『ほどなく、お別れです』は、小学館文庫から刊行された小説で、葬儀場を舞台に「別れ」と向き合う人々を描いたヒューマンドラマです。
作者の長月天音が、夫の5年にわたる闘病生活を支えたのち、死別を経て2年かけて執筆した想いのこもった作品です。
本作は連作短編形式で進行し、各章ごとに異なる「別れ」の姿とそこにある人間の想いが描かれています。
物語の舞台となるのは、スカイツリーを望む東京の葬儀場「坂東会館(ばんどうかいかん)」。
就職活動に行き詰まった大学生・清水美空(しみず みそら)が、アルバイト先である坂東会館に復帰するところから始まります。
そこで葬祭ディレクター・漆原礼二(うるしばら れいじ)と出会い、“霊感”という特別な感性を活かして遺族や故人の想いに寄り添う中で、葬儀の持つ意味を学んでいきます。
葬儀が単なる別れの儀式ではなく、人の人生を見つめ直し、残された人の心を支える大切な時間であると気づきながら、美空自身も成長を重ねていくのです。
本作はその後、2023年5月から小学館のマンガアプリ「マンガワン」でコミカライズ連載がスタートし、作画は込由野しほが担当。
また、2026年2月には豪華キャストによる実写映画の公開も予定され、より幅広い層から注目を集めています。
この記事では、『ほどなく、お別れです』は完結しているのか、また最終章に向けての展開やネタバレについても解説していきます。
『ほどなくお別れです』は漫画アプリ『マンガワン』で全巻無料で読める?
『ほどなくお別れです』は、こちらの小学館が運営する漫画アプリ『マンガワン』にて全巻無料で読むことができます。
『マンガワン』は小学館が運営する公式アプリなので安全に利用できます。アプリをダウンロードする際もお金は一切かからないので安心してください。
『マンガワン』では、このように『ほどなくお別れです』を無料で読むことができます。

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『ほどなくお別れです』は完結してる?コミックスは何巻まで出てる?
原作はもう完結した?
原作小説『ほどなく、お別れです』は現在第3巻まで刊行されており、そこで物語は一区切りを迎えています。
明確に「完結」と宣言されたわけではありませんが、作品の性質上、連作短編として各エピソードが積み重なる形のため、終わりがはっきりと見えにくい構成になっています。
ただし、第3巻で一旦の区切りがついているため、読者のあいだでは原作は完結していると考えられているようです。
現在コミックスは何巻まで出ている?
『ほどなく、お別れです』のコミックスは現在第4巻まで刊行されています。
最新刊は2025年5月19日に発売されました。
単行本には9話ごとに収録されており、現時点では未収録のエピソードが8話分マンガワンで連載中です。
これまでの発売ペースを考えると、次の第5巻は2025年冬ごろに登場する可能性が高いと見られています。
原作のどこまで漫画化されている?小説と漫画で展開は違う?
現在発売中のコミックス第4巻には、原作小説第2巻『ほどなく、お別れです それぞれの灯火』の第1話「揺蕩う心(たゆたうこころ)」までが収録されています。
漫画版は原作小説の展開を忠実になぞって描かれており、大きな改変はありません。
そのため、今後も原作に沿ったかたちで物語が進んでいくと考えられます。
『ほどなくお別れです』の最終章に至るまでの原作ネタバレ!
美空の就職活動はどうなった?
物語冒頭では、大学4年の秋になっても就職先が決まらず苦戦していた美空。
気分転換のため、休職していたバイト先の葬儀場・坂東会館に復帰します。
そこで葬祭ディレクターの漆原と出会い、美空の「気」に敏感な体質を見抜かれたことで、次第に漆原と一緒に仕事をする機会が増えていきました。
漆原の仕事ぶりを間近で見ていくうちに、葬儀にはさまざまな形があり、単なる別れの儀式ではないことを実感するようになります。
そして葬儀の世界にやりがいを感じた美空は、今後も坂東会館で働きたいと考えるようになりました。
しかしその想いを両親に伝えると、「美空が本気ならそれもいいかもしれない。でも、社員になってもアルバイトの延長のような仕事でいいの?」と問われてしまいます。
実際、美空がアルバイトで任されていたのは会場準備や食事の配膳などホールスタッフとしての仕事であり、大学卒業後の進路として両親は不安を感じていたのです。
行き詰まった美空は、先輩の赤坂陽子(あかさか ようこ)に相談。
その話を聞いていた漆原から「葬儀をやる人間になったらどうだ」と葬祭ディレクターに進む道を提案されます。
美空は「それなら漆原に教わりたい」と願い出て、漆原を通じて社長にも話が伝わり、坂東会館に就職する方向で進むことに。
ただし、最後の課題は両親の説得でした。
そこで漆原が直接美空の両親に会い、「もっと明るい業界で働いてほしいと思われているかもしれません…ですが、決して希望のない仕事ではありません。」「美空さんには素質があると思います。」と淡々と説明。
漆原の言葉を受け、美空の両親も納得し、無事に春から坂東会館の社員として働くことが決まったのです。
美空はなぜ霊感がある?幼い時になくなった姉の行方とは?
