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『ここは今から倫理です』5巻は漫画アプリ『ヤンジャン』で読める
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『ここは今から倫理です。』5巻ネタバレ紹介！
21話 かわいいは正義
選択授業で倫理を選んだ女子生徒の井上花琳(いのうえ かりん)は誰よりも自分のことを「カワイイ」と思っており、可愛くないものが大嫌いでした。
花琳は同じく倫理の授業を選んだジェンダーレス男子の沖津(おきつ)に興味を抱いており、授業の終わりに「ねーSNSやってる？友達にならない？」と声を掛けましたが、花琳のセンスが好みではないからという理由で沖津に断られてしまいます。
カチンときた花琳は次の日、沖津の悪口を友達に言い、読んでいた雑誌にも当たり始めました。
友達は引き気味になりながらも、花琳のご機嫌取りをしました。
そして、倫理の授業になっても花琳は不機嫌で、沖津のことを睨(にら)み続けていました。
この視線に気づいた沖津は、花琳と目を合わせました。
花琳は「何だよてめえその目」と授業中であるにもかかわらず、沖津に怒鳴り始めます。
倫理の教師の高柳(たかやなぎ)は花琳と沖津に授業後、残るように注意をしました。
授業後になっても、花琳は沖津に怒鳴り続け、沖津もそれに応戦します。
そしてついに、沖津に「自意識過剰かよ、誰もアンタの事なんか見てねーよ！！」と言われてしまいます。
花琳はショックを受け、廊下で二人の会話を聞いていた友達に助けを求めますが、友達は怪訝(けげん)なまなざしで花琳を見ます。
花琳は動揺しながらも、悪口を続けようとしますが、沖津と高柳にも、悪意のあるまなざしで見られていることに気づきます。
高柳は「人間は常に他人の視線の下にさらされている」と話を始め、「やっと我々にまなざされていることに気づきましたか？」と花琳に言います。
友達は、花琳にはもうついていけないと話しながら逃げてしまい、花琳もその場から去ります。
残った沖津は「地獄とは他人の事だ」と高柳に告げられます。
その後から、花琳は周りから仲間外れになり、陰口(かげぐち)まで叩かれるようになります。
沖津は高柳の言葉の意味をなんとなく理解し、花琳に歩み寄り、以前は教えなかったSNSのアカウントを教えました。
22話 労働のあと
常に否定的で怠惰(たいだ)な綿野佑輔(わたの ゆうすけ)は倫理の授業中も、高柳(たかやなぎ)の話を聞いておらず、進路相談中に、「今の成績じゃこれから大変」と話されても、ふて腐れていました。
母親に「大学行きたいなら自分でバイトしてよ」と言われても、働いてまで大学なんか行きたくないと感じます。
綿野はスマホゲームをしている時は上機嫌でした。
心の中では、「大学に行かないということは、働かなきゃいけないということ、何で働かないで、ゲームだけやって生きてちゃダメなんだ？」と疑問に思います。
そう考えている時、綿野はスマホを落として壊してしまいます。
母親に、新しいスマホを買ってほしいと頼んでも、誕生日まで待ちなさいと言われてしまいます。
綿野はいつでもスマホを見ていたので、TVを見ていても、入浴中も、学校の10分休憩も、イライラして落ち着きません。
遂には、スマホがないだけで、学校にも家の中にも自分の居場所がないという風に思ってしまいました。
そんな時、廊下を歩いていると、窓の外を見ている高柳を見つけます。
何をしているのか疑問に思い、声をかけると、高柳は窓の外にある花の名前を思い出そうとしていました。
綿野は、どうでも良いといった顔をしながらも、次第に集まって来た教師達と名前の分からない花について考え始めます。
他の教師が去った後、綿野は「ヒマなの？先生…」と高柳に聞きました。
高柳は、「ええ」と答えた上で、綿野に、「かつては労働してその分の必要なものを手に入れていたけれども、現代人には余暇(よか)が増えすぎた」と労働について話し始めます。
そして、労働をそもそもやりたくないという綿野に「労働とは生きる喜びと直結するもの」と話を続けました。
帰宅路では、綿野は自分が歩いている道にあるもの全てが、人の労働の後だと感じていました。
綿野は高柳の話を聞き、少し変わった様子でした。
23話 姫と泥棒 前編
隅井桜花(すみい おうか)はおっとりしながらも、人気があり、周りに天使と呼ばれている優等生の女の子です。
倫理の授業でも進んで、号令係を担当してくれています。
そんな隅井には普段の隅井からは想像できない、裏の顔がありました。
それは万引きの常習犯(じょうしゅうはん)だということです。
今日も隅井は何食わぬ顔で万引きをし、当たり前のように帰宅します。
職員室では、隅井の担任の柊(ひいらぎ)が周りの教師から「柊先生のとこは優等生多くていいですよねえ」と羨ましがられていました。
