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『ゴールデンカムイ』17巻は漫画アプリ『ヤンジャン』で読める
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『ゴールデンカムイ』17巻ネタバレ紹介!
第161話 カムイ レンカイネ
ソリを停止したキロランケたちに狙撃手の弾丸が再び襲い掛かります。その攻撃を受けた際に尾形は相手がどこから撃ってきているのかを把握します。相手は国境守備隊と思われる四人組のロシア人でした。
彼らは森の中で双眼鏡を使ってキロランケたちを捉えながらウイルタが日本陸軍の最新式の小銃を持っているはずがないとして、目標の相手で間違いないことを確認しました。
キロランケたちは馴鹿で身を守りながら向かいの森まで逃げ込もうとします。しかし逃げる先を読んでいる国境守備隊は守る壁を剥ぐように馴鹿を次々と仕留めていきます。
その中で尾形は「国境侵犯だとしてもいきなり樺太の国境守備隊に襲われたなんて聞いたこともない」と言って今の状況の異常さを怪しく思いました。
その言葉を聞いていたキロランケは過去の皇帝暗殺のことを思い出すと、荷物の陰から出て後方で倒れたままになっていたウイルタの老人を回収しに歩いて行きました。
国境守備隊の狙撃手はその行動に疑問を持ちます。その横で仲間の男が「早く撃て」と指示しますが狙撃手は中々撃とうとしません。
その様子を見て痺れを切らした仲間の男は隠れていた木の陰から少し体が出てしまいました。そこを逃さなかった尾形はその男の腹部を撃ち抜きます。
そしてそのタイミングで一気に前進したキロランケたちは森の中へと逃げ込むことに成功しました。尾形はしてやったというような感じで森の方に目を向けながら「ははッ」と小さく笑います。
ウイルタの老人は幸い銃弾の直撃は免れており頭を貫通しているわけではありませんでした。
老人の命が失われずに済んだことに安堵しながらも白石は「それにしたってさっきのは無茶だぜキロちゃん!どうしちゃったの?」と言ってキロランケが見せた異常行動を指摘しました。
キロランケはそこで「カムイレンカイネ」と言い、「カムイのおかげだ」と答えました。しかしそれに対して尾形は「違うな・・・俺のおかげだ」と言って全ての出来事には理由があると言い、だから今襲われている状況にも何か理由があるはずだと言いました。
問い詰められるキロランケを前に尾形は「やつらから直接聞き出すさ」と言うと銃を持って白い外套をまといながら「日露戦争延長戦だ」と言って国境守備隊との狙撃対決に臨んでいきました。
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第162話 狙撃手の条件
国境守備隊の狙撃手「ヴァシリ」は撃たれた仲間のイリヤを置いてキロランケを引き続き追いに行こうとします。
他の仲間の人間が重傷者を置いていくのかと言いますが、ヴァシリはイリヤを狙撃した人間はイリヤの頭を撃つことが出来たはずだと言って、あえて腹を撃ったのは足手まといにして時間を稼ぐためだと言いました。
イリヤはヴァシリに「追え!」と言います。ヴァシリにとってイリヤは日露戦争を共に戦った戦友でしたが、そんな仲間を撃たれてもヴァシリの中には相手に対する憎しみというものはありませんでした。
そこで「良い狙撃手」というのは冷血で獲物の追跡と殺人に強い興味があるような人間であると説明が加えられます。尾形を追跡するヴァシリは自分だったらどうするかと考えながらその後を追っていました。
ヴァシリは尾形はきっと森へ逃げ込んだソリの跡を見つけ、そこから追跡を始める者を待ち伏せして狙撃するだろうと考えました。
そして狙撃ポイントを見つけるとそこから狙いやすい位置に自分の仲間がいるのを確認しながら「エサに食いつけ」と念じますが、依然狙撃されないことに疑問を抱き、そしてヴァシリは自分が尾形のターゲットになっていることに気がつきます。
身を潜める尾形は「狙撃に向いてるやつってのは臆病なまでに慎重なもんだ」と一人言をこぼします。
ヴァシリの仲間は「モロッチョー」というウイルタ民族の食器入れが落ちているのを発見し、それを持ち上げると挿さっていた短い棒が抜け落ちて煙が上がるのと同時に「ドンッ」という音を上げて爆発しました。