美空は幼い頃から人一倍“気”に敏感で、いわゆる霊感を持っていました。
実は美空には、3つ年上の姉・美鳥(みどり)がいました。
けれども美鳥は、美空が生まれる前日に川へ落ちて亡くなってしまっていたのです。
母親が出産のために入院している間、祖母と川沿いを散歩していた時に起こった事故でした。
美空に霊感があるのは、この美鳥がずっと彼女についていたからだとされています。
特に、夢の中で姉が現れた後には、不思議な体験をすることが多くありました。
実際に、美鳥の夢を見た日に、通夜の案内のアルバイトをしていた美空は、亡くなった妊婦に声をかけられるという不可思議な出来事を体験しています。
葬儀場で働く中でも、美空の能力は亡くなった方や遺族の想いを感じ取る力として役立っていました。
ところが、祖母が体調を崩し入院したことで状況が変わります。
美鳥は美空から離れ、祖母に寄り添うようになったのです。
そのため、美空は遺族の悲しみは感じ取れるものの、亡くなった人の想いまでは掴めなくなってしまいました。
祖母との別れが近づく中、お見舞いに訪れた美空は、祖母のそばに寄り添う美鳥の姿を目にします。
美鳥は「自分が亡くなったのは自分のせいで、おばあちゃんのせいではない」と伝えるために、ずっと祖母に付き添っていたのでした。
美空が「お姉ちゃんも一緒にいっちゃうの?」と問いかけると、美鳥はにっこり笑って頷きます。
それからひと月も経たないうちに祖母は旅立ち、美鳥も一緒に天国へと向かいました。
美空が感じていた姉の気配も消え、二人が共に旅立ったことを悟るのです。
その後も美空には霊が見えることはありませんが、“気”に敏感であることは変わらず、遺族や亡くなった人の強い想いを感じ取れる力として彼女の中に残り続けました
坂東会館に現れた「小暮」は何者?
原作小説3巻では、坂東会館に新たな社員・小暮千波(こぐれ ちなみ)が登場します。
坂東会館は人手不足に悩んでおり、フリーとして独立した漆原までも宿直に駆り出されるほどの状況でした。
そのため主力となる人材を確保しようと、中途採用で補充されたのが小暮です。
小暮は漆原や椎名(しいな)と同年代ながら、専門学校で葬儀を学んだのち、大手葬儀社「こばとセレモニー」で10年以上の経験を積んできたベテラン。
しかも社長の甥という背景があり、他所での修行を終えて坂東会館へ呼び戻され、葬祭部の管理を任されることになりました。
即戦力として期待されていた小暮ですが、実際には坂東会館の粗探しばかりをし、社員から反感を買う存在に。
漆原や美空が遺族の想いを尊重する葬儀を大切にしているのに対し、小暮は費用アップや売上拡大を最優先し、必ずオプションを追加してもらう「プラスワンオプション宣言」などを打ち出します。
さらに、親族のみの小規模葬を推進したり、「直送歓迎キャンペーン」といった計画まで考えるなど、営業色を前面に押し出していました。
しかし、「キャンペーン」という言葉でご遺族を“セールに目がないお客様”のように扱うやり方に、美空は強い違和感を覚えます。
小暮は他の社員の葬儀を見ては「花が少ない」「オプションを付けられたはず」などと文句をつけ、社員からの信頼も薄れていきました。
それまでの坂東会館は人数は少なくとも和気あいあいとした雰囲気でしたが、小暮が入社してからは職場がピリピリした空気に包まれるようになります。
小暮のやり方に反発していたのは社員だけではありません。
フリーとなった漆原も小暮と考えが合わず、しばしば衝突しました。
漆原は坂東会館を離れた立場ながら、美空の教育係として引き続き現場で働いており、社員と変わらない存在でした。
ところが小暮は「自分の指示を受け入れないなら漆原との契約を切る」とまで言い出します。
美空は漆原が坂東会館を去ってしまうのではないかと不安を抱きながらも、彼と共に遺族の想いを大切にした仕事を続けていくのでした。
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美空と漆原の関係性は?恋愛に発展する?
