あおざくら防衛大学校物語19巻無料ネタバレ感想!タダで読む方法解説!カッター競技会終了!結果は?

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悩んでいる人
『あおざくら防衛大学校物語』19巻を無料で読む方法とネタバレが知りたい。

 

本記事はこんな疑問を解決します。

 

今回ご紹介する『あおざくら防衛大学校物語』を無料で読む方法は、登録不要もちろん合法です。

 

違法手段ではないので、安心してください。

『あおざくら防衛大学校物語』19巻は漫画アプリ『サンデーうぇぶり』で読める

『あおざくら防衛大学校物語』19巻は、こちらの小学館が運営する漫画アプリサンデーうぇぶりにて無料で読むことができます。

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『あおざくら防衛大学校物語』19巻が『サンデーうぇぶり』にて無料で読めると言いましたが、この記事を執筆している現在では第1巻から最新巻まで無料で読むことができます

 

安心安全に、そしてタダで『あおざくら防衛大学校物語』を1巻から最新巻まで読破したい方は『サンデーうぇぶり』を使う方法がベストです。

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『あおざくら防衛大学校物語』19巻 ネタバレ紹介!

第177話:死闘の末に

カッター競技会決勝戦が始まりました。

 

斉藤のポジションのストロークを土方が代わりに漕ぎ、近藤、沖田は応援側にいます。

 

松井も沖田姉も全力で応援しています。

 

カッター競技会が終わり、帰ってきた11クルー達。

 

「蒼司―!!近藤クーン!!!」と沖田姉が手を振り、声をかけている姿をみて隣にいる松井は『クリダンのときの…』と気がつきます。

 

芹澤は、帰ってきたクルー達にグッと親指を立て迎えると、土方率いる11クルーも全員、グッと親指を立てて返しました。

 

松井に気が付いた岡上はピッと敬礼をして、松井も敬礼し返します。

 

優勝したクルーは車両で防大まで帰り、他の人は徒歩で帰るようです。

 

防大に戻った第一大隊の近藤が部屋にいると、「閉会式が始まるからそのまますぐに講堂集合だ。」と声をかけられますが、パソコンのメールを見て松井から連絡が来ていたことにやっと気が付き『悪い』と思います。

 

メールには『お手ごろなお酒のダンボールが見つかった』と書いてあり何か作ったのか?あいつと困惑している近藤のもとに斎藤が入って来ました。

 

近藤が手の状態を訊ねると「まあ、大丈夫さ。儀仗隊の練習は少し休むけど。無事に予選は突破できたし、結果オーライだな…」と言います。

 

閉会式後、沖田が「終わった…」と言い近藤は「ああ。また尻破れてるぞ。」沖田と話していると土方が「まだ終わってないぞ!さっさとついて来い」と言いました。

 

海トレ長の相良が「全員気をつけぇ!!」といったあと、壇上にいるクルー長の芹澤は言います。

 

「第一大隊の全二学年、ここまでよく乗り越えてくれた。カッター競技会を通じて勝者も敗者も、出場が叶わなかった者も、たくさんの経験を積んだことと思う。オマエ達はこれで…一人前の防大生となったんだ。本日、ただ今を以てカッター訓練隊の…指揮を解く!!!!解散!!」

 

今日までの数々の、試練が脳裏に浮かびます。

 

「近藤さん、おめでとうございます!」と小島が駆け寄って来ました。

 

「ありがとう、小島君の声援届いたよ。」という近藤。

 

三学年の井上さんから「沖田よくやった!オレは嬉しいぞ!!」と泣いて喜んでくれている姿を見た近藤は、『沖田もやっと一人前だな。心から労ってやろう。』と思います。

 

そこに、松原が「おめでとう!本当によくやったよ!今、オマエが一番会いたいだろう人をつれてきたぞ。」と近藤に言います。

 

近藤は「今一番会いたいだろう人…?」と悩みますが、松原が「そうだ。わざわざ辛い体を引きずって、やってきたんだ。この間、やっと松葉杖使わずに歩けるようになってな。オマエのためにって…」そう言うと、近藤は坂木を思い浮かべましたが、笑顔で現れたのは松平でした。

 

自分との再会に感動してくれてると思う松平と、想定との行き違いに困惑する近藤。

 

「ついに近藤学生も一人前の防大生だなぁ…まぁ、ここまでが防大の基礎ってわけだからな…これから学ばないといけないこともいっぱいあるぞ…」と松平はお疲れ様と労ってくれました。

 

近藤も笑顔で喜びます。

 

芹澤の部屋の棚には『カッター頼んだ 岩崎』と書かれて飾ってあります。

 

クククと笑いながら「芹沢、写真のデータ。」と新海がUSBメモリーを渡すと、「おうっ、早く報告しないとな。」芹澤は送信しました。

 

幹部候補生学校では、大久保が芹澤から本文なしのメールが送られてきたことに気が付きよっぽど急いでメールを送ったのだと思いながら開きます。

 

『…なるほど。こういう結果になりましたか….』と写真を見つめる大久保に、もしかしてクルーからの成績報告?と望月が覗き込みます。 

 

そこには、11メンバーの勝利の櫂上げの写真や、車で防大に帰るところを見送られている写真。

 

メダルをもらってピースサインをする岡上の写真。

 

表彰式でカッター競技会優勝中隊を受け取っている土方や泣いている芹沢の写真。

 

11クルーが満面の笑みで賞状やメダルを首にかけて、金クルーとなった集合写真を見ながら「結果を作り出したのは、彼ら自身の努力です。体力面、精神面、様々なことを乗り越えましたね。本当によく頑張りました。11クルー優勝おめでとう。」と大久保は言いました。

