綺麗にしてもらえますか全巻無料で読む方法紹介!漫画アプリでタダ?記憶喪失?聖地は熱海!世間の評価は?

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悩んでいる人
『綺麗にしてもらえますか』を全巻無料で読む方法が知りたい。

 

本記事はこんな疑問を解決します。

 

ご紹介する方法は、登録不要もちろん合法です。違法手段ではないので、安心してください。

『綺麗にしてもらえますか』は漫画アプリ『マンガUP!』で全巻無料で読める?

いきなり、結論です。

 

『綺麗にしてもらえますか』はこちらのスクウェア・エニックスが運営する漫画アプリマンガUP!にて全巻無料で読むことができます。

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『マンガUP!』はスクウェア・エニックスが運営する公式アプリなので安全に利用できます。アプリをダウンロードする際もお金は一切かからないので安心してください。

 

『マンガUP!』では『綺麗にしてもらえますか』を惜しげもなく1巻から最新巻まで無料で公開してくれています

 

安心安全に、そしてタダで『綺麗にしてもらえますか』を全巻読破したい方は『マンガUP!』を使う方法が最もお得です。

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『マンガUP!』は課金してもお得に読める!

『マンガUP!』ではポイントが無くなってしまっても課金することでお得に読むことができます!

 

例えば『アラフォー男の異世界通販生活』最新4巻を普通に購入すると660円かかります。

 

そこで『マンガUP!』内の課金システムを使えば、610円で『アラフォー男の異世界通販生活』最新4巻を読むことができます!

 

『マンガUP!』では1日に無料で読める話数に限りがあるので、うまく『コイン』を購入して読む方がストレスなく読み進められますよ!

 


 

また漫画アプリに関していうと、小学館が運営する公式漫画アプリサンデーうぇぶり』『マンガワンも特にオススメです!

 

以下のような有名作品が随時、更新され無料で読むことができます。

 

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などなど…

 

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  • ダンベル何キロ持てる?
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「無料でマンガを楽しみたい!」という方は『マンガUP!』と併せて使ってみてはいかがでしょうか?

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次に『マンガUP!』の使い方(システム)を簡単にご説明します。

『マンガUP!』の基本的な使い方

『マンガUP!』に掲載されているマンガを無料で楽しむには、アプリ内アイテムである『MP(マンガポイント)MP+(マンガポイントプラス)を使用して読むことになります。

 

簡潔に言うと『MP(マンガポイント)』『MP+(マンガポイントプラス)』などを使うことで、1日1作品において、12話分以上のマンガを無料で読むことが可能です。

 

要するに1日に最低でも単行本1冊分に値する量のマンガを『マンガUP!』にてタダで楽しむことができるということです!

 

『綺麗にしてもらえますか』も1日に12話分以上、読み進めることができます。

 

『マンガUP!』で使うアプリ内アイテム『MP(マンガポイント)』『MP+(マンガポイントプラス)』のそれぞれの使い方を詳しくみていきましょう!

『マンガUP!』のMP(マンガポイント)とは?取得方法と使い方を解説

MP(マンガポイント)とは?
  • MPとは、アプリ内でマンガを無料で読むために必要なアイテム
  • 朝8時、夜8時に120MPずつ配布される(1日に計240MP)
  • 30MP消費で好きなマンガを1話分、無料で読むことが出来る

以上が簡単なMPの取得方法と使い方の説明です。

 

毎日、配布される計240MPを使って1日に8話分の作品をタダで読めるシステムがMPです。

 

但し1点だけ注意があり、MPを120MP以上貯めこむことは出来ません

 

朝8時に120MPが配布され、その120MPを使わずに夜の8時を迎えたとしても新たに120MPが加算されることはありませんので注意が必要です。

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『マンガUP!』のMP+(マンガポイントプラス)とは?取得方法と使い方を解説

MP+(マンガポイントプラス)とは?
  • MP+とは、アプリ内でマンガを無料で読むために必要なアイテム
  • MPがなくなってしまった場合でもMP+を使うことで好きなマンガを1話分、無料で読むことが出来る
  • 『マンガUP!』新規ダウンロード特典で750MP+(25話分)が付与される
  • 毎日、短い広告動画を1度見るだけで30MP+(1話分)が付与される

以上が簡単なMP+の取得方法と使い方の説明です。

 

下の画像のように『マンガUP!』新規ダウンロード特典では、750MP+25話分)が無料配布されます。

 

そして毎日、短い広告動画を視聴することで30MP+1話分を取得することが出来ます。

 

アプリを起動すると画面右下に「ヒヨコ?」のようなピーナップくんというキャラが鎮座しているので、タップしましょう!

すると「短い動画を見る」というボタンが表示されるので、タップして短い広告動画を視聴します。(広告を見ずに流してるだけでもOK!)

たったこれだけの労力で、30MP+(マンガ1話分)が手に入ります。

 

やらない手はありませんよね(^^)/

短い広告を見て30MP+を獲得できるシステムは毎日、夜0時に回復します。

他にもMP+を取得する方法があります。

 

ホーム画面上に表示される「クエスト」をクリアしていく方法です。

 

「クエスト」と言っても簡単なもので、例えば「マンガUP!に毎日ログインする」「~のマンガを3話まで読む」などの条件をクリアすることで、難易度に応じてMP+(マンガポイントプラス)が付与されます。

 

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『MP(マンガポイント』『MP+(マンガポイントプラス)』以外で1日3話分のマンガを読む

先ほど紹介した『MP』『MP+』が0ポイントになってしまった場合でも1日に3話分のマンガを無料で読むアプリ内システムがあります。

 

その仕組みがコチラ。

 

読みたい”話(はなし)”のページへ飛ぶと、「動画を再生して読むと表示されます。これをタップし広告動画を視聴することで新たに1話分のマンガを無料で読むことが可能となります。

3回分この仕組みを使ったら翌日0時にリセットされ、また利用できます。

 

ここまでを簡単にまとめると

ここまでのまとめ
  • MPを利用して1日8話分のマンガを無料で読む
  • 広告視聴やクエストをクリアして獲得したMP+を利用してマンガを無料で読む
  • 短い広告動画を最大3本見て、3話分のマンガを無料で読む

以上の事から『マンガUP!』は、1つの作品において、1日に最低でも12話分のマンガを無料で読むことのできるかなり気前の良い漫画アプリであることが分かります!

 

ぜひ、この機会に遠慮なく無料で読ませていただきましょう!!(^^)/

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『綺麗にしてもらえますか』の世間の評価は?

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『綺麗にしてもらえますか』あらすじ

「その汚れ、金目にお任せ下さい」

 

「綺麗にしてもらえますか」は、美しい街「熱海」を舞台に、キンメクリーニングというクリーニング店を営む女性、金目綿花奈(きんめわかな)と地元の人々との交流を描く物語です。

 

坂道沿い、桜の木の下に立つ小さなお店で、集配から汚れ落とし、洗濯に配達まで一人で全て行う金目。

 

服をクリーニングに出しにきたお客さんであっても、履いている靴が汚れているのを見ると思わず手入れしてしまったり、制服のボタンが取れた女子高生を見ていられず、そのまま家に行き、たまった服の洗濯までしてしまうなど、仕事熱心で世話焼きな性格です。

 

しかし、熱海に来る前の記憶がなく、覚えているのはクリーニングに関する知識のみ。

 

熱海に来た二年前まで、どこで何をしていたのか。

 

記憶は一切残っていないようです。

 

そんな境遇を感じさせず、明るく元気な金目が熱海の人々に囲まれ、時には失敗し、時には好きな物の誘惑に負けつつも、クリーニング屋として日々を過ごしていく姿に、思わず引き込まれてしまいます。

『綺麗にしてもらえますか』の見どころ紹介!

