醜い容姿を持って生まれた主人公の淵累。
両親はおらず、幼いころからいじめられていました。
陽の目を避けるように、暗闇の中でひっそりと暮らしていました。
ある日、累は母親が遺した紅い口紅を使って、他人と顔を入れ替えることに成功します。
その不思議な力を使って、演劇の世界で輝き始めるのでした。
一方、野菊は伝説の女優・淵透世の美貌を持つ美少女。
その美しさゆえに、実の父に監禁され、外の世界を知らずに生きています。
母親は幼いころに病死し、野菊もずっと独りぼっちでした。
そんな2人が出会い、お互いの利益のために顔を入れ替えるようになります。
しかし、野菊は累の生い立ちや母親との関係に気づき、いつしか復讐心が芽生えてくるのでした。
この記事では、絶世の美女でありながらも、誰よりも孤独で壮絶な人生を歩んできた野菊を紹介します！
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累と野菊の出会いを紹介！
野菊は外の世界を知らずに生きていました。
家では実の父から暴力を受けて、演技の指導をさせられていました。
そんな日々に嫌気が差し、命からがら逃げ出します。
外の世界では何も分からず、お金も持っていなかったので、体を売ってその日暮らしをしていました。
ある時、お客の一人に野菊の顔が淵透にそっくりであることを指摘され、今注目の女優・丹沢ニナに似ていると言われます。
野菊は不服に思いながら、丹沢ニナ主演の演劇を観に行きます。
”偽物だらけ”、”虚構の世界”と観ていて気分が悪くなり、途中で退室しようとします。
そこで、観客席から現れた丹沢ニナとすれ違います。
圧倒的な美しさと存在感により、一瞬で場の空気が変わります。
野菊は釘付けになり、最後まで舞台を観劇しました。
舞台後に野菊とニナの顔を借りた累はすれ違い、お互いに運命的なものを感じるのでした。
初めて顔を合わせたのに、初めて会った感じがしない、昔から知っているような懐かしさを覚えたのでした。
累、原画展。来られてよかった #累 #野菊 #ニナ #モモモグラ pic.twitter.com/Nm8d0Dhl0w
— レン。10.3-22/60🦋💍𓆛𓆜𓆝 (@ren_vanRijn) October 21, 2018
累(かさね)と野菊の関係性を解説！
累と野菊は不思議な縁で結ばれ、距離を縮めていきました。
お互いに深い悲しみや孤独を抱えて生きてきたので、多くを語らなくても分かり合えるものがあったのです。
野菊はある日、ニナの顔を借りた累の家に遊びに行きます。
そこで、飛び降りをして植物状態のマネージャー・淵累のことを聞かされます。
野菊は、母親がある人物に顔を奪われて、人生を台無しにされています。
累８巻めっちゃいいところで終わってて気になりすぎて気になりすぎてやばい
あの流れで野菊ちゃんの計画が成功するとは思えないんだけど、となると野菊ちゃんの不幸がマッハなんだけどなんであの子あそこまでマッハで不幸なんだ… pic.twitter.com/QzLdCn3Eft— サイコロリン (@saikororin) April 23, 2016
そのマネージャーの容姿と母親の過去、”淵”という名前。
色々な要素が交じり合って、目の前にいる丹沢ニナと名乗る女優は、別人だと勘づくのです。
野菊の母である透世から顔を奪った誘(いざな)には、一人の娘がいました。
父親は野菊と同じく海道与。
誘の娘・累は醜い容姿のため、海道に家を追い出されていました。
丹沢ニナとして活動している者の真の正体は累であり、野菊にとって母親違いの姉だったのです。
この事実は野菊しか知らず、累はのちに羽生田から聞かされて知ることになります。
野菊の味方・天ヶ崎は何者なのか解説！
野菊は、身寄りもお金もない中で、男性に買われることで生きていました。
その中の一人が、天ヶ崎という男です。
天ヶ崎は、見た目は悪く、太り気味であったため、子どもの頃からいじめられていました。
顔には、同級生にライターで顔をあぶられた火傷の跡があり、醜さが際立っています。
大人になってからは、教師という仕事をしていますが、彼の授業を聞く生徒はいません。
生徒からも、見た目を馬鹿にされ、物を投げつけられる始末です。
天ヶ崎は、”犯して殺してやりたい”と怨念が溜まっていましたが、そうすることもできません。
ある日、彼がお金を出して買ったのが、絶世の美女・野菊だったのです。
これまで彼を馬鹿にしてきた人たちと、野菊の睨め付けるような目が重なります。
累の野菊、オルタちゃん感あるんすよ…ない？ pic.twitter.com/TWZaZFSv9m
— か (@mazakasunba) June 26, 2017
天ヶ崎は、野菊であれば自分の思い通りにすることができ、優越感を味わうことができたのです。
支配され続ける人生から、初めて女性を思い通りにすることができたのです。
野菊からすれば、羽振りのいい男性の一人でしかありませんでした。
しかし、野菊の累への復讐心を知ると、天ヶ崎は彼女に協力するようになります。
お金や体の関係をなくし、野菊を地獄のどん底から抜け出したいと行動を起こします。
累に関する過去を調べ、関係者に聞き込みを行い、野菊のために尽くす天ヶ崎。
