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ご紹介する方法は、登録不要でもちろん合法です。
違法手段ではないので、安心してください。
『道士郎でござる』は漫画アプリ『サンデーうぇぶり』で全巻無料で読める?
いきなり、結論です。
『道士郎でござる』はこちらの小学館が運営する漫画アプリ『サンデーうぇぶり』にて全巻無料で読むことができます。
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『サンデーうぇぶり』は小学館が運営する公式アプリなので安全に利用できます。アプリをダウンロードする際もお金は一切かからないので安心してください。
『サンデーうぇぶり』では『道士郎でござる』を惜しげもなく1巻から最終巻まで全巻無料で公開してくれています。
安心安全に、そしてタダで『道士郎でござる』を読破したい方は『サンデーうぇぶり』を使う方法が最もお得です。
また『サンデーうぇぶり』では、『道士郎でござる』以外にも
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『サンデーうぇぶり』の基本的な使い方
『サンデーうぇぶり』では、アプリ内アイテムである『チケット』と『ポイント』を使用して読むことになります。
簡潔に言うと、『チケット』『ポイント』を使って1作品、1日に最大5話まで無料で読むことが可能です。
『道士郎でござる』も1日に最大5話まで読み進められます。
ここでは『サンデーうぇぶり』で使うアプリ内アイテム『チケット』『ポイント』のそれぞれの使い方を簡単に説明します。
『サンデーうぇぶり』のチケットとは?
『チケット』はチケットアイコン(↓黄色い線で囲んである)が表示されている話に使うことが出来ます。
各作品ごとに1日1枚使用することができ、チケット使用後23時間で、新たなチケットが配布され各作品をまた1話無料で読むことが出来るというシステムです。
つまり、ほとんどの作品を1日1話無料で読めるシステムがこの『チケット』なのです。
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『サンデーうぇぶり』のポイントとは?
『ポイント』は毎日、5~15秒程度の広告動画を見ることで30ポイント(作品1話分に値する)を取得することが出来ます。
サンデーうぇぶりに掲載されている作品は、すべてこの『ポイント』の対象です。(※ポイントを使って読む事ができるという意味)
↓『サンデーうぇぶり』のホーム画面に『POINTゲット(黄色い線で囲んである)』アイコンが出てくるので、そのボタンをタップして短い広告動画を見ることでポイントをゲット出来ます。
15秒程度の広告を流しておく(見なくてもよい)だけで、1話分の漫画を無料で読めてしまうので、絶対活用するべきです!
この『POINTゲット』アイコンは毎朝8時に回復し、ホーム画面に表示されます。
【重要】さらに今なら『サンデーうぇぶり』のアプリを新規ダウンロードすることで1000ポイントの特典が付いてきます。※1000ポイント=単行本3冊分
アプリのダウンロードは、もちろん無料です。
操作も簡単なので、すぐに使いこなせますよ!
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『チケット』『ポイント』以外で1日3話分の漫画を読む
『チケット』『ポイント』以外に1日3話分の漫画を無料で読める仕組みがあります。
その仕組みがこれ、
見たい話の漫画のページへ飛ぶと、「動画を見て無料で読む あと3回」と表示されます。これをタップし広告動画を視聴することで1話分を新たに無料で読むことが可能となります。
3回分この仕組みを使ったら翌日0時にリセットされ、また利用できます。
ここまでを簡単にまとめると
- チケットを使い1日1話無料で漫画を読む
- 短い広告動画を見て毎日30ポイント獲得し1話分の漫画を無料で読む
- 短い広告動画を最大3本見て、3話分の漫画を無料で読む
以上の事から『サンデーうぇぶり』は、1つの作品において、1日に最大で5話分を無料で読むことが出来るかなり気前の良い漫画アプリであることが分かります。
遠慮なく無料で読ませていただきましょう!!(^^)/
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『道士郎でござる』あらすじ紹介!
もしも現代日本に、侍として教育を受けた若者が現れたらどうなるでしょう?
答えはこちら、『道士郎でござる』で描かれています。
『今日から俺は!』で知られる西森博之先生の作品で、2004年から2006年にかけて週刊少年サンデーで連載されていました。
主人公は日本生まれ、ネバダ州育ちの侍高校生、桐柳道士郎(きりう どうしろう)
自己紹介の時点で様々なツッコミ満載の彼の、時代錯誤な武士道が、現代日本に生きる様々な人の常識を面白おかしくかき乱します。
良い勝負と称して不良とけんかしたり、クズや卑怯者に鉄拳制裁したり。
ためになりそうな話をしたかと思えばMr.〝ヤ〟と戦ったり、石を運んだり……
現代日本に現れた、最強の侍高校生と仲間たちが繰り広げる、涙あり、友情ありの、抱腹絶倒な侍学園コメディです!
『道士郎でござる』は面白い?見どころ紹介!
見どころ①凸凹なダブル主人公と仲間たち!
タイトルにもなっている道士郎と、もう一人の主人公、小坂健助(こさか けんすけ)。
彼なくしてこの物語は語れません。
というか破綻すると言ってもいいかもしれません。
道士郎は初めからLv100の状態なので、これ以上強くなりようがないのですが、健助は決してケンカが強いタイプではなく、気弱で小心者、争いごとを避けることに命をかけています。
しかし些細な一言から、最強の武士、道士郎の殿になってしまうことで、彼の平穏な人生は変わってしまうのです。
道士郎いわく、武士とは誰かの為に力をふるう存在らしく、自分の為には戦わないとのこと。
好き勝手に暴れたがる道士郎に、何とか現代の常識を教え込もうとするのですが、やがて道士郎マジック(健助語)に染まっていきます。
望んでいないのに争いごとの中心に立たされ、道士郎のストッパー役となる彼の躍らせられっぷりと成長は必見です。
そしてそんな二人に集まりだす個性的な仲間たちと築き上げていく信頼と友情は、こちらもつられて熱くなります。
見どころ②西森ワールド前回のバトルとギャグ!