日露戦争でも工作が得意だったキロランケはその時と同様に手製の爆弾を仕掛けていました。ヴァシリは仲間がやられたのを双眼鏡で冷静に確認し、それが「皇帝殺し」の仕業であることを確信します。
ヴァシリは「皇帝殺し」の男が最初に狙撃を中断して見逃した男なのだろうかと考えながら、狙撃しなかったのはその男の「撃ってみろ・・・」という態度が気に食わなかったからだと頭の中で語りました。
そして「獲物の生き死にを決めるのは狙撃手である私だ」と自分の流儀を明らかにします。ヴァシリの仲間は呻き声を上げ続けますがヴァシリは姿を見せません。その状況を前に尾形は「そう・・・助けに出てくるような奴ではない。このうめき声を一晩中聞いても平気な人間のはずだ」と言い、まるで自分のことように語りました。
瀕死のイリヤを発見したキロランケとアシリパと白石はイリヤが繰り返し何かを言っていることを確認します。
するとイリヤはキロランケの顔写真が載った手配書を取り出します。そしてそれを示しながら「ユルバルス。ロシアはお前を忘れていない」と言いました。
時を同じくしてヴァシリは外套から銃身だけを伸ばして銃を構える尾形の姿を捉えていました。
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第163話 指名手配書
尾形を発見したヴァシリは銃を構えながらも撃てば自分の居場所を明かすことになるため、撃つときは必殺でなくてはならないとして慎重に身を潜めます。
その機会を待ちながら尾形を観察するヴァシリは尾形が人形のようにまるで身動き一つしないことに違和感を感じていました。
アシリパと白石は絶命したイリヤを前にしながら手配書にキロランケが載っていることを確認し国境守備隊の目標がキロランケだったことを知るとキロランケに困惑の目を向けていきました。
そんな二人にキロランケは過去に自分が起こした皇帝暗殺事件について語りました。その話の途中でアシリパは血で濡れた手配書がくっついて重なっていることに気がつきます。
そしてそれを剥がすようにしてめくるとそこには自分の父親であるウイルクの写真が載っていました。アシリパの父はキロランケと共に皇帝殺しを行った共犯者でした。
一方その頃ヴァシリは一時間以上もの間尾形の様子を監視していましたが、その間も全く呼吸を感じさせないことや不自然な隠れ方に疑いの気持ちと違和感を強めていました。
ヴァシリは尾形が行ったあの一度の狙撃を見ただけで尾形が間違いなく腕利きの狙撃手であるということを感じ取っていました。同じタイプの人間は自然とそのアンテナが共鳴し合います。
ヴァシリは移動しながら監視を続けていきました。そして夜が明けて日が差した時、ヴァシリは尾形の背後に雪の上の足跡を消したような痕跡があることを確認します。
その跡を目で辿っていき、着いたのは木の上に置かれたウイルタの棺でした。それを発見したヴァシリは自分が監視していたのは遺体を使ったカカシであったことに気がつき、あれだけの時間を身動き一つしないでいられたことにも納得するとそれと同時にヴァシリは棺を狙撃し、続けて数発の銃弾を撃ち込みました。
その瞬間ヴァシリがカカシとみなしたそれは起き上がりヴァシリに銃を向けると下顎を撃ち抜きました。長時間ジッと留まり続けていた尾形はヴァシリに勝利しながらもひどく消耗していました。
第164話 悪兆
アシリパは尾形が戻ってきていることを双眼鏡で確認していました。戻った尾形の顔色は悪く、ひどい熱を出していました。尾形は少し雪を口にしすぎただけだと言って弱りながらもどうってことないと言います。
そんな尾形の目には日露戦争で戦死した義理の弟である勇作の姿が映っていました。勇作の亡霊は頭から血を流しながら尾形を運ぶソリの前に立つと振り返って「寒くありませんか?兄様」と言いました。
そこで尾形は過去に旗手を務める勇作がゲンを担ぐために「童貞」であろうとしていたことを知りながらも女を当てがって言葉巧みに勇作のことを陥れようと謀ったことと勇作がそれに従わなかったことを思い出します。
キロランケたちはここまで同行してくれていたウイルタ族が治療をしようといとこの家に寄ったため、合わせてそこに滞在し、アシリパは尾形の看病をします。
