今回は『グラップラー刃牙』から始まるバキシリーズの中でも人気のあるキャラ、花山薫（はなやま かおる）を紹介します。
その名前からはとても想像できないでしょうが、190cmを超える巨体を持ち、14歳という若さでヤクザの組長になった男です。
少年時代の刃牙を追い詰めたこともある喧嘩師で、その強さの秘密は桁外れの握力と打たれ強さにあります。
また、ただ強いだけではなくて自分なりの喧嘩の美学を持って戦うのも花山の大きな魅力でしょう。
「まだやるかい」という名言からは、花山なりのこだわりが見えてきます。
ここからは、バキシリーズの作品の中でも『グラップラー刃牙』『バキ』『刃牙道』をメインに、花山薫の強さと魅力が分かるエピソードを交えて紹介していきます。
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花山薫の強さの秘密は規格外の握力？
花山薫は、バキシリーズに出てくる主要キャラクターの中でもトップクラスの強さです。
その証拠に『バキ』では、世界各地の刑務所から脱獄した凶悪な死刑囚を東京で迎え撃つための5人のメンバーに、花山も選ばれています。
このメンバーを選んだ徳川光成といえば、財力と権力にものを言わせて世界中から強者を集めてトーナメントを開いたり、最強の剣豪・宮本武蔵をクローン技術で復活させたり、とにかく強いやつが大好きなじいさんです。
そんな「強いやつマニア」の徳川光成に選抜された花山は、地球上でも屈指の強者といえます。
花山薫の強さの最大の理由は、天性の握力です。
花山の握力は「握力計では測定不可能」と言われています。
握力があまりに強すぎて、握力計をも破壊してしまうからです。
https://twitter.com/porze_act1224/status/1022826293065207808?s=21
他にも、トランプの束の一部を指で引きちぎるとか、500円玉硬貨をねじって切るとか、花山薫の握力の強さを表すエピソードは色々とあります。
ではそんな花山の規格外の握力は、戦いの中でどのように発揮されるのか。
まずは、拳の硬さです。
強く握られた花山の大きな拳は、まるで岩のように硬くなります。
その硬い拳に全体重を乗せて放つ花山薫のパンチの威力はすさまじく、大相撲の力士を一発で吹っ飛ばすほどです。
さらに花山は強力なパンチ以外に、「握撃（あくげき）」と呼ばれるオリジナルの技も持っています。
握撃は、相手の腕や脚を両手で掴んで握るだけという簡単な動作です。
ただし花山の握力でこれをやられると、両手で握られた間の部位は瞬時に膨れ上がり、「パンッ」という破裂音と共に弾けます。
立花は努力すれば報われるって信じて握力鍛えてる
いつか花山薫の"握撃"
をやりたいからみんな立花のこと応援しててね… pic.twitter.com/qEAu0f2fx3
— 立花六華@うぇ〜い (@RikkaChanNele) May 23, 2019
ただ握っただけで皮膚が裂けて筋肉はむき出しになり、ちぎれた血管からは大量出血するという大ダメージになるのです。
『グラップラー刃牙』で少年時代の刃牙が花山と戦った時も、左腕を捕まれた次の瞬間には握撃が発動し、左ヒジを破壊されてしまいました。
また、『バキ』で花山が死刑囚のスペックと戦った際には、最終局面で相手の裸締めが決まって完全に劣勢になったところから握撃で形勢逆転し、そのまま勝利しています。
追い詰められた時に使っているところを見ると、花山にとって握撃は「奥の手」という位置付けなのかもしれません。
相手の攻撃をガードする気がない？花山薫の圧倒的な打たれ強さとは？
握力以外に花山薫の強さを支える要素は耐久力、つまり打たれ強さです。
花山の打たれ強さが分かりやすく表れているのは、その構え。
格闘技の構えというのはそもそも、普通は攻守のバランスが取れたものです。
ボクサーのファイティングポーズを想像すると分かりやすいかもしれません。
しかし花山の構えは「超攻撃特化型」で、攻撃あるのみ。
俺が芸人になってファイティングポーズ求められる場面が来たら、花山薫の構えをしたい pic.twitter.com/teWx6YEPCV
— Kくん (@kkun414) October 4, 2020
相手の攻撃をガードする気がなく、全て自分の肉体で受け止めます。
並外れた打たれ強さを持つ、花山ならではの戦闘スタイルと言っていいでしょう。
花山がどうしてこれほど打たれ強いのか、その理由の一つが『刃牙道』の宮本武蔵戦で明らかになりました。
武蔵は初めて花山を刀で斬ったとき、その手応えに違和感を覚えています。
胴体を切り離すつもりで刀を振ったにも関わらず、実際には花山の骨一本すら切れていなかったからです。
日本刀も簡単には通らないほどの硬さを持つ花山の肉体は、武蔵から「鎧をも凌ぐ」「鉄の肉」などと称賛されました。
花山薫の背中に彫られた刺青には花山家のルーツが描かれている？
大相撲の力士にも引けを取らない巨体に、顔も含めた体中に刻まれた傷跡。
それだけでも十分迫力のある外見をしている花山薫ですが、いちばん特徴的なのは背中の刺青です。
「侠客立ち（おとこだち）」と呼ばれるその刺青には、ふんどし姿の一人の男が大きな鐘を背負って立っている様子が彫られています。
何も知らずに見ると不思議なデザインの刺青ですが、実は花山家の歴史の中でとても重要な場面が描かれているのです。
鐘を背負っている男は、江戸時代に旅の途中で花山家から一夜の宿を借りた博徒（ばくと）。
