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実写ドラマ『美食探偵 明智五郎』を無料で見逃し視聴する方法は？
『美食探偵 明智五郎』は2020年4月から日本テレビ「日曜ドラマ」枠にて実写ドラマ化され放送されています！
美食家で探偵の主人公・明智五郎（あけち ごろう）を中村倫也（なかむら ともや）さん。
本作のヒロインであり明智五郎の探偵事務所「江戸川探偵事務所」の向かいでワゴン弁当を営んでいる小林苺（こばやし いちご）を小芝風花（こしば ふううか）さんが演じ話題となっています。
そんな話題沸騰の実写ドラマ『美食探偵 明智五郎』ですが調べたところ、動画配信サービス『Hulu』にて独占配信されていることが判明しました。
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『美食探偵 明智五郎』第6巻 ネタバレ&感想
『MENU18』
法で裁けない罪人を裁くマグダラのマリアはいかにして生まれたのでしょうか。
以前のマリアはどこにでもいる平凡な主婦でした。
今日もまたマリアはキッチンで孤独に夕食の準備をしていました。
魚の頭を力を入れて切り落とした時、テレビで殺人事件のニュースが流れてきます。
報道された凶器の刃渡りが自分が愛用する包丁とちょうど同じだと気付いたマリアは手中の包丁をかざし、これでも人を殺せるのだと慨嘆。
自分も毎日魚を殺してるのだから人間を殺すのだって簡単にできるはず、と妄想しました。
夕食中、マリアは夫と向き合って焼き魚を突付いていましたが、たまには肉が食べたいと申し出ます。
しかし夫は外食ならともかく家でまで食いたくないとぼやき、何回も同じことを言わせるなとウンザリして離席。
マリアは夫の為に風呂に湯を張りますが、入浴中の彼の目をうかがい、脱衣籠のワイシャツを嗅ぎます。
後日、外出中のマリアは空気に乗じて流れてくる美味しそうな匂いに足を止めました。
視線の先ではいちごがキッチンカーで弁当を販売しており、明智が性懲りもなくステーキをミディアムレアにしてほしいとリクエストしていました。
焼き加減をいちいち指図する明智の真剣な横顔にマリアは愉快な気分になります。
彼女は弁当を持って探偵事務所のビルへ消えていく見送り、食いしん坊の男性となら一食に食事を楽しめるはずと自分の境遇を省みて思案しました。
彼女は学生時代、そんな男の子と出会ったことがありました。
ある男子校の文化祭で男子生徒たちがクレープの屋台を出しています。
クレープの生地が上手く焼けるか試して盛り上がる男子たちへ足音高く近付いてきたのは、髪を撫で付けた凛々しい美少年……若き日の明智でした。
彼は文化祭の実行委員を務めていましたが、隙を見てクラスの出し物であるクレープ屋台の様子をうかがいにきたのです。
明智は自分にもクレープを焼かせてほしいと頼み、ハンサムな彼が仲間に加われば隣の聖唱学院の女子たちのナンパも成功すると男子たちは色めきだちました。
同級生の期待のまなざしを一身に受け屋台に立った明智が手際よく焼き出したのは、なんと高級和牛。
それは明智直々に父に頼んで、扇屋デパートの精肉部からわざわざ卸してもらったものでした。
一枚5000円で仕入れたから6500円で売るとのたまう明智に同級生は唖然とします。
しかし明智は涼しい顔で、この機会に黒毛和牛の素晴らしさを知らしめようと肉汁滴るヒレステーキを焼き続けました。
カラオケやゲーセンでそれ位散財するのだから料理に同じ額を出せない持論はないと明智は断言、美食は教養で自分への投資だと言い放ちます。
彼の自信満々な話術にすっかりその気になった同級生たちは、クレープの売り上げを握り締めて肉に群がります。
その光景を遠巻きに眺めていたのは、当時聖唱学院に通っていたマリアでした。
彼女はおずおずと屋台へ歩み寄り、勇気を振り絞って明智に声をかけます。
クレープを買いに来たと勘違いした男子にチョコバナナを勧められますが、すかさず隣の明智が焼きたてヒレステーキをさしだし、マリアは初々しく頬を染めてすごくおいしそうだと独白。
ですがヒレステーキはいくらなんでも高すぎます。