見どころ① 美しい熱海の風景

本作の見どころは何と言っても丁寧に、そして鮮やかに描かれた熱海の美しい風景にあります。

 

観光地としても名高い熱海。

 

その熱海に溶け込んでいる金目の生活は、観光地としてだけではなく、地元民しか味わえない熱海の魅力をも存分に引き出しています。

 

熱海の魅力は風景だけではありません。

 

温泉地としても知られた熱海で、民宿を営むお客さんの源泉掛け流しの温泉に入らせてもらったり。

 

海産物が豊富な熱海、集配に訪れたお土産屋さんで、仕事中にも関わらず焼き立てのアジの干物に手を出してしまったり。

 

様々に伝えられる熱海の魅力に、一気に引き込まれていきます。

見どころ② 見応えのあるクリーニング技術

仕事熱心な金目。

 

その様子は、クリーニング技術について語り出すと止まらないところにも表れています。

 

シミの基本的な構造や薬の使い分け、クリーニング屋さんが使う道具の説明、除菌・消臭スプレーの使い方や、服のお手入れ方法まで。

 

普段の生活で役に立つ知識も多く、とてもためになる内容です。

 

説明に熱中しすぎるところがあり、相手から呆れられたり、そんなに商売の秘密を語って良いのかと、聞いている人から心配されるほど充実した金目の説明。

 

絵を使って説明されている為、読者にとっても非常にわかりやすい内容となっています。

見どころ③ 魅力的な登場人物

金目と熱海の人たちとの交流を描く本作。

 

そこに登場する人々は魅力的な人ばかりです。

 

仕事熱心な主人公、金目はもちろん!

 

常連客でもある民宿の女将さんや、その息子さん。

 

ひょんなことから家に押し掛けることになった高校生の双子の姉弟。

 

刺々しい言い方ながらも金目を心配し、格安でお店を貸してくれる大屋さん。

 

定期的にお店に差し入れをしてくれたり、食事に誘ってくれる小学校の先生などなど。

 

クリーニング屋のお仕事に興味を持つ女の子に懐かれ、社会見学と言って押し掛けて来られたり。

 

市役所の観光経済課で働き、人とコミュニケーションを取るのが苦手という女性と、フリーペーパーの女子旅特集のモデルをすることになったり。

 

断れない性格と、仕事熱心なところもあり、様々なことに巻き込まれる金目。

 

それによって、知り合いもどんどん増えていきます。

 

次はどんな人が登場するのか、目が離せません!

見どころ④ 恋の行方と今後の展開

人との交流が見どころの本作ですが、中でも民宿を営む石持家の息子、毬祥くんと金目は特に、関係が深くなっていきます。

 

どちらかというと無愛想な毬祥くん。

 

表情をあまり変えず、人とのつきあい方も淡々とした感じの男の子です。

 

しかし、他の常連客に促される形ながら、寝坊した金目を部屋に上がって起こしたり、雨風と雷で帰れなくなり、金目のクリーニング屋に泊まることになったりと、何かと金目のプライベートと関わるところが増えていきます。

 

無理な仕事を引き受けてしまう金目を、自分達にも責任があるのだからと手伝おうと言い出したり、一人暮らしの金目が雷を怖がっているのを感じ取り、「もう少しいます」とさりげなく寄り添ってあげたり。

 

元々の優しさもあるのですが、特に金目を気にかけている様子も伝わってきます。

 

誰にでも優しい金目も、毬祥くんが熱海を離れ、東京に出ていってしまうと勘違いしたときには、改札を通ろうとする毬祥くんのカバンをぎゅっと掴んで引き止めようとしてしまうなど、徐々に意識し始めている様子。

 

これから二人はどうなっていくのか、楽しみです!

 

毬祥くんとの関係も気になるところですが、記憶を失っている金目の過去も謎に満ちています。

 

熱海に来た二年前までは、どこで何をしていたのか?

 

初めてのはずの日本人形のお手入れも、作業内容を体が覚えていたりと、身に付いているクリーニングの技術はどうやって得たものなのか?

 

時々記憶がとんでしまったり、無意識で歩き回ったりしてしまうのは、どんな理由があるのか?

 

これらの謎が今後どう明らかになっていくのか、気になるところです。

 

多数の見どころを持つ本作。

 

気になる方は是非とも漫画にてお楽しみ下さい!

『綺麗にしてもらえますか』登場人物紹介!

見どころにもあげた通り、多数の魅力的な登場人物がこの作品の特徴です。

 

是非人物紹介を見て頂き、作品の魅力を感じてみて下さい。

「金目綿花奈」

金目は、熱海で小さなクリーニング屋を営む、本作の主人公です。

 

胸の辺りまである黒髪をトレードマークである赤のリボンで結び、ポニーテールにしています。

 

お化けと雷が苦手。

 

外見からすると、年齢は20代かと思われますが、二年前、熱海に来るまでの記憶がなく、詳しい年齢はわかりません。

 

生まれや育ち、家族のことなども全く覚えていない様子。

 

性格は仕事熱心で世話焼き。

 

お店のPRやクリーニングについて語り出すと、相手が呆れているのにも気付かずに話続けたり、汚れている物や手入れされていない物を見ると思わず手や口を出してしまったり。

 

断れない性格や、好きな物の誘惑に簡単に負けてしまうこともあり、何かと様々なことに巻き込まれがちです。

 

しかし、格安の家賃でお店を提供してくれている大家さんや、常連客の支えもあり、土地勘もあまりない熱海の地でも元気に過ごしています。

 

既に熱海に受け入れられている金目が、更に熱海に溶け込んでいく様子を通して、熱海の魅力を感じていくことができる。

 

本作の主人公は、そんな人物です。

「石持毬祥」

キンメクリーニングの常連客でもある民宿の一人息子。

 

母親の代わりにクリーニングに出すものを届けに来た際、履いていた靴の汚れに気付いた金目が夢中で手入れを行ったことから
仕事への情熱と、確かなクリーニング技術への信頼を感じ、いつか自分の学校カバンも洗って欲しいと願い出ます。

 

前述の通り、何かと金目のプライベートに触れる機会の多い毬祥くん。

 

部屋に上がって寝坊した金目を起こしたり。

 

毎年使用している祭りの衣装が、保存状況が悪くカビにまみれてしまい、直そうとする金目を朝方まで手伝ったり。

 

祭りの山車に乗ろうとして、梯子から落ちそうになる金目を身を挺して助けたり。(その拍子に、お面越しにキスしてしまったり)

 

金目の姿を目で追い、金目が無理してそうな時には声を掛けるなど無愛想ながらも気配りのできる優しい男の子です。

 

ちなみに同級生からの評価も、

 

「あの朴訥なカンジが男っぽいのにウブにも見えるから、小学校のころから女子に人気ある」

 

「毎年バレンタインチョコもいっぱいもらってる」と高く、異性からモテている様子がわかります。

 

両親は離婚しており、母親が営む民宿に二人で住んでいる様子。

 

東京にいる父親とも年1~2回程度会っているようで、ホテルのエリアマネージャーとして働く父親から、東京に出てホテルで働かないかと誘われているそうです。

 

毬祥くんの今後の進路も気になるところです。

「片口那色」

那色ちゃんは、東京から家族で引っ越してきたばかりの、小学生の女の子です。

 

