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ご紹介する方法は、登録不要でもちろん合法です。違法手段ではないので、安心してください。
『走馬灯株式会社』は漫画アプリ『マンガがうがう』『マンガBANG』にて全巻無料で読める?
いきなり、結論です。
『走馬灯株式会社』はこちらの双葉社が運営する漫画アプリ『マンガがうがう』と株式会社Amaziaが運営する漫画アプリ『マンガBANG!』にて全巻無料で読むことができます。
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『マンガがうがう』『マンガBANG』は公式アプリなので安全に利用できます。アプリをダウンロードする際もお金は一切かからないので安心してください。
『マンガがうがう』『マンガBANG』では、『走馬灯株式会社』第1巻から最終巻までのすべてのエピソードを無料公開してくれています。
安心安全に、そしてタダで『走馬灯株式会社』を全巻無料で読破したい方は『マンガがうがう』を使うのがベストです。
『マンガがうがう』『マンガBANG!』共に1日に無料で読める話数に上限がありますので、2つのアプリをダウンロードして併用して読んだ方がすぐに全話読めるためオススメです!
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- 『走馬灯株式会社』は漫画アプリ『マンガがうがう』『マンガBANG』で全巻無料で読める
- 『マンガがうがう』『マンガBANG』は公式漫画アプリなので安心安全
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以上がここまでのまとめです。
また漫画アプリに関して言えば、小学館が運営する公式漫画アプリ『サンデーうぇぶり』『マンガワン』も特にオススメです!
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『走馬灯株式会社』は、2,012年に香椎由宇主演で実写ドラマ化されており、原作漫画共に大好評でした。
こちらの「Hulu2週間無料体験」では、無料&高画質で実写ドラマ『走馬灯株式会社』を視聴できるので、オススメです。
安心、安全に実写ドラマ『走馬灯株式会社』を無料で視聴した方は、「Hulu2週間無料体験」一択です。
無料体験は2週間以内に解約すればお金は一切かからないので、ご安心ください。
次に『マンガBANG』よりも1日に無料で読める話数の多い『マンガがうがう』の使い方(システム)を簡単にご説明します。
『マンガがうがう』の基本的な使い方
『マンガがうがう』に掲載されているマンガを無料で楽しむには、アプリ内アイテムである『がうポイント』『ボーナスポイント』を使用して読むことになります。
アプリ内アイテム『がうポイント』『ボーナスポイント』のそれぞれの使い方を詳しくみていきましょう!
『がうポイント』のフリーコインとは?取得方法と使い方を解説
- がうポイントとは、アプリ内でマンガを無料で読むために必要なアイテム
- 朝7時、夜9時に120がうポイントずつ配布される(1日に計240がうポイント)
- 30がうポイント消費で好きなマンガを1話分、無料で読むことが出来る
以上が簡単ながうポイントの取得方法と使い方の説明です。
毎日、配布される計240を使って1日に8話分の作品をタダで読めるシステムが「がうポイント」です。
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『マンガがうがう』のボーナスポイントとは?取得方法と使い方を解説
- ボーナスポイントとは、アプリ内でマンガを無料で読むために必要なアイテム
- がうポイントがなくなってしまった場合でもボーナスポイントを使うことで好きなマンガを1話分、無料で読むことが出来る
- 『マンガがうがう』新規ダウンロード特典で900ボーナスポイント(30話分)が付与される
- ボーナスポイントは、イベント・おまけ・外部のサービスの登録などで獲得することができる
以上が簡単なボーナスポイントの取得方法と使い方の説明です。
ここまでを簡単にまとめると
- 「がうポイント」を利用して1日8話分のマンガを無料で読む
- 新規ダウンロード特典で獲得できる「ボーナスポイント」を利用してマンガを無料で読む
- イベントやおまけで獲得できる「ボーナスポイント」を利用してマンガを無料で読む
上記で分かる通り、1日で読める話数が多く、とても使いやすい漫画アプリです!
ぜひ、この機会に遠慮なく無料で読ませていただきましょう!(^^)/
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『走馬灯株式会社』見どころ紹介!
見どころ① サスペンス!不思議な株式会社
走馬灯株式会社。それは、自分の視点で「記録」された人生を観ることができる、とっても不思議な会社とそれに出会う人々との物語です!
これが何といっても不思議。
林が生い茂る怪しい山中にあるきれいな洋館風の建物にあるなんとも風変わりな会社。
しかし、エピソードによっては客が都会の中でたどり着いたり、本来何もなかった場所に出現しまう…など、その実態は読者にも不明です。
走馬灯株式会社の時代はまさにこの現代です!
しかし、DVDもないような過去に突然現れることもあるんですね!の建物実体は現代におきながら、過去の時空に対して出現する場合もあります。
そして「走馬灯株式会社の主任」という肩書を持つ謎の女性が現れます。
この女性、黒縁のメガネを着用していて、知的かつクールなルックスの美人。
とても清楚で、あまり、というよりもほとんど全く自分の本性を見せないポーカーフェイスの持ち主です!
当然後ろからがっつりした男性に襲われても、気付けば相手の男が倒れているという、何ともあり得ない技術を会得しているかなり謎な女性です!
不思議な物語をさらに不思議に導くかのような女性なんです。
こうは言いましたが、普段はかなり寛容な人物として描かれていますね!
基本的に走馬灯株式会社の来客者には優しくしているといえ、必要な時があればなんでもお貸しするという女性です。
この走馬灯株式会社の人間として出てくるのは彼女1人であり、この女性と会社との因果関係にも注目です!
見どころ② 個室にひっそりと佇むTVモニターとDVDレコーダー
館内にはいくつかの個室があります。
会社に来るとまずはこの個室に案内され、そこから走馬灯株式会社についての説明を受けます。
もちろんそこに出てくるゲストたちは何のことなのかまったく理解できない人たちもいます。
そんな中、先ほどの寛容な主任の女性が詳しく説明をしていくのです。
大きな部屋には来客用のソファーやトイレ付きバスルームといったごく普通の個室です。
いえ、普通ではありませんね!
もはやスイートですよ!