侍学園コメディと紹介しましたが、道士郎でござるは立派なバトル漫画でもあります。
西森先生の前作品、『今日から俺は‼』『天使な小生意気』を読まれている方は知っているかもしれませんが、今作もしっかりとそのDNAを引き継いでいます。
相手を追い詰める時の表情や、勝利する瞬間の動作などは鳥肌が立つすさまじさです。
ギャグに関しては西森先生独特の言い回しや、見どころ①で語った『道士郎マジック』など、作中のみでしか使えないような新語が飛び交い、思わず吹き出さずにはいられないセンス。
主要人物たちのかけ合いだけではなく、背景のモブの小さなセリフなども面白いので、ぜひお見逃しなく。
先生、とても細かい所までギャグをちりばめています(笑)
見どころ③実は恋愛要素がある!
実はあります。
基本はコメディなので、コメディとバトルの合間にこちらもどうぞと、差し出されているようなささやかさですが、意外とあちこちにときめきが転がっております。
主人公健助は好きな子の為に、それまでの自分を一度、かなぐり捨てて教師や不良と正面から対峙して、道士郎がぶっとばします。
このがむしゃらな行動から、健助はグッと成長したような気がします。
道士郎に関しては戦いにしか興味が無さそうですが、他人のそういったことにはよく気が付いているようです。
早乙女の婚約者騒動など、いらぬ発言を連発してかき乱して笑えます。
甘酸っぱいような胸の高鳴りではありませんが、何気にボーイミーツガールなので、好きな方はぜひ、そこも探して楽しんでみてください。
『道士郎でござる』登場人物紹介!
桐柳道士郎(きりう どうしろう)
生まれは日本、育ちはアメリカのネバダ州(何故)の最強の侍。
本作の主人公で高校一年生。背が高く、黙っていれば爽やかイケメン、常に着物でちょんまげ(ポニーテールとも)といういで立ちで生活しています。
しかしその実態は、日本文化を誤って理解した外国人という印象です。
彼は本物の日本人を育てようと考えた父により、三歳の頃に何故か、アメリカのネバダ州に誘拐同然で連れ去られました。
そしてその地の先住民であるターマウツオブ族(通称ター族)の人々と生活し、12年たった現在、鋼の肉体と間違った日本文化を体現する侍として日本の母と兄の待つ家に帰ってきたのです。
目上の人を敬い、誰にでもはきはき挨拶するし見た目も良いので、恰好のおかしさについては大体の人が誤魔化(ごまか)されます。
勝負となると話は別、まるで容赦がありません。
彼に戦うべき相手と認定された者は、体当たりで弾き飛ばされますが、勝負で負けた者とはなんだかすっきりして強敵(トモ)となります。
対して勝負するに値しないクズや卑怯者をとてつもなく嫌っており、クズ認定された者は年齢、立場関係なく鉄拳制裁を食らわせます。
またそれが圧倒的、野生の勘が働いた者は道士郎と戦おうとは思いません。
本人曰く戦うしか能が無いらしく、日本へ戻った理由も家族が待っているからというよりは、強い敵と戦う(暴れる)ためのようです。
仕えるべき主君を探していて、もう一人の主人公、健助を殿と呼び、絶対的な信頼で付き従います。
健助のフラストレーションの一番の原因であると同時に、彼の成長に欠かせない相棒です。
日本文化が大好きで、富士山や、母の握るおにぎりをいつか食べたいと憧れています。
小坂健助(こさか けんすけ)
もう一人の主人公。
小柄で平凡な高校一年生。なんならいっそ、地味で目立たないタイプです。
ケンカなんてしない、したくない、吹けば飛ぶような彼ですが、洞察力が高いようで、ケンカは弱いけど意外と重傷を負いません。
とっさの機転でエリカを助けたり、ケンカに勝利することがあるので、頭の回転も速いようですが、あまり自覚してはいないようです。
普通の人間であると自覚していますが、冗談半分で『僕の為に戦ってよ』なんて言っちゃったのが運の尽き、最強の侍、道士郎の主君になってしまいます。
最強の侍が何かにつけて健助を引き合いに出し暴れるせいで、まわりの人々は、健助は彼以上に強いと勘違いし、一番のヤンキー高と噂される開久三高(あけひささんこう)の級長にまで成り上がります。
そこで健助は、自分にも絶対譲れないものがあることに気づき、開久三校の級長会でケンカを売り、仲間たちとなんとか勝利。
学校活動に留まらず、町の自警団にまで駆り出されて(押し付けられた)やがてはエリカを付け回すヤクザ相手にさえ歯向かう度胸を身につけます。
弱いはずの彼の、一度は負ける気で強敵に挑む様は、常に一発KOの道士郎とは別の意味での強さを感じるでしょう。
本人は道士郎という保険があるから、無茶ができるという考えですが、それだけではないはずです。
そんな健助だから、仲間たちはついて行くのかもしれません。
将来は警視を目指すようです。
早乙女愛(さおとめ あい)本名、前島勇(まえじま いさむ)
体がごつくて大きくて髭も生やしていますが、これでも道士郎、健介と同じ高校に通う高校一年生。
とてもそうは見えません、第一印象でまずみんな、ゴリラを連想します。
ケンカであまり負けたことが無かったようで、日本に戻ったばかりの道士郎が、初めて勝負する相手でもありますが、なすすべなくふっ飛ばされます。
圧倒的な強さを見せつけられ、友情を抱きかけるも初対面でとっさに名乗った偽名、早乙女愛のせいでクズ呼ばわりされ落ち込みますが、これを魂の名とすることで仲間となります。
過去に挫折したことがきっかけで、くさくさした毎日を送っていたようですが、段々と本来の真っすぐな男気を取り戻していきます。
健助がいるから無茶をするためあまり目立ちませんが、中々常識人で、指揮を任されることも。
本名を皮肉った前鳥(まえどり)や、わび島(わびじま)サータン、ゴリ早乙女、ロリゴリ(ロリコンゴリラ)など作中でもツッコまれていますが、名前の多い男です。
