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『性別モナリザの君へ』5巻ネタバレ紹介！
第22話 君と夏祭り
まひろが、りつ達にちあきとの進展を報告しています。
ちあきを夏祭りに誘うようです。
りつはるいに夏祭りの予定を聞かれ、ひなせのことが思い浮かびます。
高校最後の夏を後悔したくないと思い、ひなせを夏祭りに誘おうと決心します。
ひなせを誘うと、「一緒に夏祭り？ うん 空いてるよ」と返事がもらえます。
ひなせは3人で行くものだと思い、しおりに「屋台楽しみだね」と話します。
しおりには、「りつ ひなせと二人で行きたいんじゃない？」と返されます。
例年の夏祭りは3人で行っていました。
ひなせは一緒に行こうとしおりを誘いますが、断られます。
食い下がるひなせに、しおりは「じゃあ ひなせ りつとの約束やぶって俺と二人で夏祭り行くか？」と質問します。
ひなせは、困ったような怯えたような表情になります。
しおりはひなせの顔を見て、「行かないだろ？ だからこの話はおしまい」と突き放します。
ひなせは再度誘いますが、しおりは断ります。
頑ななしおりに、ひなせは「前に病院でもう今まで通りって言ったのに 何だか…そうは思えないよ…」と指摘します。
しおりは、「あー…そうだな 悪い…… 今まで通りにするなら「二人でも行かない」が正解だった」と返します。
ひなせは「3人で行くじゃなくて？」と尋ねますが、しおりに「そうは ならない」と断言されます。
放課後、ひなせはしおりを夏祭りに誘ってほしいとりつにお願いしようとしていました。
しかし、りつが2人で行く前提で話しているのを聞いて言い出せなくなってしまいます。
ひなせは、「毎年行ってた3人での夏祭り 楽しみにしてたのは 自分だけ？」と寂しい気持ちになります。
一方、あおいにはちあきから夏祭りに行けなくなったという連絡が入ります。
ちあきは毎年あおいと夏祭りに行っていましたが、今年はまひろと行くようです。
あおいもひなせ同様、「今まで通り」ではいられないことを痛感します。
第23話 まちがいさがし
あおいは4人姉妹の末っ子として生まれ、小さい頃から家で姉達のおもちゃにされていました。
そのせいか幼稚園に入っても周りと馴染めずにいましたが、ちあきとの出会いがあおいを変えてくれました。
ちあきは特撮ヒーローの真似をして、「おまえウチイリホワイトだ！！ 俺はウチイリブラック！！よろしくな！」と初対面のあおいに声を掛けます。
あおいは、「何だコイツ」と感じましたがハッキリとものを言えるちあきに惹かれていきます。
ちあきはその歳ではめずらしく、既になりたい性別がはっきりしている子供でした。
ちあきは男になりたいと公言していました。
父が単身赴任のあおいにとって、ちあきは初めて親しくなった男性らしい存在です。
ちあきとずっと一緒遊べるという理由から、あおいも男になりたいと思うようになりました。
そして思春期に差し掛かる頃には、2人共男になっていました。
ちあきは、転校してきたまひろに一目惚れします。
まひろは、背が低くちあきのタイプでした。
告白しますが、背が低いという理由で振られてしまいます。
一方、あおいは膝が痛むほど急速に背が伸び始めます。
ちあきには、「お前の横いると余計小さく見えてみじめだわ」と言われてしまいます。
ちあきが振られた話を聞いて、あおいは自分が安堵してることに気づきます。
ちあきへの想いを自覚すると同時に、違和感が押し寄せてくるのを感じます。
何かが間違っているような気がしますが、何が間違っているのか分かりません。
あおいは、自分がちあきの好みの姿からどんどん外れていくのが嫌でたまりません。
女になりたいわけではありませんが、「ずっと隣にいられるのはそっちじゃないって何で誰も教えてくれなかったんだ」と男を選んだことを後悔し始めます。
「俺の身長 これ以上伸びるな…」と願いながら眠りにつくと、女になった夢を見ます。
女の身体には違和感があり、自分が男を選んだ事は間違ってなかったと実感します。
「じゃあ何が間違ってるんだ？」と自問自答すると、「俺がちあきを好きな事？」と答えが浮かび上がります。
第24話 ずるい人
ひなせとりつは夏祭りに来ていました。
ひなせは、「そういえばさ しおりは慎重になりすぎてポイぬらすだけぬらして 結局一匹も取れなかったりしてたよね」としおりの話をします。
りつは屋台で買って食べようと提案しかけましたが、ひなせは「去年は しおりがいたから色んなのつまめたのにね」としおりの話を続けます。
ひなせが屋台でかんざしを見ていると、りつは「着けたら しおりすごい喜ぶと思う」と伏し目がちに言います。
しかし、ひなせは「うん これが一番似合う気がする」と言ってりつの髪にかんざしを挿します。
りつは子どもの頃にも同じことがあったのを思い出し、「ひなせ……ずるいよ」と呟きます。
花火開始のアナウンスが放送されると、2人は例年花火を見ていた場所に移動しようとします。
りつが躓きそうになると、「こんなに人が多いとはぐれちゃいそうだね さ 行こ！」とひなせは手を握ります。
ひなせはりつと手を握った瞬間、自分の胸が高鳴るのを感じました。
一方、しおりはあおいと一緒に塾に居ました。
