌っていたオルクに鍛冶の手ほどきを受けたり、オルクの才能を認めたり、素直な性格をしています。
ルリネ・フォーランド
赤い癖のある髪と幼い容姿。
フォーランド王国の姫であり、オルクの義妹にあたります。
フォーランド王国がオルクの兄に占拠され、危機に立たされたことでオルクに助けを求めてきました。
幼いながらもその才能はあの賢王ヴァレオ・フォーランドも認めるほど。
国のために、身を挺してオークであるオルクに身を任せる度胸もあります。
性格は計算高く、国のために尽くす献身ぶりも見て取れます。
しかし幼少から訓練された影響か、誰かに頼るということをあまり知らなく、一人で先走ってしまうこともままあります。
『史上最強オークさんの楽しい異世界ハーレムづくり』見どころ紹介!
見どころ① 下ネタ
主人公がオークで、しかもハーレムを目指す主人公です。
最初の一巻時点では、転生前の常識が強く残っているのか、かなりドストライクな下ネタを言う母親に対して苦い顔をしていました。
ですが旅に出た二巻以降はオークよりの考えになってオルクも積極的に下ネタを言うようになります。
下ネタを笑いとして感じられる人は、とても面白いと思います。
しかしいつも下ネタを言っているオルクですが、シリアス回や戦闘シーンはちゃんと主人公をしています。
その下ネタとまじめな部分とのギャップがまた一つの見どころとなっています。
見どころ② パロディ
今作ではたびたび他作品の有名なセリフやシーンがパロディとして登場します。
どれもミームとして普及しているものなので、探してみるのもいいかもしれません。
つい見かけて、クスリと笑ってしまうかもしれません。
見どころ③ 最強オルク!!
旅に出たオルクはハーレムづくりの旅の道中、多くの困難にぶつかります。
ですがそのたびに、最強として鍛えられた技術、伝手、知識を使って乗り越えていきます。
そのなかでも転生者ならではの、前世の記憶を生かして店を出したりしますが、それは始まりに過ぎません。
最終的には学んだ商学を活かして、人を雇い、オーナーとして金を手に入れたりします。
あとは基本的に性欲に忠実なので、女の子を手に入れるためにあらゆる手を尽くして、気に入られようとします。
だいたい空回りしてしまうのですが……。
『史上最強オークさんの楽しい異世界ハーレムづくり』序盤ネタバレ紹介!
第一話 俺が強くなると決めた理由
突然だが、俺は異世界に転生してしまった。
勇者として?否、俺は魔物に転生してしまった。
オークと人間との間に――――
「やーい、お前の母ちゃんは女騎士!」
オークの村
族長の一人息子、オルクはその人間よりの容姿とそのオークにはない非力さから同年代のオークからいじめられていたのです。
そんなオルクにはミレーユという美人な母親がいましたが、そのせいで他とは違い、力もなく体も細い。そんな他人との違いから自分の容姿をコンプレックスとして感じていました。
「オークとして生まれたかった!」
母親を前に、そんな心の内を叫ぶオルクでしたが、ミレーユは笑顔で剣を持ち、真っ向からオルクの意見を否定しました。
不敵な笑みを浮かべるミレーユ。
人間であるミレーユは子供であるオルクよりも筋力的には非力でしたが、ミレーユは一太刀でオルクの背後にある岩や木々を切り倒してしまったのです。
「私は人間で女ですが、こんなこともできます。気、魔力、剣技。これらを扱うことで力は何倍にも強まります。」
ミレーユの言葉には確かな重みと歴史を感じるものがありました。
「オルクが弱いのは、強くなろうとしないからです。」
ぐさりと心に来る一言にオルクは言い返せずに、目をそらすことしか出来ずにいました。
「お母さんと一緒に強くなりましょう。」
だが、それでも強くなろうとはしないオルク。それもそのはず、オルクの暮らす村は基本的には平和そのもの。強さを求めても意味はない。そう考えてしまうのも仕方がないほどに平和でした。
「そんなことでは可愛い子を孕ませられませんよ?」