道士郎に追い込まれ小学生の許嫁を得たのち、健助の助言で妹と思い込むことで、ロリコンの汚名を気持ちの上で晴らしますが、そもそも小さくて可愛い物が好きなようです。
いつか道士郎のような、圧倒的に強い男になることを目標としています。
白瀬エリカ(しらせ えりか)
真っ白い髪が目立つ、どこか影のある同級生、スタイルが良く美人です。
ヒロインという立ち位置なのでしょうが、仲間と呼ぶ方がふさわしいかもしれません。
その方が本人も喜びそうです。
不良に絡まれてもすごみ返すほど度胸があり、言葉のナイフがキレッキレでケンカの心得もあります。
素直に自分の気持ちを語るのが苦手なようですが、けがをした健介にこっそり絆創膏を用意したり、バッグを盗まれたおばあさんにつきそったりする優しい娘、ツンデレです。
二歳の頃、極道、寺後紅組(てらあとべにぐみ)に与していた彼女の両親が襲撃により目の前で殺されて以来、髪が白くなってしまいました。
その後組長に引き取られますが、一般人として育てようとの考えから、養子縁組はされておらず、極道の世界にもなるべく触れさせずに育てられたようです。
しかし家の名前は強力で、組員のNO3と称される松崎(まつざき)から妙に執着されていることも手伝い、もめごとの多いこれまでだったらしく、他人と関わることに慎重です。
自分の為に不良や変態教師、松崎に立ち向かって安全な将来を考えてくれた健助を信頼していて、けっこう素直に、感情をひけらかしています。
実は笑い上戸。
通称はエリタン(健助命名)ですが、本人は内心恥ずかしく思っていて、抗議したところ最後はエリリン(健助命名)に落ち着きました。
神野(かんの)
開久三校一年B組の級長。
早乙女の昔馴染みらしく、ケンカが強いうえに頭がキレます。
転入してきた道士郎たちを面白がり、圧倒的な強さを持つ道士郎をこちらに引き入れる為、色々と裏で画策するも野生の勘が働き逃亡、退学した後、タトゥーギャング『チェインズ』の一員となります。
しかしいまいちパッとしない日々を送り、健助の真似事をして集まった偽りの仲間を利用して、ヤクザにケンカを売りますが、彼の想像以上に相手は凶悪でした。
逆に追い詰められた為、仲間を使って逃げようとしますが、そこまで非道にはなれず、その後は助けに入った早乙女たちと和解します。
松崎(まつざき)
エリカが世話になっている、寺後紅組のNO3。
タトゥーギャング『チェインズ』と『サウザンツ』、二つの組織をあえて対立させて集金していた元締めです。
欲しい物は何でも手に入れる野心家で、非常にキレやすく容赦なく力を行使するタイプ、いずれは寺後紅組のトップにと考えています。
何故かエリカに執着していて、彼女が自ら孤立することを選んだ背景に、少なからず関わっているようです。
敵宣言した健助を大人げなく追い詰めますが、最後は彼の策略にはまり御用となります。
桐柳真理恵(きりう まりえ)
道士郎と、その兄麗一をこよなく愛する母、二人とも、よい子と信じて疑いません。
とても二人の子供がいるようには見えない、幼いかわいらしい見た目をしています。
絵本作家ということもあってか、想像力が豊かなようでなかなかに変わった人で、健助とは別の意味で道士郎が逆らえない相手です。
予想の斜め上を行く成長を遂げた道士郎の言動に、はじめは夢でうなされるほど、戸惑っていましたが割とすぐに慣れました。
道士郎を許可なく連れ去った夫については、バカ男と書いて旦那と呼び、許さないとのことです。
桐柳麗一(きりう れいいち)
道士郎の兄。今どきの大学生で、普通にモテそうな若者です。
桐柳家の貴重なツッコミ役で、家族思いの良いお兄ちゃんなのですが、少々マザコン気味。
近所のおじいちゃんからは、弟だと勘違いされています(笑)
一見兄の威厳が無さそうですが、弟に負けないようにこっそり鍛えたり、タトゥーギャングが桐柳家に押しかけてきた際には、家の平和を守る為、健助たちの為に体を張ります。
他にもまだまだ、紹介しきれない個性的な人々が登場するのでお見逃しなく!
『道士郎でござる』序盤ネタバレ紹介!
ござる1「ネバダ州から来た少年」
荒野にて、複数の人々が空を見上げています。
「行ったな」
「ああ 行った」
彼らはどうやら誰かを見送りに来たようです。
その口ぶりは相手の身を案じるというより、信頼に満ちています。
この荒野がどこで、彼らが何者かは、追々わかります。
今度は日本の空港にて、祈るように掲示板を見つめるかわいらしい女性がおり、連れの男性からアイスをもらい、ママ落ち着きなよと促されます。
二人は母子で、十二年前、夫に誘拐同然でアメリカに連れていかれたもう一人の息子、道士郎(どうしろう)を迎えに来ていたのでした。
母、真理恵(まりえ)は息子の麗一(れいいち)にバカ男(ダンナ)にどんな子に育てられているだろうと不安がります。
十二年前の道士郎はまだ3歳だったので無理もありません。
しかし真理恵の想像する息子の現在の姿は、あまりに日本人離れしています。
自分の想像に怯える真理恵を麗一が、悪い奴だったら僕が叩き直してやるよ、となだめます。
麗ちゃんだけが頼りよと嬉し泣きする真理恵に呼びかける声が……旦那の弟、拓弘(たくひろ)です。彼が道士郎をアメリカまで連れ戻しに行ってくれていたようです。
緊張しながら真理恵が振り返ると、そこには拓弘と、体格の良い、もとい、ごっつい欧米風の男性が。
真理恵と麗一はあまりに変わってしまった道士郎(仮)を前に、言葉を失います。
そのまま気絶しそうになる真理恵でしたが、自分は母だと気持ちを立ち直らせて涙を浮かべて両手を広げます。
母の決意の姿に、たとえマザコンと呼ばれてもママを尊敬するよ、と麗一ももらい泣きします。
しかし道士郎(仮)は真理恵に目もくれずそのまま通り過ぎました。どうやら彼は道士郎ではなかったようです(笑)
たまたま拓弘の真後ろに立っていた通りすがりでした。
