サリフィは、少女漫画雑誌『花とゆめ』で連載されている『贄姫と獣の王』の主人公です。
『贄姫と獣の王』では異形の魔物達の暮らす魔族の国に生贄として連れてこられた人間の少女サリフィが、魔族の恋人レオンハートと共に未来を切り開いていく様子が描かれています。
サリフィはどのようなキャラクターなのでしょうか？
この記事では、サリフィの過去や恋人レオンハートとの出会い、物語が進むにつれてサリフィがどのように成長していくのかを深掘りしていきます！
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サリフィの過去とは？～幼い少女の過酷な運命～
人間の国“ヨアナ”と魔族の国“オズマルゴ”は長い間戦争をしていました。
先王の時代に停戦となりますが、その条件として提示されたのが「人間の少女を生贄として捧げること」。
主人公のサリフィは99人目の生贄として魔族の国オズマルゴへ連れてこられた人間の少女です。
サリフィは人間の国ヨアナの東の国境付近にある小さな村で育ちました。
優しい父と母、姉と幸せに過ごしていましたが、ある雷雨の夜に恐ろしい秘密を知ってしまいます。
両親の本当の子供は姉一人で、妹のサリフィは姉の身代わりとして生贄にするために赤ん坊の頃に拾われてきた捨て子だったのです。
両親が話しているのを偶然聞いてしまったサリフィは自分が身代わりだった事実と、両親だと思っていた人達の冷たいまなざしに大きなショックを受けます。
その光景は窓の外で鳴っていた雷と共に焼き付いて、大きな心の傷を抱えてしまうのでした。
翌朝、両親は何事もなかったようにいつも通り振る舞います。
しかしサリフィにとって家は心安らぐ場所ではなくなってしまいました。
自分がいつか生贄として殺される運命だと知ってからは、村でもできるだけ友達を作らず一人で過ごすようになります。
幼いサリフィは自分の人生を諦めてしまったのです。
そうしてついに、サリフィが生贄として連れて行かれる時がきました。
レオンハートとサリフィ秘密を抱えたふたりの恋！
出会いの印象は悪かった？
オズマルゴの王城へ連れてこられたサリフィは手足に枷を嵌められ、首に鎖を付けて謁見の間で跪きます。
魔族の王様は恐ろしい姿と強い魔力を持っていて、恐怖で国を治めているように見えました。
しかし自分の人生を諦めてしまっていたサリフィには牙も魔力も恐ろしくありません。
臣下すら震えてしまう王の怒りに触れても「短気なおーさま！」とあっさり言い返します。
王様はそんなサリフィが面白くありません。
思いを寄せていくふたり
運命を受け入れ生きることを諦めてしまっているサリフィは、次の儀式の夜に自分を食べる王様に恐れず向き合います。
すると彼が国民の平和のために尽くす立派な国王だということに気が付きました。
強い魔力と恐怖で国を治めていたのは王政に背こうとする反乱勢力を押さえ込むため。
本来の王様は心優しい青年だったのです。
王様もサリフィの悲しい過去と死を恐れない理由を知って哀れに思うようになりました。
嵐の夜には雷を怖がる彼女をモフモフのしっぽで包み込みます。
王様の優しさに触れたサリフィは「二人でいる時は無理をしないでほしい」と伝えました。
いつも険しい顔をしている王様の顔が優しく緩み、ふたりは穏やかな時間を過ごす中で互いを大事に思うようになっていきます。
王様の秘密を知ったサリフィは…？
ついにやってきた供儀の夜、オズマルゴの空から瘴気の雲が晴れて月が顔を出しました。
真っ暗な祭壇の間に通されたサリフィは、そこで王様の秘密を知ってしまいます。
王様には半分人間の血が流れていて、瘴気のない場所では魔族としての姿を保てず角の生えた人間の姿になってしまうのです。
臣下や同族に真実を隠し虚勢を張って生きる自分を「弱く情けない王だ」と言って王様は下を向きました。
サリフィはその手を取り、顔を覗き込みます。
今まで生贄として捧げられてきた少女達は隠し通路を使って王様が逃がしていました。
その際儀式が行われたと思わせるために人間の姿になった自分の腕を傷つけて祭壇の間に血を残していたのです。
いくつも傷が残る腕にそっと触れて、本当に弱い人にこんなことはできない、強くて優しい人だと笑ったサリフィ。
秘密を一人抱えて生きてきた王様にとって、初めて自分を受け入れてくれた彼女は唯一無二の大切な存在になりました。