熱海に親戚の実家があり、おばあちゃんがやっているおみやげ屋さんに入り浸っています。

 

おばあちゃんが大好きで、おばあちゃんも那色ちゃんが喜ぶことは何でもしてあげようとするため、ややわがまま気味。

 

母親と共に訪れたキンメクリーニングにて、社会見学と称してクリーニングの様子を見学します。

 

クリーニングしてもらう服を作るために、わざと自分の服を汚すなど行き過ぎたところもありますが、誠実に服に向き合う金目を見て、服を汚してしまった自分を恥じるなど、根はいい子の様子。

 

金目が大好きで、街で会ったらまとわりついてきたり、金目の仕事を自由研究の題材にしたり、キンメクリーニングのSNSを立ち上げて更新も行ったり。

 

好奇心旺盛で元気いっぱい、何事にも積極的な那色ちゃんは、様々なことに金目を巻き込んでいきます。

 

熱海を巡る二人の冒険は、目が離せません。

「矢柄麻未」

常連客の女性。

 

旦那さんの出張みやげを差し入れに持ってきて、そのまま店番している金目とカウンター越しにお茶を飲みながら話し込んだり、仕事後に金目と二人で食事に行き、お酒に弱い金目を飲ませてしまったりと、プライベートも含めて金目と仲が良い様子です。

 

仕事は小学校の教師であり、那色ちゃんの担任です。

 

さっぱりとした性格で、着ていた服に墨汁がついてしまったと金目に相談に来た際は、人目もあるなかで服を脱ぎ始めたり、多少跡が残ってしまったと謝る金目に「全然目立たないしオッケー」と笑うなど、細かいことは気にしない面も。

 

夏場にはクリーニング点数が落ちると言う金目に、所属するママさんバレーの備品をまとめて依頼するなど、金目を公私で支える良きお友達。

 

この四人以外にも、金目が借りている物件の大家さんであり、金目が働きすぎて倒れた際には面倒を見てくれる安治さんや、毬祥のクラスメイトであり、ずぼらな服の管理を電車で金目に目撃されたことから、金目に家に押し掛けられることとなる高校生の姉弟。

 

熱海の市役所観光経済課で働く女性、初鮎さんに、カナダから陶芸教室を開くために熱海に引っ越してきた志伊良さんなど、登場するのは魅力的な人物ばかり。

 

多彩な人々と金目がどのように、熱海を舞台に関わっていくのか。

 

これからも目が離せません。

『綺麗にしてもらえますか』序盤ネタバレ紹介!

第一話

「いつもわざわざすまないねぇ」

 

「いえいえっ。また連絡下さいね」

 

家の玄関口で服を渡し、元気良く頭を下げる女性。

 

キンメクリーニングと書かれた大きなバッグを肩から下げ、活気溢れる熱海の商店街を駆け抜けていきます。

 

商店街を外れ、青空の下、坂道を上がって行くとあるのは、ガラス窓にキンメクリーニングと書かれたお店。

 

店の前には、穏やかそうな高齢の女性が待っていました。

 

「ごめんなさい!すぐドア開けますね」

 

女性に声をかけ、お店に入ります。

 

「いつからいらしてたんですか?」

 

「今来たばっかヨ」

 

金目(キンメ)と呼ばれるこの女性。

 

キンメクリーニングという、このお店の店主のようです。

 

「外出中」の看板を外し、エプロンをして準備完了。

 

「お待たせしました」と、高齢のお客様の対応に当たります。

 

客の持ち込んだ服を一点一点確認し、タグも見ていく金目さん。

 

「ココのシミとれるかい?」

 

「一週間前に汚してしまって自分でこすってもダメでネ…」

 

心配そうに服の汚れを指差すお客様。

 

「金目にお任せください」

 

真剣な表情で金目さんは答えます。

 

手を降りながら帰っていくお客様を、店の外で頭を下げて見送る金目さん。

 

店でクリーニング作業を始めます。

 

洗濯機や乾燥機を回し、服にタグをつけ、シミのあった服は筆で薬剤を染み込ませ、スチームを当てては様子を確認し、またスチームを当て、丁寧に丁寧にシミをとっていきます。

 

無事シミもとれ、額の汗を拭う金目さん。

 

そこに、来客を告げるドアの鈴が鳴る音が聞こえて来ました。

 

受付のカウンターに戻ると、眉間に手を当て、考え事をする女性。

 

「…当ててあげようか」

 

突然金目さんに尋ねます。

 

戸惑う金目さん。

 

「今…アナタは、甘いものが食べたぁい!」

 

「わ…わ!いつもありがとうございます矢柄さん」

 

「旦那の出張みやげだけどねっ」

 

矢柄さんと呼ばれた女性は、東京ばな奈の差し入れを持ってきていました。

 

「お茶出しますから、一緒にいただきましょう」と誘う金目さん。

 

どうやら親しい仲の様子。

 

「いい、いい!」「すぐ戻んないといけないから」と矢柄さん。

 

金目さんは、矢柄さんの引き取りの荷物を準備します。

 

スーツ上下とYシャツ5点。

 

どうやらご主人の仕事着を預けていたようです。

 

「そうそう旦那が言ってたよ」

 

「金目さんのお店に頼むようになってから、スーツの着心地が本当に違うって」

 

「ええっ、うれしい!!」と金目さん。

 

「ウチはYシャツもスーツみんな水洗いなんですよ」

 

スーツはドライで洗うものじゃないの?と尋ねる矢柄さんに、もちろん、ドライの方が一般的ですが…と答えます。

 

「こ・れ・は、企業秘密なんですけれど…」

 

矢柄さんの耳元に口を寄せる金目さん。

 

「ウチではスーツを二重のネットに入れて、一点一点丁寧に水洗いしてます。それから一晩自然乾燥させておいて…」

 

「翌朝ほーんのりと乾燥機にかけて、生地をふわっとさせたところで、普通の何倍も手間をかけてアイロンがけするんです」

 

「ウラ・オモテ、縫い目も伸ばして丁寧に丁寧に…」

 

「だからとーっても!着心地がいいんですよ」

 

一心不乱にクリーニングのことを話し続ける金目さん。

 

ニヤニヤしている矢柄さんの視線を感じて我に返ります。

 

「ホーントあなたってお洗濯が好きなのね」と矢柄さん。

 

「ええ…そうですね…」

 

「私が唯一、忘れなかった事ですから…」

 

困ったような顔をして笑う金目さん。

 

気になる言い方ですが…。

 

さて、ひとり店で作業を続ける金目さんですが、時計を見て、六時を過ぎていることに気付き、営業終了の看板を出しに行きます。

 

いつの間にか、周囲はすっかり暗くなっていました。

 

人で賑わう銭湯にやってきた金目さん。

 

体を洗い、湯船に浸かろうとすると、昼間にお店にやってきていた、高齢の女性とばったり会います。

 

お湯に浸かりながらしばし会話する二人。

 

先に上がる女性を見送り、金目さんはもう少しのんびりするようです。

 

湯に浸かったまま銭湯の窓から月を見上げる金目さん。

 

「本日も、お疲れ様でした」と呟きました。

 

さて、お風呂を上がり、銭湯の女将さんに挨拶して店に戻る途中、背後から打ち上げ花火の音が聞こえてきました。

 

「あー、そっか。今日だったのね」

 

「どうりでいつもよりも、人が多いと思ったら…」

 

花火を楽しむ人の間を歩いていく金目さん。

 

「…じゃあ私は、やっぱりもう少しだけ」

 