拓弘は真理恵の行動に呆れます。
罵倒する真理恵を無視して、そういえば道士郎はと拓弘が探すと、彼はお土産屋の前で商品を物色していました。
呼ばれてふり返ったその少年は、髪を一つに結い、着物姿で下駄を履いて風呂敷包みを担いだ、いわゆる時代劇のような恰好をしていました。
人としてはかなりかわっているんだと、直前にぼやいた拓弘の言葉に再び緊張していた真理恵でしたが、全然かわってないじゃないとほっとします。
拓弘はツッコミどころの多い道士郎の姿を真理恵に再確認しますが、真理恵はむしろカッコいいじゃないと一笑します。
唖然とする拓弘と麗一を無視して、再び真理恵は道士郎(本物)へ両手を広げます。
そんな十二年ぶりに再会した母に、道士郎はただいま帰りましたとひと言告げて、深々とお辞儀します。
それは空港の旅行者が、ワオ!日本人だ。日本に来て初めて見た。と言って写真を撮るほど、まっすぐな一礼でした。
帰宅した後冷静になった真理恵は、次第に違和感が出てきました。
ネバダから帰ってきた道士郎は、あまりにも日本人だったからです。ただし江戸時代とかそのあたりの。
道士郎を遠巻きに真理恵、麗一、拓弘はひそひそします。
バカ男こと真理恵の夫はネバダの何もない荒野で鍛冶屋をやり、道士郎を育てながら、現地の人々と生活していたようです。
どうも彼は本物の日本人を育てるのが長年の夢だったとか。
「なんで日本人育てるのにアメリカに行くの⁉」
真理恵の言い分はごもっともですが、理由は誰にもわかりません。夫は道士郎を見て自分の行動を許すか判断してほしいとのことでしたが、真理恵は許さないと決めました。
するといきなり道士郎が立ち上がり、何故富士山が見えないのか、ここは日本の端の方なのかと質問します。
どうやら日本ならばどこでも富士山が見えると思い込んでいたようです。
見えないとわかると道士郎は散歩に行ってくると、真理恵が止めるのも聞かずに夜道へと繰り出します。
道士郎は富士山以外にも、日本で探しているものがあるようでした。それと、夜道で何か使ってみたいものもあるようです。
夜のコンビニでは、小柄な少年が一人買い物を済ませて出てくるところでした。出入り口には数人の若者がしゃがんでたむろしています。
邪魔なんだよと心の中で毒づくも、ぺこぺこしながらなんとか通り抜ける少年。
空手でもやっていれば撃退した、しかしあれで良かったはずだと無理やり納得しようとしていると、どこからか下駄の音が聞こえてきます。
うるさいなと音のする方を見ると、夜道の暗がりの中、ぼんやり光る提灯を片手に徘徊する和服姿--もとい、道士郎と目が合いました。
道士郎は空港のお土産屋で真理恵に買ってもらった提灯を試していたところです。
無視できないほど見つめあってしまい、少年は何とか、武士の人ですか?と道士郎に質問します。
「うむ。桐柳道士郎(きりう どうしろう)じゃ。」
名乗られて更に混乱したものの、僕は小坂健助(こさか けんすけ)ですと会話を繋げてしまう健助。
どこから来たのか聞き、ネバダと答えられて更に混乱しそうなものですが、道士郎とおさらばしたい健助は、さっさとこの場を切り上げようとします。
するとそこへ、先ほどコンビニ前でたむろしていた若者たちが現れました。彼らは道士郎のいで立ちを見て、何かの罰ゲームだと馬鹿にします。
若者たちの中で一番体格の良い男だけが、笑わずにそのまま道士郎へ近づいてきました。
睨みを利かせて凄みますが、道士郎は一切視線を逸らしません。
健助は、ただならない相手の様子に困惑しますが、若者たちはへらへらと笑っています。
どうも彼らにとって、こういうことは日常茶飯事なようです。
前ちゃんと、仲間に呼ばれている若者は道士郎に敵意むき出しで、この野郎~とうなります。
すると何を思ったのか道士郎は笑みを浮かべて、勝負か⁉勝負だな、と楽し気に名乗りだしました。
前ちゃんにも名乗るように促し、彼の仲間たちが冷やかします。
前ちゃんも健助同様に困惑していましたが、早乙女愛だよ!と叫ぶと拳を振り上げました。
一切目を逸らさず、最小限の動作でパンチをかわす道士郎に驚く前ちゃんでしたが、次の瞬間、道士郎から繰り出された体当たりでふっ飛びました。
前ちゃんは背中から地面に倒れ、反撃するために立ち上がろうとします。
しかし体当たり一発で前ちゃんは立てなくなっていました。焦り半分で道士郎を見上げますが、道士郎は涼しい顔。
いい勝負だった、またやろうと告げます。
二人のケンカを見ていた仲間たちが、道士郎に食ってかかりますが、冷たく睨まれて尻すぼみます。
道士郎達が立ち去った後、仲間たちは未だ立てずにいる前ちゃんを慰めます。
先ほど、何かを見出しかけた前ちゃんでしたが、仲間の発言からナメられたと思い、道士郎に腹を立てるのでした。
健助はつい、道士郎について来てしまいました。あの若者たちといるよりは判断したのですが、道士郎の仲間と思われたかもしれないと心配しています。
健助の心配をよそに、道士郎はすっきりとした面持ちでした。良い勝負で、真っすぐな良い男だったと、前ちゃんを評価しています。
健助は生返事で同意しますが、道士郎はわかってくれたかと喜び、急に真剣な顔で、日本にちょんまげはいないのかという質問をしてきました。
健介がいないと答えると、見るからに落ち込む道士郎。
しかし目の前の居酒屋から、ハゲ殿の被り物をした酔っ払いが出てきて、いるじゃないか!と目を輝かせて、トノさまーと追いかけます。
健助が慌てて違うよ、と止めに入ります。
再び冒頭の荒野に戻ります。
おそらく同時刻、こちらは太陽が昇っている時間帯のようです。
ここはアメリカのネバダ州のどこかにある荒野でした。
二人の男が道士郎はうまくやっているだろうかと話し合っています。
彼らは道士郎がかつて、生活を共にしていた人々のようで、彼を良く知っているようです。