「笑顔で何言っての!!」
そんなこんなで家に渋々と帰ることになったオルクを迎えたのは、傷だらけの筋骨隆々な体、反り返った二本の角、そして潰れた低い鼻のついた険しい顔。
「ただいま!」
「オカエリ!」
ですがそれもミレーユを前にしては崩れてしまうようです。
二人は顔を合わせるなり、オルクの前で熱烈なキスを披露、これには渋い顔をするオルク。
「ただいま!」
オルクもこの状態を続けたくないようで、挨拶をすると、先ほどまでのキリリとした顔に戻してから、片言で返事をするのでした。
そんな父親から今日は族長集会なるものがあると、告げられます。
各八つの友好関係にある部族同士が親睦を深める機会である。オルクも外の世界を知るいい機会だとミレーユは言いかけますが、本人のオルクはなんだか乗り気ではないようです。
それはオークにある風習によるもの。
他種族のメスを孕ませ、持ち帰る。そうすることで一人前の大人として迎えられる。
といってもすでに廃れた風習ではあるのですが、それをやったたった一人の大人、それが自分の父親ともなるとオルクも引っかかるものがあるのか、憤りを漏らします。
「まるでそれじゃあケダモノじゃないか。」
「それの何がいけないんですか?」
オルクの意見にまたも反論したのは、ミレーユでした。
「嫌がる女を手籠めにするのは三流のやること。」
そう語るミレーユはオルクに優しく語り掛けます。
「押し倒されたとき、女性が本当に嫌がっているのか。体は正直になっているのかを見極める方法……」
「もういいから。」
二人が話しているとほかの族長たちが到着したようです。その顔には族長たりえるだけの貫録を備えています。オルクにとっては初めて見るものばかりでした。
そう外の女の子もまた初めて見るもの。オルクはそのかわいらしさに目を奪われて、先ほどまでの否定的な考えも忘れてしまったようです。
「あの雌(こ)たちが欲しい。」
しかしそう簡単にはいかず、族長集会の後、女の子たちに話しかけたオルクでしたが、徹底的に避けられ、完全に玉砕してしまい、落ち込んでしまったオルクは一人、夜中座り込んでいました。
「俺がオークだからだ。だから嫌われるんだ。」
そう悲観的に涙を流すオルクの意見にまたも反論したのはミレーユでした。
「確かにオークは嫌われ者ですが、それが原因ではありませんよ。あなたが弱いからです。」
ミレーユの一言に信じられないオルクしたが、次の一言に息を飲むのでした。
「オークには強ければ強いほどに、雌にこの人の子を産みたいと思う願望を強める不思議な力があるのです。」
何…だと……。
「つまり、もしオルクが強ければ今日のあの子たちも壁ドン一つで堕とせていたということです。」
母ミレーユの衝撃的な一言に涙を拭きオルクは立ち上がり、強くなることを誓うのでした。
「強くなって、成人して、旅に出る。そして押し倒しまくって孕ませるんだ!」
第二話 女騎士の特訓は少々厳しい
決意を固めたオルクは可愛い子を孕ませるために母ミレーユと修行をすることになったのでした。
早速、善は急げとばかりにミレーユは深夜でもありながら、修行をはじめようとしますが、なんだかんだと駄々をこねるオルクにミレーユはある小瓶を取り出しました。
「疲れや苦しさを感じなくなる薬~!」
なんとも既視感のある怪しげな薬を飲んで、オルクはまずミレーユと一緒に走りこみから始めました。
三時間ほど走り続けて、疑いのあった薬も疲れや苦しさを感じないのは本当らしいとオルク自身感じ始めたころ。確実に蓄積され続ける疲労にミレーユは『リジェネ』という回復魔法をかけます。
動かなくなりつつあった体がもとに戻ることに感心しているオルクでしたが、この走り込みの実態をまだ知らないのです。
「トレーニングとは体を壊して、負荷に耐えられるように修復することをいうんです。そしてそれを三日三晩繰り返せば、誰でも鍛えられた兵士並みには体力をつけることができるんですよ。」
「三日も走るの!?」