高額のヒレステーキを売ったことが学校にバレたらまずいと同級生たちは慌てますが、明智は売れないなら余らせても仕方ないと、マリアの為に新しく焼き出すではありませんか。
トングを持った明智に好みの焼き加減を聞かれ、マリアは彼のおすすめをリクエストします。
明智が切り分けたステーキの断面は、マリアの乙女心を見透かすような綺麗なロゼでした。
マリアはステーキにフォークをさして口に運び、あまりの美味しさに感嘆します。
「私の最後の晩餐はこれにしたっていいくらいおいしいです…！」
カトリック校の生徒にはあるまじき発言ですが、明智は洒落たジョークと受け取って笑い飛ばします。
ステーキを食べ終えたマリアは丁寧に一礼して去っていき、明智は背を向けて料理に戻りました。
それがマリアと明智のファーストコンタクトでした。
地味で内気なマリアは明智の屋台に友達を誘うこともできず、こんな自分を覚えている同級生などいないだろうと回想します。
学校を卒業したマリアは平凡な結婚をし、夫に従うだけの平凡な主婦になり、毎日作りたくもない焼き魚を作り、食べたくもない焼き魚を食べていました。
家にこもって家事をこなすのが分相応の生き方だと諦観してマリアですが、ある日彼女の人生を一変させる事実が判明します。
家では焼き魚しか食べず、マリアに肉料理を一切作らせなかった夫が、外で料理人志望の若い女の子の試作料理を食べていたのです。
自分が使うのを許されなかった様々なスパイスの匂いが、夫の服には染み付いていました。
マリアはキッチンの戸棚から大振りの包丁を出し、黒いバッグに詰めて外出します。
途中交番に寄って警官を労いながらも、どうせこの人たちは何もしてくれないと心の中で切り捨て、マリアは夫が通い詰める女のアパートへ直行。
ちょうど部屋からでてきた夫の首を、愛用の包丁で一瞬の躊躇もなく切り裂きます。
マリアの最初の殺人はあまりにもあっけなく幕を閉じました。
自分なら絶対捕まらない、この国の優しい法律じゃ裁けない罪人を始末できると確信したマリアは過去と決別し、悪意によって傷付けられた人々を救済する聖女にして、無知と無神経を振りかざす人々を滅ぼす毒婦へ生まれ変わったのです。
MENU19
マリアは街頭の大型モニターを見上げています。
画面では政治家がインタビューを受けており、いかに日本が平和な国か強調していました。
しかしマリアに言わせれば嘘ばっかりです。
政治家は数字のマジックを巧妙に使って大衆を操作しているだけだと彼女は言い、都会の雑踏を抜けて高級レストランのランチへ行きますが、予約名は「明智マリア」でした。
偽名のアイディアも尽きて片想いの小娘のようなまねをしてしまったと自嘲するマリアですが、席に着いた彼女の後ろで同じ姓が呼ばれるではありませんか。
なんと、店には明智の母親が居合わせていたのです。
明智の母親は友人と一緒に和服を買いに行く話をし、自分のデパートのイベントなのだからまけさせてやると大はりきり。
マリアは食事の手を止め、友人と楽しそうに談笑する明智の母親を凝視します。
一方、事務所の明智は母親から電話を受けていました。
明智の母親は総理大臣主催の五月晴れの会に招待され、当然息子の明智にも出席を強制します。
野点もやるのだからスーツはだめだ、この機会に着物を新調しろとうるさく喚かれ明智はゲンナリ。
一方的に通話を切る母親に明智は顔を覆ってしまいますが、傍らで見守っていたいちごは政治家がくるパーティーなんてすごいと感嘆し、偉い人と仲良くなってケータリングを斡旋してくれとちゃっかりアピールします。
常に明智に振り回されているいちごは、口で彼をやりこめてしまった母親のパワフルさに惚れ惚れしますが、明智にとっては笑いごとじゃありません。
扇屋デパートでは着物の展示館が開催されていました。
同伴する息子の為に着物を仕立てようと反物を見比べる母親に、私服のマリアが偶然を装って声をかけます。
自ら選んだ着物の柄を褒められた母親はご機嫌になり、これは唐花模様といって中国の空想上の花を描いたのだと得々と教えました。
マリアは彼女の知識に感心しますが、母親はこの程度は常識だと返し、続いて総理大臣主催の五月晴れの会に招待された自慢をはじめました。
