かつて別冊フレンドにて連載された、三次マキによる少女漫画「PとJK」。
実写化もされ連載が終了した今も絶大な人気を誇るこの作品は、どこにでもいる女子高生（JK）のヒロインが警察官（P）と出会い、恋に落ち、そして成長していくストーリーです。
全編を通して描かれるその成長の過程が共感を呼び、愛されるヒロインとなった主人公について、今回はその魅力に迫り、徹底解説していきたいと思います！
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本谷歌子プロフィール紹介
▼名前
本谷 歌子（もとや かこ）
あだ名は『カコ』
▼年齢
16歳、音尾（おとお）高校1年生
▼家族
母：メルヘン思考でカコによく似ている
父：現在単身赴任中（でもよく帰ってくる）
▼性格
素直で思っていることが顔に出やすい
「PとJK」あらすじ解説！作者が考えるヒロイン像とは！？
ある日カコは、友人の三門（みかど）の姉が企画した社会人の合コンに誘われ、『22歳、童顔、学生』という設定で大人に紛れて参加することになります。
そこではお酒を飲み盛り上がる周囲に馴染めず、控えめに食事をしていたカコ。
そんなカコは無理矢理お酒を勧められそうになりますが、合コン参加者の功太（こうた）によってその場は助けられます。
そのことにホッとし、お礼を言う機会を窺っていたカコは、合コンが終わったタイミングで自動販売機で飲み物を買い、お礼として功太に渡します。
そして帰ろうとしたところを功太に呼び止められ、2人は寄り道をすることになりました。
彼氏がいるのかと聞かれ、さりげなくアプローチされるカコですが、あまり男性との免疫がないカコは照れてテンパってしまい、自分が16歳であることをバラしてしまいます。
すると功太の態度は急変し、「ガキがこんな時間にうろつくな！」とタクシーに乗せられ、強制的に帰らされてしまうのでした。
次の日、カコと三門が自転車で2人乗りをしながら登校していると、警察官に注意されます。
その警察官は、なんと昨日の合コンで知り合った功太だったのです。
しかし話しかけても功太に相手にされず、そこでカコは「恋なんて始まるわけない」と、自分と功太の立場の違いを痛感します。
惹かれかけていただけに傷心に浸るカコでしたが、「こーゆーときは騒いで忘れろ」という三門に誘われ、2人で深夜近くまで遊んでいました。
その帰り、1人夜道を歩いていると男性に声をかけられ、一緒に携帯電話を探すことになります。
しかしどんどん人気のない場所に連れられ、襲われそうになってしまいました。
そこに巡回中であった功太が現れ、その男を現行犯逮捕します。
事なきを得たカコは反省し、助けてくれた功太に対して、また強く好意を感じるようになっていくのでした。
何度か偶然にも会うことが重なり、想いを募らせていったカコは、ある日功太に告白をします。
しかし「君の彼氏にはなれない」と断られ、諦めるしかないと思っていたカコ。
そんなとき、学校で不良達が功太に補導され留年が決定したことへの腹いせに、襲撃する計画を立てているのを聞いてしまいます。
居ても立ってもいられなくなったカコは襲撃当日、単身でその場に乗り込み、功太をかばって頭を殴られ血を流し倒れてしまいました。
気を失って救急車で運ばれたあと、目が覚めると病室に功太がいて、そこで今回の騒動について、「カコが無茶をした理由は分かっているつもりだ」として、改めて彼氏にはなれないと言われてしまいます。
カコ｢･･･ふるときに手なんか握らないでよ( ；Δ；)｣ pic.twitter.com/gERFaz5n9A
— PとJK (@kako_kouta) July 23, 2014
フラれる覚悟をしたカコですが、「彼氏にはなれないけど、一緒にいられる方法がひとつだけある」と言われ、「結婚しよう」とプロポーズをされたのです。
「返事はすぐじゃなくていい」と言う功太でしたが、「する！」とカコは即答し、晴れて両思いになった2人の恋はスタートしました。
警察官、功太との出会いから始まる恋！カコが直面する年の差カップルの悩みと葛藤とは！？
ようやく両思いになった2人ですが、警察官と女子高生という禁断の恋は前途多難で、多くの障害がありました。
そこで直面する悩みや葛藤を乗り越えて共に歩んでいく姿に、多くの読者が引き込まれていくことになります。
ここからはそんなエピソードを深掘りし、詳しく見ていきたいと思います！
カコの両親の本音は！？高校生で結婚ってあり？なし？
まず立ちはだかる壁はカコの父親でした。
功太｢誰だコノヤロウ！！｣
カコの父｢俺だコノヤロウ！！｣ pic.twitter.com/KPVGy5inIa
— PとJK (@kako_kouta) November 29, 2014
未成年で、ましてや学生であるカコがいきなり結婚することを許してもらえるはずもありません。
