沈黙の艦隊 最終回結末ネタバレ【完結ラスト漫画アニメ】海江田や深町のその後の最後はどうなる?

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アニメ化もした人気マンガ『沈黙の艦隊』。

 

この記事では、そんな『沈黙の艦隊』の最終回・結末はどうなったのか?について分かりやすく簡潔にまとめていきます!

 

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『沈黙の艦隊』あらすじ紹介!

『沈黙の艦隊』、最終章ネタバレの前に本作のお話をおさらいします。

 

舞台は冷戦が色濃く残る80年代末期。

 

主人公、海江田四郎(かいえだ しろう)は日米が極秘に建造し、在日米軍所属でありながら乗員は日本人という原子力潜水艦〈シーバット〉の艦長に任命されます。

 

その処女航海で海江田はアメリカからも日本からも独立し、第二次世界大戦以降に構築された世界を変えるため、独立戦闘国家〈やまと〉として独立宣言をします。

 

そんな海江田をアメリカはよしとはしませんでした。

 

ベネット大統領は世界を先導するリーダー、アメリカとして〈やまと〉の存在を認めず、軍事力で〈やまと〉を撃沈させようとします。

 

しかし、海江田の超人的な戦略で、数々の戦闘を突破していき、宣言通り国連総会へ出席の王手をかけます。

 

平和とは、世界とは、政治とは、人間とはなんなのか。

 

架空戦記のみならず、様々な問題を投げかける重厚な作品が『沈黙の艦隊』です!

『沈黙の艦隊』主な登場人物紹介!

『沈黙の艦隊』の登場人物を解説します。

海江田四郎(かいえだ しろう)

真っ直ぐと見つめる力強い目、武人と言うべき整った端正な顔立ちが特徴的な主人公。

 

元々は海上自衛隊でディーゼル潜水艦〈やまなみ〉の艦長をしていましたが、同艦をソ連原子力潜水艦に衝突させ事故に見せかけ沈没、国ぐるみで死んだふりという工作をして、乗員76名全員で〈シーバット〉のクルーになります。

 

魅力はなんと言っても敵味方を引きつける圧倒的なカリスマ性です。

 

部下の全員を、日本初の原子力潜水艦クルーへと導き、その言動は世界中へ影響を及ぼす、凄まじい存在感があります。

 

周りの人物からすれば、主人公というよりラスボスの方が似合っているくらいです。

 

その超人的な操艦技術と戦略から、対峙する人物からは「悪魔」「モビーディック(白鯨)」と恐れられるほど。

 

作中では、まず東京で竹上総理と条約交渉では、政治と軍事は切り離されるべきという政軍分離を唱えます。

 

次に北極海でアメリカの最強原子力潜水艦〈シーウルフ〉を破ったのち、世界中から〈やまと〉国民を募ります。

 

海江田の最終目的は、世界規模の核兵器廃絶と軍縮であり、真の世界平和を目指し、国連総会に出席するため、ニューヨークに向かいます。

深町洋(ふかまち ひろし)

防衛大で海江田の同期であり、同じ潜水艦の艦長を務める人物です。

 

冷静沈着で慎重な海江田に対して、深町は大胆不敵で豪快、と正反対の性格です。

 

最初は独立宣言した海江田を批判しながらも、竹上総理と会談する海江田を、ひいては〈やまと〉を護衛するため、ディーゼル潜水艦〈たつなみ〉で東京湾に入ります。

 

一方米軍は〈やまと〉撃沈のため、多数の原子力潜水艦を東京湾に展開し、洋上では海上封鎖すら行います。

 

例え同盟国であっても、容赦ないアメリアの対応に憤慨した深町は、〈やまと〉補給中に原子力潜水艦の先制攻撃に単艦で防衛に出ます。

 

そして味方であるはずのアメリカからの激しい魚雷攻撃に激怒し、「こちらを沈める気なら、貴様らのドテッ腹に魚雷を打ち込んでも文句を言いませんってことだな!」と自衛隊が掲げる専守防衛を行使し、全艦を航行不能に追い込みます。