そんな言葉に納得しきれていない顔の柊。柊は廊下を歩いている高柳(たかやなぎ)に優等生の子の気持ちが分からないと話します。
そんな中、いつものようにアクセサリーショップで万引きをする隅井。
しかし、店員に「ポケットの中見せてもらえる？」と声を掛けられてしまいます。
すかさず隅井は泣き叫び、必死な顔で店員に謝ります。
店員も必死な隅井に押され、隅井を許します。
それを見ていた通行人が、去る隅井を追いかけて、優しく声をかけると、隅井はケロっとした顔で通行人を一蹴(いっしゅう)します。
そして、いつものように帰宅し、美味しそうにご飯を食べていました。
職員室では、柊と高柳が、「隅井が過剰に良い子ぶっていることが不思議だ」と話していました。
「何かプライドが関係しているのではないか、今の子はドライな子が増えたから生徒の気持ちが分からない」と。
柊は息子がおり、良い母親でもあるので、隅井のことを何かと気にかけているのでした。
そんな話をしていると、職員室に電話が鳴り響きます。
その電話の内容は隅井が万引きをしたという警察からの連絡でした。
交番では、隅井はいつものように号泣しながら、かわいそうな子を演じています。
そこに柊が駆け付けました。
24話 姫と泥棒 後編
次の日、学校で柊は怒らずに優しく隅井に接します。
隅井は反省の表情を見せた後に「もう…二度としません！」と隅井に誓います。
その帰り道、隅井は万引きをしたい欲求に駆られます。
その瞬間、高柳に声をかけられ、驚きます。
隅井は高柳のことを不審者だと思い、高柳から「貴方が受けている授業の担任ですよ」と言われても、半信半疑の様子です。
高柳の雰囲気に対し、不気味で気持ち悪いとまで感じていました。
「いつも私の授業では号令をかけて下さるのに、私の顔を覚えていないなんて傷つきますね」と高柳が言うと、隅井はやっと倫理の教師だと思い出しました。
隅井は、高柳に「柊と実のある話ができましたか」と聞かれますが、それを軽く流しその場を去ろうとします。
「駒場(こまば)みゆりさんとは最近、連絡はとっているのですか？今でも仲は良いのですか？」と高柳が話します。
その瞬間、隅井の顔が変わりました。
駒場は退学となった隅井の元クラスメイトで、高校に馴染めなかった隅井に手を差し伸べ、万引きや噓泣きを隅井に教えた人物です。
大人に対して気を使い、常に良い子でいた隅井は駒場に憧れていました。
高柳は「柊のような本当に優しい人が周りにいる間に、悪いことを辞めなさい、戻れなくなる前に」と言います。
隅井は、そう言われても高柳の言葉が届いてない様子でしたが、高柳に「転倒し、深い悪まで行くと、助けられなくなりますからね」と言われると、今は少年院にいる駒場のことを考えゾッとします。
高柳に「あなたは立ち上がれると思う」と言われると、恥ずかしそうに、複雑な表情を浮かべました。
その後、柊は万引きをしてしまいますが、以前のような余裕の表情はなく、悩み苦しんでいる様子でした。
後日の倫理の授業。
一番端っこの席で、恥ずかしそうにそっぽを向く隅井に、高柳は微笑みました。
25話 好きなもの
春山剛(はるやま つよし)は見た目も性格も地味だが、体が大きく心の優しい男子生徒です。
倫理の時間中に、ムカついた事、ウザかった事を紙に書く課題があっても、何も思いつきません。
帰宅すると剛は、年を取った祖父をお風呂に入れてあげます。
祖父の介護が剛の日常でした。
剛は、祖父の介護や両親の喧嘩、SNSのツイートなどに対して、ウザかったり、悩んだりしているのかなと思いますが、全て些細(ささい)なことに思ってしまいます。
そんな時、友人に放課後、遊びに誘われました。
剛は祖父の事を気にしますが、少しなら大丈夫だと思い、遊びに行ってしまいます。
その後、帰宅すると、祖父の介護の仕方が分からず、弟の浩司(こうじ)がパニックになっていました。
祖父は、みじめな姿で便を廊下で漏らしていました。
その夜は両親の喧嘩も激しく、剛も強く怒られました。
次の週、倫理の授業では、高柳が、「欲求」と「耐性」の話をしていました。
授業を聞きながら、昔は元気だった祖父のことを思い出し、剛は涙が止まらなくなってしまいます。
高柳は「大丈夫ですか？そのままでいいですよ」と話を続けます。
高柳は「自分はどこまでなら耐えられるか、その研究を積極的に行ってほしい」と言いました。
授業の後、高柳は剛に、「先週のプリント(課題)、ウザいことじゃなくてどんな項目なら今書けそうですか？」と優しく声を掛けます。
剛は、「好きなもの…かぞく…」と必死に声を絞り出します。
その後、高柳と話をし、自分の気持ちを言葉にすることで剛はスッキリしたようでした。
次の日、職員室で高柳に介護のグチを話していると、介護経験者の教師が集まって来て、楽しく話すことができました。
剛は言葉にすることの大切さを学んだようでした。
話し終わった後、剛は、高柳にお礼を伝えました。
高柳はいつもの表情で答えました。
「いつでも(話を)聞きますよ、それではまた倫理の時間に…」と。