本当は息子も連れてこようと思ったのですが断られてしまったと嘆く彼女に、マリアは慎重に探りを入れ、臙脂色のスーツの特徴が一致したことから二人が親子である確信に至ります。
母親が振り返った時には既にマリアはいませんでした。
明智は事務所のベランダでひとりたそがれていました。
彼はマリアの消息を追い求めまめにニュースをチェックしていましたが、虚実が錯綜して一向に真実が掴めません。
この青い空の下で彼女はまだ人を殺し続けているのだろうかと、明智は胸を痛めます。
名前や姿を変えてまで自分を挑発するような行動をとり続けるマリアに翻弄される一方の明智は、腐った世の中の悪人を駆逐したらもう一度プロポーズしてほしいという言葉を反芻し、仮に殺したいほど憎い人間ができたら彼女の甘美な誘惑に負けてしまうのだろうかと憂いました。
部屋のテレビは政治家の汚職のニュースを報じていました。
明智は客寄せの茶会なんてやってる場合じゃないだろうにとあきれます。
夜、ネオン輝く歓楽街のキャバレーにて、マリアは政治家を接待していました。
磨里阿の源氏名に黒い着物を着こなしたマリアは、贔屓筋の政治家に酒を注ぎながら、自分を五月晴れの会に呼んでほしいとねだります。
ウィットに富んだ会話でまんまと政治家をまるめこんだマリアは五月晴れの会への招待を取り付け、物陰から見守る店のママと女の子は、年増だけどよい拾い物をしたと素性がよくわからない彼女の客あしらいを絶賛しました。
片田舎のヴィラで料理をする伊藤に茜がマリアから連絡が入ったと報せます。
伊藤・みどり・茜の3人は果樹園を改造した片田舎の家を買い取り、そこで自家製コンピチュールを製造するなどして暮らしていました。
マリアに唆されて殺人に加担した彼らですが、その表情は一様に明るく晴れ晴れとしています。
夫のモラルハラスメントと姑のキッチンハラスメントに苦しんでいたみどりは果樹園の世話を、彼氏に都会の女と浮気された茜は収穫の手伝いをし、口コミレビューの酷評が原因で店が潰れた伊藤は調理に精を出し、先日は人気急上昇中でテレビ出演が叶ったココも泊まりに来たと報告。
現行の司法では裁けない罪に苦しめられていた彼らにとって、マリアは救世主にも等しい存在でした。
マリアは自分の子供たちが幸せそうで嬉しいと喜び、高級ホテルのスイートルームから摩天楼を一望し、次なる仕事の開始を告げます。
五月晴れの会当日、相も変わらずスーツ姿の明智は和装の母に同伴され会場に足を踏み入れました。
騒がしい人だかりに早速辟易する明智は要人警護を任された上遠野・高橋と遭遇、母親と恋人同士だと誤解され断固として訂正します。
ふと母親が指さす方を見ると、現職の総理大臣たる神無月がにこやかに手を振っていました。
錚々たる首脳陣の様子にミーハーな母親は一緒に写真を撮りたいと興奮、高橋はSPの少なさに驚きます。
会場は既に凄い人ごみですが、総理との2ショットを諦めきれない母親はずんずん進んでいき、とどまるところを知らないそのバイタリティにあきれ顔の明智は周囲を観察。
人いきれでごったがえす会場に、東京中の老舗から和菓子が到着しました。
大量の和菓子の仕分けにてんてこまいする女将とバイトの女子大生達。
なんでも東京中の大学の茶道部から、人員不足を理由に手伝いに駆り出された模様です。
和菓子を届けた職人は若くて可愛い彼女たちをナンパし女将に注意されますが、そこへ日本橋の毬屋から新たな和菓子が到着。
運んで来たのは和服を端正に着こなすマリアその人でした。
本日のスケジュールを報せるアナウンスが会場に響き渡ります。
3時から野点のデモンストレーションが行われると知った茶道部の学生達は、誰が総理にお茶を立てるのか盛り上がりますが、どうやら有名な茶道家の先生が担当するらしいとのこと。
マリアは箸で重箱の和菓子を取り分けていました。
ですが学生達は大規模な茶会にでるのが初めてで、茶道の作法に自信がありません。
お重の出し方にすらとまどってマリアに手伝いを頼みますが、この展開を心得ていた彼女は、つまみ食いをしないという条件付きで快諾するのでした。
MENU20
明智の母親は野点の最初の組のチケットを手に入れました。
総理にお点前する茶道家が扇屋デパートの常連だったので、融通がきいたとのことです。