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第178話:乾杯

カッター競技会打ち上げ後。

 

武井が「我々はついに人間になったー!!よって、この週末11クルーの中隊二学年のみで上級生不在の打ち上げを決行する!全員参加だ!!各自外出許可を取り、下宿にて着替え!!横中に集合!!」と叫びみんなが同意しました。

 

GW前の週末。

 

横須賀中央駅前で準備周到な武井は「一応、三次会まで店は押さえている。力尽きないようストレス発散してくれ。長かった…この1年…..」と涙を流しています。

 

15分前になり、集まり始めたところに近藤が到着します。

 

その姿を見て、一同驚きます。

 

普段ケチでTシャツに短パンの近藤が時計をしてたりお洒落な洋服を着ているからです。

 

「これさ、借りてきたんだ。同じ下宿の上級生から。」と、去年の部屋会で温泉に行く際、調子に乗って買いすぎてしまった松原が洋服をいつでも貸してやると言われたと近藤は説明します。

 

武井や原田は『普通は一学年同士で借りるはずの下宿なのに…上級生と同じ下宿に転がりこんだのは…服を買わずに生活していくため…』と近藤をやっぱり金の亡者だと改めて思います。

 

土方は、斉藤と来ましたが気まずそうにしており、斉藤の服装を見てざわつきがおこります。

 

照れくさそうに「下宿決めてすぐ取り寄せたんだ。いいだろ?8万もするんだぜ。」と話す斉藤に、私服のセンスが絶望的にないと武井たちは凍り付きます。

 

岡上さんたち女子も到着しました。

 

居酒屋へ移動して「カッター競技会、優勝中隊、慰労会を執り行います。本日は上級生も不在なので本音で話しましょうー。20歳未満はお酒禁止ですと」武井が仕切った後、艇長だった土方がグラスを持ち「勝利を手にできたのは、我らの力だ。これが将来、自衛官としての力に繋がるよう、これからも鍛錬を怠らないように。」と言って乾杯します。

 

カッター競技会を乗り越えたことの喜びを噛みしめていると、土方は芹澤とのことを思い出しアニメ中隊と呼ばれたことで荒れています。

 

近藤は向かい側に座っていて、食べまくる岡上に驚いています。

 

岡上は、艇指揮は艇を軽くしないといけないからと、1か月間で6kgも減量したと「食事制限がやっと解けたんだからこれぐらい食べますよ!!」と言い放ちます。

 

「それよりもあの人にちゃんとお礼言いました?幼なじみさん来てたじゃないですか。」とみんなの前でさらっと岡上は言います。

 

近藤は松井が来ていたこと岡上が知っていたことに驚き、さらに「段ボール製の『近藤勇美がんばれ』って看板掲げてましたねー。」と言われると、『何それ。』と無表情になります。

 

岡上は「アナタがたくさんの人を応援しているから、たくさんの応援が返ってくるんですよ。」と笑顔で言うと、近藤は照れくさそうでした。

 

それぞれ楽しそうにする中、ノートパソコンを取り出し来年のカッターのための引き継ぎ資料をまとめだす土方。

 

武井は「慰労会にきてまで仕事ですか艇長…代表として何か余興をやってくださいよと。」と言い、近藤も「土方。引き継ぎも大事だけど緊張の糸を緩めるのも大事って習っただろ?」と言うので、土方は「いいだろう!サーバンドリーダーとしての後方支援をみせてやろう。余興と言えば、そうだな…近藤、おまえの力を借りるぞ。」と立ち上がり近藤も「アレをやるのか?あんまり覚えてないけどやってみるか」と、以前やった自衛隊コントをやります。

 

二次会のカラオケに移動すると、武井は『さすがの土方もこれにはついてこれまい。』とドッキリンドンドンを歌いだしました。

 

その曲は色々思い出すからやめろと周りに言われますが、土方はマイクを奪い取りノリノリで歌い出します。

 

対応してくる土方に悔しそうな武井。

 

「三次会行く人―――!!!」と武井が言うと、「どこまでも付き合ってやる!後悔しても知らんぞ―――――!!!」と土方は続きます。

 

脱落者ゼロで三次会の鉄板焼き、岡上は食べ続けていますが、ぐったりする近藤。

 

疲れていたはずなのにみんな元気なことに感心しつつ「土方のやつ….本当にすごいよな。」と岡上に話します。

 

「いくら大久保さんの教えがあってもリーダーとしての在り方を易々と180度変えて正直できる事じゃない。艇長からストロークに移った時も、あえて力を抑えて、みんなに合わせてた。常に合理的なバランスを考えて…」と、カッター競技会の土方を振り返りますが岡上はそんな近藤に「…灯台下暗し。アナタが一番グルーブのために動いていたじゃないですか。このクルーを救ったのは…近藤リーダー、アナタですよ。」と「アナタがいてくれてくれて、本当に良かった…」と言うと、深い意味があるわけではなくシンプルに感謝していると言い直します。

 

2人は、GWに入ったら坂木に一大隊の大勝利報告に行く約束をしました。

第179話:勝利報告

近藤は松井とスマホのやりとりで、坂木のお見舞いに行った後、カッターの応援をしてくれたお礼がしたいと会う約束をしていました。

 

GWになり、近藤は対番の小島を見かけたので「GW後に何か相談があれば連絡して」と、疲れた様子の小島を心配してオレがちゃんと支えてやらないとと思いました。

 

校門を出ようとする近藤の前に現れたGW注意喚起委員会のTシャツを着ている学生。

 

草間さんにも「女性に会いに?外泊使うなら部屋長に伝えておけよ。」と言われてしまいます。

 