しかし、その中にひっそりとTVモニターとDVDレコーダーが置かれています。
それに加えて、滞在している期間の制限が全くないんです。
自分の気が済むだけ、好きなだけDVDを見ていてもいい、その間トイレや食事、お風呂も提供してくれるという…。
なんのために、誰のためにこの個室が用意してあるのか。
物語の背景を表している個室についても、ぜひ注目しながら見てほしい。
見どころ③ ミステリックなDVD
人生をDVDという形で招かれた人たちに自分だけでなく他人の人生までもを見せる走馬灯株式会社。
「人生の映像」は人生に出てくる人物の目線そのもので映像に記録されているんですね!
そう!まさに今私たちが見ているこのシーンです!
1年につき1枚分のDVDとして収められています。
簡単に言うと、その人が生きている年数分のDVDが存在しているのです。
人生を見たい人のDVDを希望すれば、その人の人生を見ることができます。
希望した人が生まれてから現在に至るまでの年数分のDVDが手渡され、それを長きに渡って見ることができてしますのです。(現在20歳の者なら20枚のDVDになります)。
しかも、生きている人にはそのDVDの終わりがありません!
要するに、生きている人の最後のDVDというのは現在その人が目で見ている情景の映像となります。
DVDはそれぞれ名前で分けられているのです!
したがって、旧姓や偽名の場合、その名前で生きた期間分だけ保存されているということです!
このことを考慮すると、いったい会社内には何枚のDVDを保管しているのでしょうか。
この会社で自分のDVDを見て、今後に生かせるかなどはその人の性格次第と言われています。
ある人はその結果をしっかりと受け入れて、その後人生の日々に生かして過ごしていこうと決心します。
しかし、ある人は自分の過去や現実を恥じてしまい、このDVDの持ち主であった株式会社主任である女性を恨んでしまい、
誤った結果となってしまう人間もいます。
そうです。この物語はハッピーエンドでは終わりません。
悲惨な結末を迎えることとなる人物も多いのです。
人々が普通にはあり得ないことが走馬灯株式会社です。
DVDには、今まで知らなかった過去の真実、心の奥底にしまいこんだはずの秘密がいっぱい。見てしまった人の今後はどうなってしまうのでしょうか。
見どころ④ 紛議!あなたはこの会社に訪れたい?
読んだ読者はこんな会社に訪れてDVDを見てみたい!という感想や、はたまた、登場するキャラクターのように悲惨な結末は迎えたくないから訪れたくない、関わりたくないという正反対の感想をもちます。
あなたなら、この会社を訪れたいですか?
それとも訪れたくないですか?
もし読んでいない人がいるなら、ぜひ読んでほしい!
サスペンス、ホラー、に加えて怪談要素も含んでいるなど、多岐に渡って描写されるストーリーが様々な展開を見せます!
運命の関係、出来事だと思っていたものが、本当は訳合ってに人工的に作られたものだったとしたら?
その反対に、自分の知らないところで誰かに支えられていたことを知るきっかけになったとしたら?
人生をいいほうにも悪いほうにも変えるきっかけとなる「走馬灯株式会社」。
あなたもこの作品にのめり込んでしまうこと間違いなしです!
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『走馬灯株式会社』序盤ネタバレ紹介!
第1話 杉浦克己・43歳(前編)
ある中年男性がとある観光地を歩いていました。
彼の名前は杉浦克己。娘を事故で亡くし、その一年後に妻も病気で亡くしていました。
職も失ってしまい、文字通り彼は人生のどん底にいました。
悲惨な現状を受け入れたように、彼はずっと無表情です。
癒しを求めてかはわかりませんが、彼はかつて家族と来た観光地に再び来ていたのでした。
道にある出店に家族との触れ合いを思い出しますが、彼の表情には全くの変化もありません。
道を歩いていて通行人に当たりよろめいた彼は電柱にあった看板を目にします。
そこにはこう書かれていました。「走馬灯株式会社」
看板に従い歩いていくと、和風の門構えのある公民館がありました。
杉浦はこの場所にはかつて来ておりました。
彼の記憶ではかつてこの場所は、地域の名所の植物園でした。
眺めていると中から車いすに乗った高齢の母親と、その娘と思われる人物が出てきます。
二人は何かに感動したように嬉しがっており、杉浦は興味を覚えます。
杉浦が館内に入ると、神沼という女性に出迎えられます。
大きな眼鏡を掛けた、会社の受付にいるような女性です。
この館の主任という彼女でしたが、杉浦にはそもそも何の施設かすらわかりません。
神沼は施設の説明をします。
「今までの人生の喜び、悲しみ、そして罪を再確認する場所」
「ここを訪れた人は必ず満足感を得られる」
その説明に杉浦は宗教の勧誘と思い、断ろうとします。
しかし神沼は「娯楽施設と思ってください」と、杉浦を誘います。
「10分だけお試しに」という彼女の言葉に、宗教特有の胡散臭さを感じていましたが、「全てがどうでも良い」という諦観から杉浦は体験することにしました。
名前、生年月日の記入を終えると杉浦はある部屋へと案内されます。
一人用のソファーにテーブル、そしてテレビと、特徴の無い部屋です。
少し待つと神沼が何枚ものDVDケースを抱えて入ってきます。
「43年の人生を心行くまでかえりみて下さい」
そう言うと彼女は退室していきました。
神沼によってセットされた一枚目のディスクを、杉浦は見始めます。
しかし再生は始まりましたが、画面は真っ黒なままでした。
変わらない画面に杉浦はイラつき始めます。
停止しようと立ち上がろうとした時、画面に変化が起こります。
最初は蜃気楼のようにぼんやりとしていましたが、徐々にハッキリと映っていきます。それは二人の人間の顔でした。
杉浦はその詳細に気づいた瞬間驚愕します。
それは彼の記憶の中にあった、若い両親の顔だったのです。
両親は「克っちゃん」と言いながら、どうやら赤ん坊をあやしています。
その目線は画面の中央、現在杉浦が見ているほうを真っすぐ向いています。
その映像から杉浦はこの映像の正体に気付きます。しかしあり得ないと否定します。