病人には「アンバ」という悪い化物が憑いていると考えるウイルタ族は太鼓や歌で神と対話し取り去ってもらうのだとキロランケは話しました。
「無意識」に深く影響する音楽は患者に取り憑いている「なにか」との因果を明らかにするのだとも言いました。看病を受ける尾形は勇作との記憶の続きを思い出していました。勇作を陥れるという計画は尾形が鶴見と共謀して行っていたものでした。
しかし鶴見は「正義感が強ければこちらに引き込んで操るのは難しいぞ」と尾形に言い、続けて「高貴な血統のお生まれだからな」と加えるとそれに尾形は「血に高貴もクソもそんなもんありませんよ」と言って出自によって左右された境遇に対するコンプレックスを滲ませます。
尾形の記憶から場面が戻ると白石はトイレに行くと言って外に出て行こうとします。その際にアシリパにサインを送りキロランケに気がつかれないようにアシリパを外に連れ出しました。
そして白石はアシリパに「俺と一緒に逃げよう。今しかねえ」と言いました。白石は金塊のカギをアシリパが思い出すのを期待して一緒に付いてきてはいたけれど、ロシアで共に行動をするのにはあいつらは危険すぎると言ってアシリパを連れて逃げ出そうとします。
そして白石はキロランケの怪しさや旅の危険さを語りアシリパに逃げるという選択肢を取るように促しますが、アシリパは「私は残る」と答えました。
「なんで?」と白石が聞き返すとそこにキロランケが現れ「俺の昔の名前は『ユルバルス』。タタール人として生まれたが樺太アイヌの血も混ざっている」と言って明かしていなかった素性について話し始めました。
そして自分が過去にアシリパの父と共に極東の少数民族のために戦っていたことも語り、そこには自分の子供やアシリパなどの北海道アイヌも含まれているはずだと言いました。
逃げる事に応えなかったアシリパは父親のことをもっと知りたいのだと言います。しかし旅を続ける目的はそれだけではなく、アシリパは胸の内で付随する他の理由についても語っていきます。
アシリパは自身も金塊を見つけるためのカギを求め、それが本当に自分にしか解けないものなのかを探ろうとしていました。
さらに多くの人間が求め、殺し合う「呪われた金塊」は本当に見つけるべきものなのか、それとも闇に葬るべきものなのか、その答えを見定めようともしていました。
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第165話 旗手
日露戦争で血みどろの白兵戦を繰り広げた旅順攻囲戦で勇作は旗手として兵士を先導し、彼に先導された兵士たちはその勇敢さと不思議と弾が当たらないことを頼もしく思っていました。
鶴見は尾形に兵士たちの心が勇作の勇敢さに掴まれていることを伝えると尾形は「では殺さない方向でということですか・・・分かりました」と言いました。
引き続き看病を受ける尾形の熱は少しずつ下がり始めていきます。
そんな中ウイルタ族の女性がアシリパに「セワ(偶像)」というお守りを渡しました。それは用途に分けて様々な形をしていて全部で数十種類ほどの形がありました。
日露戦争の記憶の中で尾形は夜明け近い時間帯に勇作を呼び出していました。そして尾形は勇作をある場所へと連れて行き案内すると、そこには捕虜として捕らえていたロシア兵がいました。そして尾形は勇作にそのロシア兵を殺させようとします。
「自分は清いままこの戦争をやり過ごすおつもりか?」と言って勇作に銃剣を握らせようとします。「勇作殿が殺すところを見てみたい」そう言いながら尾形はさらに勇作に詰め寄ります。
しかし勇作は「・・・出来ませんッ。父上からの言いつけなのです。『お前だけは殺すな』と」と言いながらそれを拒みました。勇作は殺しをしないことで偶像となり兵士に勇気を与える役割を父親から言い渡されていました。
兵士たちにまとわりつく人殺しの罪悪感から守るためにその役割を担うことになったと言う勇作に尾形は「殺した相手に対する罪悪感ですか?そんなもの・・・みんなありませんよ」と言いました。
その言葉を聞いた勇作は「そう振る舞っているだけでは?」と返します。しかし尾形は表情を変えずに「みんな俺と同じはずだ」と言いました。