カコの家に功太が結婚の許可を貰うために挨拶に来ると、父親は派手なスーツにサングラスという威嚇スタイルで出迎え、功太のことを「変態」呼ばわりしていました。
「お父さん。これから先何があっても娘さんを守る覚悟はできています」と宣言する功太に対しても、「お父さんって呼ぶな！」と聞く耳を持ちません。
その後、父親は泣いてしまって話し合いにならなくなり、その日は帰ることになりましたが、次の日にカコと功太は初デートをすることになります。
そして待ち合わせで合流した2人ですが、そこにはなんとカコを尾行してきた父親もいたのです。
「本当に娘を守れる男かどうか、私と勝負しろ！」という父親とそれを受けて立つ功太がやり取りをしていると、側で見ていたカコは突如事故に巻き込まれそうになります。
咄嗟に功太と父親は同時に動き、なんとか回避することが出来ましたが、カコを一緒に助けたことで父親は少し考えを改めます。
「デートが終わったあとでいいから少し付き合ってくれ」と言って、その夜2人だけで話をすることになりました。
「こんな重苦しい父親の気持ちを背負ってまで娘を嫁に欲しいか」と問う父親でしたが、功太が覚悟を持って「はい」と返事をすると、そこでようやく結婚を認めてくれたのです。
しかし結婚の条件として、
・高校を卒業するまでは実家にいること
・名字も変えないこと
・極力結婚のことは隠すこと
を約束し、2人は周囲には秘密の夫婦関係をスタートさせました。
見てください！！この功太くんがPとJKで最も好きな功太くんです！！これからもイケメン警察官、佐賀野功太をよろしくお願いします🚔🚨👮 pic.twitter.com/L6CdsLhFqG
— ひとみん (@htmist1028) May 15, 2016
障害となる立場の壁！そのときカコはどうする！？
カコと功太が夫婦であることを知っているのは、親友の三門と功太の職場の上司だけでした。
誰にも言えないカコは、三門にも初め信じてもらえず、段々と自信がなくなっていきます。
人目があるため堂々とイチャイチャすることもできず、功太も「仕事中に話しかけるな」と素っ気ない態度でろくに相手もしてくれません。
不安になっていたカコでしたが、高校2年生になると自分に怪我を負わせた大神（おおかみ）と同じクラスになってしまい、それどころではなくなります。
いやね！でも授業中に急に襲ってくるなんてないだろうしね！
大丈夫 大丈夫！大丈･･･ pic.twitter.com/DX0Lnx528Y
— PとJK (@kako_kouta) July 20, 2014
怯えて近づかないようにするも、何故か接触してこようとする大神のことを功太に相談しようとしますが、仕事で忙しそうな功太には話をすることもできず、自分でどうにかしようと奮闘します。
そんな時、以前功太を襲おうとしていた不良達が学校にやってきて、カコはピンチになります。
すると大神はそんなカコを庇い、不良達とケリをつけるためにボコボコにされてしまいました。
「2度も怖い思いをさせてごめん」と謝る大神は、ずっと怪我をさせてしまったことを謝りたかったと言います。
真摯に謝る姿に、カコはそれを受け入れ2人は和解しますが、ちょうどその時に仕事終わりの功太が現れ、2人が一緒にいることを咎めます。
カコは大神のことを誤解していると功太に説明しますが、今までの素行からあまり信用はしてもらえませんでした。
そしてある日、カコ達はクラスの親睦会で夏祭りに参加します。
しかし功太にもらった指輪を失くしてしまったカコは、大神に協力してもらい会場中を探し回ることになったのです。
親睦会が終了しても戻らないカコを心配した三門が探していると、「大神と2人で人気のない方に向かうのを見た」というクラスメイトの証言に、連れ去られたと勘違いした三門が警察に捜索願を出しました。
会場警備で夏祭りの場にいた功太は必死で捜索しますが、当の本人達はそんな大事になっていると知るはずもなく、「大丈夫か！？」と駆けつけた功太に対し「どうしたのー？」とのんきに返してしまったカコ。
「どんだけ心配したと思ってんだ！」と取り乱す功太の理由が分からず、困惑してしまいます。
功太の同僚の婦警から「あの事件のことを知らないわけじゃないでしょう」と言われますが、カコは何も知りません。
後日そのことを功太に聞きますがはぐらかされてしまい、まだこどもの自分には話してもらえないんだと落ち込みます。
･･･わたし
功太くんのことなんも知らない
功太くんの気持ちなんて
なおさら 想像するしかない
たとえば、｢愛されてんの？｣とか。 pic.twitter.com/w6Bq951S1n— PとJK (@kako_kouta) July 24, 2014
結婚しても知らないことばかりだと悩むカコでしたが、そんな時に功太の姉がやってきます。