これは杉浦が彼自身の目で見たものが、そのまま映像となったものでした。
杉浦が生まれた時から記録されており、どう考えても普通の手段で撮影は不可能な映像でした。
しかし母との思い出や、懐かしさから疑問は吹き飛んでしまいます。
杉浦は夢中で映像を見続けました。
早送りはできますがリアルタイムの映像なので、彼は一週間かけて中学時代、13歳まで見続けていました。
長時間の視聴でしたが、部屋にはバス、トイレが完備されており、食事も準備され何の問題もありませんでした。
中学生時代のいたずらをした記憶を見て、彼の顔には初めて笑顔が浮かんでいました。
中学校の卒業式の映像となります。そこで彼は当時後輩だった妻、由美と初めて出会います。
その時は杉浦に憧れていた彼女が彼に話しかけ、第二ボタンを渡した。
当時妻とはただそれだけの関係でした。
しかし再会の機会は唐突に訪れます。
就職した彼は、上司の命令で急ぎの使いを頼まれます。
慌てて走っていた彼は車に跳ね飛ばされてしまいます。
入院した病院で彼は看護師になっていた由美と再会します。
そこから杉浦と彼女の交際が始まります。
お互いに初体験だった性行為を見返し、杉浦は当時感じていた彼女の体温を思い出し、懐かしさから涙を流していました。
映像は30巻目、30歳の頃へと進みます。
結婚してマヤという娘も生まれます。
仕事も順調で、彼の人生は順風満帆と言えました。
安心感を持って杉浦は映像を眺めていましたが、39巻目、彼が課長となり、とある新入社員が来たことで彼の顔は歪みます。
その女性の名は野々村玲子、彼にとって忌まわしい記憶が始まるのでした。
第2話 杉浦克己・43歳(後編)
「走馬灯株式会社」。偶然そこに立ち寄った彼は亡くした妻と娘の映像を、最初は夢中で眺めていました。
しかし彼の人生で転落のきっかけとなった女性、野々村玲子が映り始め、彼は顔を歪めます。
会社の飲み会の終盤、彼女と二人きりとなった杉浦は体の関係を結んでしまいます。
その後も数回にわたり玲子との関係は続き、彼女は徐々に杉浦に脅しをかけてきました。
玲子は以前付き合っていた男性も同じように不倫関係にあり、その男性の社会的立場を滅茶苦茶にしていたのでした。
遂には妻、由美の前にも玲子は現れ、杉浦は追い詰めれたことを実感していました。
そして杉浦は玲子と旅行に出かけ、周囲に誰もいない崖で彼女の首を絞めてさらに突き落とします。
もう過去に過ぎない映像を見て、杉浦は罪悪感に苛まれていました。
しかし再生は止まりません。
彼の年齢である43巻目となり、いよいよ家族との別れの映像となります。
事故で娘を亡くし、心労で入院した由美は病院で息を引き取ります。
もう映像を見るのすら嫌になった彼は、どんどん早送りボタンを押していきます。
すると画面の中に画面、さらに画面と合わせ鏡のような映像となります。
「映像がリアルタイムに追いついたんです」
杉浦の横から神沼が話しかけます。
今画面に映っているものは杉浦自身がその目で見ているもので、映像の撮影者は杉浦自身である。
彼女の説明を証明するように、杉浦が見ている彼女の姿がそのままテレビに映っていました。
全ての映像を見終えるまで三週間と二日かかっていました。
最後の映像を見て顔を青ざめさせている杉浦に神沼は帰ることを勧めます。
しかし神沼は最後に、もう一枚のディスクを取り出しました。
「一つの目線からは見えてこない正解がある。杉浦様にとって重要な真実かもしれない」
ディスクを再生機に入れ、神沼は部屋を出ていきます。
杉浦は青い顔のまま再生された映像を見始めます。
そこに映っていたのは見渡す限りの海、そして聞き覚えのある女性の声でした。
撮影者である女性自身が振り返ると、そこには杉浦の姿があります。
杉浦は女性に迫ると、女性の首を絞め崖から突き落とします。
そして女性の意識が消え、画面は真っ暗となります。
これは玲子が杉浦に突き落とされる寸前からの人生を映した映像だったのです。
杉浦は何故この映像を神沼が見せたのか疑問に思います。
彼は神沼を問い質そうと席を立ちます。
しかし画面の映像が続いている、つまり玲子が死んでいなかったことに驚愕します。
崖から落ちたことで顔に怪我を負い、鏡を見た彼女の顔は醜く歪んでいました。
彼女の口からは杉浦への怨念が出続けていました。
そして玲子の目線は、しばらく幸せに暮らしていた杉浦とその家族を捉えていました。
そこから玲子が何をするのか、何をしたのか察してしまった杉浦は恐怖に震えます。
最初は娘のマヤでした。玲子はマヤに話しかけると、その顔に手をかけます。
もう終わってしまったにも関わらず、杉浦は画面の中の娘に「逃げろ!」と叫びます。
しかし終わってしまった事実が無情に映し出され、
杉浦はその残酷な事実に胃の中のものを吐き出します。
そしてさらに玲子の人生は続きます。
看護師に扮した玲子は妻の由美が入院している病室に行くと、彼女の点滴に細工をしていたのでした。
娘と妻を殺したのは玲子、しかしその種をまいたのは杉浦自身だったのです。
玲子の目線はその後も転落をしていく杉浦の姿を映し続けていました。
早送りしていき、映像が玲子の現在の目線となったことで、恐怖と共に絶望が杉浦に襲い掛かります。
玲子の現在の目線は、画面を見ている杉浦を後ろから映し続けています。
杉浦は玲子から決して逃げられないと、その映像を見ながら悟るのでした。
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第3話 大崎拓也・34歳(前編)
とある公園のベンチで、無精ひげを生やした男性が周囲を見回していました。
彼の名前は大崎拓也。ストリートミュージシャンとして八年前、精力的に活動していました。
以前歌っていた生垣を眺め、彼は自分自身の活動を「下らない」、そう感じるほどに堕落していました。
立ち上がった拓也は周囲を見ると、
離れたベンチに女性が座り、その横にバッグを無造作に置いているのを見つけます。
彼は躊躇うことなくバッグを持って走り去ります。
持ち主の女性の声が後ろから響きましたが、
彼は公園を走り去り人目のない何かの廃屋の影へと逃げ延びます。
拓也は早速バッグの中を物色し始めます。