勇作はそんな尾形を抱きしめ涙を流しながら兄様はそんな人じゃないと言います。そして勇作は尾形に「人を殺して微塵も罪悪感を感じない人間がこの世にいて良いはずがないのです」と言いました。
その言葉を聞いた尾形はその日の攻囲戦でいつものように旗手として先陣を切る勇作の頭を背後から撃ち抜いてしまいました。
撃たれて倒れたかと思われた勇作は何事もなかったかのように不気味に佇み尾形の方へと振り返ると頭から血を流しながら尾形のことをジッと見下ろしました。
そんな勇作の顔を見上げたところで尾形は記憶と悪夢の狭間から目を覚ましました。そして尾形は「目を覚ましたか」と言って尾形を見下ろすアシリパの顔を床から見上げていました。
第166話 頼み
キロランケたちはウイルタ族がトナカイの肩甲骨を使って行う占いを受けていました。その占い結果は「後方から人が来る」というものでした。
白石はそれが不吉な結果ではないかと不安になりますがウイルタの人間は首を横に振ります。そしてキロランケは不吉な報せを表す亀裂の形を白石に教え「意味は『誰かが死ぬ』」と説明しました。
旅を続けるキロランケ一行はここでウイルタ族と別れます。出発するときにキロランケは白石にもここで別れようと伝えます。ロシアでお尋ね者の自分と旅を共にすればこれまで以上に危険が伴うと。
キロランケは白石に「俺から『逃げる』必要なんかねえんだぜ」と言って肩を叩きます。白石の刺青は土方も鶴見も写しを持っているため尾形にも引き止める理由はありませんでした。
「お前には色々と助けられたシライシありがとう」とアシリパに言われると白石は一行と別れて一人ウイルタの家の前に残りました。自分の命を大切にした白石は一人残ると次に取る行動を計画しますが、キロランケたちが去っていった方を眺めてしばらく黙ると後を追って走り始めました。
白石は網走監獄へと進む旅の中で杉元に伝えられていた言葉を思い出していました。網走での別れ際に杉元から伝えられていた「アシリパさんを頼むぞッ白石!!」という言葉を。
「待ってくれッ」と言ってキロランケたちに追いついた白石は「ロシア側には・・・金髪のおネエちゃんと遊べるところが・・・きっとたくさあるんだろ?」と言って再びキロランケたちと共に旅を続けることになりました。
ウイルタ族の家の中で占いに使われたトナカイの肩甲骨はキロランケたちが出発した後も火に当てられたままになっており、初めにはなかった亀裂が新たに生じていましいた。
それはキロランケが白石に示した「誰かが死ぬ」という占い結果を表す亀裂の形へと変化していきました。一方その頃、杉元たちは犬ゾリに引かれながらひたすら北上していました。
その途中悪天候に見舞われた杉元は谷垣・チカパシと共に遭難してしまい、先頭を走っていた月島・鯉登と逸れてしまいます。
視界が塞がれた猛吹雪の中、進路を見失った犬ゾリは杉元たちを海岸の方へと導いていました。杉元はなんとかしないとこのままでは命に危険が訪れてしまうことを感じ取っていました。
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第167話 白くらみ
杉元たちはなんとか風を凌げる場所を作ろうと地面を掘ろうとしますがガチガチに凍った地面は中々掘り進めることが出来ません。同様に危険が迫る鯉登・月島は先に見えていた建物に避難していくことにしました。
鯉登たちが逃げ込んだ建物は家畜小屋でした。未だ吹雪の中にいる杉元は浅く掘られた穴の中でソリを立て掛けかろうじて風を避けながら樺太犬を掛け布団代わりにしてなんとか温めて三人で体を寄せ合っていました。
そして谷垣は「け」と言って杉元に手製のカネ餅を差し出します。それをひとくち口にした杉元は「なんかこれ前にも食べたことある気がするなぁ」と言いました。
しかし賢吉と杉元の出会いを知らない谷垣は「それはない俺の地元の秘伝のモチでしかも味付けも俺が少し変えたものだから」と言います。避難先を見つけた月島はなんとか合図を送ろうと銃を発砲します。
するとその音を聞いた小屋の所有者であるロシア人が現れ、事態を把握した男は月島に「ついてこい」と言いました。連れて行かれた場所は巨大なランプのある部屋でした。
寒さで眠気に襲われる杉元に谷垣は寝るなよと声をかけます。意識が朦朧とする中で杉元は戦争のことを思い出していました。暗い記憶の中で自分の名前を呼ぶ声と照らす光を感じた杉元は「アシリパさん」と振り向きます。