『松井の事あっという間に話が広まってる。まぁそりゃバレるよな…』と思う近藤です。

 

横須賀中央駅で私服に着替えた近藤は、岡上と合流すると「まずは調達任務から!手ぶらでは行けませんからね。」と言われます。

 

病室に松葉杖で立っている坂木。

 

そこへ「入りますっ!」と近藤の大声が響き、振り返ります。

 

「ようっ。今は大部屋に移ってんだ。そんな大声だすな。」と、待っていたように「さて….聞こうか。報告だろ?」と坂上は言います。

 

「報告します!我が第一大隊11クル―艇指揮岡上乙女、漕手近藤勇美は…カッター競技会の予選、決勝共に勝利し、金クルーを獲得しました!」と近藤と岡上は言いました。

 

それを聞いた、坂木はフッと笑い二人を真っすぐにみて「ご苦労。そして…おめでとう!」と伝えます。

 

二人は嬉しそうに「はいっ!」と返事しました。

 

岡上は病室に飾ってある花に気が付き、母さんか父さんが来たのか尋ねると、「防大の剣道部が公友会の時に時々きてくれて、カッターの結果報告も、そいつらや大久保から聞いていた」と坂木は答えます。

 

近藤は、坂木に「お身体の調子は….、特に目….」と聞きました。

 

「もうだいぶ良くなって近々退院だ、松葉杖は手放せねぇが。」と坂木が言うのでおめでとうございますと、二人は喜びます。

 

坂木は、複雑な表情で「…..ありがとうな」と答えました。

 

「ここからがスタートだ。人を指揮する幹部自衛官を目指す以上、これからはより一層、国の平和を守るため、自分以外の誰かのことを考え、悩める人間にならねばならない。特に近藤!!いま、オマエの考える『誰か』とは誰だ?」と問います。

 

「えっ…」と戸惑う近藤に「アイツと組むことは今後の防大人生でそうそうないだろう。みんなそれぞれの道を歩き出す…今ウヤムヤにするな。思いのたけをぶつけてケリをつけてこい。」と坂木が言うと、近藤は、その言葉の意味を悟り「はいっ!」としっかり返事しました。

 

行けと坂木に言われて、病室から近藤は走り出します。

 

坂木は「乙女、おまえには…大事なはなしがある。」と言います。

 

駅に着いた近藤は、松井にメールを送ります。

 

松井がメールを見ると『やっぱり来れない、GW中で必ず埋め合わせするから』と近藤からの連絡に落ち込みますが、応援するときめたんだしと『この埋め合わせはディナーで許してあげよう』とメールを送ります。

 

松井に感謝して、近藤は横須賀駅のベンチに座り誰かに『飯に来い、俺がおごる』メールを送ります。

 

『別にいいけど』と返信がきました。

 

待ち合わせ場所に入ってきた近藤に「遅かったな…なんだ急用って。」と腕を組む土方が待っていました。

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第180話:近藤と土方

テーブルの上いっぱいに並べられた料理の数々。

 

ステーキを頬張りながら、「ん?どうした?おごるってオマエが言ったんだろ。」と追加注文もする土方。

 

金額が気になり青ざめていく近藤に「正直安心した。」と土方は言います。

 

「何が?」と尋ねる近藤に「対番学生に、きちんと準備品を買い与えてやったそうじゃないか。きちんと他人を労うことを学べたみたいだな。私利私欲だけ求めて、命をかけて働く部下を全く労えない人間になりそうだった以前のオマエのままでは…愚劣の極みだ。」と言います。

 

「なんだとっ….」とムキになりかけた近藤。

 

喧嘩をする二人の方をみてガヤガヤし始めるています。

 

「今は変わったって褒めてやってるだろ?いちいち噛み付いてくるな」という土方に「…オマエだって、今日こうやってオレの呼びかけに応じたろ。今までの土方なら、既読スルーとか着拒で突っぱねて、無視してたじゃやないか。カッターの時もオレの提案を取り入れたり…人の話を聞くようになってるっていう傾向だろうが…」と睨みつけながら話す近藤。

 

ガタッと睨みあい「オマエは本っ当にイラつくヤツだな」と土方が言うと近藤も「オマエも本っ当にムカつくわっ!!!」と言い返します。

 

土方が「で、なんの用だ?」と聞くと、「…土方とオレ、最初に会ってからどの位経つっけ?まだ1年も経ってないよな?」と穏やかに話します。

 

「そうだな。一学年の中期、同部屋になった時からだからな。」と答える土方。

 

近藤は「オマエその時、オレになんて言ったか覚えてるか?『なんでキサマが小付になった、坂木さんの贔屓か?さっさと身の程を知って辞退しろ』って」と言うと「いい加減にしろよ。若さ故の過ちを蒸し返して、オレが苦しむ姿を眺めるのが目的か?」とキレそうになる土方に「やっぱり土方も、あの頑なな態度は若さ故って思うんだな。オレもだよ」と笑顔で返す近藤。

 

「混む時間になってきたな…出るか。」と土方は言い「ああ。」と答えて、レジ前で、血の涙を流しながらお会計をする近藤。

 

ヴェルニール公園を歩きながら、鑑艇を見に行く二人。

 

いずもを見ながら、「沖田がよく乗りたいって言ってるやつ。」と近藤は話をします。

 

「土方と会って…オレは自分がかなり変わったと思うよ。土方みたいなヤツは知り合いにはいなかったからな。オレの価値観がぶち壊れそうな頑なさで目の前に立ちはだかってきてさ…秋季定訓の時なんて、このオレがオマエと取っ組み合いのケンカしたんだぜ…..他人とそこまで激しくぶつかり合うなんて、それまでは絶対にありえないことだった。」というと、「オレが鍛えてやったってことだな。感謝しておけ。」と土方が言います。