最初に出てきた携帯電話を放り投げ、さらに中を漁ると10万円近く入った封筒がありました。
思わぬ大金に目の色を変えていましたが、突如携帯が鳴り響きます。
無視していた拓也でしたが鳴り続ける着信音の、そのメロディーに驚愕します。
それは彼がミュージシャンだったころに作曲したものでした。
電話の持ち主が何故、拓也の曲を着信音にしているのか、彼はどうしても気になり電話に応対します。
電話は盗まれた持ち主からのものでした。
「返してください。お願いします」と、女性は拓也を責めるでもなくただ頼みます。
それには答えず拓也は気になっていた質問を真っ先にします。
「携帯の着メロ。これは何の曲だ」
唐突な質問にも関わらず女性は真っすぐに答えます。
「あたしがこの世で一番好きな曲です」
拓也は気味の悪さから通話を切ってしまいます。
その場を逃げ出そうとしますが、坂上の道にパトカーが止まっているのを目にします。
逃げるのを止め一先ず物陰に潜んでいると、背後から急に声を掛けられます。
「走馬灯株式会社へようこそ」
神沼と名乗った受付嬢のような女性は、拓也が廃屋と思っていた建物の中へと彼を案内します。
拓也は何なのかわからない施設に不安を覚えます。
しかし近くに居た警察から身を隠せること、神沼という女性の迷いのない案内に、
あっという間にテレビのある部屋へと案内されます。
「あなたの34年の人生を存分にかえりみて下さい」
神沼は再生機にDVDをセットすると部屋から退出します。
そして拓也が生まれてから、彼の目線で直接記録された映像が流れ始めます。
始めは驚きますが懐かしさから彼は夢中で見続けます。
彼の叔父の影響でギターに興味を覚え、小学、中学では自分で作曲をし始めます。
ギターを弾くことがただ楽しかった子供の頃を、拓也は寂しそうに眺めていました。
23巻目の映像となり、拓也が路上ライブを始めた頃の映像となります。
テレビの中には数人の観客がおり、ふと拓也は気づきます。
もし携帯の持ち主が拓也のファンなら、観客の中にいる可能性があります。
しばらく女性の中から探していると一人のファンが目に留まります。
その女性は拓也が路上ライブで販売したCDを購入しており、
その際に彼はストラップをプレゼントしていました。
ギターの形をしたそのストラップは盗んだ携帯に付いていたもので、
拓也はこの女性がバッグの持ち主であると直感します。
ライブの映像を見返すと、その女性はいつも拓也の視界にいました。
しかし短髪で目立つ印象では無く、
いつも静かに演奏を聴いており当時の拓也は覚えていませんでした。
映像は続いていき、そして拓也は思い出したくなかった女性を見ることになります。
女性の名前は美香。
拓也のファンだという彼女は他の女性も誘い、拓也と飲み会をしていました。
その飲み会にもバッグの持ち主の女性はいましたが、拓也は覚えていませんでした。
華やかな魅力で性行為にも積極的だった美香と拓也は付き合い始め、
文字通り彼女に拓也は溺れていきます。
その記憶を見ている拓也でしたが、彼の眼には一切懐かしさや喜びの表情はありません。
付き合ったものの、なかなかプロになれない拓也に美香は苛立ちを隠しません。
拓也から金をせびり、しまいには彼のギターを勝手に金へ替えていました。
そして彼女は自ら拓也の元を去ります。残ったのは彼女の借金の保証人という事実、
そして借金の取り立てでした。
金も無くなった拓也は彼自身の友人からも見捨てられ、
酒で憂さ晴らしをしていく生活となります。
もう自分の過去はうんざりだと、拓也は映像の再生を止めます。
そこで初めて拓也は自分以外の人間、バッグの持ち主の女性がどうしているかに意識が向きます。
バッグを盗まれ、何より拓也のファンだったのなら彼の路上ライブを楽しみにしていたはずです。
拓也は彼女のことを知るため、神沼に彼女自身の人生の映像が見れないか聞きます。
直接本人と関わりがあること、そして名前と生年月日を知ることが条件でした。
本人からバッグを盗み、
さらにその中にあった免許証を見つけた拓也は彼女の名前を知ることができます。
バッグの持ち主の女性は町田可奈という名前でした。
第4話 大崎拓也・34歳(後編)
生きている人間の体験を映像として残す「走馬灯株式会社」。
そこで転落したミュージシャン、大崎卓也は、
置き引きしたバッグの持ち主がかつての自分のファンだった町田可奈と知ります。
電話で聞いた今でも彼の曲が大好きだという、
彼女の人生を拓也はどうしても知りたくなりました。
拓也は神沼に頼み、自分がライブを始めたころ、彼女が18歳の頃から映像を見始めます。
冒頭は可奈が付き合っていた男性から一方的に別れを告げられる所からでした。
「女として面白味が無い」という彼氏の言い分に拓也は顔をしかめます。
当然彼女は傷つき、その後の映像は流した涙で歪んでいました。
しかし帰り道で、彼女は路上ライブをしていた拓也の姿を捉えます。
他人の目を通した映像のためか、その姿は悪くないといえるものでした。
キーホルダーを上げたりなど拓也との関わりがあった記憶が写ります。
夜にアパートに彼女が一人帰ると、彼女は拓也のCDを流し始めます。
彼女が何を思っていたのかはわかりませんが、
曲を聞きながら天井を見る彼女の視界は涙で濡れていました。
それから何度も彼女は路上ライブをする拓也を見ていました。
そして拓也が美香と付き合うきっかけとなった飲み会にも可奈は来ていました。
しかし美香と付き合い、拓也は音楽活動を辞めます。
そうとは知らない可奈は毎週の決まった時間、拓也がライブをしていた時間にかかさず演奏場所に来ていました。
拓也に会いたいという気持ちが積み重なった彼女は思い切った行動にでます。
人探し掲示板という雲をつかむような探し方で拓也に呼びかけます。
さらに拓也の曲をCDで焼き増しし、自分で手売りし始めます。
道を歩く人や、CD会社にも彼女自らが拓也のCDを売りに行きます。
その姿に拓也は痛々しさを感じていました。
可奈は居酒屋のバイトで生計を立てていました。
ある日その場に美香が彼氏を連れてやって来ます。
恐らくは拓也の情報を知るために、可奈は美香に話しかけます。