彼らは道士郎を信頼してはいますが、日本について様々なことを勘違いしたまま帰国してしまったことが気がかりのようでした。
どうも現代日本については、彼らの方が詳しそうです。
ござる2へ続きます。
ござる2『初登校でござる』
早朝、ベッドで真理恵(まりえ)がうなされています。
昨夜真理恵は麗一(れいいち)と一緒に、散歩に出た道士郎(どうしろう)の後をこっそりつけていました。
一話の背景をよく確認すると、昨夜の一部始終を盗み見ている二人が確認できます。
道士郎の口ぶりもそうですが、何よりも息子が武士として名乗りをあげたことに、非常にショックを受けていました。
悪夢の中、真理恵は問います。武士とは何なのか、何をする人なのか。
いつだったか、麗一が時代劇を見ていた記憶が夢の中で再生されます。
TVの人物は言います。「拙者の仕事は人を斬ることでござる」と。
人を斬ると連想した時、昨夜道士郎に絡んでいた不良、前ちゃんが、「アゴ」と謎の言葉を残して口から上下に何かで切断されます。
真理恵は悲鳴をあげて飛び起き、麗一にどうしたのママ?と心配されて、真理恵は道士郎が12年ぶりに帰ってきたこと、普通の子だったことを麗一に確認します。
麗一は、道士郎は武士だったし普通の子ではなかったよ、と心の中で否定します。
武士ではなかったわよね、と恐る恐るリビングに向かうと、そこでは和服姿で正座する道士郎がおりました。
「おはようございます。母上」
時代が違えば立派な姿勢の挨拶なのですが、現代日本、洋風のリビングにおいては何ともちぐはぐです。
真理恵は男の子がそのように頭を下げなくてもと道士郎に話しかけますが、道士郎はこの家の家長は真理恵なのだからと姿勢を崩しません。
真理恵は道士郎がよい子なのか、悪い子なのか、わからなくなります。
真っすぐ道士郎に見つめられ、真理恵は思わず目を閉じました。
まるで恋人にするかのような行動に、麗一が大慌てで実の息子に変態ですかとツッコミますが、真理恵はなんだか安心した様子。
こんなに真っすぐ人を見る子は絶対によい子!と結論づけます。
通学中、健助が先週の夜に出会った侍について同級生にぼやいていました。詳しく説明しようとしているのですが、同級生はケータイの操作に夢中。生返事です。
すると、反対側から目つきの悪い男が笑いかけてきて、ぎょっとする健助でしたが、相手が話しかけてきたのは別の人物でした。
彼らは健助を挟んで話し始めます。健助のことなど見えていないようです。
嫌でも聞こえてしまう二人の会話に、こんなもんげーごつい相手を吹っ飛ばすなんて……と、そっと相手を見上げると、それは先週道士郎に絡んできた不良、前ちゃんこと、前島(まえじま)でした。
見られていることに気づいた前島は、なんか見たことあんな、と健助を睨みつけます。
目つきの悪い男、芝山(しばやま)が八つ当たりか、と野次を飛ばしましたが、前島はそんなチンケな奴ではないと取り合いません。
そーっと二人から離れた健助は、置いていくなよと一人でさっさと行ってしまった同級生に追いつきます。
同級生は今日、クラスにやってくる帰国子女に興味津々で、健助のことは最初から気にしていませんでした。
帰国子女とは女のこと!と思い込んでいる同級生に、健助は呆れます。
いざ教室に現れた帰国子女は、桐柳道士郎、その人でした。
時代劇から現れたかのような姿の道士郎に、クラスはざわめきます。
何故着物姿で登校できたのかと言えば、どうもこちらの高校は制服が自由に選べるようです。
そんな道士郎に驚き席を立つ生徒がいました。
「早乙女殿、奇遇でござるな!」
道士郎は良い勝負をした真っすぐな男、早乙女こと前島に再会したことに喜びます。
すぐそばでは、小さくなって怯える健助が居ました。
彼らは、偶然にも同じ高校のクラスメイトになってしまったのです。
しかもどうやら、この前島くん、一年で一番のワルとして有名なようです。
なるべく関わりたくない健助は小さくなりながら自分は目立たないタイプだから大丈夫と言い聞かせます。
しかし未だ教壇(きょうだん)に立つ道士郎に、健助殿まで!と発見されてしまいます。
無視するわけにもいかずに手を振り返すと、前島から、そうか、お前あの時の……と睨まれて健助は縮み上がります。
嫌な予感は的中し、授業の後、前島はぐしゃぐしゃに丸めた紙を健助の机に叩きつけます。
そこには道士郎を連れて裏庭まで来るように書いてありました。
健助は前島の敵になってしまったこと、殴られてしまうかもしれないことを覚悟しながら、伝言を伝えるために道士郎を探します。
どうにでもなれ、と笑えてしまえる自分を自画自賛しながら、屋上にたどり着いた健助は、そこで道士郎が手すりに素足で仁王立ちしているのを発見します。
一歩間違えれば大事故に繋がると、仰天して腰を抜かした健助に、道士郎が気づいて身軽に柵から飛び降りました。
息を飲んだ健助に道士郎は、のう、健助殿、あれは富士山でござろう、と無邪気にはしゃぎます。(これが本当に富士山だったかは不明です)
なんと雄大な!と再び柵に飛び移り、仁王立ちする道士郎に、健助は改めて彼が前島よりも危険な存在だと、直感します。
道士郎とかかわったことを後悔するに違いない、そうなるくらいならば前島に謝ってでも逃げようと決意した健助に、道士郎がふと、『おむすび』を食べたことがあるかと尋ねてきました。
道士郎は語ります。おむすびとは、この世で一番おいしい食べ物であり、日本究極の料理で、母の愛のかたまりで、男子の食事であると。
健助はコンビニで売っていることを告げますが、道士郎は母が握らなければいけないらしいこと、食べ物ひとつにこだわり直接頼み込むような卑しい真似は、男たるものするべきではないのだと断言します。
いつか母が作ってくれることを、楽しみにして待つと、空高く飛ぶ鳶(とんび)を仰ぎ見て微笑みます。