 

近藤は「お互いに腹割って言いたいこと言いまくったよなって話だろ。」と言います。

 

「そうだな。そしてカッター競技会を制するようになった。」と土方が言います。

 

「…..オレ達、本当は親友になれてたのかもしれないよな。」という近藤。

 

少し間があいてから「ないな。どこの世界線の話だ。近藤は、海…オレは陸…カッターも終わり訓練もこれからは別々だ。小隊も違う。今後はこれといった接点は特にはない。卒業まで配置は変わらないんだからな。で、結局なんなんだ目的は。憎きオレの顔を目に焼き付けにきたのか?」と言う土方。

 

「いや…昔、防大に入る時高校の先生にこう教わった。」と土方にしっかり向かい合い続けて近藤は言います。

 

「至誠(しせい)に悖(もと)るなかりしか、言行(げんこう)に恥づるなかりしか、気力に欠くるなかりしか、努力に憾(うら)みなかりしか、不精に亘るなかりしかー、自省自戒して気づいたんだ。このまま終わってしまってはダメなんじゃないかって。後悔したくないからキチンと伝えたいんだ。どこまでも足りないオレに真っ直ぐぶつかってくれて…ありがとう、土方。」

 

「…なんだそんな話か。妙に勿体ぶるから何事かと構えていたが…下宿に帰る。ごちそうさん。じゃ、点呼でな。」と帰って行く土方でしたが、振り返り「近藤―!!….また、かつ丼食いに行くから、ランチメニューに入れとくよう親父さんに伝えておけ!」と言います。

 

近藤は嬉しそうに、「ああ!来るときは連絡しろよ!!」と手を振ります。

 

土方は、近藤が言った言葉を思い返しながら『…….バカめ。』と帰って行きました。

 

病院では、岡上が病室を出て『…つまり後遺症でオレの方目はもうほぼ視力を失っている。パイロットになるのは….無理になった….』と坂木が言ったことを思い出して泣いています。

第181話:一学年のために

GW某日、近藤と原田と武井は、防大修行地獄が終わったと肩を組み喜びます。

 

お金をなるべく使わないよう買い出しをして誰もいない原田の下宿先でタコパをします。

 

前期メンバーで上級生も呼んで部屋会や、坂木さんの退院祝いもしたいなと話す三人。

 

沖田と東堂も誘ったが、どっちも交友会が忙しいと聞いた近藤は『そういえば、沖田…最近全然みてないな、思い返せばオレ結構沖田のこと邪険にしちゃってたかもな…嫌われてないといいけど』と考えます。

 

原田は「近藤も一年で強くなったよなー。カッター負けたのは悔しいけど、オマエになら仕方ねぇな。」と言い、武井は「カッターで筋肉ついたんだよな。ほらみてみろよ。コレ」と盛り上がっているところへ「原田くーん♪」と女の子が入ってきました。

 

女の子は上半身裸で筋肉披露会をしている3人をみて混乱します。

 

原田は彼女との予定を勘違いしていたようで武井が「ダブルブッキングしてんしゃねーよ。タコが!お幸せにな。」と言い、部屋を出ました。

 

「ブレスしねぇとだし….帰るか」と言う武井に、「オレは図書館へ行くかな」と言う近藤。

 

武井は、近藤と岡上や松井のことが気になってますが、何にも考えてなさそうな近藤だと思い何も言わないでいることにします。

 

防大に戻ってきた近藤は、一学年に挨拶されると『GW休暇中とはいえ、一学年はやること多くて、外出もままならず大変そうだ。』と、今後、新一学年を辛い目に遭わせないように自分の失敗を活かして早めに直してあげようと決意します。

 

少しでも忙しそうな一学年のために、制服の着方が崩れていると教えてあげていると、久しぶりに沖田と会いました。

 

ニコッと「近藤ク―ン!」と嬉しそうな沖田はこれから部屋っ子の一学年がチェックを受け悩んでるので裁縫を見てあげると伝えると近藤は、沖田が一学年にいいように利用されていると思ってしまいます。

 

「自分でやれるようにしてやらにと、今後、本人のためにもならないぞ。もしくは、一学年同士で補うべきだ。指導者側の立場のオマエがそこに介入しすぎたら現場は混乱するだろう。アイツらの為なんだぞ。いいよ、オレが話してきてやる。」と、沖田の部屋っ子に説明をしに行った近藤。

 

沖田は、部屋っ子に「ごめんね!」と謝りますが、近藤に「沖田もしっかりしろ!部下にナメられたらリーダーなんて務まらないぞ!きちんと部下を指導できなきゃダメだし彼らだって成長できないぞ!」と叱られてしまいます。

 

沖田は「……..そうだね。」と返事をしました。

 

そこに一学年が通りかかります。

 

「ちわっ!」と元気よく挨拶する一学年に「こんにちはっ。」と笑顔で返す沖田。

 

その後ろに、近藤がいることに気が付いた一学年は「こっこんにちはっ!」と怯えているように挨拶します。

 

近藤も「こんにちはっ!」といつも通り挨拶し返しますが、一学年の様子に『なんかへんだな?』と思います。

 

120B寝室へ戻り、洗濯物や私物の整理が出来ていないのを見つけると『こんなんじゃドヤされるぞ。』と自分の一学年の部屋っ子の佐藤たちに指導します。

 

佐藤は沖田の対番なので、自分の不手際で注意されたことを相談しました。

 