すると美香は拓也のことをくだらない男だったと評します。
しかしその言葉が許せなかった可奈は反論し、美香と口論になってしまいます。
その後、可奈はシャワーを浴びて自分の行いを反省していました。
鏡に映った彼女の裸身に拓也は妙な恥ずかしさを覚えます。
その後、彼女は拓也を探して再び公園へと来ていました。
ベンチに座る彼女は咳き込んでおり体調が良くありません。
拓也はこの場面に既視感を覚えます。
すると次の瞬間、可奈のバッグを持って走り去る男性の姿が写ります。
これは拓也がバッグを置き引きした場面でした。
体調が悪いにも関わらず、可奈は息を切らしながら必死に追いかけます。
その様子に拓也は後悔ばかり感じます。
しかし可奈が追う途中、彼女は階段から足を踏み外して落下します。
次の瞬間画面は真っ黒になっているのでした。
拓也が困惑していると、神沼がやってきます。
続きを望む彼に対し、神沼は説明します。
「可奈さんはこの時点で死亡しているため続きはありません」
階段から落ちて頭を打った彼女は即死したとのことでした。
しかし拓也には不可解なことがありました。
拓也が彼女から逃げ切ってしばらくした後、拓也は可奈と思われる女性と電話で会話しています。
可奈が走っている最中にそのまま死んだなら、会話の相手は誰だったのか。
「あたしの大切なものを返してください。あなたは今どこにいますか?」
そう話した誰かのことを思い、拓也はその場にうずくまって涙を流していました。
走馬灯株式会社を出た後、彼は一つの決意を胸に警察へと向かっていました。
事故とはいえ彼女を死なせた過去、それを発生させた自分の罪、それを償い、
彼はもう一度彼女が探していたあの場所で演奏しようと誓っていました。
第5話 安達唯奈・24歳(前編)
顔の数センチ前でかざされた手に、女性が恍惚としています。
女性の名前は安達唯奈。目の前にいる俊一という男性と恋仲にあります。
俊一は右手に不思議な力を持つと言い、事実唯奈は抱えていた偏頭痛が収まっていました。
安心して体を重ね合った二人は、枕元で互いの将来について話し合います。
明日に地元に唯奈は帰省しますが俊一は仕事の都合で来れないようです。
唯奈は母親に俊一のことをサプライズで報告すると嬉しそうに話します。
さらに唯奈は亡くなった父親のことを話します。
10年前に亡くなった父親は勤勉で、周囲からも頼られていたと唯奈の自慢でした。
それを聞いた俊一が右手を顔の前に移動させると遠くを見るような目つきになります。
すると彼は「すごい笑顔でいつも見守ってくれている」と言います。
父親の霊が側にいてくれると知った唯奈は大喜びでした。
翌日、唯奈は電車で実家のラーメン屋に帰省していました。
父親の墓前で拝みながら、横にいる母親には俊一のことを報告します。
母親も娘に結婚相手がいると聞き大喜びでした。
その後、唯奈は帰省した地元を散策していました。
歩きながら彼女は俊一と電話で話します。
「地元の山や川、自分が育ってきた風景を全部知って欲しい」と俊一に話します。
すると彼も「俺の見てきたもの全部を唯奈に見せたい」と答えるのでした。
笑顔の彼女でしたが電話をしていたせいか足を坂道に滑らせてしまいます。
急な坂を転がり落ちる彼女は途中にあった石に頭を打ち、そのまま意識を失っていました。
次に唯奈が目覚めると、彼女はソファーに横になっていました。
目覚めた彼女の前に事務員風の女性が現れます。
「走馬灯株式会社」。その裏の丘で気を失っていた唯奈を、
その女性がこの部屋まで運んだようでした。
唯奈は電話中に事故にあい、俊一が心配してないか気にします。
直ぐにでも連絡をしようとしますが事故の影響で頭痛が続きます。
そんな唯奈に女性は「当社でしか見れない映像をお見せします。とても安らぐはずです」と映像を見ながら休むことを勧めます。
混乱している唯奈は女性の言う通りに名前、生年月日の記入をします。
すると女性は20本以上のDVDを準備します。
それを再生機に入れると「24年の人生を心行くまでかえりみて下さい」と言い、その場を去っていきました。
唯奈は黙って目の前の画面を見つめていました。
すると画面に、記憶にある父親、そして母親の顔が映り始めます。
父親の言動からこの映像は唯奈が赤ん坊の頃の映像と察します。
亡くなった父親の姿に感激した唯奈でしたが、近くにいた事務員の女性、神沼に映像のことを聞きます。
どのように撮影したのかという唯奈の質問に神沼は「24年ご覧になったあなた自身の映像が全てあります。亡くなられたお父さまも映し出される」と答えます。
唯奈はその答えに大喜びで礼を言います。
その後彼女は夢中で映像を見始めるのでした。
父親は彼女が覚えている通りの性格でした。
ケンカ早いところはありますが、その理由は友達のため、そして唯奈のためと人情深い性格です。
中学生の頃の映像で父親は「早く唯奈と酒が飲みたい」と、彼は飲みながら話していました。
それを見た唯奈は神沼に頼んで缶ビールをもらい、
画面越し、10年越しにですが父親の望みを果たします。
元気だった父親ですが、その後彼は末期ガンで亡くなってしまいます。
死に際には「幸せになってくれ。いつも見守っているから」と唯奈に言い残してこの世を去っていきました。
父親との記憶を省みて、
唯奈は改めて今自分が掴もうとしている俊一との幸せを再認識していました。
そこで電話で彼が話していた「俺の見てきたもの全部を見せたい」という言葉を思い出します。
関わりのあった人物の人生なら見ることができるので、唯奈は神沼に彼の名前、「志村俊一」とその生年月日を伝えます。
彼に伝えず見ることに若干の後ろめたさはありましたが、唯奈の胸には期待感が満ちていました。
少し経ち、神沼がDVDを持ってきます。
しかしその手にはディスクケースが一枚分しかありません。
年齢分なら20枚以上あるのに、と唯奈が神沼に問うと
彼女は驚きの言葉を口にします。
「志村俊一に該当する人生はこの一枚しかありません。以前は別の名前を使っていた。つまり俊一は偽名です」
第6話 安達唯奈・24歳(後編)
「俊一」という彼の名前が偽名だったと知り、唯奈は呆然とします。
しかし彼のことを信じたいと願った唯奈は、彼の人生の映像を見始めます。