それと同時に意識を戻した杉元は猛吹雪の中に光があることを確認します。杉元が谷垣に「月かな?」と言うと谷垣は「網走潜入がちょうど2ヶ月前だからあんなに大きいはずがない」と言います。
その瞬間その光はチラチラと不規則な瞬きを見せました。それを見た杉元たちはそれが月の光じゃないことを確信し、その光が灯台の明かりであることに気がつきました。
第168話 灯台守りの老夫婦
灯台の明かりを頼りに杉元たちは鯉登や月島がいる灯台守りの家までたどり着きました。極寒の中で冷えた杉元たちは家の中で一番暖かいと言われるペチカの上に登って三人でぎゅうぎゅうになりながら暖をとります。
翌日ヘンケ(エノノカのおじいちゃん)は遭難した杉元たちが暖をとるために壊したソリの代わりに新しいソリを作っていました。あり合わせの材料で立派なソリを作ったヘンケのおかげで出発する準備が整います。
出発する前に灯台守りの老夫婦の手料理で食事をする一行はその中で一人の娘の写真を目にしました。その娘について老夫婦に尋ねると老夫婦は暗い表情を作りながら月島に話し掛けはじめました。
写真の娘は老夫婦の一人娘であり、日露戦争前に灯台に居付いたロシア軍の脱走兵にある日連れ去られてしまったのだと月島が訳して伝えます。
二人は探しても見つからない娘の捜索を軍や政府にも依頼しましたが一切の協力を受けられず、そのまま月日が過ぎて日露戦争は始まり日本軍が樺太に上陸した際には政府から日本軍に灯台を利用されないように爆破するための爆薬を渡されていましたが、政府に憤りを感じていた二人は爆破せずそのまま日本軍にその灯台を明け渡していました。
そしてしばらくするとさらに北に新しい灯台が作られたため老夫婦がいる灯台は必要がなくなりましたが、二人は今もその灯台でずっと娘の帰りを待ち続けていました。
杉元はその娘の件があったことで残っていた灯台に命を救われたことを知ると老夫婦に娘の写真を1枚借りて行っていいかと聞きました。
杉元は恩返しとして老夫婦の娘を探すために最低限できる範囲の協力をしようとしており、出発の際には「お願いします。娘を見つけてください」と想いを託されました。
月島は「おい杉元・・・」と言って忠告しようとしますが、杉元は「行く先々で聞いて回るくらい負担にならないだろ?」と言って本来の目的が最優先であることは分かっているとしながらも恩返しも無しに別れることは出来ないと言いました。
そして杉元は老夫婦に空になった額には俺の写真を入れておいたからと言い、「もし灯台にこのアイヌの女の子が立ち寄ったら伝えてくれ『杉元佐一が生きてる』って」と言いました。
それから杉元一行はソリを出して出発するとさらに北へ向けて進んで行きました。
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第169話 メコオヤシ
杉元たちは国境まであと約140キロという地点にまで北上し新問付近にある樺太アイヌの集落に滞在していました。そこでエノノカはチカパシに「このあいだこの村メコオヤシ出たって!」と言って話し掛けました。
メコオヤシを知らないチカパシは「なにそれ怖いやつ?」と言って動揺します。メコオヤシは樺太アイヌの昔話に出てくる猫の化け物のことであり、オオヤマネコがそれに例えられていました。
その話を聞いた鯉登は「尾形百乃助のことじゃないのか?」と言いました。それに疑問を持った杉元は「なんで尾形なんだよ」と言います。それに鯉登は「山猫の子は山猫・・・」とだけ答えました。
それの意味が分からない杉元に月島が「山猫は『芸者』を指す隠語だ」と言って説明を加えます。それは師団の一部の人間が言っていた軽口であり、尾形を揶揄するものでした。
「本当にくだらねえな・・・」という杉元に対して鯉登は「くだらん軽口だがしかし案の定・・・ではないか、違うか杉元?」と言いました。その頃キロランケたちは山の中で大きな動物の足跡を発見していました。
キロランケはアシリパに「それはオオヤマネコだ」と教えます。それを聞いたアシリパは「もしかしてこれがメコオヤシ?」と言って昔ウイルクから「猫の化け物」の話を聞かされていたことを明かしました。