この走り込みはなんと三日三晩続けるというのです。これにはオルクも実母に鬼の一言です。
「おいおい、死ぬわアイツ。」
同年代のオークのからかう言葉も無視して、オルクはただひたすらに走りますが、それでも体力とは別に心が根を上げ始めてしまったようです。
そんなとき背後からとてつもない殺気が襲い掛かってきました。
「うわぁああ!母さんなんにしたの!」
「ただ殺気を飛ばしただけです。」
「怖いよ!!」
ミレーユの凄まじい殺気にペースの落ちた足も前へと進みだしましたが、それでも付け焼刃でしかないのか、次第にまたペースは落ち始め気持ちが追い付かなくなってきたと、嘆くオルクにあなたの目標は何なのかと、問いかけるミレーユ。
ここにきての根性論ではありますが、オルクは自問自答するのです。なにがここまで自分を突き動かしているのか。
「さぁ、声に出して。1,2、はい!」
「ヤりたい!」
「いいですね。その調子!1、2!」
「ヤりたい!」
「1、2!」
「ヤりたい!」
オルクの掛け声は村中に響き渡りながら、半分気が狂ったように三日三晩の耐久マラソンを完走したのでした。
オルクは倒れこむように眠ると、ミレーユは『気』の力で効率的に睡眠をすることで一時間半という超短時間睡眠を実現させていました。
じんわりと温かい気が全身をめぐり眠りに落ちかけたころ、父親の声が微かに聞こえてきました。しかしそのときの父親の声は普段の片言とは違い、なんとも流暢にミレーユと話しているのです。
そんな夢のような空耳に耳を傾けてもいられません。なんせ明日からも地獄のような修行がまっているのですから。
オルクはそんなイチャつく両親の会話を聞き流して、やっと眠りにつきました。
第三話 集う人類最高峰の先生たち
まだ外も暗いうちに、オルクは母ミレーユに叩き起こされました。眠く目をこするオルクを置き去りにして、ミレーユは一睡もしていないのにも関わらず、昨日と変わらない様子です。
「なんで俺といっしょに走って一睡もしてないのに、そんな元気なんだよ。」
「気を使えば、これくらい余裕ですよ。」
さらりと風がそよぐように言ってのける。話によると十日は余裕だとか。
やっぱ化け物だ……。
三日間の耐久マラソンを経て、ついに剣の修行かと、期待しているオルクでしたが、剣の修行のまえに紹介したい人たちがいるようです。
「母さんが教えてくれるんじゃないの?」
「母さんだけじゃ、限界がありますからね。」
話していると、ミレーユの呼んだ人たちが着いたようです。
立派な馬車、そしてそこから降りてきたのは片眼鏡をかけたふくよかな中年の人間。
「蒼雷の勇者、ミレーユ・フォーランド様、招集いただき感謝します。」
「ヘルフ・ランドール様、お元気そうで良かったです。」
「ようやくこの救われた命、返す事ができます。」
なにやら固く握手をしているし、親し気な彼はいったい何者なのか、オルクはすぐに気が付きました。
ランドールと言えば、人間の町で一番の品数を誇るあの……。それをたった一代で立ち上げた化け物じゃないか!?なんでそんな商人の神様を母さんは呼べるんだ?
オルクが驚いているのも束の間、馬車からまた一人、降りてきました。今度は上半身裸の格闘家のような青年。
「まさかあの虐殺姫がマジで主婦やってるなんてな。」
「息子の前で、昔の話は辞めてください。泣き虫ローランド。」
先ほどまで余裕ぶっていたローランドと呼ばれた青年が、ミレーユに一つ睨まれただけで委縮してしまった。過去にどれだけのことをやったのか。
そんなローランドではあるが、この人物もまた見覚えがあるようでした。
ローランドってあのローランド・ベル!?人間の格闘大会で三年連続優勝をした。格闘王、素手では世界最強の男。
先ほどから名の知れた有名人ばかりがオルクの目の前に現れた来る。こんな人たちを呼べる母ミレーユとは、オルクの驚愕の熱は冷める間もなく、また馬車から一人降りてきました。
オルクは一目見た瞬間に、見慣れた硬貨を思い出しました。
硬貨に書かれた人!!