最初の映像は彼女も知っている、本屋のオカルトコーナーでの出会いでした。
そこから唯奈は俊一のカッコ良さ、右手の持つ霊能力に惹かれ彼への愛情を深めていきます。
途中までは唯奈に愛情を向ける映像で彼女も安心して見ていました。
しかし唯奈と別れた直後、俊一は別の女性と会い体を重ねます。
その時点で唯奈の目には涙が溢れていました。
俊一はさらに別の女性とも会い体を重ねます。
さらには仕事で必要だからと、会った女性全てから100万円近いお金を受け取っていました。
唯奈が目を背けたくなるような画面は続き、
唯奈が故郷から俊一に電話をかけていた場面に切り替わります。
電話が切れた後、俊一はヤクザ風の男と会話しており、
唯奈のことを「ファザコン女」、「今年一番の金がとれる」と言います。
その時、唯奈の中で何かが壊れました。
始めに感じたのは幸せになれると約束していた父への申し訳なさです。
呆然となった唯奈はいつの間にか「走馬灯株式会社」から出ていました。
家への帰り道、唯奈は目に映るものに困惑します。
それは人の形をしているが、ぼんやりとしていました。
帰省を終えた唯奈は都市のレストランで俊一を待っていました。
そこに俊一が笑顔でやって来ます。
彼はテーブルに着くと、非常に申し訳なさそうに「起業のために170万円欲しい」と言います。
それは唯奈が見た彼とヤクザ風の男の会話通りでした。
唯奈は彼の頼みを一旦置き、「お父さん、今どんな表情している」と彼に聞きます。
彼は「穏やかな笑顔で祝福してくれてる」と、いつものように右手をかざしながら言います。
しかし唯奈は「嘘よ」とその右手を振り払います。
唯奈は頭を打ってからあるものが見えるようになっていました。
それは唯奈の前にいる詐欺師、それに憤怒の表情を向けている父の霊、
そして今まで俊一に騙され破滅した女性の死霊、生霊です。
それを語る唯奈の様子に恐怖を感じた俊一は、怯えてその場から走り去っていきます。
残された唯奈は横で笑顔を浮かべる父の姿が見えていました。
しばらくして唯奈の頭のケガは治ります。その頃には父の霊は見えなくなっていました。
唯奈は彼女を心配した父が唯奈を「走馬灯株式会社」に導いてくれたと直感していました。
唯奈は今も父が見守ってくれてると信じ、
父と同じように素敵な結婚相手を見つけようと決意しているのでした。
第7話 雪村莉絵・25歳、南出孝郎・28歳、小笠原邦男・33歳(前編)
とある駅のホームで三人の若い男女が落ち合っていました。
三人はネットで知り合ったようで、
女性が「オレンジ」、チャラ男風の「タンロン」、オタク風の「クーヤン」とハンドルネームで呼び合います。
三人の中では社交的な「タンロン」がファミレスに二人を誘います。
彼の口からは「最後の晩餐」、そして食事中には「樹海。死んだ後早々に発見されたくない」という台詞が出ます。
三人が自殺を計画しているのは明らかでした。
良くしゃべる「タンロン」に「オレンジ」は当たり障りも無く答えます。
しかし二人が会話する間も「クーヤン」は無口です。
趣味と思われるアニメのフィギュアを眺めていました。
「タンロン」、「オレンジ」の二人は特に「クーヤン」の趣味を否定しません。
少なくとも集団自殺をする同志として三人は意気投合していました。
樹海近くまではバスで三人は来ます。
歩いて山奥を目指しますが、小太りの「クーヤン」は他の二人に比べ疲れた様子を見せます。
申し訳なさそうな「クーヤン」ですが二人は彼を見捨てません。
何とか山道を進んでいきますが、とうとう「クーヤン」は二人から逸れます。
二人が「クーヤン」を探すと、彼は「走馬灯株式会社」という建物の前で座り込んでいました。
事務員風の女性が彼に水を差しだしており、人目には付きたくない「タンロン」、「オレンジ」は「クーヤン」とその場を離れようとします。
しかしその女性、神沼はその場で三人が自殺に来たことを言い当てます。
その上で神沼は「人生の最後にふさわしい体験を約束します」と館内への入場を勧めます。
「クーロン」の「どうしても休みたい」という希望もあり三人は、名前、生年月日を記入すると一緒にテレビのある部屋に案内されました。
「クーロン」のみが本名を書いていましたが、
何十枚ものディスクを持ってきた神沼は残り二人の名前も言い当てます。
神沼が名前を知っていたことに不気味さを感じ、三人はその場を去ろうとします。
しかしテレビに映った人物に「タンロン」が驚きます。
テレビには「タンロン」、南出孝郎が幼少の時の若い家族が映っていました。
「タンロン」は他のディスクも確かめると高校時代の映像も出ます。
自分の人生が収録されたディスク、自殺する三人にとってはまさに「走馬灯」の映像と呼べるものでした。
「タンロン」、孝郎の人生を残りの二人も一緒に見始めます。
20代になってからの「タンロン」はギャンブルに負け続け、
借りた闇金から逃げ回る日々の連続でした。
「タンロン」はそんな自分に絶望し、犯罪に手を染めて他人に迷惑をかける前に自殺をしようと決意したのでした。
「タンロン」の独白を聞いた「クーヤン」でしたが、彼は「タンロン」の借金を肩代わりすると言い出します。
「金だけは持っている」という「クーヤン」はそこでせきが切れたように叫び出します。
彼が怒っているは「タンロン」が映像の中で女性と性行為をしていることでした。
金に困っているだけで性行為の経験はある「タンロン」を「クーヤン」は「全然不幸じゃない!」と言います。
イラついた様子の「クーヤン」、邦男は自分が20代当たりの巻からDVDを再生し始めます。
すると画面にはラブレターを渡す邦男を「マジありえない」と否定する女性が映されます。
彼は次々と失恋する様子を自分で再生します。
「キモいさくらんぼ」とあだ名まで付けられた彼は寂しさから自殺を決意していたのでした。
涙を流しながら「クーヤン」は女性と交際できなかった自分の人生への口惜しさを叫びます。
そんな彼に同情したのか、もしくは友情からかわかりませんが、
オレンジが話しかけます。
「どうせ死ぬんだったら、私とセックスしてみる?」
涙を流していた「クーヤン」は彼女の言葉に呆然とするのでした。
第8話 雪村莉絵・25歳、南出孝郎・28歳、小笠原邦男・33歳(後編)