それを聞いたキロランケは昔ウイルクと一緒にオオヤマネコを獲ったことがあるという話をしてアシリパの記憶を刺激していきます。そしてキロランケは「昔のウイルクをよく知っているひとがいる。会いたくないか?アシリパ」と言いました。
その人間は亜港監獄に収監されている囚人であり、キロランケ・ウイルクが起こした皇帝暗殺事件の首謀者でもありました。
その人物は「ソフィア・ゴールデンハンド」と呼ばれ、活動資金のために犯罪を繰り返す義賊でもあり法廷でつけられた「金の手」という愛称で呼ばれていました。
そんな中、尾形は少し離れたところであるものを視界に捉えます。それは「メコオヤシ」でした。メコオヤシと尾形はお互いの顔をジッと眺め、それから尾形は下げていた銃を構えようとします。
するとそれと同時にアシリパが尾形に亜港にいくことを伝えにやって来ました。その声に視線をずらした尾形が再びメコオヤシがいた場所に顔を向けるとそこにはもう何者の姿もありませんでした。
アシリパは尾形に「何かいたのか?」と聞きますが、尾形は何も答えないまま歩き出していきました。
第170話 亜港監獄の女囚
キロランケ一行は海の上でシロイルカを仕留めていました。それを捌いてクジラ汁を作ろうとします。そこで白石は「クジラ汁には味噌がかかせない」と言いますが、
ロシア領ではどこにも売ってないだろうと残念がっているとアシリパが「シライシ・・・」と言って、実はあるんですという表情を作りながら杉元が所持してたはずの曲げわっぱの蓋を開けて白石に味噌を見せました。
なんで杉元の味噌を持っているのとおどけて質問する白石にアシリパは「わたしがちょっと預かっていた・・・杉元は荷物多いから」と小さな声で言いました。その味噌のおかげで一行は美味しいクジラ汁を食します。
ヒンナと言いながら食べるアシリパの隣で尾形は小さく「ヒンナ」と言いました。それを聞いていたアシリパは驚きながら食いついて行き、尾形にもう一度ヒンナと言わせようとします。
テンションを上げるアシリパをどうでもいいような目で眺める白石はキロランケに「俺たちはいつまでこの亜港に滞在するの?」と尋ねました。キロランケは「もうしばらくさ」と答えます。
キロランケたちが向かおうとしているアレクサンドロフスカヤ監獄(亜港監獄)は最大で1700名の懲役囚が収容される監獄であり、男の囚人は頭髪を半分剃り落とされ建築や炭鉱の苦役を行なわされていました。
脱走を図れば笞を打たれ常習犯となれば一輪車につながれ寝食を共にさせられていました。女囚には苦役が無く女性不足の樺太島民の花嫁候補となるか島民の召使となるかという道が待っていました。
縁談が決まれば監獄から出ることは出来ますが、流刑の地である樺太から出ることは許されていませんでした。キロランケはアシリパにソフィアのことを話します。
「ソフィアは教養があり、勇気のある俺たちの指導者だった」「そしてとても美しく、若かった俺とウイルクは彼女に憧れたよ」と言うとアシリパは「アチャが?そんなひとがいたなんて・・・会ってみたいな・・・」と言ってソフィアに興味を募らせました。
若い頃とは姿が随分と変わった現在のソフィアは監獄内で老夫婦の娘であるスヴェトラーナと言葉を交わしていました。その最中に看守からソフィア宛の手紙が届いたことを知らされ部屋の中に手紙が入れられます。
それは心当たりのない送り主の名で覚えのない内容が記されたものでした。ソフィアは手紙を鼻に近づけて匂いを嗅ぐとかすかにする牛乳の匂いに気がつき、その手紙をロウソクの火で炙り始めました。
キロランケはあぶり出しを利用してソフィアに報せを届けていました。キロランケは脱獄した際にソフィアが狙われないように監獄の外壁を複数箇所爆破して250人の囚人を一斉に脱獄させることを計画していました。
白石はそれを実行するための爆薬がどこにあるんだとキロランケに問います。キロランケは「あれだ」と言って高台にある灯台を指差しました。
灯台には日本がまた侵攻してきた際に爆破させるように爆薬が支給されているとキロランケは説明します。
そして「あとは待つ・・・あれが来れば脱獄の成功に条件が整う」と言いました。
ここで17巻は終了し18巻へと続きます。
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