「ミレーユや今すぐにこんな田舎から出て、城に帰ってきなさい。」
「いいえ、おじい様、私今は幸せなので。」
一瞬さびしそうに顔を落とした老人でしたが、オルクの顔を見て感涙しながらオルクを愛で始めました。なんとも情緒の激しい老人ではありますが、どれほどまでにこの人物が有名かは周知の事実です。
「いいだろう。次の王にするつもりで帝王学、法律、政治を教えよう。
先王にして、この賢王ヴァレオ・フォーランド。不足はあるまい?」
驚きすぎたはずなのに、まだ驚かしてくるとは。賢王自身にも驚きだが、オルクはミレーユが先王の孫娘ということのほうに驚いているようです。ということは孫娘の息子ということオルクは先王のひ孫に当たるということになります。
度重なる有名人や驚きの新事実に翻弄されるオルクでしたが、どうやらまだ全員ではないようです。
「ここに来たのは姉さんの頼みってのもあるが、あの人に会えるのが楽しみで来たってのも半分あるからな!」
「同感です。我が商会がここまで大きくなったのもあの方のお力添えもありましたから。」
これだけの人たちに、ここまでのことを言わせる人とはいったい誰なのか。と太陽を隠すように大きな翼が影を落として、空から降りてきました。
「ピュイ!」
そこにいたのは丸くて半透明、そして柔らかい。弱い魔物の代表例のスライムでした。
「スライム?」
きょとんと眼を丸くするオルクでしたが、その異様さとミレーユ含めた有名人たちが頭を下げたことからただスライムではないことに気が付きました。
「お師匠様、お久しぶりです。」
「ピュピュイ!」
まるで一つの恒星かの如く、凄まじいエネルギーを発するスライムにオルクはただ一人棒立ちになっていました。
瞬間、スライムだったものは人の形を変わりました。
腰まで伸びた黒髪に、年齢を感じさえない顔立ち。黒いロングコートを着た男に変身したのです。
「あれが伝説の大賢者、マリン・エンライト。」
ローランドが息を飲むようにぽつりとつぶやくとオルクのなかでよく聞く物語や伝説上に聞くかの大賢者が思い浮かびました。
「ミレーユ、君の一生の頼みが息子の教育とは実に君らしい。」
「わがままを聞いてくださりありがとうございます。」
「娘を持つ身だ。君の気持はよく分かる。だが才能がないものに教えても意味はない。」
そういうと大賢者はオルクに近づき、手をかざして何かを覗き込むように黙ってしまいました。
「よかろう。教えるに値する。」
なんとか大賢者のお眼鏡にかなったオルク。
「まぁ、うちの三女には劣るがな。」
この一言がミレーユに火をつけてしまうとは。
「いいえ、お言葉ですがオルクの才能は剣や気にあります。」
「いやいや、それなら次女が。」
「なら総合力です。」
「いい勝負だが、うちの子たちが勝つ。」
「オルクだってかっこいいです。」
言い合いになる親バカ二人の会話はオルクを置いて白熱していくばかりです。
「性欲丸出しがオルクの長所です!!」
声を大にしていうのが、そことはオルクも顔を背けてしまいます。
さてここに揃ったのは、そこら辺にいる先生とはわけが違います。それぞれが最高峰に位置する者ばかり。豪華すぎるメンツにやりすぎだとツッコミを入れるオルクでしたが、ミレーユは抜かりないようです。
「いいですか、剣が折れれば必要なのは己の拳です。孕ませるのはいいですが、そのあと子を養うには経済力が、人間の世界に溶け込むには歴史、法律、政治を知っておかなくてはなりません。たくさんの女の子を侍らすのなら、国一つを運営するほどの帝王学が必要です。すべてはあなたの目的のためです!!」
この言葉に返す言葉もなく、納得するほかなかったオルクは自分の計画の甘さに気づかされました。
「やるよ。かあさん、先生たち。全部極めてハーレムを作ってやる!!」
再び決意を固めて意気込むオルクでしたが、このあと想像以上の地獄が待っているとは。
第四話 格闘王ローランドの授業
オルクを教える先生たちが集まったところで、母ミレーユはオルクに四年先までのスケジュールを渡しました。
そこには全く隙間のない過密な予定が記されていたのです。その中でもオルクが気になったのは星マークの付いた日。丁度今日のようです。
「母さんこの星マークはいったい?」
「大賢者マリン・エンライトの大魔術、時の狭間の部屋が使える日です。その部屋の中では一日が二十日ほどまで時間が伸びるんですよ。」