自分のために、利益なしにここまで尽くしてくれる天ヶ崎の姿をみて、野菊は天ヶ崎の元を離れます。
野菊は、天ヶ崎を復讐に巻き込み、不幸にしたくないという優しさからの決意でした。
それでも、天ヶ崎は家出した野菊を探し出し、彼女の幸せのために行動を共にします。
嫌いな者へ制裁を！父親を殺害した経緯を解説！
野菊は、舞台に関する仕事をしていた父母との間に生まれます。
母は、美しい容姿を持ち舞台女優として活動していた淵透世、父は、舞台監督であり演出家でもあった海道与です。
ですが、野菊の母は、累の母である誘に口紅の力で顔を奪われてしまいます。
演技力が抜群の「誘」と絶世の美女「透世」によって、大女優「淵透世」は脚光を浴びます。
海道与は、誘に顔を奪われた透世には、一切興味関心を示さず、誘と娘である野菊だけを愛します。
野菊の母親は、逃げ出さないように地下室に監禁されていました。
日に日にやせ細り、野菊に優しく語りかける母の手を握りしめる野菊でした。
誘と海道与の間にも子ども・累がいました。
累は元の誘に似ており、口が避けたような醜さゆえ、海道は受け入れませんでした。
ある日、誘は累を連れて家を出て行きます。
そして、そのあとすぐに野菊の母親も病死します。
累13巻読み！口紅を使い他人の顔と交換し舞台に立つ女優・かさね、美しい巫女として醜い女と対峙する役だが醜い女に自己投影し演技ができなくなる。透世、いざなの最期、顔の永久交換など謎が解ける今巻…羽生田の苦悩、かさねの圧倒的劣等感と深い闇が胸に迫る！次回最終巻！#累13巻 #累 pic.twitter.com/6j3z1CxhGZ
— ゆーきゃん (@yukyan_1101) April 24, 2018
大きな屋敷で、海道与と野菊の2人っきりでの暮らしが始まったのです。
これが、野菊にとっては地獄の始まりでもあったのです。
年頃になっても、野菊は屋敷から出ることはなく、学校にも通わせてもらえません。
世の中のことなど何も分からず、母親との思い出だけが彼女にはありました。
海道与の中にも、美しい透世を忘れることができず、娘の野菊に透世を重ねるようになります。
透世と同じ衣装を着させて、舞台台本を読ませて、演技指導をして。
ですが、野菊は海道与の思うような演技はできず、厳しい指導を受け、激しく叱責され、心身ともに疲労していきます。
そしてついには、透世を野菊だと思い込み、性的虐待も繰り返されるようになるのです。
野菊は、着せ替え人形のように素敵な衣装を身にまとい、海道の欲望を受け入れ、空虚さだけが増していくのでした。
ある日、野菊は屋敷を出る決意をします。
そのためには、父である海道与を始末するしかありませんでした。
意を決した野菊は、鈍器で海道与の後頭部を勢いよく殴ります。
海道は流血し、その場に倒れ込みますが、意識はありました。
「どうせお前は一人では生きられない…」、「お前の姉より幸福だというのに」と語ります。
海道から姉がいるという衝撃的な事実をこの時に野菊は知ったのです。
戸籍もない、交通機関の使い方も分からない、一般常識も知らない野菊ですが、海道のもとにいるよりマシだと信じ、意識が無くなるまで鈍器で殴りました。
実の父の呪縛から、解き放たれた瞬間でした。
漫画では、野菊は最後にどうなったのかを紹介！
野菊は口紅の力で累が顔を入れ替えることができること、女優・丹沢ニナが累に利用されていたことを突き止めます。
一度は突き放した天ヶ崎も野菊の味方であり続け、復讐劇に力を貸します。
野菊は、ニナの母親に会いに行き、娘の悲劇を伝えます。
松浦だるま「累」12巻
母の過去、羽生田の舞台、累と野菊の取引、口紅の秘密。幾先輩のやる事なす事、人を傷つけるなー。今回の経験で、変わるのだろうか。 pic.twitter.com/Wc6IteJMO2
— 週末の本読み@終活中 (@dev_book_read) August 13, 2018
そして、累と幾がW主演を務めた舞台「暁の姫」の終演後、累を呼び出します。
そこには、累、野菊、ニナの母がおり、ニナの母は鞄に包丁を忍ばせていました。
野菊は腹部を刺され、累は喉を切り裂かれていました。
「姉さん、姉さん！」と必死に叫びますが、累が息を吹き返すことはありません。
報道は、ニナの母親が野菊を刺し、累を殺害したと取り上げます。
これは事実であって、事実ではありません。
実はニナの母は、死ぬ前に累と顔を入れ替えます。
ニナの母として生き残った女性は、累だったのです。
ですが、この事実が公表されることはなく、野菊は姉を失ったと絶望するのでした。
『累』最終14巻を読んだ。演劇の世界を舞台に、他人と顔を交換できる不思議な口紅に翻弄される醜女「累」の苦悩を描く。テーマは美醜。クライマックスの演劇シーンは圧巻だった。おすすめ。 pic.twitter.com/3lpTea2wpm
— でんそん村田 (@aayabau) September 10, 2018
漫画では、数年後の様子も描写されており、そこでは天ヶ崎と一緒に暮らす野菊がいます。
お互いを名前で呼び合い、やわらかい表情で微笑んでいる野菊。
彼女の復讐劇は幕を閉じ、罪を抱えながらも、それを分かち合える男性と幸せになったのでした。