美空は漆原を特別な存在だと感じていますが、それが恋愛感情かどうかは明確には描かれていません。
どちらかというと、漆原は尊敬する上司であり、憧れの対象という気持ちが強いようです。
漆原は仕事に対して完璧で隙がなく、そのため一緒に働くのが苦手なスタッフも少なくありません。
しかし、美空は漆原に認められ、共に行動することができています。
その様子を見た周囲のスタッフは「2人には何か特別な関係があるのでは」と勘ぐることもありますが、現時点では2人はあくまで上司と部下の関係であり、恋愛関係には発展していません。
美空の目指す葬儀とは?美空はどう成長する?
坂東会館で漆原に出会うまでは、美空にとって葬儀は「故人のための別れの式」であると考えていました。
しかし漆原は葬儀を「遺族の区切りの式」だと教えます。
葬儀の後も遺族の生活は続き、大切な人を亡くす悲しみを抱えながらも、少しでも前を向けるように導くことが葬儀の役目だと語るのです。
坂東会館の正社員となった美空が目指す葬儀は、まさに漆原の姿そのもの。
故人と遺族の思いに応え、完璧な葬儀を行うことで、終わりの儀式ではなく「前へ進むための儀式」にすることが、美空の理想です。
入社から1年が経ち、漆原に伴って様々な葬儀を経験した美空は、次のステップとして葬儀の司会を任されることになります。
司会はただ式を進行するだけでなく、遺族や参列者の状況を見ながらお焼香のタイミングを伝えるなど、非常に重要な役割です。
初めての司会は、美空と同年代の若い女性の通夜で行われました。
何度も練習を重ねた結果、当日は無事に務め上げることができ、美空にとって大きな成長の瞬間となります。
その後も美空は漆原に同行して様々な式を見学し、時には司会を担当しながら経験を積んでいきます。
葬祭ディレクターの試験は実務経験2年以上が必要なため、今後も経験を重ねていくことで、美空はやがて葬祭ディレクターとしてひとり立ちしていくことになるでしょう。
坂東会館の今後は?漆原はどうなる?
坂東会館はこれまで地域との結びつきを大切にしてきましたが、今後は新しく入った小暮の影響で、売上アップのための葬儀プランの見直しや会場リニューアルが進められる可能性があります。
小暮は少人数で行う家族葬に対応できる会場を作り、施工件数を増やすことも考えており、坂東会館の形は徐々に変化していくでしょう。
一方で、漆原と小暮は対立していましたが、小暮が漆原の葬儀を見学した際、「漆原でないとできない葬儀」があることを実感します。
会社の経営戦略に従わない漆原に対して小暮は反発していますが、漆原が坂東会館にとって必要な人材であることは理解しており、最終的に「もう一度坂東会館の社員にならないか」と提案します。
しかし、漆原はその提案には応じず、フリーとして坂東会館と契約を続ける方針です。
美空が一人前の葬祭ディレクターになるまで責任を持つため、これまで通り坂東会館の仕事を優先的に引き受ける契約を1年延長しています。
美空は漆原が坂東会館を去ることを心配していましたが、その心配はまだ先になりそうです。
主要キャラクターを紹介!