おむすびに対する道士郎の妙なこだわりを聞いているうちに、健助は、彼が以外とせこくて良いやつなのかもしれない思い直して、前島に裏庭に呼び出されていることを教えます。
道士郎が前島とは知らない相手だと告げると健助は驚きますが、そもそも初対面で早乙女愛(さおとめ あい)と名乗っているので仕方ありません。
このことは後に、前島にとんでもない事態を招きます。
裏庭に移動中、健助は道士郎に前島という相手がどんな人物か、アメリカから帰ってきたばかりの道士郎が、まだ日本についてよく知らないだろうから、まずは穏便に行こうと説得します。
道士郎は母、真理恵が現代日本について教えてくれようとしていたことを思い出して、健助の提案に頷きます。
健助は話が通じたことに感動します。
裏庭には前島の仲間なのか、大勢の不良たちが集まっていました。やってきた道士郎と健助を見て(主に道士郎の恰好を見て)変な奴が来たとざわつきます。
一人、リラックスパイポのようなものを加えていた不良が、宣戦布告とばかりに目の前を通る道士郎へ向けて、唾たっぷりにパイポを吐きつけました。
しかしパイポは道士郎のつま先、着物の裾にすら、かすりもせずに地面に落ちました。
意図して道士郎が避けたようですが、不良はそのことに気づけずにあれ?と首を傾げます。
健助は先週目の当たりにした道士郎と前島のやり取りを思い出し、ヤバい、ととっさにその場を取りつくおうとしますが、突然、不良の顔面目がけて道士郎の鉄拳が炸裂しました。
地面に転がる不良に、健助は驚いて「勝負か!?」はどうしたんだと道士郎を確認すると、彼は鬼の形相です。
全然、せこい良い奴じゃありません。
その頃、桐柳家のご近所では道士郎のことが話題になっていました。
新手の通り魔か、辻斬りかと、おばさま方がひそひそしあっている中、車に乗った真理恵が通りかかり侍の恰好をした男の噂を聞かされます。
不安がるおばさま方に真理恵はにっこり。
「大丈夫ですよ、よく見ると刀は持っていませんから」
「すごくよい子なんですよ」
そう言い残して車で走り去ります。
ござる3『戦うには理由がある』
道士郎(どうしろう)の鉄拳を食らった不良は気絶してしまいました。
突然道士郎が殴ってきたとしか取れない状況に、周りの不良たちが集まってきて、前島だけではなく、不良全員とやりあいたいんだなと道士郎に詰め寄ります。
健助(けんすけ)が腹の底から謝罪します。
関係ない生徒たちが何事かと、窓越しに確認するほどの大声でした。
謝って済む問題か、と怒る不良に文句をつけさせる暇を与えずに、健助は大声で道士郎が帰国子女で何も知らないのだと説明します。
「ごめんなさい、女の子じゃなけど帰国子女です!!」
同級生との会話のせいでしょうが、健助くんちょっと相手を馬鹿にしちゃっています(笑)
道士郎を連れてその場を一時撤退した健助は、何故いきなり殴るのかと、彼を叱りますが、何がいけなかったのか道士郎にはわからない様子。
唾を吐かれて愚弄(ぐろう)されたのであれば、殴るのは当然と答える道士郎に、健助はここは日本なのだから愚弄されたからって、いきなり殴ってはいけないと説明します(あたりまえですが、どの国にいようが本来ダメです)
言われてみれば道士郎は日本について、父やアメリカの仲間から聞いただけにすぎず、何も知りません。
ここはやはり一旦(いったん)健助の言うことに従おうと、再度、考えを改めます。
健助はああいう時の解決策として、警察や先生に報告すること、逃げて誰かに助けてもらうことを提案します。
すると道士郎は断る!と一刀両断。
自分の命は自分一人のものではなく、健助の言うとおりにすることは、道士郎を育ててくれた人々や、信じてくれている人々を裏切る行為に値するのだと言います。
もしも仲間がどこかで、道士郎が愚弄されても黙っているような腰抜けだと聞いたなら、彼らは道士郎の名誉のために命をかけて戦うだろうと続けます。
健助はふと、自分にはそのような存在がいるだろうかと、遠く思いを馳せます。
そして自分の為に命をかけてくれる誰かなど、健助には存在しないことを悟って衝撃を受けます。
悔しさ半分で健助は、今見ていないのに伝わるわけがないと嫌味を言いますが、道士郎はいつでも見ていると、少しも揺らぎません。
健助は言うことの小さい自分の卑小さに、再び衝撃を受けますが、もう、それでもいいからとにかくこの場は収めようと、道士郎を説得します。
なにせ健助自身はケンカなどしたことが無いし、戦力に数えられても困るからです。
健助は思いついて、なにも道士郎だけではなく、彼らにも命をかけて戦う仲間がいるのだと、発言の上げ足をとりましたが、道士郎は、ならば勝負だと、獰猛(どうもう)に笑いました。
健助は失言だったと考えますが後の祭り、今夜無事に帰宅して布団で眠れるのかと不安がります。
道士郎を待つ前島(まえじま)のまわりには、噂を聞きつけてやる気になった不良たちが道士郎を待ちわびていました。
彼らは前島のリベンジの為に集まったつもりのようですが、彼が直接呼びかけたわけではなさそうです。
道士郎をどうするか、前島が一方的にやられたことにどんなにムカついているか、好き勝手に語り合う彼らに、前島はなんだか気持ちが冷めていくのを感じていました。
そこへ健助が、どうして自分がここにいて関わらなければならないのかと、心臓を悪い意味で高ならせがら道士郎と一緒にやってきました。
道士郎は相手の人数に感心しながら健助に、もうここまでで良いと告げます。
唖然(あぜん)とする健助へ、道士郎はありがとう、もう行かれよと、言い残して行ってしまいます。
道士郎は初めから一人で、彼らと向き合うつもりでいたようです。
健助は特に、何か考えがあったわけではないのでしょうが、道士郎を置いて一人でこの場を立ち去ることができません。
しかし、脅してくる不良たちなど一切相手にせずに進む、道士郎の堂々とした後ろ姿に、ほれぼれします。