 

そして、海江田がニューヨークにたどり着くと、竹上の命令でまずはオブザーバーとして部下と共に招集されます。

 

その後は国連任命の特別調定大使として、〈やまと〉に国連旗を立てるために乗り込みます。

ニコラス・J・ベネット

アメリカ合衆国第43代大統領であり、作者のかわぐちかいじ先生がもう一人の主人公としています。

 

アメリカが世界のリーダーであり、最も責任を持つ国と考え、世界を揺るがす〈やまと〉を許しません。

 

当初は〈やまと〉に核兵器を搭載している可能性があり、世界を脅かす核テロリストとして海江田を〈やまと〉共々葬ろうとします。

 

しかし〈やまと〉の攻撃した代償は重く、多くの原子力潜水艦、最新鋭の巡洋艦、〈やまと〉と同性能であり未来のアメリカを担う艦長が乗る最強の原子力潜水艦、空母を中心とした艦隊の壊滅など、アメリカ議会や副大統領からも批判され、弾劾の可能性も出てきます。

 

苦しい立場に立たされる中、歴代の大統領がアメリカに「自由と民主主義」、「世界最強である責任」を与え、自らは大統領としてアメリカに何をもたらすか苦悩します。

 

そして、海江田が提唱する世界規模の核軍縮をアメリカ主導で行うことで、新しい秩序をアメリカにもたらそうとします。

 

そして、ニューヨークに乗り込んだ海江田と、国連総会で直接対峙します。

竹上登志雄(たけがみ としお)

日本国総理大臣であり、登場初期は国民から非力な総理で、本命までの中継ぎや、ボケガミなど散々な言われようでした。

 

しかし〈やまと〉問題に直面し、海江田率いる〈やまと〉と同盟を締結し、日本の保護下に置くことで核兵器の衝突を防ごうと動きます。

 

その同盟の中、〈やまと〉が日本の指揮下に入る条件を、海江田は受け入れます。

 

そして切り札として、自衛隊の指揮権を国連に委ね、自衛隊以下〈やまと〉を国連軍とすると全世界に声明を出します。

 

その後国連事務総長であるジョージ・アダムスから、竹上総理の提案は日本国民の支持を得た上でなければならないと言われ、民意を問うために解散総選挙に踏み切ります。

 

万歳無き衆議院の解散ののち、〈やまと〉を断罪し従来の日米関係に戻るべきとする親米の派閥と党内で分離し、〈やまと〉支持の新党を立ち上げます。

 

総選挙では竹上総理の新党、親米の保守党、世界社会主義を掲げる左派党、そして世界軍備放棄を掲げる大滝という議員率いる少数政党が激戦と繰り広げる中、竹上の世界平和に向けた訴えが功を奏し、大接戦ののち、新党が勝利を収めました。

 

晴れて日本が〈やまと〉支持を掲げ国連に向けてニューヨークに到着します。

 

そして米英露中独の国家元首との密会で、日本は経済大国になったのみならず、アメリカを打ち破った核テロリスト〈やまと〉を傘下とし、世界を脅かす超大国になり得ると批判されます。

 

しかし竹上総理は自衛隊の指揮権を国連に移譲するとした上で、世界的軍縮による平和の構築を強く訴え、アメリカによる〈やまと〉攻撃を止めるように土下座をして「プリーズ!」と激しく求めます。

 

それに対し、ベネット大統領は「歴史に残るようなプリーズを吐くではない」と言い、密会を終わらせますが、竹上総理の姿勢、行動を評価します。

大滝淳(おおたき じゅん)

保守系政党鏡水会代表。

 

世界軍備放棄を掲げ、竹上総理ら候補者との総選挙に挑みます。

 

選挙活動の最中、海江田に接触し、政軍分離を掲げた〈やまと〉のシステムに保険をかける〈やまと〉保険を提唱します。

 

これは日本が保険金を払い、保険の引取人は賛同する国家、受取人は国連という保険です。

 