清水美空(しみず みそら)
本作の主人公で、物語当初は大学四年生として就職活動に苦戦していました。
美空の就職活動は不動産業界に集中していました。
自宅が一軒家であることからマンションに憧れがあり、また不動産業界なら安定して両親を安心させられると考えたためです。
しかしことごとく不採用となり、苦戦を強いられます。
そんな中アルバイト先の坂東会館に戻り、葬祭ディレクターの漆原に出会い憧れを抱き、その後坂東会館の正社員として働くことになります。
美空は幼いころに姉が亡くなっており、その霊がずっとついていたため、気に敏感な体質(いわゆる霊感)を持っています。
その能力は故人の想いや遺族の想いを感じ取るのに役に立っています。
美空の心根は優しく、遺族や故人の想いに寄り添った葬儀を心がけています。
坂東会館でのアルバイトは、社長と友人であった父親の紹介で大学1年生の時に始めます。
最初は葬儀場の仕事を楽そうだと思ったのと、時給の良さに惹かれてのアルバイトでしたが、葬儀場の繁忙期である冬に始めたため、当初の甘い考えはすぐに崩されることとなりました。
坂東会館では、社員の赤坂陽子と仲が良く、就活に行き詰まった際に陽子からの電話をきっかけにアルバイトに戻る決断をしています。
高校時代は美術部に所属し、写真集を参考に可愛い小鳥の絵を描くことが好きでした。
漆原礼二(うるしばら れいじ)
坂東会館から独立し、現在はフリーの葬祭ディレクターとして活動しています。
事故や事件に関わる葬儀を担当することが多く、難しい現場でも冷静に対応するプロフェッショナルです。
僧侶の里見道生(さとみ どうしょう)とは大学の友人で、自身が担当する葬儀には里見を呼ぶことが多くあります。
ある式で坂東会館を訪れた際、美空とすれ違った里見が美空についている姉の霊に気付き、それがきっかけで漆原は美空に興味を持ち、以後、自身の式のホールスタッフに美空を指名することが増えていきました。
美空が坂東会館の正社員として働きたいと言った際には、社長への根回しや両親の説得を行い、美空が一人前の葬祭ディレクターになるまで面倒を見ることを決めています。
また漆原自身、遺族や残された人たちが前を向けるように、区切りの式を完璧に執り行うことを常に心がけています。
実は漆原も幼い頃に両親を亡くしており、父親は幼少期に、母親は大学時代に亡くなっています。
葬祭ディレクターとして働く理由は両親を亡くした経験に由来すると考えられますが、本人はあまり自身の過去を語らず、葬儀の仕事に至った詳しい経緯は不明のままです。
里見道生(さとみ どうしょう)
坂東会館と契約している光照寺(こうしょうじ)の僧侶。
兄が3人おり、いずれも僧侶として優秀であるため、道生は常に兄たちと比較される立場にあります。
道生には非常に強い霊感があり、美空以上に鋭く、場合によっては亡くなった方と会話することもできるほどです。
しかしその性格はとても優しく、さらに泣き虫な一面もあり、読経の最中に涙を流してしまうことが何度もありました。
そのため、兄たちから「恥ずかしいからお前は出るな」と言われてしまったこともあるほどです。
漆原とは大学時代からの友人で、互いに信頼を寄せる関係。
漆原は道生の能力を理解したうえで、よく葬儀での読経を依頼しています。
気心の知れた仲であり、仕事でもプライベートでも支え合う存在です。
赤坂陽子(あかさかようこ)
坂東会館の社員で、ホールスタッフを担当している女性。
美空とは特に仲が良く、就職活動に行き詰まっていた美空をアルバイトに呼び戻したのも陽子でした。
一見おっとりとした性格に見えますが、実は強靭な精神力を持ち合わせており、美空はその姿勢も含めて尊敬しています。
趣味は意外にもホラー映画や漫画で、ギャップのある一面も魅力です。
美空と同じく、アルバイトから正社員になった経歴を持ちます。
もともとは短大を卒業後、保育士になる予定でしたが、坂東会館でのアルバイトを通して葬儀という仕事に興味を持ち、そのまま正社員として働く道を選びました。
さらに、原作小説3巻のエピローグでは、坂東会館の社員である椎名と結婚することが明かされています。
小暮千波(こぐれ ちなみ)
坂東会館の中途入社社員で、社長の甥っ子。
幼い頃から葬儀の仕事をする叔父に憧れ、葬祭業界を目指していました。
専門学校で葬儀を学んだ後、大手葬儀会社「こばとセレモニー」に10年以上勤めた経験を持ち、叔父が経営する坂東会館に戻り、葬祭部の管理を任されています。
爽やかな笑顔から葬儀場よりもホテルマンのようだと見られ、裏では「ロッテ」と呼ばれています(坂東会館近くのホテルから由来)。
大手で培った経験や知識を活かし、経営面にも口出しを行い、施工件数や売り上げを増やすための計画も立てていますが、その姿勢が元からいた社員たちの反感を買い、まだ馴染めていません。
小暮は単価の高い大規模な式だけでなく、家族だけの小さな式にもこだわりを持っています。
それは、かつて突然の事故で最愛の妻を亡くした過去が影響しています。
妻の葬儀は義両親が仕切り、小暮の想いは何一つ通らず、二人で静かに思い出に浸る時間も持てなかったことを深く後悔しているのです。
その経験から、小暮は本当に故人を思う人だけでお別れをする葬儀が最も悔いのない葬儀だと考え、仕事に対する姿勢にも反映させています。