「なんでもなりかよ!」
そんな話を聞いては嫌な予感を感じるほかないですが、今日はその部屋を使って格闘王ローランドとの『気』の修行のようです。
「気の初歩、気を感知して留めるまでをお願いします。」
「姉さん。その初歩で五年は掛かるって知ってるかよ。」
「無茶をしてください。私の子は天才ですし、死にませんから。」
なにやら不穏な会話を軽快に話す二人だが、早速マリン・エンライトが魔術を使って時の狭間の部屋を開け始めたようです。
「オルク。俺はローランド、俺のことは先生と呼べよ!」
爽やかな笑顔を浮かべると、オルクが返事しないうちにオルクを引っ張って行ってしまいました。
魔法陣を抜けた先、そこに広がっていたのは真っ白でだだっ広い。砂時計が浮くだけの簡素な空間。
オーランドは部屋を見渡すと懐かしむように昔の話を始めました。ミレーユと一緒に旅をして敵から逃げ帰って、特訓をするためにここを使っていたんだとか。
「まぁ、ぶっちゃけその敵ってのがお前の親父なんだがな。」
うちの父さんってもしかしてとんでもない化け物なんじゃ……。
「ところで『気』ってのは何か知ってるか?」
オルクの中では気とは漠然とした便利な力としか思っていません。
「気ってのは要は生命エネルギーだ。生物は絶えず気を垂れ流している。まずはその気を感知できるようになってもらう。」
「母さんが言うには感受性が良いって。」
オルクの言葉にオーランドはオルクの肩に軽く触れました。
すると身の毛がよだつ感覚がオルクの全身に走り、反射的に飛びのいてしまいました。
「なにしたんです!」
「目覚めてもないくせに、並みのセンスじゃないな。安心したぜオルク。」
するとローランドは消えたかのように見えるほどのスピードでオルクに近づき、そっと腹部に手を添えました。
「死ぬなよ。」
次にはオルクは吹き飛ばされ、腹に大穴を開けられていました。
「あぁあぁああああ!!」
あまりの激痛に声を抑えられず、叫ぶオルク。血も止まらず絶えず流れていきます。
「落ち着いて聞けよ。気ってのは命の力だ。命を感じる瞬間、それは死の瞬間。手っ取り早く気を感知するにはこれしかない。五年を二十日にするんだ。命ぐらいかけないとダメだろ。確固たるイメージをしろ。じゃなきゃ死ぬだけだ。」
遠ざかるローランドの背中を見て助けはないと確信するオルク。死んでたまるかと、自分の目的を思い出すのでした。
まだ美少女を孕ませてない!だからまだ死ねない!!
気の使い手であるローランドがその変化に気が付かないわけもなく、背を向けたほうに目を向けました。
分かる!見えない何かを!!感じる!!!もっと、もっと集まれ!!
念じるほどに温かい気が空いた腹の穴を埋めていきました。
「死ぬところでしたよ。」
「普通は三年掛かるところを五分だ。これで二年分稼いだぜ。」
死の淵に立ったオルクでしたが、それだけのものを手に入れることが出来たようです。
「次は気を体に留めることだ。」
「どうやったらいいんですか?」
「自分で見つけろ。意地悪で言ってるんじゃない。個人差があるんだ。試行錯誤をして自分だけの感覚を掴め。」
オルクの中に溢れる気の力。オルクは初めての感覚に奮い立っていました。強くなるのを実感する。成長の感覚を。
「やってみます!!」
オルクが修行を始めると、ミレーユがただの親バカだったわけじゃないのが分かります。
「嫉妬しちまうぜ。」
第五話 授業の終わりからとこれから
たった一日、されどオルクにとっては濃密な二十日間だったことでしょう。
ミレーユが無事に帰ってきたオルクを見て、息を飲みました。
「ローランドって実は教える天才なんじゃないですか?」
ミレーユが驚くのも無理はありません。つい先日まで『気』の存在すらあやふやだったものが、その気を纏うまでに成長したのです。
「俺じゃなくて、姉さんが言った通りこいつが天才なんだよ。」
誇らしげにオルクの肩を持つローランド。オルクはというと何とか生還し、予定通りに事が進んでいること安堵しているようです。
しかし、オルクの安堵も束の間、昨日の分が終われば、今日の分が、今日の分が終われば、明日の分が。それほどまでにオルクのスケジュールは過密に予定されているのです。
「なんで強くなったのに、勉強までしなくちゃいけないんだよ!!強ければ女の子を孕ませられるんだろ!」
無茶苦茶な内容に我慢の限界か、オルクも言い返します。確かに目的は女の子を孕ませることです。