軍事的脅威に晒される中小国や、大国同士の衝突を未然に防ぐことで、平和を金で買う、というものです。

 

またこれにより新しい安全保障が構築され、国が持つ武力ではなく、システムが平和を維持する、という考えを海江田に提唱します。

 

これに対し海江田は拒否せず、「あなたの考えは我、体内に入った」と言い、何人たりとも我が航海を阻害しないのであれば保険をかけるのもなんでも構わない、と好意的な返事をします。

 

また海江田は大滝のことを、「起きながらにして夢をみる夢想家(ロマンチスト)」と評し、その通りの人物で世界平和という夢を追いかけます。

 

総選挙後は竹上総理の傘下に幹事長として新党に参加し、〈やまと〉がニューヨークに向かった際に、〈やまと〉保険を掲げて国連に向かいました。

ジョージ・アダムス

親日家の国連事務総長であり、任期が最後の一年と後が短い人物です。

 

第二次世界大戦後、平和を維持するために戦勝国で結成された国連ですが、戦後も戦争は絶えず、常任理事国が拒否権を行使し抜本的な停戦活動に至らないなど、国連が機能していないことを嘆いていましたが、現実は変えられませんでした。

 

そんな中、海江田は世界規模の軍縮を掲げたことにより、国連が本来担う世界平和に活路を見出します。

 

〈やまと〉保険を持ち込んだ大滝は、今でこそリアリストになってしまったアダムス事務総長が若手時代は自分のように夢を追う熱い人物だったと言います。

 

その言葉がアダムス事務総長を決意させます。

 

なんとしても海江田を国連へ招き、世界平和という最後の夢を叶えようと立ち上がるのです。

 

ベネット大統領からは力無き老人と揶揄されますが、一世一代の大勝負にアダムス事務総長は出ます。

 

それは、全ての国家を解体され、世界が一つの国となり、常設軍として国連軍を持ち、超国家組織として国連が世界政府になるというものです。

 

そうなれば従来の戦争は内乱や反乱に過ぎなくなり、世界から戦争がなくなる、という考えでした。

セシル・デミル

アメリカ最大手テレビ局、ACN社の社長です。

 

これからの時代は、軍事力ではなく情報が支配すると考え、部下を〈やまと〉国民として海江田のもとに潜入させます。

 

そして全世界に艦内の様子を中継し、〈やまと〉の可否を全世界マスメディアと協力し、地球上の全視聴者に問う世界市民投票を実施します。

 

この動きが、全世界の情報に触れる人たちを刺激し、当時はまだ黎明期だったパソコン通信で世論が加速していることを知り、新時代の幕開けを実感します。

 

本作が公開された80年代では、現在のようにインターネットが発達しておらず、まだ一部しかネットワークの繋がりがありませんでした。

 

しかしながらデミルを通した展開は、今日の高度なネットワーク社会のようなものを描写しており、かわぐちかいじ先生に凄まじい先見の目があったと言えるでしょう。

 

恣意的な編集も無く、ありのままの出来事が、全て公開されるマスコミとなった世界を見たデミルは、「全ての人間が、教科書で学ぶことをリアルタイムで知ることができる」、というセリフを言います。

 

これは、情報社会に生きる我々にとって非常に重要な意味を持つと言えるでしょう。

 

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『沈黙の艦隊』最終回までのおさらい!

『沈黙の艦隊』の最終章までのおさらいです。

‐日本との条約締結‐

独立宣言をした〈やまと〉は、まず日本との友好条約の締結を宣言します。

 

アメリカは〈やまと〉の乗組員は日本人だからだ、と判断します。

 

しかし海江田は、日本が世界で唯一、政教分離をなしとげている国として、そして武力行使に否定的な国として日本を選びます。

 

〈やまと〉が東京湾に入ると、米軍は海上閉鎖を実施します。

 

そして、東京に上陸した海江田は、日本の首脳陣と会談します。

 

日本は、アメリカが疑う核兵器の保有を問いますが、海江田は所持していないと言います。

 

一方アメリカのシンクタンクは、これはフェイクだとしました。

 