明智は野点になどまったく興味ありませんが、あなたもでるのよと母親に重ねて言われて断れません。
総理と同席できるなんて一生に一度のチャンスだと母親は恩を着せ、懐紙と貸し切りを借りてこいと息子に催促。
茶席の作法を覚えているか不安がりながらも、母親に急かされてテントへ赴く明智は、人ごみの中すれ違ったマリアに着物でくればよかったのにと呟かれます。
空耳を疑って去り行く後ろ姿を見送る明智ですが、本来の目的を思い出してテントへ向かい、茶道部の学生達に懐紙と菓子切りを貸してもらえないか丁重に申し出ます。
美形の明智にミーハーな反応を示す学生ですが、明智は彼女達が抱えた重箱の中を覗き込み、和菓子の中に仲間外れがいると指摘。
重箱の中には色とりどりの和菓子が綺麗に並んでいましたが、明智曰くこのうちの一つである青梅は小満にだすお菓子だということ。
小満とは二十四節気の八つ目の季節にあたり、青梅は本来五月から6月にかけて出す和菓子なので、正式な茶席でふるまうにはなんとも場違いです。
学生達は和菓子屋が色どりを考えて配慮したのだと反駁、五月の花の代名詞のツツジもあるのだからおかしくないと口々に主張し、明智も一旦は納得。
ツツジの形をした和菓子をしげしげと見詰めますが、それは本来の赤ではない随分と渋い色合いで違和感に首を傾げます。
格式を重んじる公的行事で、プロがそんな初歩的な間違いを犯すでしょうか？
そして五月晴れの青空の下、野点がはじまりました。
明智と母親の席は総理大臣の正面です。
明智は重箱を運んできた学生の素人臭い歩き方を批判しますが、最後尾で重箱を抱える女性だけの足さばきはしずしずと完璧で、まさにプロフェッショナルと認めます。
白い着物を隙なく着こなすその人物こそ、明智が恋焦がれたマリアでした。
まさかこんな所にいるはずないと一旦は否定する明智ですが、他人の空似にしてはあまりに似すぎています。
不安渦巻く明智の心中をよそに、マリアは重箱をさしだして和菓子を勧め、総理大臣はいそいそと箸をとるではありませんか。
仕事を済ませたマリアが総理に背を向け明智の方へやってきます。
明智は今度こそ驚愕に目を見張り、和菓子に箸を付ける母親を制し、季節外れの青梅には毒があると注意。
和菓子の青梅を本物になぞらえて毒を仕込む、いかにもマリアが好みそうな手口です。
ですが総理大臣が選んだのはツツジでした。
明智は一瞬ホッとしますが、母親はアレはツツジにあらず桔梗だと息子の誤りを訂正します。
それはツツジではなく、ツツジによく似て紛らわしい有毒の桔梗でした。
明智が席を立った時にはすでに遅く、総理大臣は桔梗の和菓子を頬張っています。
明智は上遠野と高橋に野点の中止を要請、出席者たちに和菓子を食べるなと叫び、成り行きがわからない会場は騒然とした雰囲気に包まれます。
同時に総理大臣が喉をかきむしってもがきはじめました。
嘔吐してその場に倒れ伏す総理大臣の様子に、毒を盛られたと察した面々は殺気立ちます。
手遅れを悔やんだ明智はマリアの名前を絶叫しますが、彼女は既に会場から姿を消しており、彼の声はむなしく響き渡るだけなのでした。
MENU21
オフ日のいちごは街の巨大モニターで報じられニュースを見ていました。
五月晴れの会で総理が倒れ病院に搬送されたと知り、明智の身を案じるいちご。
明智はマリアを追って会場を抜け出しました。
車の運転席で待機していた伊藤はスマホを見、総理が危篤になったニュースに驚きます。
彼らはマリアに召集をかけられ車に詰めているのですが、今回は人を殺すとまで聞いていないと困惑。
とりあえずマリアを回収して警察の包囲網を突破する相談をはじめますが、肝心のマリアは同じ着物姿の群れに紛れてしまいました。
上遠野と高橋は総理の危篤でパニックに陥った現場を規制しています。
明智がいないのに気付いた上遠野は血相を変えますが、高橋の手落ちを責めても仕方ありません。
重箱を運んだ茶道部の学生達は、重要参考人として身柄を留め置かれていました。
DNAサンプル供出の呼びかけは自分が担当するから明智を追えと高橋に言われ、上遠野は部下に感謝して駆け出します。
明智はスーツ姿で都会を駆け抜けながら必死にマリアを捜していました。