しかしいつだって、オルクが反論をすれば、ミレーユはそれを返してきました。
「いいですか。確かに強ければ女の子を孕ませることが出来ます。しかし!そのあと子供を養うための経済力がなければあなたは好きな子に苦労をさせる屑になるのですよ。」
この一言にオルクはまた決意を固めなおしたようです。 そしてここからオルクの最強への道は加速していきます。
次に始まったのは、賢王ヴァレオ・フォーランドの授業。そのまず最初は本屋ほどもある山積みになった本の暗記からだったのです。
「こんなの一週間あっても大変なのに二日って、物理的に無理でしょ!」
オルクの渾身のツッコミもこの化け物たちには通用しないようです。
「安心しろ。集中力と物覚えがよくなる薬を用意した。極限まで追い込め。死んでも治すから。」
「死ぬ前に治してください!!」
このあとがむしゃらに勉強に励んだオルクは賢王の教え通りに成長し、最終的には反乱の起こっている小国の代理統治を卒業試験として任されたそうです。
他にも商人の神様、ランドールの授業ではひたすらに計算や商売のいろはを叩き込まれ、最終的に海外に放り出されて、そこで三か月以内に一千万ギルを店を出して倍にするという。無茶苦茶な難題を出されたそうです。
そして大賢者マリン・エンライトの授業はと言いますと。
「今から貴様に魔術の深淵を覗かせてやる。なに安心しろ、死なせはせん。この薬を飲めば死んでも治る。」
「俺はモルモットではありませんよ!」
そしてミレーユとの剣術の修行。
「オルク、今から貴方には死を体験してもらいます。」
「んな!?」
「死の直前になるとスローモーションになる時があるでしょう?それを意識的に引き出せたら最強だと思いませんか?」
次の瞬間、オルクは脳が死を錯覚するほどの寸止めを受けました。息が止まり、走馬灯さえも見えるほどの。これをおよそ一万回繰り返す。
拷問以外の何物でもない。
だが、オルクは逃げも、言い訳もしませんでした。ただひた向きに前の弱かった自分と決別していったのです。
そして月日は流れ、四年後――――
第六話 ついに明かされるオルク出生秘話
オルクは全ての先生から一人前として認められ、あと数日で旅に出ることになりました。
一人、思いを巡らせて村を眺めていると父親がなにやら大事な話があるようでついてくるように言います。
家に戻ったオルクは母ミレーユと父の正装姿に驚きます。
「どうしたんだよ二人とも……。」
真剣な顔でミレーユは今まで黙っていた秘密を打ち明けるといいます。一緒にいる父親が片言で語り始めました。
「オルクヨ、オマエ、ヨワイ。ダカラキタエタ、ダガ、あぁもう……こんな片言で長話なんて出来るかぁあ!!」
「いや普通に話せたのかよ!!」
かつてまだ修行を初めて間もない頃。あの時の空耳だと思っていた声は本当だったようです。
「実は父さん昔、魔王やっていてな。いろいろあってばれるとまずくて。」
「なにあっさりとんでもカミングアウトしてんの!!」
オルクが驚いているのも束の間、父親は先ほどまでのオークの姿から細身になり、やがて人間の姿へと変わってしまいました。
「なに変身してんの!?」
「変身ぐらいするさ。」
「するか!普通?そんな奴村に一人もいないよ!」
怒涛のツッコミ事案にオルクは口が空きっぱなし。
「こっちもあっちも俺の姿なんだよ。魔王時代はこの人間の姿で通してた。」
そんな昔話も交えつつ、実は昔から住んでいるこのオークの村は普通のオークの村ではないと言い出します。
「俺たちはエヴォル・オークと言って他種族のメスに子を産ませることで、メスの長所を子に受け継がせることが出来るんだよ。」
父親が言ったことが真実なのだとすれば、それはサラブレットなんてレベルの話ではありません。世代を重ねるごとに強くなる。
「でもこの村の連中も俺だって普通じゃないか!」
オルクの言った通り、村の連中含めオルクも最初は普通のオークでした。
しかしエヴォル・オークには致命的な欠点があるといいます。それは同種と交わると今まで積み重ねてきた力がリセットされるのだといいます。
「なんでそんなことしたんだよ。」
「限界が来たんだよ。」
強くなりすぎてしまったエヴォル・オークは血が耐えられずに、暴走したり、成長途中で死んでしまったりするらしいのです。
種の存続のためにやむなく、族長以外がリセットを選んだそうです。