不良たちでさえ気が削がれて、思わず黙って見送るほどです。
道士郎は自分を呼び出した前島が、以前勝負した早乙女(さおとめ)だとわかると、勝負か、と笑いかけます。
前島は余裕たっぷりな道士郎に、まだ自分をナメているのかと睨みを利かせます。
不良たちが道士郎に、イキがるな、タコ殴りだと様々な罵声を浴びせますが、前島は道士郎と睨みあっているうちに、まわりの喧騒が遠のき始めて、やがて、不思議な心持ちになります。
『ー不思議だ。コイツは強い。』
『桁はずれに強い。』
道士郎の強さはあの時すでに、よくわかっていましたが、前島は一方的なリンチではなく、一対一の勝負を選びます。
ただし、この間のような、体当たりのみです。
道士郎は前島からの提案を受け入れました。
集まった不良たちも、健助も、予想外の展開にぽかんとしますが、前島は、できるものならこの間のようにふっ飛ばして見せろと、挑むような気持ちで道士郎に突進します。
ほとんど同時に、道士郎も同じ構えをとって前島へと突進しました。迎え撃つ気満々です。
誰が見ても明らかに、前島の方がガタイが良いので、普通ならば体当たりで道士郎に負けるはずがありません。
しかしよける素振り(そぶり)を見せずに真っすぐ突っ込んでくる道士郎を、ぶつかる直前、前島は面白いと、笑いだします。
結果、吹き飛ばされて宙を舞ったのは前島でした。
道士郎は清々しい笑顔で良い勝負だったな、と前島を労い、その場を立ち去ろうとしますが、取り巻きたちが黙っていません。
道士郎を引きとめ何とか制裁を与えようとしますが、前島がやめろ!と一喝して黙らせます。
これは勝負だったと不良たちに宣言した前島の表情は、付き物が落ちたように晴れ晴れしていましたが、共に集まり、ケンカを期待していた芝山(しばやま)が、そんな彼を馬鹿にします。
健助は、またまた良い勝負だったとご機嫌な道士郎に、勝負とは何なのか問いかけます。
道士郎は勝負したことが無いのか?と、少々驚いた様子で、勝負とは素晴らしく、すれするほど良いものなのだと語ります。
聞いても良くはわからなかった健助でしたが、彼らの勝負にはよく見る不良のケンカのような殺伐(さつばつ)さが無く、妙にスッキリしていたことを、なんとなく理解します。
なにはともあれ、とりあえず問題が解決したことにホッとしたのもつかの間、先ほどの勝負に一人だけ納得していなかった芝山が現れました。
何やら不機嫌にハサミを動かしながら、待てコラと絡んできましたが、道士郎は相手にしませんでした。
芝山を一撃で気絶させると、失せろ下郎が、と冷徹に言い捨てます。
健助は、先ほどのさわやかさはどこへ行ったのかと青ざめながら、人に刃を向けるなら覚悟するべきだと語る道士郎に、今の芝山の行動はただの脅しで、ほかのやり方があったのではと問い詰めます。
道士郎は、拙者は戦うしか能が無い男だから、そのために日本に来たと、答えます。
さすがにスルーしきれずに、健助はそんな人は日本にはいない、必要ないとかみつきましたが、道士郎に倍の大声で反論されて縮こまります。
戦わなければ自分の存在意義が無いと語る道士郎に、健助は戦国大名にでもなるつもりなのかと聞くと、武士とは己の為には戦わないと言います。
健助は、ならば誰の為に戦っているのかと問いかけます。
「未だ探しておる」
まさかの答えでした。
考えることが疲れてしまった健助は、そういえば道士郎のせいでいろんな人に睨まれて怖かったことなどを思い出しました。
「じゃっ僕の為に戦ってよ」
冗談半分に思わず言うと、道士郎から良かろう、と頷かれます。
了承されたことに驚く健助でしたが、真の主君が見つかるまでの間という条件付きでした。
健助はなんだかラッキーなことになったと考えますが、彼の人生の歯車は、これをきっかけに狂い始めます。
ござる4『なぜか街の人気者』
麗一(れいいち)が大学から帰宅すると、出迎えた母、真理恵(まりえ)が道士郎(どうしろう)を見かけなかったかと訊ねてきました。
麗一は真理恵に、道士郎にいつまで侍の恰好をさせておくのかと聞き返します。
近所のおばさま方から、誰あれ?何あれ?と質面攻めにあい、うるさくてしょうがなかったようです。
麗一は、父がどのようにアメリカで道士郎を育てたのかは知らないが、日本には日本の文化があるのだから、アメリカでのことは忘れてもらおうと提案します。
あのままではいつまでたっても馴染めないと、麗一は彼なりに弟を心配していました。
そこへ道士郎が帰宅してきたので、真理恵はさっそく洋服を買いに行かないかと誘ってみましたが、いりません!と拒否されます。
とりつくしまもない道士郎に一瞬怯んだ真理恵と麗一でしたが、お母さんの言うことが聞けないのね?と食い下がると道士郎は聞けます!と返事をします。
真理恵がじゃあお洋服買いに行きましょうと再び誘うと、今度ははい!と了承しました。
何故アッサリ!?と戸惑う麗一も一緒に、3人で街に繰り出すと、桐柳一家は注目の的でした。
これだけ見られていても着続けていたのに何故急に?と違和感を拭えない麗一でしたが、そこへ見知らぬおじさんが道士郎に話しかけてきました。
談笑する二人に、真理恵が誰なのか尋ねると、今朝散歩で知り合った人だと答えます。
するとまた、知らない家族や街の魚屋、小さな子供たちなどが次々に道士郎に話しかけてきました。
老若男女問わず道士郎に接してくる人々に、真理恵と麗一は十年以上この街に住んでいる自分たちよりも遥かに、道士郎の方が馴染んでいると疎外感(そがいかん)を覚えます。
今度は真理恵に、これまた知らないおじいさんが道士郎のお姉さんなのかと話しかけてきました。
真理恵が照れながら、いいえ母ですと訂正すると、おじいさんは真理恵の若さに驚きつつ、麗一に対しては道士郎の弟だね、と断言します(笑)
麗一はショックを受けていますが、真理恵はさっぱり否定しません(笑)