そして、〈やまと〉は軍事力の提供の代わりに、補給を要求。

 

竹上総理は、それを受け入れる代わりに、自衛隊の指揮下に入ることを条件にしました。

 

海江田はその提案に乗ると、航海の目的を訊ねられます。

 

そして、政治と軍事を切り離す政教分離ののち、世界平和を目指す、と語ります。

 

それを聞き竹上総理は、世界に声明を発表します。

 

〈やまと〉を含めた自衛隊の指揮権を国連に委ねると言うのです。

 

海江田は、竹上総理の考えに反発はしませんでした。

 

自衛隊の指揮下に入ったことを表明したのです。

 

その後〈やまと〉はタンカー船の形をした自走式浮きドック〈サザンクロス〉にて、補給と整備を行います。

 

アメリカはこれ見よがしに〈やまと〉に向け攻撃しますが、護衛を任せられた深町は〈たつなみ〉で防御に入り、そして反撃に出ます。

 

深町の活躍で、アメリカの原子力潜水艦は戦闘能力を奪われますが、妨害により深町が乗る〈たつなみ〉が浮上できなくなります。

 

一方魚雷の直撃を受けた〈サザンクロス〉は爆破炎上します。

 

その轟音が〈やまと〉脱出の音をかき消し、そして深海へと消えていきます。

‐激闘!北極海!‐

アメリカのシンクタンクは〈やまと〉がニューヨークへの最短ルートをとるとすれば、太平洋からオホーツク海、そして北極海を通り、大西洋からやってくると判断します。

 

そのためベネット大統領の命令で、北極海で〈やまと〉撃沈を目的としたオーロラ作戦を開始します。

 

しかしアメリカの危惧は〈やまと〉だけではありません。

 

北極海はソ連と共に、互いが原子力潜水艦を展開し、睨みを効かせています。

 

そこでアメリカはソ連と結託し、〈やまと〉撃沈までの間、互いに軍事作戦を中止する声明を発表します。

 

そして、約束の時間になると、北極圏の暑い氷を破り、米ソの潜水艦が一気に浮上します。

 

その脇を通る〈やまと〉は、睨み合う超大国が手を取り合い、戦いを回避できるとしつつ、自分達を追っている存在に気づきます。

 

それは、〈やまと〉と同型で、世界最強の潜水艦、〈シーウルフ〉です。

 

そして戦っているうちに、〈シーウルフ〉は二隻いることに気づきます。

 

攻撃的なものと、冷静に動くもの。

 

海江田は、冷静な方こそアメリカにとって最も失いたくない人材として、こちらを先に撃沈することに決めます。

 

最強の潜水艦が挟み撃ちにしてもなお、海江田の超人的な操艦技術戦略が、反撃しています。

 

そして、目論み通り、冷静な〈シーウルフ〉を撃破し、北極海の戦いを制します。

‐1対40‐

〈やまと〉は大西洋に進出し、国連本部目指して、ニューヨーク湾を進みます。

 

ですがアメリカは、最強の第三艦隊を展開し、〈やまと〉を迎え撃ちます。

 

魚雷やミサイルで〈やまと〉を攻撃しますが、華麗に躱していきます。

 

そして海江田は実弾での反撃はせずに、敵の位置を測る単身音波をアメリカの艦艇に向けて発します。

 

これは演習では相手を撃破した証です。

 

艦隊司令は、自分達を相手にゲームをしているのかと激昂します。

 

ですが、海江田にとってこれは警告であり、二度目は実弾の発射です。

 

そして、次々と巡洋艦や駆逐艦を撃破し、また混乱から衝突事故を引き起こし、最低限の行動で戦力を奪っていきます。

 

ついにアメリカは、大量のヘリコプターから魚雷を大量に投下し、広範囲で逃げ場なく攻撃するオペレーション、ナイアガラ・フォールズを発動します。

 

一気に〈やまと〉に襲いかかる魚雷。

 

ニューヨーク湾は太平洋や大西洋ほど深くはなく、深海に逃げることはできません。

 