「これをBGMに、お仕事しようかな」

 

薄暗い熱海の街並み。

 

花火の音を楽しむように、ゆっくりと歩いて行く金目さんでした。

第二話

気持ちの良い晴れた日の朝。

 

多数のヨットが海に浮かんでいる港町熱海の風景の中、レンガが敷かれた上で金目さんはストレッチをしています。

 

「あら金目さん。今日はお休み?」

 

通りかかった犬の散歩中のご夫婦に話しかけられた金目さん。

 

「あ…いえ、開店前にちょっと眠気覚ましの運動を…」

 

どうも朝は弱い様子の金目さんです。

 

 さて、お店に戻る途中、「民宿旅館いしもち」とかかれた建物の前で、掃除をしている男の子の姿を見かけます。

 

お店の名前が書かれた法被を制服の上から羽織っている、高校生くらいの男の子。

 

ちょうど顔を上げた男の子と目が合い、ぺこりと頭を下げますが、

 

男の子はふいっと顔を背けてしまいます。

 

ちょっともやっとする金目さんですが、慌ててお店に戻ります。

 

スポーツウェアから着替え、エプロンをし、肩まで袖をまくり髪を束ねる金目さん。

 

開店準備完了です。

 

アイロンをかけたり、店を訪れたお客さんに対応したり。

 

そうこうしている内に、時間があっという間に過ぎていきました。

 

午後になっても、動き続ける金目さんですが、雨が降ってきたことに気づきます。

 

外を眺めていたその時、ひとりのお客さんがやって来ました。

 

やって来たのは、やや不愛想な感じの男の子。

 

今朝掃除をしているのを見かけた子です。

 

「こんにちはっ」と話しかける金目さんに、男の子は紙袋を渡してきます。

 

「えーと、クリーニングです…ね?」と金目さん。

 

しかし、何かに気づいたように動きを止めてしまいます。

 

紙袋を持ったままの男の子。

 

「えっと…」と話し始めます。

 

「あっはい。お品物拝見させていただきますね」と金目さんも慌てて対応します。

 

会員カードを預かった金目さん。

 

書かれた名前を見ると「石持樫美」と文字。

 

「あー…やっぱり石持さん?今日はお母さんの代わりに来られたのですか?」

 

「なんか忙しいみたいだから」

 

「へぇ…そうだったんですね…」

 

話しながらも、何かが気になる様子の金目さん。

 

ちらっちらっと横目で石持くんの方を見ています。

 

それに気づいた石持くんが金目さんの方を見ると、慌てて目を逸らしてしまいます。

 

「あ…ここ少しほつれがありますね。一緒にご確認お願いします」

 

「はぁ」

 

そう言いつつも、再び何かが気になってしまう金目さん。

 

「…なんスか?」と石持くん。

 

「え…いや…」

 

うずうずと、何かを我慢している様子。

 

しかしついに我慢できなくなったのか、突然店の奥の方に走って行ってしまいます。

 

 きょとんとしている石持くん。

 

店の奥で、がさごそと何かしていた金目さんは、再び走って戻ってくると、「失礼しますっ」と石持くんの足元にしゃがみます。

 

石持くんが履いている黒の革靴を指で触って確かめる金目さん。

 

「え…あっと……」と呆気にとられる石持くんの前で、金目さんは紙やすりのような物で靴をこすり始めます。

 

「このお傷…どうされました?」と金目さん。

 

どうやら靴についていた傷のところをこすっているようです。

 

「ああ…多分コンクリの壁で…」

 

「擦っちゃったんですね」

 

「すぐ…済みますから」

 

そう言いつつ作業を進める金目さん。

 

紙やすりでこすった後は、筆で色を塗り、布巾でこすり、スプレーで何かをかけていきます。

 

「ふぅ、応急処置ですけれど」

 

「これで傷が少し目立たなくなりました」

 

そう言う金目さん。

 

見ると、靴の傷は全く見えなくなっていました。

 

「えっ…え、スッゲ!!クリーニング屋なのに…」

 

驚く石持くん。

 

「いえいえっ。これもれっきとしたクリーニング技術のひとつですよ」

 

満面の笑みを浮かべる金目さん。

 

「紙やすりで傷を整えてから“染色補正”の応用で着色しているだけです」

 

「ウチのお店では通常のお洋服以外にも、鞄や靴はもちろん、革・布製の小物なんかもご依頼があれば真心込めて綺麗に…」

 

 

熱くなり、一人で話し続ける金目さん。

 

 

しかし。

 

「しっ…失礼いたしました!!」 

 

我に返り、勢いよく頭を下げる金目さん。

 

「つい…ついお靴の傷が気になってしまって…」

 

「お客様から頼まれてもいないことを、私…また勝手に…っ」

 

「また」と言っている通り、どうやらよくあることのようです。

 

「もちろん今の分のお代は結構ですし…」

 

「問題ございましたら弁償させていただきますので……っ!」

 

慌てた様子の金目さんに、「それは別に…」と困った様子の石持くんでした。

 

さて、クリーニングのお会計も済み、

 

帰る石持くんを見送る金目さん。

 

ちょうどドアを開けたタイミングで、雨足が強まってきました。

 

この傘で良ければ…とお店にあった傘を貸す金目さん。

 

無表情のまま帰ろうとする石持くんでしたが、ちょっと歩いたところで立ち止まります。

 

「あの…」

 

「今度、学校のカバン、キレイにしてもらってもいいスか?」

 

振り返る石持くん。

 

「はい。金目にお任せ下さい」

 

しっかりと答える金目さん。

 

「……クリーニング屋なんて、どこも一緒だと思ってたけど」

 

「最近母ちゃんがあの店に変えたの、なんとなく…わかった気がする」

 

大きく「キンメクリーニング」と書かれた傘を差し、熱海の街を歩いていく石持くんでした。

第三話

熱海の街で買い物をする金目さん。

 

スーパーで食料品を買い、パン屋でクランベリーとカスタードのパン、そして塩ピザを買います。

 

帰り道、周りに人がいないことを確認してからパンを取り出し、歩きながら食べ始めたところで。

 

「あー、ちょっとー、金目さーん!」

 

「今、服を渡したいんだけどいいかしらー」

 

マンションのベランダから声をかけられました。

 

慌てて口を隠しながら返事をする金目さん。

 

「油断しちゃった…」と反省です。

 

さて、お店に戻り、渡された服を広げたところでお店の電話が鳴ります。

 

「あっ石持さん。いつもどうも…」

 

どうやら、石持くんのお母さんからの電話のようです。

 

傘のお礼を言う石持くんのお母さん。

 

本人にもお礼を言わせると言って、電話口の向こうで息子さん(キュウと呼んでいます)を呼んでいる大きな声が聞こえてきます。

 

大丈夫ですから…と断る金目さん。

 

預かった荷物の話になり、その日の夕方に家まで配達することになります。

 

ちょうど夕方頃に、集配が多く重なっていたようで、合わせて行くことにしたようです。

 

傘もその時に返してもらうことに。

 

そして夕方。

 

大きなカバンを肩からかけ、熱海の街を走り回る金目さん。

 

コートを預かったり、観光客に道案内をしたり、猿を見かけたりと大忙しです。

 

民宿旅館いしもちにつく頃には、汗もかき、息もあがっていました。

 

顔を手で扇ぎつつ、「こんばんはー。キンメクリーニングです」と中に入ります。

 

入ったところ、中にはやや怖い顔の男性四人。

 