突然セックスをすることになった「オレンジ」と「クーヤン」。
二人の行為を「タンロン」は「クーヤン」を応援しながら部屋の外で見守っていました。
「オレンジ」が「クーヤン」の上にまたがり、「クーヤン」は恍惚として行為を終えます。
「タンロン」は部屋に入って来て、「クーヤン」を心から祝福します。
「クーヤン」自身も余韻に浸り、感涙していました。
お礼にと命よりも大事だというアニメのフィギュアを、彼は二人に差し出します。
「クーヤン」からもらったフィギュアを見つめながら、「オレンジ」は言います。
「二人とも死ぬ理由はなくなった。樹海には私一人で入る」
それには「タンロン」、「クーヤン」も納得できませんでした。
ここまで来たら「オレンジ」の人生の映像も見て、彼女を救ってあげたい。
二人の男性は共にそう考えていました。
しかし「オレンジ」は自分の人生は一切見返したくないと拒みます。
それでも食い下がる二人に「オレンジ」は「勝手に観て」と背を向けて言います。
彼女の態度に不穏なものを感じますが、それでも二人の意思は変わりません。
「タンロン」は現在から数年前、彼女が20歳頃の映像を再生し始めます。
始めに映ったのは拳を振りかぶった男性でした。
男性は「オレンジ」、莉絵を殴ると金を出さないことに文句を言い、殴った事を取り繕ったように謝ります。
莉絵は彼氏に自分が悪いと謝ります。
典型的なドメスティックバイオレンスの現場でした。
彼氏へ渡す金のため、莉絵は風俗で働いていました。
暴力を振るう彼氏と風俗の客以外では人付き合いはありません。
背中越しに再生される自分の過去を「オレンジ」は無表情で聞くだけでした。
しかし次の場面の音声が流れると、彼女は体を震わせ始めます。
恐らくは悲惨な現状を変えたいと、莉絵は占い師に相談していました。
占い師から「意思表示」をしたほうが良いと言われた後日、彼女は電車で痴漢に遭います。
彼女に触れていた男性のスーツと同じ服装をしたサラリーマンを見つけ、彼女は男性を警察に突き出そうとします。
反論する男性と莉絵は口論になり、彼女は男性を突き飛ばします。
すると男性は道路に出てしまい、そこにトラックが突っ込みます。
その映像の瞬間、それを生で体験していた「オレンジ」は、
もう見たくないとテレビを横倒しにします。
「私の人生は最悪。最後には人殺しになった」と涙を流しながら言います。
他の二人は「事故だった」と彼女を慰めます。
しかし彼女と口論になった男性は妻の出産に向かう途中という、
明らかに痴漢とは縁遠い人だったようです。
そこまで「オレンジ」は説明すると「私は生きるに値しない」と部屋の窓から、外にある樹海へと走り去ります。
二人の呼び止める声がしますが、彼女はそれをふり切って樹海の奥へと逃げました。
一人となった彼女は大きな木の前で座り込んでいました。
周囲も暗くなり、もう帰り道もわからない。
死ぬ以外の道はないと木に吊るしたロープに自らの首をかけます。
しかしその土壇場、彼女は心が折れ首吊りは諦めました。
次に彼女の意識がはっきりした時、彼女の感覚では数日が経っていました。
「まだ死ねないでいる」
心残りが無いと思っていた彼女ですが、ふと「タンロン」、「クーヤン」の顔が浮かびます。
あの二人なら周囲に友達と胸を張って言える。あの二人と一緒にいたい。
もしあの二人が自分を追って樹海に迷っていたらと彼女はふと思います。
二人を心配した彼女は無我夢中で樹海の外を目指します。
すると走馬灯株式会社が見えてきます。
彼女が建物の近くに行くと、神沼が入口の前に立っていました。
彼女はあの二人がどうなったのかディスクを見せて欲しいと頼みます。
しかし神沼は彼女に目線を向けますが、話しかけようとはしません。
困惑する彼女に対し、神沼はその場に座るとひとり言のように話し始めます。
「当社のディスクは生きている方にしかお見せできません」
その言葉にかつて「オレンジ」だった何かは勢いを失います。
神沼はひとり言のような説明を続けます。
「オレンジ」が樹海で死に、実際は既に3年が経っていました。
彼女が気にしていたあの二人は悩みながらも元気に生きて、
さらに毎年彼女に花を供えに来ています。
「オレンジ」だった何かは自分の命日になると、
この場所に来て今の神沼の説明を毎回聞いていきます。
そして納得して樹海に戻りますが、そこで神沼の説明を全て忘れ森を彷徨う。
これを繰り返しているのでした。
その説明を理解したのか、かつて「オレンジ」だった何かの気配はその場から去っていました。
今も死んだ彼女の意識は森の中を彷徨っています。
その場所には白骨化した遺体と、かつて「クーヤン」が渡したフィギュアが横たわっていました。
第9話 山本たまこ・1歳
とある日。「走馬灯株式会社」の玄関から神沼が外を覗きます。
その場には一匹の猫が座っていました。
神沼は慣れた様子でその猫を館内に案内します。
猫はモニタールームでテレビ前のソファーに上るとそこが定位置のように座ります。
猫の首輪には山本たまこという名前と、飼い主のものと思われる電話番号がありました。
神沼は一枚のDVDを持ってくると再生機にかけ退出していきました。
モニターからは最初、同時に生まれた他の子猫の鳴き声と、母猫の姿が映し出されます。
しかし増えた猫にうんざりしたのか、飼い主の夫婦は子猫をダンボールに入れて公園に放置します。
そこから一匹の子猫が飛び出す場面が映し出されます。
逃げた子猫は様々な場所を渡り歩くと、道端にある祠付きの地蔵までたどり着きます。
しばらくは祠を寝床としていました。
道端ということで猫には様々な通行人が注目します。
この頃はたまこという名ではなく、通行人によって三毛ちゃんやみーちゃんと様々な名で呼ばれていました。
祠に住み着いて半年後、初めてこの猫をたまこと呼ぶ女性が現れます。
その傍らには彼女の夫がおります。
山本美奈子という女性は猫を見つけて以来毎日この猫と触れ合っているようでした。
たまこという名前も美奈子が付けたものでした。
その時は美奈子はたまこをその場に残し、夫の実母がいる家へと帰っていくのでした。
その後、たまこの視界の映像は徐々に暗くなっていきます。