そんな佐藤に沖田は「じゃあ次は、注意されないよう、効率のいい方法を考えて実践してみよう。どうしてもルーティンで動くと油断が生まれがちだから…すぐじゃなくていいんだ。少しづつ…僕もすぐににはできなかったんだし。」と優しく言ってあげています。

 

近藤はトイレで手を洗いながら『なんか、対番の小島くん以外の一学年に避けられている気がする…沖田に対してはそんなことないのに…気のせいか。』と考えています。

 

弁食作業を終えた一学年がゾロゾロと疲れている様子で歩いているのを見て『みんな油断してそうだから、いま出ていくと可哀相か。ちょっと待とう』と、トイレの個室に入り一学年が通り過ぎるのを待とうとしました。

 

そんなことは全く知らない一学年は、トイレに入ってきて「カッター競技会が終わってからというもの….二学年の先輩までも指導する側の立場になって、より監視される範囲が広がったというか…少しのミスが命取りになる!!上級生と話すのが怖いっ…」と愚痴をこぼします。

 

そんな様子を聞いて『あったあった』と懐かしむ近藤でしたが「でもそんな中、安心なのは…やっぱり沖田さんだよなぁ!!」という一学年に『え!?』っと驚きます。

 

ある一学年は「沖田さんが言ってくれたんだ…」と沖田が言ったことを思い出しながら『僕って、一年生の時、本当に何もできないダメなヤツだったんだ。でも、だからこそできなくても苦しんでる人の気持ちが分かるんだ。困ったことがあればなんでも相談してね。いくらでも僕を踏み台にして頑張ってくれていいから!でも、周りには内緒ね。僕は怒られ慣れてるけど君達は慎重に振る舞わなきゃダメだから。未来の国防のためにもさ。』と話します。

 

その場にいる他の一学年達も「地獄に仏!仏先輩だ!!」と同意しているのを聞いた近藤は『一学年にとって、沖田の存在がオアシスになっているなんて…沖田に厳しめに言っちゃったけどアイツはアイツなりに役割を全うしてたんだな…』と思います。

 

「それに比べて…あの近藤さんって二学年めちゃくちゃ怖いよな…」と怯えた表情で話す一学年。

 

近藤は驚きます。

 

「カッター艇長やってた土方さんやタナラットさんとかより…なんか静かに怒っているような…上官だけど意外な伏兵って感じだよな!!」と、それぞれが感じる近藤について話す一学年。

 

それを聞いた近藤は『新一学年にとって、沖田は優しい仏のような先輩で…オレは、怖くて嫌な上級生ってことになっているー!!!』と初めて気が付きショックをうけます。

第182話:仏の沖田?

こんな話を誰かに聞かれたらマズイと帰って行く一学年達。

 

近藤は、彼らのためを思って指導してきたはずなのに嫌われていたことにとても落ち込みます。

 

儀仗隊の練習後、「どうした。カッターが終わって満身創痍(まんしんそうい)か?」と近藤に声をかけた清川。

 

近藤は『清川さんは、オレが一学年の時、仏の上級生だった…もしかしたら何かヒントがもらえるかも…』と思い、相談があるといい二人で晩ご飯を食べることに。

 

私服に着替えてから、夕ご飯の焼肉を食べる二人。

 

上級生から洋服を借りれて肝が据わっているのに、下級生に怖がられていること相談する近藤にそんなセンシティブだったなんてと笑い飛ばす清川です。

 

近藤は、これは大問題だと「これから部下を持つ者として、仲良くやっていかないとダメだって…」と言いますが、清川は「仲良く….?うーん。」と、首をひねり「それは違うな。」と言います。

 

「俺たちが防大で学んでいること…それは組織を正しく動かすということだ。仲良くすることを目的にしては組織運営を学ぶ場所ではなくなってしまうんだ。それは近藤も分かってるよな?」と聞くと「はい…」と返事します。

 

「学び、教える過程で時には対立することもあるだろう。しかし、指導する立場であるなら、それを恐れてはいけない。」と笑顔で清川が言います。

 

近藤は「その点で1つ思うことがあります。」と身を乗り出し「自分は、一学年の時に受けた指導の方法を真似ているだけです。

 

ですが、今のままでは中隊の一学年と私たち二学年との、チームワークが乱れる原因になってしまうのではないかと思っています。もっと清川さんのように…」と話す近藤を、遮り「おれの指導方法が優しかった見習いたいと思ってるとしたら、それはとんだ勘違いだ。近藤が一学年に怖がられているのか…それは、『タイミング』じゃないか?例えば、忙しくて時間が全くない時に注意されたら相手はどう思うだろう?」と清川が問います。

 

「あっ…」と今までの事を思い出す近藤に「自分が苦しい時に追い込みをかけるように指導を受けたら、通常の何倍もキツいだろ。ましてや同じ人間から続けて行われたら…近藤も今までに指導される側としてそういったケースに出くわしてきたんじゃないか?自分が指導する側だと気づけないか?」と、さらに続けて「オレの指導が優しく見えたのはタイミングが良かったか、過度にならないよう多少気を遣っただけだ。ただし、一学年の人格や生き方を否定するような指導や、好き嫌いでの評価は絶対にするんじゃないぞ….?」と言われた近藤は「それはしてないです。」ときっぱりと答えます。

 

「なら。胸を張れ!いつかちゃんと分かってくれるさ。」と近藤は励まされました。

 

帰り道、一人になった近藤は『土方とは散々、嫌いだなんだってもめてた…』と反省します。

 

私服から着替えて校舎に戻ると、早速一学年に怖がられていると感じました。

 