一斉に振り返って金目さんを見てきた為、やや緊張する金目さんでしたが、すぐに「あーい」と威勢のいい声を上げつつ、いしもちの女将さんがのれんの奥から出てきます。

 

「金目さんわざわざありがとねー」

 

「玄関先に置いといてー。傘もそこにあるから」

 

「あっ。はい」

 

やや勢いに押される金目さん。

 

「これがさっき言ったどぶろく。うまいよー」

 

「お兄さん達ご飯お代わりする?味噌汁もまだあるよ」

 

「あの子にお礼言わせなきゃ。キュウー!降りてきなー!」

 

テンポよく話を進める女将さん。

 

慌てて金目さんは遠慮します。

 

「そろそろおいとましますので…」と、ドアを開けつつ戻ろうとする金目さん。

 

しかし。

 

「金目さん汗いっぱいかいちゃってるでしょ?」

 

「折角だから温泉入っていきなー」

 

「温泉」と聞いて、足が止まる金目さん。

 

「いや…でも私ここに泊ってるお客さんじゃないですし…」

 

と、まだ断ろうとしますが…。

 

「ウチ小さな宿だけど、源泉掛け流しが自慢だからさー」

 

「源泉掛け流し」と聞き、もはや断れませんでした。

 

お湯につかり、緩み切った表情の金目さん。

 

「私…好きな物への誘惑に弱いなー…」と反省します。

 

「でも…もう今日は仕事上がりだしいいか…」

 

「ま…いっかぁー…」

 

頭を浴槽の縁に乗せ、足を伸ばして壁にくっつけてくつろいでいます。

 

しかし。

 

「お風呂上がったら屋上へ行って涼むといいよー」

 

突然女将さんにドア越しに話しかけられ、びくっとしてしまいます。

 

「また…油断しちゃった…」と、慌てて足を戻す金目さんでした。 

 

さて、お風呂から上がり、金目さんは階段を上がっていきます。

 

屋上に出ると、目の前に海が広がっていました。

 

しばらくそのまま海を眺める金目さん。

 

背後で物音が聞こえ振り返ると、屋上の片づけをしている石持家の息子さんの姿がありました。

 

「キュウってあなたの名前?」

 

笑顔で話しかける金目さん。

 

女将さんが言っていた呼び方を尋ねます。

 

「えっとオレ毬祥(キュウショウ)っていうんで」

 

答える毬祥くん。

 

「花火大会の日は予約でいっぱいなんでしょうねー」

 

「だいぶ先まで満室だし、花火の日は来年二月まで全て予約している常連さんもいるし」

 

「え~ホント!?年十数回もあるのに!?」

 

どうやら人気のお宿のようです。

 

「今日泊まられている四人の方も常連さん?」

 

先ほど下で会ったお客さんのことを尋ねる金目さん。

 

「あー、あの人達は工事関係の仕事で半月ほど連泊してるかな」

 

「ウチは小さいし安い宿なんで、いろんな人が泊まるんで」

 

「でもお風呂はなかなか良いっスよ」

 

「ウチ小さな宿だけど、源泉掛け流しが自慢っスから」

 

表情は変えないものの、お母さんと全く同じ言葉で旅館の魅力を語る毬祥くん。

 

金目さんも嬉しそうな顔をして聞いています。

 

「お母さん…とても世話好きな方なんですね」

 

「うざったいだけなんで。身内に対しては」

 

「でも羨ましいなぁ、うっとうしいくらの身内がいるの…」

 

「私なんて…家族がいたのかどうかも覚えていないから…」

 

驚く毬祥くん。

 

「私…二年より前の記憶を綺麗さっぱりクリーニングしちゃったみたいで…」

 

戸惑った顔で金目さんを見つめる毬祥くんですが、「あ…あっでも別に私そのことは気にしてないので…」と金目さんは慌てて説明します。

 

「あんまりお邪魔しちゃうと悪いので、そろそろ帰りますね」

 

そう言って歩き出す金目さん。

 

何て声をかけるか迷う毬祥くん。

 

「…でもあれだけは忘れないでほしいっス」

 

「「学校のカバン」」

 

金目さんと毬祥くん。

 

二人の声が重なり驚く毬祥くんと、微笑む金目さん。

 

「つか、ふつーに記憶力いいし…」

 

お風呂につかりながら、物思いにふける毬祥くん。

 

明かりをつけて、遅くまで一人作業を続ける金目さん。 

 

今日も一日が終わっていきました。

第四話

店先に打ち水をする金目さん。

 

木漏れ日の気持ちいい、爽やかな日。

 

「今日は朝から、ちょっとお客さん少なめでゆったり…」

 

伸びをしながら金目さんは考え事。

 

「もうすぐ春の繁忙期もおしまいかなー」

 

「またチラシ作ってポスティングしないと…」

 

季節は六月の中旬。

 

クリーニング屋の繁忙期は、四月~六月の冬物整理と九月~十月の夏物、年末年始の大掃除の時期…となっているようです。

 

店に入る金目さん。

 

その視界の片隅に、一台の車がうつりました。

 

店の前で止まった車。

 

降りてきたのは、上品そうな女性と可愛らしい女の子です。

 

「やっぱり寄るんですか?」

 

「あなたは車で待っていてもいいのですよ」

 

「ううん、那色も社会科見学で一緒に行きます」

 

「綺麗な人…」と見とれる金目さんに気付き、「こんにちは」と女性が声をかけてきます。

 

「あっこんにちは、いらっしゃいませ」と金目さん。

 

可愛らしく首をかしげ、「こんにちは」と挨拶をする女の子。

 

思わず金目さんも、「かわいいー!」と満面の笑みに。

 

「当店のご利用は初めてですか?」と尋ねる金目さんに、女性は友達から紹介してもらったと答えます。

 

「シミ抜きがとってもお上手だって聞いたから、お願いしようかしらって」

 

 そう言われて喜ぶ金目さん。

 

「当店では地域い根差したまごころサービスをモットーに、お洋服以外にも鞄や靴はもちろん革・布製の小物も綺麗にいたします」

 

「また地域に限りはございますが、お電話一本でご自宅まで集配を行っており、特にご年配の方からご好評を…」

 

いつも通り、話すのに熱くなってしまい、途中で我に返ります。

 

きょとんとしている那色ちゃんの目線も感じ、慌てて品物を拝見することに。

 

持ち込まれたのはお洋服でした。

 

夕食でイカスミパスタのソースが飛んでしまった…と女性。

 

その横に、明らかに描かれたような三角形の汚れがありました。

 

「肉まん…?」と首をかしげる金目さん。

 

「はい。那色が説明します」と、元気よく手を挙げる那色ちゃん。

 

「これは那色が大好きな、モスクワの聖ワシリイ大聖堂です」

 

呆気にとられたような顔で那色ちゃんを見つめる金目さん。

 

那色ちゃんの横で、顔を真っ赤にして説明する女性。

 

どうやら女性は、那色ちゃんのお母さんのようです。

 

「あのっ…娘は絵を描くのが好きで…イカスミソースが洋服に跳ねたのを見て面白かったみたいで…」

 

「今度は自分の指にソースをつけて落書きを…」

 

お恥ずかしい…と顔を伏せるお母さんの横で、那色ちゃんも「ごめんなさい」と頭を下げます。

 

 先ほどは「かわいいー!」と思っていた金目さんも、「かわいくない…?」と思わず苦い表情に。

 

「お洋服のシミ…、キレイにしてもらえますか?」

 

遠慮がちに話すお母さん。

 

真剣な顔で洋服を見つめる金目さん。

 