功太の卒業アルバムを見せてもらい元ヤンだったエピソードを聞いたり、ウエディングドレスの試着に連れて行ってもらったり、またひとつ功太のことを知っていくことができて少し自信を取り戻すことができました。
「ほんとはそんなに大人じゃないから、功太のことを守ってやってね」と言って帰っていった姉の言葉を素直に受け取り、功太に「いちおー妻なんで、まだまだ先は長いから」と、事件のことはいつか話してくれたらいいと歩み寄れるようになったのです。
そんなカコの様子を受けて、功太は父親が殺された事件のことを話す決意をします。
自分の目の前で父親を殺された功太は、それを自分のせいだと責め続け、カコが連れ去られたと聞いた時も事件のことを思い出し、最悪のことばかりを想像していたと言うのです。
分かりづらいながらもちゃんと愛されていることを知ったカコは、功太を信じて支えていこうと心に決めたのでした。
PとJK2.3巻買った‼︎*\(^o^)/*
功太くんの過去がすごかったです！
大神さんイケメンやわぁー
ジロちゃんもかっこいいわぁー
もちろん功太くんもかっこいい！
あとカコいい子すぎる！ pic.twitter.com/evx0jOrhlh— つっちー。 (@greencaw1) January 13, 2014
女子高生、本谷歌子の愛されポイント！等身大のJKは結婚して何が変わった！？
結婚し、様々な困難をひとつずつ乗り越えていくことで、カコも少しずつ学び成長していきました。
不器用ながらも真っ直ぐひたむきなその姿は、周囲の人間にも影響を及ぼしていきます。
同級生との関わりから見えるカコの成長とは！？
かつては不良で留年もしているためクラスの中で1人浮いていた大神ですが、そんな人物にもカコは気負うことなく普通に友人として接していました。
三門は「あたしだったら一生恨むね！ケガさせやがってよ」と言いますが、「なんかほっとけなくてさー」と言うカコ。
そんなある日、クラスのみんながプールの授業から戻ると財布が失くなっているという事件が起きます。
たまたまその日は大神とカコが授業を見学しており、そしてカコが途中でひとり教室に戻っていたために犯人ではないかと疑われてしまいました。
通報で警察官である功太がやってくると、クラスの数人が犯人としてカコを突き出そうとしますが、そんなカコを庇って大神は自分がやったと名乗り出たのです。
「そんなことをされても嬉しくない」と言い、いつまでも傷のことで罪悪感を感じてほしくないカコは、「罪滅ぼしみたいなことしないで、普通に友達になってよ」と伝えます。
カコ｢…わたしの好きな人が言ってたんですよ わたしがその人に迷惑かけちゃったときにね ﾞ反省も後悔もしてるなら今はそれでじゅうぶんだ ﾞって許してくれたんですよ｣ pic.twitter.com/j1245IXHT6
— PとJK (@kako_kouta) July 26, 2014
自分に対し分け隔てなく接してくれるカコに少しずつ惹かれていく大神は、思わず抱きしめそうになりますが、カコに相手がいることを知っていたので思いとどまります。
その日のうちに財布を盗んだ犯人は功太によって見つかり、大神とカコの疑いは晴れ、事件は無事収束したのでした。
守られるヒロインから支えるヒロインへ！
3年生になると、カコは将来のことを考え、おとお学園という養護施設でボランティアを始めます。
しかし、そこの職員である「ちい先生」がなんと、昔功太の父親を殺した犯人だったのです。
偶然にもそんな犯人と再会してしまった功太は何も手につかなくなり、カコにも「しばらく距離を置こう」と言って自分の殻に閉じ籠ってしまいました。
何を言っても聞き入れてもらえず、昔の後悔の念に囚われてしまった功太に対し、「いつ歩き出すのかは功太くんが決めればいい。でも私は背中を追いかけるんじゃなくて、手を引かれて歩くんじゃなくて、隣に並んで手を繋ぎたい！」と宣言します。
真っ直ぐに目を見つめて「私はあなたが好きだから！」と伝えるカコの愛はしっかりと功太に届き、過去の後悔に決着をつける勇気を与えます。
このことがきっかけで功太はまた自分を取り戻し、前に向かって進んでいけるようになりました。
子供を産み、妻から母へ！家族が選んだ未来とは！？最終回の結末ネタバレ！
最終回では、カコは卒業式を向かえ、そしてようやく功太と結婚式を挙げることになります。
父親との約束を果たし、晴れて本谷から佐賀野（さがの）に名字が変わり、一緒に暮らすようになることでやっとみんなから認められる夫婦になったのです。
順序は普通とは違っていたかもしれませんが、共に困難を乗り越えてきた日々は2人の絆を強くしました。
そして数年後、カコと功太の間には「つーちゃん」というお転婆な女の子が産まれます。
女子高生から妻へ、そして母へと成長したカコは、守られる存在から守る存在へと変わっていき、家族を支える立派な女性へとなっていったのでした。