幸いなことに族長の血筋はほかのエヴォル・オークとは違って血が強いらしいですが、それもオルクの父親の代で終わりにする予定でした。
「これ以上重ねれば、はじけ飛ぶと確信していた。」
「だが、母さんの子が欲しくてな。やっちゃったんだ!」
「やっちゃいました!」
仲良さそうに肩を組む両親。やはり性欲には勝てなかったということなのでしょうか。
「でもおれが弱いのはどういうことなんだよ。」
「何言ってんだ。お前は強すぎるんだよ。」
オルクがまだ五歳のころ。暴走してしまったオルク相手にオルクの両親、勇者パーティに魔王四天王、大賢者マリンまで出張って、やっとの思いでその力を封印したとのことです。
「そして今日大賢者マリンが最後の授業、封印の解き方を教えてくれる。」
「これまで必要にオルクを鍛えようとしてきたのは力を制御するため、それでもおそらく封印を解けば暴走してしまうでしょう。」
オルクの両親は少し申し訳なさそうにしています。それも重荷を背負わせてしまったことへの後悔なのでしょう。
「こんな力でも受け継げたんだって俺はうれしいよ。」
少し恥じらいながら胸の内を伝えると、ミレーユが泣きながら飛びついて来ました。それほどまでに息子の成長を感じられたのでしょう。
家族水入らずの感動の瞬間、当然部屋の隅の空間が歪み始めました。
「おめでとうございます!あなたは精霊王に選ばれました!その証として紋章が与えられます。」
いきなり小人サイズの女性が羽根をはやして、やってきました。
「え?オーク?」
どうやら妖精と呼ばれる類のもののようですが、選ばれたのがオークという事に混乱しているようです。
「おい!妖精。」
「はい!」
呼び止めてオルクは妖精をじっと、なめるように体を見つめました。
「なかなかいい体をしているな!いい保養になる!がこれはなんだ!?」
「このオーク!妖精にまで欲情するとかありえないですよ!?」
オルクのオーク冗句を交えつつ、妖精もなんとか落ち着いたようです。
「なんとあなたは勇者に選ばれました!」
第七話 授けられた勇者の力
「勇者、だって……いらないんだけど。」
「だから嫌なんですよオークは!!」
また騒ぎ始めた妖精は勢い任せにオークは性のケダモノだのといろいろ聞き捨てならないセリフを言い始めました。
「みんなそんなんじゃない。おれの幼馴染も草食系だ!」
オルクは友人たちを思い起こしました。
最初こそいじめていた幼馴染も成人し、いまではオルクの友人として関わってくれていました。
旅立つオルクに対して別れを惜しむほどには仲のいい彼らも、なにやら羨ましそうにオルクと語り合っていました。
「外の世界か……。」
「お前の母ちゃんいいよな。」
「おれも思ってた。羨ましいって。」
「実際お前をいじめてた理由もその妬みだしな。」
あぁ、女騎士孕ませてぇなぁ……。
やはりケダモノかもいしれません。
話は戻って、勇者の返却についてはどうやらできないようです。
「じゃあ俺が勇者なんて無視して普通に暮らしたらどうなるんだよ。」
勇者としての原理は精霊王が世界にとって邪魔な存在に対抗する存在に勇者の力を授けるらしく、その者あ対峙するものなので、勇者の力はあと付けで使命とかは関係ないようです。
「どういうことですか?一代限りで遺伝しないはずの勇者の力がどうして宿ってるんですか!?」
先代勇者であるミレーユ、その過保護なまでの息子に対するやりようは限りを知らないようです。
「便利なので知り合いに頼んでなんとかしてもらいました。」
「何勝手なことしてんですか!」
十中八九、大賢者マリンであろうことは想像できます。
ミレーユの話を聞いて、オルクは自分の中に存在する勇者の力をすでに宿っている右手とは反対の左手に宿らせました。
「これが勇者の力。」
「何やってくれちゃってんですか!!」
本来は面倒な儀式などの工程を踏まなければ手を貸してくれない精霊たちが我先にと力を貸しに集まってくるようになりました。
「もう知らねぇです!やってられなぇです。」
半べそをかきながら妖精はオルクの元を騒がしく去っていきました。
なんともにぎやかでしたが、オルクは自分の中に眠る勇者の力を目覚めさせたとき、それと同時にもう一つの力にも気づきました。
エヴォル・オークの封印された力を。
第八話 オルクの卒業試験
全ての修行を終えて、自分の過去を知り、勇者に迎えられ、一回りも二回りも大きく成長したオルクは二つ山を越えて最後の試験へと赴きました。