しかし、すぐに顔を上げ、「金目にお任せ下さい」と答えます。

 

頭を下げて別れた金目さんと、那色ちゃん母娘。

 

しかし那色ちゃんは、何やらお母さんに頼んでいる様子。

 

「お店のお姉さんに聞いてごらんなさい」と言われ、

 

那色ちゃんは勢いよく走って戻ってきます。

 

「お姉さーん」

 

「あのねっお願いがありますっ!!」

 

「あのっあのっ、那色のお洋服にシミをどうやって取るのか、お仕事を見学させてくれませんかっ?」

 

元気よく手を挙げてお願いしてくる那色ちゃん。

 

金目さんも再びの満面の笑み。

 

「やっぱりかわいいー」と思いながら、許可しました。

 

さて、作業をする金目さん。

 

その横で、那色ちゃんは夢中でメモを取っています。

 

「はいはいはいっ!!いま塗っているものはなんですか?」

 

「はいっはいはい!それはなんですか!?」

 

金目さんの手元をじっと見つめ、

 

矢継ぎ早に質問してきます。

 

みるみる消えていくシミを見て、「わあっすごーい!!魔法みたいです!」と感動する那色ちゃんは、自分もシミ抜きをしたい!!と言い出します。

 

デリケートな作業だから、と止める金目さんですが…。

 

「お願いしますっ!金目お姉様!!」

 

「那色ずっとずっといい子でいますから!なんでも言うこと聞きますからっ!!」

 

手を組んで見つめてくる那色ちゃんを見て、思わず許してしまう金目さん。

 

とは言え、お客さんお品物を使うわけにはいかない為、古くなったタオルを用意しようとしますが…。

 

突然那色ちゃんは後ろを向きます。

 

ちょっと待ってくださいと言われ、金目さんが待っていると、自分の着ていた洋服にマジックで絵を描き始めました。

 

「お待たせしましたっ。お洋服にシミを作りましたっ!!」

 

 元気よく振り返る那色ちゃん。

 

「やっぱりかわいくないかも…」と衝撃を受ける金目さんでした。

 

金目さんの用意した古いタオルで、一緒にシミ抜き作業をやってあげる金目さん。

 

喜ぶ那色ちゃんの横で、「こっちの服はあとでサービスでやっておこ…」と那色ちゃんがシミを作った洋服を金目さんは眺めています。

 

シミを作った服は預かり、代わりのシャツを貸してあげた金目さん。

 

「今度来るときはぜひ助手としてお客さんのお洋服もまかせてくださいね」

 

自信みなぎる表情で話す那色ちゃんですが、金目さんは腰を落とし、那色ちゃんと目線を合わせて話始めます。

 

「気持ちはうれしいけれど…那色ちゃんにはまだちょっと早いかなぁ…」

 

「人のお洋服を大切にあつかうお仕事をするためには、まずは自分自身のお洋服を大切にあつかえるコにならなきゃ」 

 

そう言われ、自分の洋服にシミをつけたことを思い出す那色ちゃん。

 

「お洋服って永く大切にされると、持ち主の物語や思い出が詰まった“宝物”になると思うんです」

 

「私には昔の記憶(思い出)が何一つないから…」

 

「だからこそみなさんのお洋服が、“宝物”であり続けるようにお手伝いをしているんです」

 

「あ…私…」

 

自分のしてしまったことの罪を認識し、反省し始める那色ちゃんに対し、「クリーニングのこと…また知りたくなったら遊びに来て下さいね」

 

そう、微笑みかける金目さん。

 

泣きながらも、笑顔になった那色ちゃんは

再び元気になって帰って行きました。

 

「那色ちゃん…か」

 

「礼儀正しくて根はとってもいい子だと思うけれど…」

 

思い出しながら微笑む金目さん。

 

「さて…綺麗にしますか」と那色ちゃんの洋服のシミ抜きにかかります。

第五話

いつもの大きなカバンを肩から下げ、熱海の街を歩く金目さん。
 

「え…と、この先の角を曲がって…」とメモを見ながら進んでいきます。

 

歩いていると、何かの匂いが漂ってきました。

 

「あーなんか…香ばしいかおり…」 

 

そこにあったのは、「おみやげ処 熱栄ひもの店」の看板。

 

その下で、干物を焼く高齢の女性に金目さんは声を掛けますが…。

 

じゅくじゅくと音を上げて焼かれる干物に、金目さんの目は釘付けに。

 

黙っている金目さんを見て、「いらっしゃい。焼きたてアジの干物250円でございます」と女性は話しかけてきます。

 

「仕事中なので…」と慌てて断る金目さん。

 

「えっと、今朝お電話で集配のご依頼いただいたキンメクリーニングです」

 

「こちら片口さんのお宅でお間違いありませんでしょうか」

 

「はい~片口でございます」

 

そう答える、干物を焼いていた女性。

 

しかし、「集配…?電話…?」と、どうやら何のことかわからない様子。

 

戸惑う金目さんですが、店の奥から「わあっ来てくれたんですねー!!」との声。

 

いつも元気な那色ちゃんが、店の奥から走ってきました。

 

「おばあさま、この方が金目お姉さんですよ」

 

そう女性に紹介する金目さん。

 

どうやらこのお店は、那色ちゃんのおばあさんのお店のようです。

 

那色ちゃんも学校がお休みなので、お店の手伝いをしている様子。

 

「ふぅーん、那色ちゃんえらいね」と話す金目さんですが…。

 

「ひょっとして今朝の電話って…」

 

青ざめる金目さん。

 

「はい、那色がかけました」

 

手を挙げ、元気いっぱい答える那色ちゃん。

 

「おばあさまのお店にあるものをお願いしようと思ったので」

 

「おばあさまとそっくりなしゃべり方を心がけてお電話しました」

 

何か変だと思ったら…と金目さん。

 

どうやら電話の時点で違和感があった様子。

 

さて、那色ちゃんの案内で店に入る金目さん。

 

宅配の準備をする人や、イカの塩辛を大量に作る人など、たくさんの働く人がいます。 

 

案内されたのは、「熱栄丸」と書かれた大きな大漁旗が壁に飾られたお部屋。

 

思わず金目さんも、「素敵…」と声がこぼれます。

 

那色ちゃんによると、死んだおじいさんが漁師だったころのものとのこと。

 

昔は店の入口に飾っていたようなのですが、汚れてきてしまったので部屋に移したようです。

 

おばあさんも以前クリーニング屋さんに頼んだことがあるそうですが、断られてしまったと言う那色ちゃん。

 

「…でしょうね」

 

「長年使用された一点物の大漁旗。無理して洗うと経年劣化した生地が破けてしまうかもしれない…」

 

金目さんも、真剣な表情で大漁旗の状態を調べています。

 

「おじいさまの大漁旗…やってくれますか…?」

 

金目さんを見つめる那色ちゃん。

 

しばらく大漁旗を見つめていた金目さん。

 

「金目にお任せ下さいと言いたいところですが…、まずは一時的にお預かりさせてください」

 

「お店へ持ち帰って詳しく確認した上で、お引き受けできるか判断したいので…それでもよろしいですか?」

 

「わかりました。おばあさまにそうお伝えします」

 

頭を下げ、しっかりと受け答えする那色ちゃん。

 

それじゃあこれで…と帰ろうとする金目さんを、那色ちゃんが引き止めます。

 

「この隅にあるエプロンと三角巾もお願いします」

 

「あとえっと…」

 

「このカーテンと、ここにあるひざ掛けと、ざぶとんも全部お願いします」

 