『彼らが慣れてきて、考える余裕が生まれるまでまつしかないか…でも、そんな状況であの沖田が、一学年に好かれる理由って一体…?やっぱりアイツ単にナメられてるだけなんじゃ…』と再び近藤は、沖田の対番の佐藤と話しますが「沖田さんの指導は毎回非常に的確で、感謝しかないです。一からキチンと教えていただいてます。」とはっきり言われてしまいます。

 

『沖田の下対番の佐藤くんは正直デキっ子だ。休日、多少ハメを外す緩さはあるけど、欠点とは言えない…これはきちんと沖田が指導できているという証拠なのか?』と悩む近藤は清川の言葉を思い出しました。

 

『いつのまに沖田はそんなに上手く指導できるようになったんだ?オレたちの知らないところで…この閉鎖的な防大の中でどうやって……?』と気になった近藤は、沖田のところへ向かいます。

 

「近藤ク―ン!」と近藤に会えて嬉しそな沖田。

 

近藤はストレートに「一学年の時、原田や武井、オレとかと一緒に外出すること少なかったよな…具体的になにしてたんだ?」と聞きました。

 

沖田は「近藤君には話してなかったっけ…?僕は防大同期の中で一番ダメっ子扱いだったからさ…それを見かねた坂木さんが、剣道部に入れてくれたでしょ?そこからずっと…ずぅーーーーーーっと休日も返上して鍛えられてたんだよ。なかなか思うように成長できない僕を見かねた坂木さんが『誰よりも多く、何かに取り組むようにしろ。授業終わりに懸垂を10回…昼休みに走り込み…なんでもいい。』と言ったんだ。」と思い出しながら話します。

 

「多分誰も気づいていなかったと思うけど、休日返上して近藤クンに会うのも我慢して…防大に残ってみんなと一緒に…乗り越えて行きたかったから、頑張れたんだ。実は今もやってるんだよ!すごいでしょ!」と笑顔で言う沖田。

 

自分で付けた名札や磨いた靴を近藤に見せながら「あの土方だって最後は文句を言わなくなったんだ。もう半人前だなんて誰にも言わせないよ」と断言する沖田。

 

近藤は、人知れず頑張って一人前になり、一学年からちゃんと頼られてるんだとわかり、坂木の影響を強く受けたと思っていたのは自分だけじゃなかったことに気が付きます。

 

沖田は「二学年から小隊は違うけど、同じ中隊で、同じ海上要員。これからも一緒になることは多いとおもうから力を合わせて乗り越えよう!友達として!」と言うと、近藤は「オレはもう…オマエと単なる友達じゃいられないよ…これからはライバルとして隣にいてくれ!オレもまけないからな!」と改めて握手をしました。

 

「一学年前期115部屋のみんなで集まって、退院祝いをやろうって話してるんだ。沖田も絶対来いよな!」と近藤が言うと笑顔で「もちろん!」と沖田は答えます。

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第183話:帰還

GW休暇最終日早朝、「ただいまから、ヘルウィ―クを開始する!!」という掛け声が防大に響き渡ります。

 

その様子を部屋から見ている近藤たち。

 

「四大隊の二学年がGWで事故を起こしたみたいだぞ。カッター終わって酒飲んで帰校遅延…だそうだ。ハメを外しすぎてしまった結果だろう。」と言うサブ長の西川。

 

20歳になったばかりの近藤も酒には気をつけろよと言われます。

 

昨年、武井が連絡なしの帰校遅延をして第一大隊での辛かったヘルウィークを思い出す近藤。

 

「佐藤と寺尾オマエらも気を付けろよ。」と部屋長は言い、「防大は、組織での連帯責任を学ぶ場でもある。我々でも律する必要性があるぞ。」という馬越。

 

「だが、二学年が事故った場合、一学年はやらなくていいんだ。側で見て学べるからなァ….近藤リーダー」と西川にからかわれますが「事故りませんよ絶対!!!」と近藤は言います。

 

渋谷では、GW最終日に防大の女子の引率外出が行われています。

 

渋谷なんて初めてと緊張する一学年。

 

ここからのプランを任された岡上は、考え込み「まずは、映画を観ましょう!!それからショッピングをします。まず各自タピオカ装備!」と指揮をとり始めます。

 

楽しそうに喫茶店にいると一学年の大浦が「113小隊近藤さんと内恋しているって本当ですか?」と、質問します。

 

思わず飲み物を吹き出す岡上。

 

周りもその話出ちゃったかーと盛り上がりますが岡上は「近藤学生には…外に彼女さんがいます!」というと「あの堅物、軟派男に――?!」と一、二学年共に驚いています。

 

「大浦さん、そんなことを聞いてどうするつもりだったんですか?」と岡上が聞くと「閉鎖的な防大の学生舎生活でどうやって、恋愛されてるのか…気になって…..そもそも出会い自体少ないですし…他大学の人と出会うことができてもこれじゃ長続きしないですよね……」という大浦。

 

それぞれの思いを話をして楽しみ満足だと防大へ帰ってきました。

 

岡上は部屋戻ってから四大隊がヘルウィーク中と聞いて驚きます。

 

101B寝室では、近藤が「小島くん帰郷はどうだった?」と聞きます。

 

「ほとんどドンボ返りだったんで逆に疲れちゃって…特外できるようになって早く連泊したいです。明日からまた通常通り頑張ります。」という小島に微笑む近藤。

 

GWも終わり、空、海、陸に分かれて専門訓練が始まった二学年。

 

久しぶりの座学に、イキイキする近藤。

 

移動しながら会話していると突然「おい、テメェら!何油売ってんだ!?さっさと学生舎に戻れ!!」と怒鳴られます。

 

『聞き慣れた越えがしたような…』と振り返った近藤は松葉杖をついて立っている坂木の姿を見て驚きます。

 