「先生。」
「君には選択肢が二つある。一つは血の力と一生付き合っていくか。もう一つは完全に封印して血の力を忘れて生きるか。」
安全なのは完全な封印を施す事、そんな事はオルク自身も理解しているでしょう。それでも答えは決まっているようです。
「俺は封印を学びます。」
「何故だ?強さゆえか?」
「強さを求めるのは否定しません。でもそれ以上に父さんたちが積み上げてきたこの力を含めて俺なんだと思うから。」
それからオルクは自身の封印について、大賢者マリンに学びました。
超高難易度の魔術ではありますが、今までの授業は今日この日のために教えられてきたのだと理解できました。
封印は三段階、一つ解けば二割、二つ解けば五割、三つ目で完全解放。封印は解けば解くほど再封印に際して難易度が上がるそうです。
魔術の内容を理解したオルクでしたが、問題は実践にあります。
解錠(アンテ)
施錠された鎖が今、一つ外れるとオルク巨大なイノシシの姿へと変貌しました。その姿からは変身前の理性はなく、獣性を感じられる激しい唸り声とともに暴れ始めてしまいました。
「成長とともに力が増しているな。だが、情けない。」
大賢者マリンは理性を失い、襲い掛かってくるオルクを簡単にいなします。
「それでも俺たちの弟子か!貴様は!」
俺が目指したのは、こんな暴力じゃない。俺は五人の最高の師を持つ最強の戦士だ!
「はぁはぁ、はぁ見苦しいところをお見せしました。」
何とか大賢者マリンの一声とともに戻って来れたオルクでしたが、一瞬でも手綱から手を放してしまえば逆戻り、それほどまでに余裕はありません。
「では次は再封印だ。やってみろ。」
自分の胸に手を置いて、集中するオルク。先ほどまでの荒ぶる力が引いていくのを感じます。
「無事成し遂げたな。」
「先生ありがとうございました。」
「卒業のお祝いだ。仕込み刃つきの短杖を贈ろう。」
「いただきます。」
いったいどれほどの恩がこの人にはあるのだろうと、胸に杖を抱きしめながら、深く感激するオルクを見て大賢者マリンは娘たちの元へと帰っていきました。
「君は自慢の弟子だよ。」
大賢者マリンと別れたあと、他の三人先生とも別れを済ませたオルクは最後、両親を見送って早朝、旅に出るのでした。
村を出てすぐの出来事でした。
ドン!と背後か日の出とともに花火が打ちあがり、振り返るとその下にはみんながいました。
大きな垂れ幕を持って。
オルク!!たくさんの雌を孕ませろ!!
激励の一言とみんなの笑顔ともにオルクは旅に出るのでした。
第九話 やっぱり、ハーレムの一人目はエルフ
オルクは多くの出会いを求めて、オーランド王国のはるか先の大都市を最初の目的地にしたようです。
「距離は500キロ、四時間もあれば行けるな。」
オルクはこの四年間の成果、魔術、精霊の力を行使して凄まじいスピードで都市へと向かいました。
目に入る可愛らしい女の子の数々、人の多き事。
さすが大都市、あとはどうモテるかだな。
オルクがどうしたものかと思案していると、さすが大都市、向こうから話しかけてきました。
「おい、そこの田舎もん。荷物だけおいてどっか行きな!」
オルクはいかにもな三人に絡まれてしまいました。
「聞き捨てならないな。何故俺が田舎者だと分かった!!」
「どう見てもだろうが!」
「いかにもな恰好しやがって!!」
「どうせ牛には花子って名前つけてんだろが!!!」
言い返すオルクに襲い掛かる三人。
「うちの牛の名前は花子じゃない。せつ子だよ。」
殴りかかってきた一人には完ぺきなカウンターを顔面に食らわし、ナイフを向けてきた男には蹴り飛ばした小石を脛にぶつけて、こん棒で殴り掛かってきたやつには火の精霊をけしかけました。
「俺も加減がうまくなったな。」
度合いはともかく、全員無事に生きていることを確認したオルクは着ていた服を着替えて最新ファッションに着替えることにしました。
ファッション以外にも訛りなんかもあるかもしれない。いろいろと対策が必要だな。
今後の方針を考えていると、オルクの横を馬車が走っていきました。
そこでオルクは運命に出会うのでした。
「おい見ろよ。エルフだ。」
鉄格子にとらわれ、猿ぐつわと手錠をかけられたエルフが目の前に現れました。
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