たまこを見つけた美奈子が、ぐったりしているたまこを動物病院に連れていきます。
医師の対応で栄養失調だったたまこは無事回復します。
しかし祠に戻しても現状は変わらないため、
医師と相談した美奈子はたまこを引きとることにします。
美奈子の心配は夫の実母でした。
彼女の予想通りと言うべきか、たまこを家に連れて行った美奈子は養母から激しく叱られます。
「勝手にすれば良い」とは言われますが、養母は基本的に美奈子の言葉に反論し言葉尻を捕らえて叱り続けます。
ある日の朝食で夫婦は好みのパン食を準備しますが、
年配の養母への配慮からか別の机では、養母用に白米が準備されていました。
しかし養母は「こんなマズいメシはいらない」と文句を言います。それにも美奈子は反論せず涙を流してたえるだけでした。
その一部始終をたまこは眺めていました。
たまこが自分の映像を見ている頃、外にたまこを探しに来た美奈子がいました。
美奈子を見つけた神沼が、たまこのいる館内へと彼女を案内します。
たまこを見つけた美奈子は喜びますが、再生の続いていた映像に驚きます。
そこには美奈子とそれを叱る養母が映し出されていました。
盗撮ではないかと混乱する美奈子でしたが、神沼からたまこの視界の映像そのものと説明を受け、
たまこと一緒にその場で見続けることになります。
しばらくは美奈子自身も知る養母から叱られる場面ばかりが続きます。
それを見返すことで美奈子は心が限界と自覚し始めていました。
しかし美奈子のいない家で、たまこの見た映像で彼女は養母の意外な一面に驚きます。
美奈子は養母がたまこを嫌っていると思っていました。
しかしたまこの目線の養母には笑顔でたまこを可愛がる姿があったのです。
養母は気が緩んだのか自分の腹の内をたまこに話し始めます。
美奈子には自分の甘い所を見せたくない。
養母自身は自分が嫁いだ時は姑にもっとひどいイジメを受けており、
自分のように体でぶつかって相手に意見を伝えて欲しいと願っていたのでした。
しかし自分の意見を伝えてへこむ美奈子に、養母自身もイライラしていました。
意地っ張りな養母はご飯よりもパンが好きであり、
三人で食べたいという内心も美奈子に隠していたのでした。
養母の内心を知った美奈子は走馬灯株式会社からたまこを抱えて帰っていました。
美奈子は自分自身も養母に壁を作っていたのではと反省します。
養母の気持ちを知ったたまこが、走馬灯株式会社に導いた。
美奈子にはそう感じられました。
美奈子が家に帰ると、養母が机に倒れていました。
養母は腹が痛いと言います。美奈子は救急車を呼ぼうとしますが、養母は乗ることを嫌がります。
躊躇する美奈子でしたがその時たまこが一声泣きます。
養母の内心を思い出した美奈子は養母にひるまず、自分の意見を通そうとします。
彼女は嫌がる養母を背負うと病院まで走っていきます。
美奈子は必ず三人でパンを食べよう。そういって養母を励ましながら走り続けます。
養母は急性胃腸炎で数日入院しますが、無事退院します。
それ以来養母の憎まれ口は変わりませんが、美奈子も本心から応じるようになり
家の雰囲気は明るくなっていました。
美奈子は養母の気持ちを教えてくれたたまこに感謝していました。
そのとき当のたまこは、再び走馬灯株式会社の門へと座っているのでした。
『走馬灯株式会社』1巻各話の魅力紹介
本作品は「走馬灯株式会社」という不可思議な施設をテーマとした物語です。
体験者や、体験者と関わった人物の過去を何の修飾もなく映すこの施設では、
映像に対する反応は体験者によって様々です。
映像を見ることによって何らかの結果、気持ちの整理を付け救われた人物がいます。
逆に元から日常が崩壊していた人物ならより深い絶望に落ちることもあります。
この見所記事では各話の主人公と言える登場人物が視聴によって、どのような影響を受けたか、見所といえる部分の抜粋をします。
第1話、第2話 杉浦克己・43歳
順風満帆な人生を過ごしていた杉浦は、妻と娘を失ってしまいます。
幸せからの転落した杉浦は、その時点ではただ悲しみに浸るだけですんでいました。
しかし走馬灯株式会社を訪れ、その転落に関わる真実、別の視点からの事実を見てしまいます。
彼は悲しみ以上の絶望を味わうこととなります。
これは「走馬灯株式会社」が個人に絶望という真実、しかし知らないほうが幸せだった事実を突きつけた事例と言えます。
第3話、第4話 大崎拓也・34歳
拓也は自分の人生の映像を見ても無味乾燥とした印象しかありませんでした。
しかし拓也に特別な感情を抱いていた女性、彼女の人生を見たことで拓也は立ち直るきっかけを得ることができます。
これは「走馬灯株式会社」が個人の人生はその人本人にとっては無意味に思えても、
別の誰かにとっては意味のある尊いものであるということを教えた事例でした。
第5話、第6話 安達唯奈・24歳
唯奈は、彼女を騙していた婚約者の人生の映像を見ることで結婚詐欺に会う前に残酷な事実を知る事ができました。
「走馬灯株式会社」が100%、見た人の役に立ったと言える事例です。
第7話、第8話 雪村莉絵・25歳、南出孝郎・28歳、小笠原邦男・33歳
自殺を予定していた三人の男女のうち、男性二人は即物的なものが原因でした。
二人の男性はそれぞれの人生を知った三人が助け合って解決し、死ぬ理由は無くなって救われます。
しかし三人の中で莉絵はただ自分への情けなさを再体験するだけで自殺を止める理由にはなりませんでした。
これは「走馬灯株式会社」の映像が三人が互いを知るための小道具という扱いでした。
しかし救われるか、救われないかは別の問題です。
助け合うことであっさりと解決する問題もあるが、それだけではどうにもならない現実もあるという人間社会の真理を描いた物語でした。
第9話 山本たまこ(山本美奈子、20代)
これはたまこという猫の視点から嫁が姑の内心を知ることで、コミュニケーション下手な嫁と姑が和解する話となります。
パターンとしては第5、6話の安達唯奈と似た事例と言えますが、「走馬灯株式会社」が無くてもいずれは解決していた事例だったかもしれません。
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