窮地に追い込まれる〈やまと〉ですが、逆に急速浮上をかけます。

 

通常であれば、魚雷の爆圧を上に強く向かうため、これは自殺行為です。

 

しかし、海江田は違います。

 

水面に急浮上する勢いに、魚雷の爆圧も合わせて、宙を勢いよく飛んだのです。

 

いくら空母ですら一撃で葬り去る魚雷でも、空中では無力です。

 

第三艦隊の全員は、空飛ぶ潜水艦に驚愕します。

 

その一瞬で〈やまと〉は敵の陣営を把握し、詰めの一手をかけます。

 

次々と〈やまと〉の攻撃が星条旗を掲げた軍艦に襲いかかります。

 

大量の艦艇に、死傷者を出した第三艦隊。

 

大統領補佐官は、アメリカの軍事力で〈やまと〉を仕留めるのは不可能とベネット大統領に言います。

 

ベネット大統領は、作戦を中止し、艦隊を引き上げる命令を下します。

 

ですが、単に負けたのではなく、あくまで核テロリストである〈やまと〉を抑え込んだ、と発表します。

 

ここで〈やまと〉が核を使えば、すぐにアメリカが報復に移れるからです。

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漫画アニメ完結ラスト『沈黙の艦隊』最終回結末ネタバレ!その後の最後はどうなった?

『沈黙の艦隊』の最終章を解説します。

‐ついに明かされる沈黙の艦隊‐

アメリカ最強の第三艦隊の全て突破した海江田は全世界に向けて、〈沈黙の艦隊〉(Silent Security Service from the Sea)と言う概念を提唱します。

 

直訳すると、海からの安全保障(Silent Serviceは原子力潜水艦戦力のこと)、と言う意味です。

 

世界中の核戦力を持つ原子力潜水艦が、指揮権を離れ独立し、沈黙の艦隊を結成します。

 

国から独立した沈黙の艦隊の役割、核兵器が使用された場合に、その使用した国家や主体に対して報復を行うことにより、全ての国家が核兵器を持つ意味がなくなる、と言うものです。

 

報復を受けた国はおそらく反撃を試みますが、沈黙の艦隊は世界中の深海に散らばり、地球上の海水を干上がらせない限りはそもそも反撃が不可能になります。

 

このシステムがある限り、地上で核兵器を使用する意味がありません。

 

この心理的作用が高まり核を持つ国は核を捨てます。

 

そして新たに核を欲する国は自らが滅びる可能性を目の当たりにします。

 

この抑止力で、人類が核を持つ必要がなくなる、と言うものです。

‐結集!沈黙の艦隊!‐

そして、〈やまと〉を見張る各国の原子力潜水艦が浮上し、〈やまと〉を囲います。

 

真っ先に接触してきたのは、ロイヤルネイビーと称えられるイギリス海軍の原子力潜水艦〈タービュレント〉です。

 

〈やまと〉は、〈タービュレント〉の艦長に浮上し、名乗るように要求します。

 

本来、原子力潜水艦は隠密が基本、艦長も艦名も晒すことはありません。

 

ですが、〈タービュレント〉の艦長は、自らが表立って出ることで他の潜水艦を守り、そして〈やまと〉の核を自らの存在で抑止しようと立ち上がったのです。

 

そして、世界中に中継される中で、クリス・ストリンガーと名を名乗ります。

 

海江田とストリンガーのやりとりは、マスメディアにとっては興味深いものでした。

 

海江田は、どこまでも往ける原子力潜水艦の艦長になると、国のリーダーのようになった気にならないかと問います。

 

ストリンガーは海江田の意見には賛同しつつ、沈黙の艦隊には懐疑的でした。

 

それでも、海江田は深海に潜む我々だからこそ、沈黙の艦隊を達成し、真なる世界平和に導けると主張します。

 

女王陛下から潜水艦を任せられ、百戦錬磨のストリンガーも、思わず彼の言葉に耳を傾けるほどです。

 

ですが、ベネット大統領は原子力潜水艦の艦長同士が、自らの考えを語るのは危険と思います。

 