坂木のネームプレートの横には【訓練科】の文字があります。

 

山並、沖田も坂木に気が付き青ざめています。

 

「チンタラしてんじゃねぇ、二学年!!さっさと戻ってオープンキャンパスの準備をしろ!!」と言われ、走りながら『え?!今のって…そんなまさか!!!?』と困惑している近藤でした。

第184話:坂木、再び

青ざめている近藤たちと会った武井が「海上要員、なんかあったのか?」と聞くと近藤も、沖田も指で角のジェスチャーをしながら「サ、サカッ…キ…サン…鬼…..鬼がっ….!」と会話にならず「なんのジェスチャーだ、それ。…..まるで坂木さんがいたとでもいいたげな焦りっぷりだな。いるわけないだろう。まあ何かの手続きの可能性もあるかも知れないが。」と冷静に話す武井。

 

着替えてパレード訓練をする近藤と武井は、千葉教官の隣にいて睨んでいるように見える坂木を見つけました。

 

『あの人がいるだけで…何倍も緊張するなぁ….』と冷や汗を足らす二人。

 

訓練後「近藤リーダー!!」と呼ばれて振り返ると、岡上が驚いた様子でジェスチャーをすると「言いたいことはすごく分かる。」という近藤。

 

「もう、びっくりしましたよ!!」と言う岡上に「ってことは知らなかったんだ。前にお見舞いに行った時、坂木さんと岡上さん2人で病室に残って話してたからてっきり….」という近藤は言います。

 

気になりので日中点呼後、千葉教官に詳しく聞いてることにした二人。

 

近藤が120自習室に入ると「あ、近藤…これ…帰ってきたらボードにこれが….」と斉藤が指さす先には【近藤帰ったらすぐに教官室に来い。坂木】とかいてありました。

 

『やっぱり本物だった…..』と慌てている近藤をとりあえず行ってこい急いで…みんなが背中をおします。

 

指導教官室から『何かとてつもないオーラを感じる….』と思いながら近藤が入ると坂木がいます。

 

「なんで呼ばれたか、分かってんのか?さっき中庭で欠礼したろ!!二学年にもなってなんだそのザマは!!」と叱られる近藤は坂木の立場が上級生なのか教官なのかわからず困惑しつつ、自分だけ呼び出されたことに理不尽を感じています。

 

卒業はしたが怪我の影響で幹部候補生学校入校待ちという扱いで、その間も特別公務員として税金から給料が出ており、通勤出来る程度まで回復したから職場復帰したまでだと説明する坂木。

 

「訓練科付坂木空曹長、だ。幹校入校が令されるまでよろしく。」という坂木に、「はいっ!!よろしくお願いします!!」と言う近藤は続けて「この場で恐縮ですが、昨年度前期115部屋の人員で集まりまして坂木空曹長の退院祝いを行いたいと考えております!」と今週日曜日に時間を頂けないか聞きます。

 

驚いている様子の坂木は「…….ああ、大丈夫だ」と返事をすると詳細は追ってご連絡させていただきますと部屋を出たあと近藤の表情は嬉しそうです。

 

「二学年はカッターが終わったばかりで、ハメを外してヘルウィーク状態にはさせるなよ。」と千葉にいわれます。

 

また、一年防大にいることがわかった坂木を知っている11中隊だった二学年から四学年は、複雑ですが岡上はとても喜んでいます。

 

帰宅しようとする坂木に「おでんおごってやる」と誘う千葉。

 

二人は、おでんをつまみながら話します。

 

独身寮を進める千葉に、たった一年じゃ無駄という坂木。

 

千葉が「本当に、いごっそうだなオマエは。飲まねーの?」と言うと烏龍茶をおかわりしながら「退院したての人間に、酒勧めてんじゃねーよ。」と坂木は答えます。

 

そんな坂木を「フフフー♪奢ってやるっていってるのに、なんつー口の利き方だ。当たり前だがオレの方が階級上の上司なんだぞ」というと「シャバなんだから勘弁してくださいよ。近藤も千葉さんもめんどくせ!」という坂木。

 

「目の輝きはオレが一番。坂木も近藤も全然ダメー。」と言う千葉に『うるせぇなこの酔っぱらいは。ハメ外してるのはどっちだよ』と思います。

第185話:退院祝い

5月日曜某日、近藤、沖田、原田、武井は坂木の退院祝いをするために、個室をおさえていました。

 

東堂は交友会が忙しいと来れなかったようですが、代わりにと広島の江古田島にある海上幹部候補生学校から横須賀まで外出は出来ないからと、タブレット越しでお酒を持った西脇が待っていました。

 

坂木に乾杯の挨拶をお願いすると、苦手といいながら「怪我で躓きはしたが、これからは立ち止まらずに進んでいくつもりだ。オマエらも頑張って進んでけよ。そして…部屋会ありがとうな。」と乾杯します。

 

20分後には、もうワインを2本空けた西脇が泣きながらカッターを乗り越えたことを喜んでいます。

 

「オレの方も7月は再び遠泳が待ってる!無事を祈ってくれよ~~」と西脇が言うと「えっ…西脇さんも遠泳?」と驚く近藤に、「知らないのか?海上の幹部候補生学校も遠泳があるぞ。8キロじゃなく、8マイル….約13キロだ。」と坂木が言うと音をたてて崩れていく近藤でした。

 

坂木にもらったライターを「使うと思って持ってきました。」と坂木に話しかける近藤の方をくるっと振り向き「そのライターか。ただな、今ちょっとタバコやめてんだ。悪いな..」と言う坂木に「いえ….」と返事する近藤は、振り向き方に違和感があるように感じます。

 