いちごもまた明智の身に何かあったのではないか懸念し、会場となっていた新宿御苑に駆けつけます。
スマホを耳にあて人ごみをかいくぐり明智をさがすいちごに、人員整理をしていた高橋が声をかけ、明智は何者かを追いかけていってしまったと伝えました。
明智が血相変えて追いかける人物の心当たりなど一人しかいません。
胸騒ぎが止まらないいちごをよそに高橋は学生達をパトカーで署に連行するよう指示、学生達は怯えながらも貴重な体験にテンションを上げて写真を撮ってもいいかと場違いな発言をします。
高橋は明智と連絡がとれたらすぐ自分に教えてほしいといちごに迫り、明智は事が起きる前に和菓子が毒入りだと見抜いていたが、結局間に合わなかったのだと事実を話します。
マリアは公園トイレの個室にて、目立たない服装に着替えていました。
しかし「ある物」を忘れてしまったことに気付きます。
ようやく明智に追いついた上遠野は何故和菓子に毒が入っていたのがわかったのかと問い詰め、お前に手錠をかけることもできるのだと脅しますが、明智は落ち着き払って身の潔白を証立てます。
明智が毒入り和菓子を見抜けたのは、季節外れの青梅の存在があったからでした。
総理大臣が出席するような茶会でプロの和菓子職人が初歩的なミスを犯すのは不自然な上、このような行事では同じ種類の和菓子を大量発注するのが恒例です。
重箱に色とりどりの和菓子を並べるというのは、茶道の格式に照らして本来ありえないことでした。
初夏に採れる青梅の毒では人は死にません、仮に殺そうとするならトラックの荷台一杯分は必要です。
せいぜい総理を体調不良にして茶席をご破算にする程度がマリアの企みだと予期した明智ですが、母親の指摘で五月のツツジが夏の桔梗だと気付き、すかさず食べるなと皆に叫んだのでした。
上遠野は明智の教養に舌を巻きますが、刑事20年来の勘がどうしてもそれだけではないと騒ぎます。
上遠野ににじり寄られた明智は彼に羽交い絞めにされ、白い着物を着た30～40代の「男性」が犯人であると、咄嗟にマリアを庇い立て嘘を述べたのでした。
マリアは新宿御苑のパニックを横目に悠然と立ち去ります。
いちごは騒然とする現場に棒立ちになりますが、視界を過ぎった女性の洋服と草履の取り合わせにピンときて、彼女こそマリアだと確信。
マリアが忘れてしまった物とは履き替え用の靴でした。
いちごに名前を呼ばれたマリアは取り乱すでもなく振り返り、平然と歩み寄ってくるではありませんか。
いちごはすっかり動転してマリアの拘束を周囲に訴えますが、殺気立った喧騒の渦中で彼女の声はかき消されてしまいます。
マリアはいちごの眼前まで来ると、逃げようとあとじさる彼女と間合いを詰め、素早く取り出した注射器を胸にあてがいました。
マリアはこの毒が何かわかるかといちごに問います。
総理が食べる和菓子にマリアが注射した毒は、トリカブトの成分として有名なアコニチンでした。
高橋はパトカーを運転し、重要参考人となった学生達を連行していました。
一国の首相に仕掛けるテロリズムに神経毒ではない自然毒を使うとは一筋ではいかないと犯人を評しますが、現場の状況を電話で上司に聞かれ、自分と上遠野さんは何も見ていないとごまかします。
それは明らかに今回の事件に関与してるとおぼしき、明智の身を慮った発言でした。
マリアに注射器で脅されたいちごは口をガムテープで塞がれ車で拉致されました。
ハンドルを握る伊藤は遂にマリアが無差別殺人をはじめてしまったとぼやきます。
会場に取り残された明智の母親は、早く迎えにこいと電話で息子に催促しますが、母親の指摘のおかげで間一髪毒を口にせずにすんだ明智は珍しく素直に礼を述べました。
総理は人違いで殺されたのではないかと彼は妄想します。
明智光秀の家紋でもある桔梗の花は裏切り者の象徴であり、マリアが本当に殺したかったのは他ならぬ自分ではないかと明智は疑うのでした。
『美食探偵明智五郎』6巻感想
マリアが遂に無差別殺人に手を染めてしまいましたね。
今までの犯行は法律で裁けない罪人を裁く為でしたが、一体どんな心境の変化があったんでしょうか？
そんなマリアを盲信している、伊藤達の暗躍も不気味です。
いちごは絶賛大ピンチですが、はたして明智の救助は間に合うのでしょうか。