なぜならば彼らは核兵器を握っており、その気になれば国を滅ぼすことなど容易なのです。

 

そして、アメリカの艦隊、および各国の原子力潜水艦に〈やまと〉撃沈命令が降ります。

 

すると、各国の潜水艦は、〈やまと〉の周りに急浮上します。

 

そして、アメリカの攻撃を防ごうと陣形を維持します。

 

全ての原子力潜水艦の艦長は、海江田の考えに賛同し、沈黙の艦隊は結成されることになりました。

‐海江田、ニューヨークに上陸‐

深町と、部下に海江田を〈やまと〉を任せた海江田は単身、ニューヨークに上陸します。

 

そして国連本部ビルから友人の深町と、日本で隠居する妻に向けて二通の手紙を出します。

 

各国大使に、首脳国の国家元首が集う会場に、海江田は現れます。

 

すると、会場は一気に湧きます。

 

皆が、沈黙の艦隊は達成できるのか、核も武器も無い世界にすることができるのかと問います。

 

海江田は「私たちは、できます」と答えると、歓喜の声が上がります。

 

しかし、ある大使は、海江田は神の教えに背き、そして正当な手段を踏んでいないと指摘します。

 

そこで、その大使の言葉も含め、決着をつけるために国連事務総長が総会の開始を宣言します。

 

そして、各国の質疑応答が始まると、どこからともなくミサイルが〈やまと〉を襲い、そのまま撃沈してしまったと言う一報が入ります。

 

海江田が冷静さを失うことはありませんでした。

 

自分の部下が無事なら、問題ないと。

 

〈やまと〉には友人であり、国連の肩書きを持った深町が乗っており、部下脱出に成功します。

 

そして、沈黙の艦隊は〈やまと〉を失ってもなお、賛同するイギリスの原子力潜水艦が旗艦を引き継ぎ、存続することになります。

 

ストリンガーの号令で、沈黙の艦隊は国連ビルの方角を向きます。

 

これは脅しではなく、受けた攻撃に対して反撃のみを行う、〈やまと〉の意志を尊重した行為だったのです。

 

そしてまた、この事実が沈黙の艦隊が機能している証拠だと海江田は説きます。

‐海江田V Sベネット‐

ベネット大統領は、当事国の元首として、挙手します。

 

発言権を与えられたベネット大統領は、海江田の前に立ちはだかります。

 

そうして、独立戦闘国家〈やまと〉国家元首としての海江田と、アメリカ合衆国大統領としてのベネットの、二人の戦いが始まります。

 

海江田はベネット大統領に問いかけます。

 

「アメリカは負けたのか?」「沈黙の艦隊を承認するか?」「私を信じますか?」

 

ベネット大統領は全てにノーを突きつけ、逆に「私を信じているか?」と問います。

 

すると海江田はイエスと答えます。

 

するとベネット大統領は、人間に完全なイエスもノーも無いと言います。

 

海江田もその意見には同調し「人間は悪意より善意が上回っているか?」と投げかけます。

 

イエス。

 

ベネット大統領の答えに、海江田は「不完全なイエスで充分なのだ」と答えます。

‐凶弾、突然の幕引‐

二人がやりとりする最中、突然発砲音がします。

 

そして、海江田はベネットに飛び掛かります。

 

一気に警備員が海江田を取り押さえますが、ベネットが撃たれた!と声をあげます。

 

すぐにスナイパーは射殺されますが、海江田は頭部から流血してしまいます。

 

海江田は立ち上がり、「議事を止めるな、世界は動いている」、と言うと倒れ込みます。

 

ベネット大統領は、海江田を介抱しようとします。

 

「地球のことは、海から解決するといい」、海江田はそう言い残し、意識を失います。

 

緊急搬送される海江田。

 

ベネット大統領は、海江田が言い残した言葉を全員に伝えますが、あえて議会の延期を議長に進言しました。

 

それは海江田の復帰を待つべきだ、と言うものです。

 

全員が同意し、一時中断される議会。

 