次々と追加で頼んでくる那色ちゃん。

 

カバンに入るかなーと心配する金目さん。

 

大量の荷物を抱えて店を出てきた金目さんの目の前で、更にのれんも頼もうとする那色ちゃん。

 

干物を焼いているおばあさんに、「営業中にのれん外しちゃっても大丈夫ですか…?」と心配して尋ねます。

 

「いいんだよ~」とおばあさん。

 

「那色がよろこんでくれるのならね~」と答えます。

 

そして、「はいよ。お食べ」と、焼いていた干物を渡してきました。

 

再び、「今は仕事中ですので…っ」と断る金目さんですが…。

 

匂いに惹かれてやってきた観光客が、目の前で「めっちゃおいしいー!」と食べだすのを見て、ついに誘惑に負けてしまいました。

 

箸でほぐすとじゅわっとあふれだす魚の脂。

 

口に入れると更にジューシーな、脂ののったアジの干物。

 

あまりの美味しさにうっとりしてしまった金目さんは、「コレもお願いします」と那色ちゃんに話し掛けられ、喉につまりそうになってしまいます。

 

結局骨だけ残し、綺麗に食べきった金目さん。

 

いつも通り、誘惑に負けてしまったことで

 

「ダメな私…」と赤面しながら反省します。

 

しかしそこに、「イカの塩辛つくりたてでーす」の声。

 

「わーうまそー」「二びん買うてこかなー」と話す周りのお客さんたち。

 

「私も…二つ塩辛ください…」

 

「金目お姉さん、お買い上げありがとうございまーす!」

 

「本当に…ダメな私…」

 

落ち込む金目さんでした。 

 

さて。

 

夜になり、行きつけの銭湯にやってきた金目さん。

 

服を脱ぎながら、「今日は思わぬ大口注文が入っちゃったなあ」と、一日の出来事を思い出していました。

 

そこに聞こえてきた声。

 

「あ!こんばんはー。!」

 

やってきたのは那色ちゃんとおばあさんでした。

 

湯船につかりながら話をする三人。

 

那色ちゃんが泊まりにきた際は、よく銭湯に来る、とおばあさん。

 

おじいさんが生きてた頃もよく来てた、との話から、那色ちゃんとおばあさんとで昔話に花が咲きます。

 

それを微笑ましく眺めていた金目さん。

 

預かった大漁旗とのことを思い出します。

 

「…あれはおばあさんの、“宝物”なんだなぁ…」

 

銭湯の帰り道、満点の星空を見上げる金目さんでした。

第六話

よく晴れた日。

 

暑そうな日差しの中、コンビニから二人の男子高校生が出てきます。

 

「お互い祭り前に赤点は避けようなー」

 

「んー。じゃなー」

 

一人は石持家の毬祥くんでした。

 

家に向かって歩く毬祥くん。

 

途中で、人だかりが出来ているのを見かけます。

 

場所はキンメクリーニング。

 

心配そうに三人の女性がガラス越しに中を覗こうとしています。

 

「あらキュウちゃん。今日は早いのね」

 

「期末テスト前なんで…」

 

どうやらみんな顔見知りの様子。

 

「ちょうどよかったわ」と言ったのは、以前キンメクリーニングの前で開店待ちしていた高齢の女性でした。

 

「今日ね、休みでもないのに金目さんのお店閉まったままなのヨ」

 

「どうしちゃったのかしらって私たちも話してたのよネ」

 

見ると、確かにドアは閉まり、「本日の営業は終了しました」の看板が出ています。

 

「ねっ。だから頼むわキュウちゃん」と高齢の女性。

 

「え?」と戸惑う毬祥くん。

 

頼まれたのは、近くに立つ大きな木に上り、中の様子を確認することでした。

 

「いいのかな…」と遠慮しながらも木からベランダに移る毬祥くん。

 

カーテンは閉まっていましたが、窓は鍵がかかっていませんでした。

 

窓を開け、カーテンの隙間から声をかける毬祥くん。

 

中をちらっと覗くと、畳の上にうつ伏せに横たわり、座蒲団に突っ伏している金目さんの姿がありました。

 

「えっ!?」と叫び声を上げた毬祥くん。

 

近くには、蓋のあいたままの錠剤の瓶。

 

「あ…えっと…」

 

戸惑う毬祥くんの前で、うめき声をあげながら起き上がる金目さん。

 

「大丈夫っスか…!?」

 

声をかける毬祥くんの方をゆっくりと振り返った金目さんは…びっくりして飛び上がって転びました。

 

外で見ていた三人の女性は、どたんばすんばたんという大きな物音を聞き、「おー起きたネ」「やっぱり寝坊だったのね」と安心した様子。

 

困ったような顔で慌てている毬祥くんは、まず勝手に部屋に上がったことを謝るのですが…。

 

聞いているのかいないのか、座蒲団をぎううぅぅと抱きしめ、顔を隠している金目さん。

 

「ひょっとして…昨日の夜の…アレの…せい…!?」と戸惑っています。

 

アレ?と尋ねる毬祥くん。

 

「…昨日お客様からお預かりしたお品物の中で」

 

「時間をかけて何回も丁寧に押し洗いをしないといけなかった一点物のお品物がありまして…」

 

どうやら、那色ちゃんから預かった大漁旗の汚れ落としをしていたようです。

 

金目さんの説明によると。

 

その作業を終えた達成感から少し気が緩んでしまい、閉店前にやってきた常連客からのお食事の誘いを気軽に受けてしまったとのこと。

 

あまり慣れない雰囲気の中で、ほとんど飲んだことのないお酒を一杯飲んでしまい…。

 

「…というか一口目で私…私もう…記憶がなくなっちゃって…っ」

 

「私ってこんなにお酒弱かったなんて…っ」

 

「いつ…どうやって家に戻ったのかしら…」

 

「お客様に運んでいただいたのかしら…ああ…」

 

話を聞きながら落ちていた錠剤の瓶を拾う毬祥くん。

 

落ちていたのは、ウコンの錠剤でした。

 

「へぇー…金目さんハメ外すんスねー」

 

しれっと言った毬祥くんの一言。

 

私ハメ外したりなんてしませんからっ!!と慌てて金目さんは否定します。

 

その後我に返る金目さん。

 

「あ…今って何時…ですか…?」

 

「ま…まだ朝ですよね…?」

 

「え…正午くらい?」

 

再び外の女性のところまで聞こえてくる、どたんばたんとした音。

 

今度は、ひゃぁああぁという叫び声もついてきました。

 

わたわたしながら着替える金目さん。

 

困った顔で目を逸らしている毬祥くん。

 

金目さんは急いでエプロンをつけながら、下へ行ってお客さんの対応するので、ゆっくりしていってと毬祥くんに伝えます。

 

「はあ…」と答える毬祥くんに、「それじゃあ失礼しますっ」っと勢いよく出ていこうとする金目さん。と、途中で何かに気づいたように戻ってきます。

 

「起こして下さって、ありがとうございました」

 

しっかりと頭を下げる金目さん。

 

「それで、一つお願いがありまして…」

 

「私があんなだらしない寝方をしていたことだけは…誰にも言わないでもらえませんか…」

 

別に誰かに言おうなんて…と答えようとする毬祥くんの前に、勢いよく戻ってくる金目さん。

 

「や…約束ですっ」

 

そう、指切りをしてから店に出ていきました。

 

「指切りなんてしたの…幼稚園以来だっけ…?」

 

呆気にとられる毬祥くんです。

 

しばらくして、階段を降りてきた毬祥くん。

 