博徒というのはギャンブルを生業にする者のことで、ヤクザをイメージするといいでしょう。
博徒の男が泊まったその晩、花山家に悲劇が訪れます。
裕福な農家だった花山家に、山賊の集団が押し入ってきたのです。
花山一家は惨殺されてしまいましたが、まだ幼かった長男の弥吉だけは唯一生き延びました。
旅の博徒が大きな鐘の中に弥吉をかくまい、山賊たちの攻撃を全てその身で受けて弥吉を守ったからです。
絶命してもなお鐘を背負って立ったままだった博徒への敬意から、成長した弥吉はその様子を刺青にして背中に掘りました。
これが花山家に代々伝わる「侠客立ち」の始まりです。
以来、花山家の当主は背中に侠客立ちの刺青を彫るのが伝統になったと言われています。
十六代目の当主を継いだ花山薫も14歳のある日、見事な侠客立ちを背中に彫られます。
しかし、ただ美しいだけで無傷の侠客立ちなど、花山は満足できませんでした。
そのまま単身で敵対する組に殴り込みをかけ、背中にたくさんの刀傷を刻まれた花山。
花山薫が背中の刺青にあえて傷を受けることよって真の "侠客立ち" を完成させたように俺もクソリプや批判を受けて真の "ジャケット詐欺師" になるのだ… pic.twitter.com/lfXTjni9Kw
— ヨロコヴ (@yorokovu0721) August 14, 2021
「かつて花山家を救った旅の博徒のように、切り刻まれてこその侠客立ち」と考えた花山は、こうして真の侠客立ちを完成させたのです。
花山薫の名言「まだやるかい」に込められた喧嘩の美学とは？
『バキ』で最凶死刑囚の一人・スペックと戦った際、花山は「まだやるかい」という名言を残しています。
花山薫の「まだやるかい？」がかっこよすぎた pic.twitter.com/JTtnY2Xl8v
— ANNAᙏ̤̫͚ (@Chiester_ff14) July 31, 2018
この「まだやるかい」という台詞は花山が相手を追い詰めた時に使われるもので、『刃牙道』の宮本武蔵戦、『バキ道』の鯱鉾（しゃちほこ）戦でも使われました。
台詞の意味は言葉の通りで、「相手にまだ戦う意志があるか？」を花山が確認するためのもの。
花山はなぜ、喧嘩の最中にこんなことを相手に尋ねるのでしょうか。
「喧嘩なんだから、相手の意思なんて無関係に叩きのめせばいいのでは？」と思う人もいるかもしれませんよね。
実際に宮本武蔵からは、戦いの続行を相手にわざわざ確認するなど「ぬるい」と言われています。
しかし「まだやるかい」にこそ、花山薫ならではの喧嘩の美学が込められています。
そもそも花山は、戦う意思があるか分からない相手を一方的に襲ったり、理由のない戦いを仕掛けたりはしません。
例えば『バキ道』の鯱鉾戦では、花山の強烈なパンチで気絶した相手が起き上がるまで待っていたこともありました。
相手が気を失っていたら戦う意思があるか確認しようがないので目を覚ますまで待つ、というわけですね。
それくらい花山薫は、「相手にまだ戦う意思があるか」「お互い納得した上での喧嘩か」という点を重視しています。
生まれながらの強者としての自覚を持つ花山薫。
「元から強い者がさらに鍛えるのは卑劣」というこだわりを持っているように、「戦う意思を持った相手にだけ自分の強大な力をぶつける」というルールも自分に課しているのかもしれません。
宮本武蔵との対決で重傷を負った花山の左目は失明？死亡した？
バキシリーズに長く登場している花山薫は、『グラップラー刃牙』から数々の戦いを繰り広げてきました。
その度に新たな傷を増やしてきましたが、『刃牙道』の宮本武蔵戦では特に重傷を負いました。
左目の眼球も斬られてしまったので「左目を失明したのではないか？」と噂する読者もいたようです。
そもそも花山と武蔵の対決は、「武蔵に斬られた同期の仇を討ちたい」という警視総監の個人的な頼みを花山が引き受けたことから始まりました。
三発の拳骨を食らわせ、得意の握力勝負に持ち込むことに成功した花山は、あと一歩というところまで武蔵を追い詰めます。
しかし最後は、「これ以上の不覚は取れん」と遊びを捨てて勝負に専念した武蔵に敗北。
合計で十回もの斬撃を受け大量に出血をした花山は、「花山さんを絶対に死なせるな」という警視総監の命令でただちに救急車で搬送されました。
世界一の名医・鎬紅葉（しのぎくれは）の処置により命は助かったものの、バスタブ一杯分の輸血に1,000針を超える縫合が必要なほどの重傷でした。
花山はその後『刃牙道』では登場しておらず、物語のクライマックスとも言える範馬刃牙と宮本武蔵の試合の観戦にも来ていません。
花山が再び登場したのは、続編の『バキ道』です。
武蔵に斬られた花山の左目は眼球の黒目が白くなっており、視力は戻っていないと思われます。
バキ道4巻を読んで思ったんだけど昔の花山には、黒目があるのに、4巻の花山には、左目の黒目がないんですよ、もしかして武蔵との戦いで失明したんですか？誰か教えて！ pic.twitter.com/P2xPRyhkNf
— 人類の中で3758番目に幸せな男 (@RE906aJyNw1vWAF) November 10, 2019
ただ、その後の展開では大相撲の力士を相手にこれまで同様に激しい戦いっぷりを見せている花山。
左目を斬られて失明したとしても、花山薫の喧嘩に全く影響はないようです。
花山薫のモデルは誰？
花山薫のモデルについて、作者は言及しておりません。
作者の完全オリジナルキャラなのか、裏社会で実在した人をモチーフにしたのかは現時点で分かっておりません。
分かり次第、記事にしたいと思います。