おじいさんは道士郎を良い男に育てましたなと、語ります。
しっかりとした挨拶のできる素晴らしい青年で、堂々としたふるまいは将来が楽しみだ、と褒めたたえられて、真理恵はやっぱり道士郎は良い子なのだと喜びます。
「オレはなぜ弟なの!?」
「オレは楽しみじゃないの!?」
麗一はほとんど初対面の相手に弟と断言されたのは、要するに、挨拶ができなくて堂々としてなくて将来性が見出せないからだと、おじいさんの話を要約します。
翌日、洋服を買ってもらったはずの道士郎はいつもどおりの着物姿で登校しました。
麗一は着てねーじゃんと心の中でツッコミましたが、真理恵は気づきもせず、にこやかに見送ります。
麗一は世間には自分の兄として認識された道士郎に、実際、弟はどんな奴なんだと疑問を抱きます。
高校の花壇で一人の不良がいら立ちながら、花を踏み荒らしています。
もう一人の不良仲間がそんな彼を悪いヤツと、笑いながらもその行為を止めません。
彼らは昨日、道士郎をリンチするために集まった、前島の取り巻きたちでした。
芝山同様に、昨日の勝負とやらが納得いかず、誰か人間殴りてーっと文句たらたらです。
そこへ一人の生徒が通りかかり、花壇を踏み荒らす不良に気づいて思わず声をあげました。
不良は彼の非難めいた眼差しに、何!?と睨み返します。
その後不良は人を疑ぐりやがってと、その生徒を花壇に正座させて怒鳴り散らします。
他の生徒たちが何事かと遠巻きに注目している中、彼は花壇に膝をつき、涙目で不良に謝罪します。
彼の頬には殴られたあとがありました。
その場を後にした不良は、弱い者イジメって本当につまんねーよとしたり顔で、それを聞いたほかの不良仲間が、ゲラゲラと笑いだします。
彼の一連の行動を、不良仲間や一般生徒の誰も、注意したり咎(とが)めたりすることはありませんでした。
登校してきた健助(けんすけ)に、道士郎がおはようと声をかけます。
健助はなんだか照れながらおはようと返事、道士郎はすれ違う人全てに、あいさつしているようでした。
物言いたげな様子の健助に、道士郎は何か困ったことでもあるのか?と伺います。
道士郎は何か困ったことがあったらいつでも私に言え、と笑いかけます。
なんとも頼もしい発言に健助は良い人だ!と目を輝かせます。
いい友人を手に入れた、と喜ぶ健助でしたが、そこへ不良達が現れて昨日の続きだと、2人を校舎裏に誘い込みます。
どうも不良たちからはすっかり、二人はセットとして数えられているようです。
冒頭で花壇を荒らしていた不良が先頭に立ち、あの生徒にしたように、道士郎たちにまずは正座だと、ねめつけます。
正座しろ、と繰り返す相手のみぞおちに、道士郎は無言で拳を叩きこみました。
不良たちは身構える間もなく道士郎の一撃を食らい、一人、また一人とその場に腹をおさえてうめきながら崩れ落ちました。
道士郎は何事もなかったかのように、一限目は日本史だったなと健助に笑いかけます。
道士郎はさわやかですが、背後は地獄絵図です。
あっという間の出来事に、健助は若干引きながらも少々慣れてきた様子で、なんでいきなり殴るのか、良い勝負はもうしないのかと質問します。
道士郎からクズ共とは勝負しないと返答されて、相手を選ぶんだと一瞬納得しかけた健助でしたが、クズかどうかはどうして判断しているのかと再び疑問を抱きます。
道士郎は、目を見れば相手の人となりがわかるのだそうです。
その確率は100%、さすが武士と健助は道士郎の特殊技能を尊敬します。
「偉大なるホークアイはな」
道士郎くん、何かぽそりと付け足しました。
健助はホークアイなるものをスルーしつつ、では、道士郎の人を見抜く確率はなん%なのかと三度尋ねます。
道士郎は鼻で笑い飛ばすと、まだ修行中なので50%だと答えます。
健助は、それはイチかバチかのただの勘だと涙を流して喚き散らします。
健助はこれまで、当たるか外れるかの殴り合いを間近で見せつけられてきたのでした。
道士郎は間違ってもそれはそれと、楽観的です。
失敗を恐れないのはすごいことですが、ただとの博打やともとれますね。
健助は落ち着いて考えろ、と道士郎についてこれまでの彼の情報を整理します。
アメリカから来た武士で、おにぎりと富士山を愛し、勘で人を区別する戦いに生きる男、道士郎。
健助は変な人だ!と納得します。
『道士郎でござる』の世間の評価は?
道士郎でござるマジでめちゃくちゃ面白い。だれか知ってる人いないのかな。
今日から俺は‼︎の作者さんが描いてるんだけど…あの方の作品の中で1番好きなんよぜって〜面白いのに— 生活リズムガタガタヒューマンこいの (@koino_cosplay) February 21, 2022
久しぶりに道士郎でござる読んでるけどやっぱり面白いな~!!!巻数短いのが残念……
— ごろつき (@56tsuki) February 16, 2022
「道士郎でござる」すげー面白いのになぜあんなに短いのだ…
西森博之作品はどれも面白いのだぞ…— Fever (@Fever_Fever_2) January 31, 2022
道士郎でござる、めちゃめちゃおもしろいんだよなぁ。
実写化で見て見たい。そうなると街中で馬に乗るシーンとかあるけど、しゅーるすぐるwww
面白いけどね。凄く見たい。
— 幸せ泥棒@唐揚げは、基本的に追いかけてるし、大体みんなここから見える凄い人はみんな神なんだにゃん! (@Luck_Stealer86) January 21, 2022
今日から俺は!が気に入った人はぜひ道士郎でござるも読んでほしい
マジで面白いw pic.twitter.com/hED1XDnAWk— Brimstone only でぃー (@mrd893urgot) November 26, 2021
サンデーうぇぶり
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