そうして供儀の翌朝、サリフィを連れて祭壇の間から戻った王様は彼女を王妃に望むと家臣たちの前で宣言したのです。
王様からの思いを受け入れたサリフィは王族として個人を示す名は持たないという彼に「レオンハート」という名前を与えます。
それは人間の国の言葉で「勇敢な心」を意味するものでした。
成長していくサリフィ！試練の先に待っているものは？
王様のレオンハートが王妃にと望んだサリフィですが、魔族の国オズマルゴでは簡単に許される話ではありません。
長く戦争が続き、互いに恐れ憎しみ合ってきた魔族と人間。
家臣や貴族達からは人間の娘を王妃にすることも、王家に人間の血を入れることも大反対されてしまいます。
そしてサリフィには「王妃にふさわしいかどうかを見極めるため」という名目で厳しい試練が与えられることになりました。
試練を越えて強くなっていくサリフィ
物語が始まったばかりの頃のサリフィは「王妃として認められなくてもレオンハートの側にいられればいい」と思っていました。
しかし試練を一つ越える度にその気持ちが変化していきます。
彼の隣に胸を張って立っていたい。
必要とされ、与えられた役割を果たせる自分でありたい。
王族としての務めを果たす彼を支え、助けられる存在になりたい。
そしていつしか「王妃として認められレオンハートの隣に立つ」という目標を持つようになったサリフィ。
与えられた試練をこなすだけでなく、レオンハートと彼が守る国の為に自ら進んで行動するようになりました。
生贄として殺されることさえ運命として受け入れていた少女が恋人との未来を望み、ふさわしい強さと優しさを身につけていく姿に感動します。
やがてサリフィは王妃代理として外交や式典などの公務にも関わるようになりました。
そしてレオンハートの長年の望みである「人間の国との国交の回復」と「生贄の廃止」を提案するため、人間の国へ使者として向かうのです。
物語はクライマックスへ！ついに知られてしまったレオンハートの秘密…サリフィが選んだ道は？
オズマルゴは様々な種族が暮らす魔族の国ですが、人間の国で人種が差別の対象になるように種族間の問題がありました。
例えば多くの魔族にとって毛並が美しさの象徴で、爬虫類族や魚類族は醜い種族として差別されています。
また、過去の戦争で王族を裏切ったハイエナ族などは特に迫害の対象になっていました。
レオンハートはそんな格差を少しずつ無くし、誰もが安心して暮らせる国を作ることに長い間心を砕いてきたのです。
しかしそういった変化を良く思わない者も多くいました。
法官のセトもその一人。
多くの国民が見守る式典が行われている中、セトのたくらみで突然空を覆っていた瘴気の雲が消えてしまいました。
レオンハートが瘴気のない場所では人間の姿になることが知られてしまったのです。
サリフィはとっさに聖獣を呼び、レオンハートを助け出して王宮を離れました。
セトのたくらみとレオンハートの絶望
混乱する国民の前にセトが姿を現します。
レオンハートが人間との混血であり王にふさわしくないと告げると、自分こそ王族の血を引いた正当な王位継承者だと宣言しました。
国王代理を名乗るセトは戦争があった頃のように魔族を種族ごとに分け、哺乳類の種族を上位とした階級社会を復活させようとします。
サリフィはレオンハートにセトを止めようと言いますが、長年隠し通してきた秘密を暴かれ、守ってきた国民から非難の声を浴びたレオンハートの心は折れてしまっていました。
今の自分ではサリフィを守ることすらできない、一緒に人間の国へ逃げようと言うとうつむいてしまいます。
サリフィの決断は？
すっかり自信を無くしてしまっているレオンハート。
そんな彼の頬を両側からぱちんと叩くと、サリフィは尋ねました。
今まで必死に守ってきたこの国を捨ててこの先後悔しないって思える？
みんなを忘れて心から笑える日がくる？
私は何があってもあなたについていくよ。
だから自分の心に噓をつかないで。
それはオズマルゴの人々のために政務に励むレオンハートを側で見てきたサリフィだからこそ言える言葉でした。
彼女の言葉に励まされたレオンハートは心を持ち直し、王宮へ戻る決意をしたのです。
レオンハートとサリフィはセトを止めることができるでしょうか？
セトとレオンハートの出生の秘密を明らかにしなければもう一度王座に戻ることはできません。
そして、ふたりの恋の結末はどうなるのでしょうか…？
今後の展開がますます楽しみですね！