店を見ると、カウンターで接客をしながら電話にも出ている金目さん。

 

「午前中にお電話出られなくてすみませんでしたっ」と謝っています。

 

「キュウちゃんグッジョブ。これお駄賃代わりね」

 

高齢の女性に、ミルキーを渡される毬祥くん。

 

「これも幼稚園以来…」と思いつつ金目さんをちらっと見ると、相変わらず電話対応に忙しい様子。

 

声をかけずに出ていくことにしました。

 

ミルキーをなめながら店を出たところで、自転車に乗った女性に声をかけられます。

 

「あれー、今日はまた妙に混んでるわねぇー」

 

そう言いながら現れたのは、矢柄さんでした。

 

「そこの少年、今店から出てきたよね」

 

「ひょっとして何か事情知ってる?」と矢柄さん。

 

「いや特に」と毬祥くん。

 

話を聞いていた女性の一人が、「今日は金目さんめずらしく寝坊しちゃったみたいよ」と説明します。 

 

「んー…帰り際に一応ウコン渡しておいたけど…」

 

「ちゃんと飲んだかしら…?」

 

ウコン…とつぶやく毬祥くん。

 

「え?ああ、昨日金目さん誘ってディナー行ったのよねぇー」

 

常連客というのは、どうやら矢柄さんだったようです。

 

「金目さんったら今までお酒飲んだことないって言ってたけど」

 

「ぜーんぜんなんともなかったし帰りもしっかりした足取りだったから」

 

「アタシがお酒を飲ませたせいで寝坊したわけじゃないんだろうけどねー」

 

なんとも言えない表情で話を聞いている毬祥くん。

 

「ところで少年。アナタもココのお客?」

 

尋ねられた毬祥くんは、たまたま店の前を通りかかったと答えます。

 

「そしたら店がまだ閉まってたんで、二階へ上がって起こした感じスね」

 

周りから頼まれて仕方なく、という説明を省いた毬祥くん。

 

「ほーん。二階ねぇ…」と矢柄さん。

 

「じゃっ、アタシまたすぐ仕事戻んなといけないから、金目さんにヨロシク言っておいて」

 

そう言った矢柄さんですが、じーっと毬祥くんの顔を見つめます。

 

「金目さんのコト好きになっちゃうとかはダメだからねっ」

 

毬祥くんの肩をばしっと叩き、今度こそ去っていく矢柄さん。

 

「なんの仕事してる人だろ…」

 

呆気にとられつつ、見送る毬祥くんでした。

第七話

雨の日。

 

静かな街並み。

 

紫陽花の花に雨粒が当たる風景。

 

キンメクリーニングには「本日定休日」の立て札。

 

毎月第一・第三木曜日を定休日としているようです。

 

店の中では、満面の笑みを浮かべて掃除をしている金目さんの姿が。

 

モップがけをし、薬品の瓶を拭き、窓に雑巾をかけます。

 

その後はポスター作り。

 

どうやら夏の割引セールのポスターを考えている様子。

 

珍しく眼鏡をし、ハサミでちょきちょきと、色々な飾りを作っています。

 

昼過ぎになると、雨もあがりました。

 

ドアから顔を出して外を眺めた金目さん。

 

眼鏡を外し、引き出しからセールのチラシを取り出します。

 

水溜まりの上を飛び越え、セミの鳴く街を歩き、人で賑わう観光地を通りすぎ、ポスティングをして歩きまわる金目さん。

 

商店街に着くと、ひものを焼く片口おばあさんの姿がありました。

 

片口さんにもチラシを渡す金目さん。

 

片口さんに促されて店の壁を見ると…。

 

そこにあったのは、金目さんが苦労して汚れを落とし、綺麗になった熱栄丸の大漁旗。

 

しばらく店の奥に飾られてた大漁旗ですが、汚れを落とせたことで、昔のように店の表に出してくれているようです。

 

喜ぶ金目さん。

 

「また那色からお電話いくかもしれないけど」

 

「その時はよろしくね~」

 

微笑みながら話す片口さん。

 

「はいっ。金目にお任せ下さい」

 

嬉しそうに答える金目さんでした。

 

さて、JR熱海駅前にやってきた金目さん。

 

大きな足湯があることに気付きます。

 

多くの人で賑わう足湯。

 

仕事中ということもあり、遠慮がちに、しかし恨めしそうに眺めていた金目さん。

 

そうこうしているうちに、ポツポツと雨が降ってきました。

 

雨は次第に本降りになってきたため、金目さんも素直に足湯に入ることにします。

 

足湯に入りつつも、どこか後ろめたい金目さんですが、隣に座っていた二人組の女性に話し掛けられてしまいます。

 

「えっあっ」

 

「雨宿りがてらならいいかなって…」

 

慌てる金目さん。

 

しかし、相手は何のことやらわからない様子。

 

どうやら観光客のようです。

 

「い…いえ、なんでしょう」

 

普通に答えることにした金目さん。

 

「しばらく来ないうちに、駅前とっても立派になったのね」

 

「あー、そうみたいですね」

 

答える金目さんも、以前の姿を知りません。

 

そう伝えると、九年前の写真があるとスマートフォンを操作する女性。

 

写っていたのは、昔の駅と、そして九年前の女性二人組の姿。

 

どうやら二人は母娘のようです。

 

今も昔も仲の良さそうな姿に思わず微笑む金目さんでした。

 

いつの間にか雨も上がり、チラシ配りに戻ることにした金目さん。

 

母娘に挨拶し、再び歩き始めます。

 

海沿いの坂道を上ったり、縁側でお茶をご馳走になったり。

 

熱海の街を歩き回る金目さん。

 

ちょうど日が暮れ始める頃、チラシも配り終わりました。

 

水筒の飲み物を飲みながら、のんびり帰る金目さん。

 

歩いていると、「とんとんととんとん」と太鼓の音が聞こえてきました。

 

どうやら祭りの練習をしている様子。

 

一週間後にお祭りがあるようです。

 

音を聞きながら歩く金目さん。

 

「…あ、そーだっ」

 

何か思い付いたようです。

 

店に戻ると、屋根の上にシートを敷き、太鼓の練習の音を聞きながら過ごすことにします。

 

「街のそこかしこからこの音が聞こえてくると」

 

「もう今年も夏なんだなー…って実感しちゃうなぁ」

 

のんびりと過ごす金目さん。

 

「屋根に登ったのこれで何度目だっけー…」

 

「花火をゆっくり見るために二回くらいと」

 

「あとは…」

 

そう言いながら屋根を見渡した金目さん。

 

その目に、ぼろぼろの服で屋根の上に座り込む女性の姿が映りました。

 

顔を上げ、金目さんと目が合う女性。

 

その顔は金目さんとそっくり。

 

驚く金目さん。

 

しかし、すぐにその姿は消えてしまいました。

 

記憶を失っている金目さん。

 

二年前に熱海にやってくる前のことは、何も覚えていません。

 

どうやらそのことと、何か関係がある様子です。

 

しばらく物思いにふけりますが…。

 

「あっ!」

 

「まだポスター作りかけだったんだ!!」

 

屋根の上に出していた蚊取り線香やランタン照明、シートを片付け、慌てて屋根から降りようとします。

 

降りる前にもう一度、屋根を眺める金目さん。

 

しかし、そこには誰もいないままでした。

 

夜が明け、明るくなった熱海。

 

爽やかな日差しの中。

 

金目さんのお店には、出来上がったポスターが貼られていました。

 

過去ばかり気にせず、今を元気に過ごす金目さんです。

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