あおいが帰りに焼きそばを買うと聞いて、しおりもそうすることにしました。
ひなせとりつは例年の場所で花火を見ていると思い、2人に会いたくないしおりは入り口近くの屋台で買うことに決めます。
ひなせと2人で花火を見る想像をしてしまいますが、しおりは「いや これで良かったんだ」打ち消しました。
第25話 告白
あおいとしおりは、焼そばを買いに夏祭りに来ていました。
あおいは、ウチイリジャーのお面を見ています。
ウチイリジャーは、幼稚園の頃ちあきが好きだった特撮ヒーローです。
2人は焼きそばだけでは足りず、アメリカンドックを食べています。
「只今より打ち上げ花火を開始します」というアナウンスと共に、花火が打ち上がりました。
あおいが花火の方を向くと、ちあきとまひろが視界に入ります。
まひろはウチイリホワイトのお面を着けています。
幼稚園の頃、ちあきとあおいはウチイリジャーの真似をしていました。
ちあきはウチイリブラックで、あおいはウチイリホワイトでした。
ちあきの隣では、ウチイリホワイトのお面を着けたまひろが笑っています。
あおいは咄嗟に片耳を塞ぎます。
異変に気づいたしおりが声をかけると、あおいは「いや 花火の音 五月蝿くて」と返します。
一方、ひなせとりつは例年あおいと3人で花火を見ていた場所に移動していました。
しかし、いつもの場所にはすでに人が座っていました。
他に場所を探すと、奥のベンチが空いていました。
2人はベンチに腰を下ろし、りつはひなせの手の上に自分の手を重ねます。
ひなせは鼓動が速くなっていくのを感じ、「自分もりつやしおりの事が特別に好きという事なのだろうか」と自身に問います。
りつはひなせに、「ねぇ ひなせ 今年の春…私が告白した時の事覚えてる？」と尋ねます。
ひなせは、「うん 勿論覚えてるよ」と答えます。
りつは失敗したと自らの告白を振り返り、「だから あの時の告白 なかった事にしたいの」とひなせに話します。
そして、「だからっ これが私の本当の告白 私 ひなせが好き 今のままでも女の子になっても男の子になっても ひなせが好き」と続けます。
りつは「私と付き合って欲しいです」と口にし、「今 返事が欲しいの このままじゃ… また夏も終わっちゃう」とこの場で返事するよう促します。
ひなせは「自分も りつが好きだよ」と言いますが、「だけど しおりも同じように 大切で好きで…」と打ち明けます。
りつは「……だよね」と涙を流し、ベンチから立ち上がります。
ひなせが引き止めようとすると、「ごめん もう あんまり優しくしないで…っ」とりつはひなせの手を払いその場を去ります。
第26話 選ぶ理由
夏祭りからの帰り道、ひなせは通りかかった公園であおいを見つけます。
あおいに「花火どうだった」と聞かれますが、「花火どんなんだったっけ…」とひなせは引きつった顔で呟きます。
あおいは「俺でよかったら 話聞くけど」と申し出ます。
ひなせは「りつと…ケンカしちゃって」と語り始め、仲直りしても「今まで通り」に戻れないかもしれないと辛そうな表情を浮かべます。
あおいは、「有馬にとっての今まで通りって何？」と質問します。
ひなせは、「また3人で登校したり 毎日何でもない話をして… 普通に楽しく過ごせたら…それで…」と返します。
あおいは、「それって どっちにしろ今年で終わりじゃない？」と言います。
さらに、「大学行ったら新しい友達もできるだろうし そっちの方が付き合い多くなるのは必然だしさ」と続けます。
あおいは「それこそ二人とも彼氏彼女できるかもしんないし」と言い終えると、ちあきからまひろと付き合ったという報告がないことを打ち明けます。
あおいは、「新しい事や人が混ざれば その分今の関係が薄まっていくのは当たり前で たとえ薄まっていっても友達は友達だ って最近自分に言い聞かせてる」と話します。
ひなせは、「白銀くんにとって 黒川くんは特別に大切？」と尋ねます。
あおいは、「何で？」と聞き返します。
ひなせは、「性別が決まってたら… 「特別に大切」を友達や恋人って割り切れて りつを泣かせたりする事もなかったのかなって…」と答えます。
あおいは、「性別が決まってると片方を選ぶのが楽になって もう片方が難しくなるだけで 選ぶことには違いない」と指摘します。
そして、「性別とか関係なしに 有馬が二人とどうありたいか 大事なのはそれなんじゃない？」とアドバイスします。
あおいは、ひなせの性別が男でも女でも「人間としてずっと好きな自信ある」としおりが言っていたことを伝えます。
ひなせが「りつも…そう言ってくれた…っ」と話すと、あおいは「めっちゃいい奴らじゃん うらやましいわ」と微笑みます。
一方、しおりは兄のあずさと偶然出会い車に乗せてもらいます。
しおりは、「そういえば 兄貴に聞きたい事あったんだよな」と話を切り出します。
あずさは「何だ？」と返します。
しおりは、「なんであの日 わざとUSB忘れてったんだ？」と核心に迫ります。
しおりはUSBから、「無性別の身体のまま20歳を超えて生きたものは未だに存在しない」ということを知りました。
あずさは、「「年度始まりで疲れてたから忘れた」 それだけだ」とシラを切ります。
しおりは無性別の年長者が突然死した話を聞いたと告白し、「まわりくどい やり方じゃなくてちゃんと教えろよ」とあずさを詰めます。