しかし搬送先の病院で海江田の意識は戻りません。

 

ニューヨークで最も腕の立つ脳外科医を持ってしても、助からないのです。

 

脳波が無い、電気的沈黙(エレクトリカル・サイレント)、つまり海江田は植物状態になってしまいました。

 

世界中から、海江田の提唱した世界平和への歓喜が薄れます。

 

しかし、海江田の部下は、心臓が動いている、おれの艦長は生きているんだ!と声を上げます。

‐海江田、最後の言葉‐

そして、世界中が見守る中、議会は再開されます。

 

国連は沈黙の艦隊を承認しませんが、既にストリンガー率いる沈黙の艦隊は存在している艦隊として、全世界から寄港の申請がやってきます。

 

ベネット大統領は、海江田の意志を継ぎ、アメリカが率先して全ての核兵器を廃絶する、大きな核軍縮に出ると声明を発表します。

 

各国がベネット大統領の決断を支持し、国連主導の軍縮に動き始めます。

 

そして、沈黙の艦隊はストリンガーをリーダーに、深町をオブザーバーとします。

 

その最中、一通の手紙が深町のもとに届きます。

 

深町は、その内容を全世界に向けて発表します。

 

「独立せよ」

 

その言葉は、瞬く間に世界中に広がりました。

 

争いからの独立、支配からの独立。

 

世界中のありとあらゆるところで、独立運動が始まります。

 

それから、沈黙の艦隊の各艦は、寄港申請があった港に向かうと決定しました。

 

ニューヨークを離れるストリンガーは、深町にこれからどうするか訪ねました。

 

すると、海江田の見舞いに行く、友達だからな、と言ってストリンガー率いる〈タービュレント〉から離れます。

 

最後のシーンは、ところ変わって日本の、小さな島に移ります。

 

海江田の妻が送られてきた手紙を読んで、息子と共に海江田の帰りを待つシーンで本作は幕を閉じます。

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『沈黙の艦隊』原作とアニメ版の違いは?

アニメは、1990年から1995年にかけて、O V Aが三作作られました。

 

原作は連載中にソ連の崩壊や、ベルリンの壁崩壊がありました。

 

それに合わせて途中でソ連からロシアに、東西ドイツが統一ドイツになっていたりと、連載時期の状況に合わせて変化していました。

 

しかしアニメ版は、最初から冷戦後とし、本編に関係は無いですが、そういったファクターに変化が加えられています。

 

また、アニメでは北極圏の戦いまでしか描かれていません。

 

そのため、原作を知っていると少し消化不良になります。

 

しかし声優の演技や演出など、アニメでしか見られないも見どころに溢れています!

 

現在は各種配信サービスで視聴できます。

 

そのため、過去の作品ですが、視聴難易度はグッと低いです。

 

『沈黙の艦隊』読者の感想や反応は?

最後に

『沈黙の艦隊』は長く、そして一言で言い表せないほど様々な要素に富んでいます。

 

軍事面を押した架空戦記であり、政治バトルであり、多くの人間の人生が入り乱れるヒューマンドラマでもあります。

 

そして、ロマンあふれる、海江田館長が紡ぐ海洋冒険譚です。

 

昨今の我々は、日常的に教科書に載るような出来事に直面し、一瞬で考え方を改めることはよくあるかと思います。

 

実に不安定な世の中と言えます。

 

そんな時、この『沈黙の艦隊』を読んで、どう向き合えばいいのか、どう生きていけばいいのか、そういったエッセンスが詰まっています。

 

本作が連載していた時期は、冷戦の最中です。

 

日本が超大国の睨み合いに挟まれていた時期です。

 

そして、冷戦は終わりましたが、それでも完全な解決ではありませんでした。

 

まるで、今の現代社会のような不安定さがありました。

 

一昔前の作品だからこそ、当時生きていた人たちが何を感じていたか、どう向き合っていったのか、それを感じ取ることが、きっとこれから生きていく上で支えになります。

 

長い作品ではありますが、是非手にとって読んでみてください!

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