原田は「20歳になった近藤に酒を飲んで感想を教えてくれよ。」と提案すると、坂木も「1杯ぐらいならいいだろう。好きなヤツのんでみろよ。」と言います。

 

「実家で料理酒入りの調味料を味見したりしてたんで、あまり酔ったりしないと思いますが….」という近藤でしたが、あっさり潰れて寝てしまうほど弱いことがわかります。

 

原田と沖田が近藤を支えてお店を出ます。

 

「日中点呼には引きずってでも連れていくぞ」と言う坂木。

 

ヘルウィークにならないよう西脇に別れを言い、タクシーに乗せます。

 

「コイツの下宿、松原と同じとこだったよな。一旦、こいつを下宿で着替えさせて学生舎連れていくぞ。」という坂木。

 

近藤は、ハッと少し目が覚めます。

 

武井が「あ…一学年ですかね?」と坂木に話しかけると、「ああ、防大戻るとこだな。ったく姿勢悪い…」と体を起こして窓の外を見ている坂木を横目で『やっぱり坂木さん、左に振り向く時の動作がやけに大きい….もしかして左目の視力があまり回復してないのか…?』と思う近藤。

 

「目覚めたか?」と坂木が気が付き「はっはい。制服姿の一学年がバラバラといますね。」と近藤が言うと「そりゃそうだろ。一学年の休養明けは辛くて当たり前だ。短い休みの後、すぐ集団生活に戻って、辛い訓練の再開ふだからな。テメーもそうだったろ。ほら、水飲んどけ」と水を渡された近藤は飲みました。

 

翌朝からまた通常通り訓練が始まっています。

 

移動中、対番の小島は近藤に話しかけますがやっぱりなんでもないといいます。

 

その日の消灯後、フェンスを乗り越え走っていく一人の姿がありました。

第186話:予兆

翌朝、「昨晩、一大隊で脱柵があったんですか?!」と驚く近藤に「捜索で叩き起こされたってさ。四階の十四中隊。」と馬越が言いました。

 

「脱柵者の捜索は、所属中隊の学生と指導官全員で行われる。指導官の一部は敷地外の捜索を担当し…防大に残った指導官は小隊学生長に指示をだして、小隊単位で担当の範囲を決めて、学生に捜索させる。校内の隅々までね。もちろん、発見が終わるまで捜索が終わることはない。」と一学年に説明する西川。

 

ぞっとする一学年の二人。

 

佐藤は「すでに敷地外に出ている場合、校内では見つかりませんよね…?」と聞くと「それでも捜すんだよ。中隊の捜索で発見されない場合、大隊の学生全員が叩き起こされる。約500人での捜索開始だ。」と西川は言います。

 

「昨夜、自分たちが起こされなかったってことは…無事に確保されたんですか?」と聞く近藤に「脱柵者の多くは敷地外で指導員に発見される。昨夜は、応援で駆けつけた千葉教官が、外で見つけたらしい。」という西川。

 

近藤は、去年の原田が脱柵しかけたことが未遂で終わらせてよかったと思います。

 

小島は十四中隊の脱柵のことが伝えられると『十四中隊の一学年って…まさか….まさか…まさか…』思い、と昼食の準備中に脱柵したのが粕谷と聞き『やっぱりアイツか…粕谷…まさか本当に脱柵するなんて….』とショックを受けます。

 

3日前のGW期間中、小島は粕谷と話したことを思い出します。

 

同じ東京組は事前準備としてシイッターを通して集まり横須賀のホテルに泊まりました。

 

着校前は『一般大じゃ味わえない世界未知の世界!!日本を守る!!不安もあるけど共に頑張ろう!!』と決意した同志でしたが、一か月後の現在、慣れない防大生活に耐えられない、一人になれないのがこんなに辛いなんて…と話している中、「小島は….?」と聞かれると、「オレは野球部だったから、合宿とかだと結構自由なかったし先輩との上下関係との厳しさにも慣れてるっていうか….」と話します。

 

無理だといい、一人が「……..辞めようかな……防大….」と言い出すと、粕谷が「オレさ…元々防大志望じゃなかったんだけど、親はどうしても防大に入って欲しかったらしくてさ….入校式前にやっぱり辞めたいって話をしたんだけど、反対されて、結局辞められなかったんだよね…このままGWが終わったら……オレ……どうすれば….いっそ脱柵しようかな..爺ちゃん家、広島だからそこまで逃げれば….」という粕谷に落ち着けと言いますが、正直オレもすぐ辞めたい…..授業も休めないしと小島以外は言っています。

 

小島は「確かに辛いけど、脱柵とか極端すぎるだろ!!」と言うと、体育会系のノリに慣れているヤツはいいなと言われてしまいます。

 

『粕谷….本当に脱柵するなんて….あいつ、親が防大辞めることに反対して八方塞がりだったんだろうな…..オレがもしそれぐらいまで追い詰められた時、近藤さんに相談したらなんて言うんだろう….』と、小島は、考えながら自習に手間どり洗濯物が終わっておらず、もうすぐ就寝時間だと言われ消灯ギリギリの普段は人気がない乾燥室へ向かうと、東乾燥室から「今はまだ….誰かに気づかれるとマズい…脱柵の相談はまた明日の……」と声が聞こえます。

 

『えっ今、脱柵って…?』とふらつき扉があいてしまうと「小島!!!待てよ」と腕をつかまれます。

 

「話聞いてたんだろ?普通に辞めるには手続き長すぎるしモタモタして先輩たちに目ぇ付けられるとヤバい……行こうぜ。一緒にオマエも」という橋本に「それって集団脱柵ってことか?!」と戸惑います。

 

―あおざくら防衛学校物語19.完―

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