椎名軽穂による『君に届け』に登場するキャラクターの一人、吉田千鶴。
主人公・黒沼爽子(くろぬまさわこ)のクラスメイトであり、親友です。
愛称は「ちづ」、チャキチャキと明るく、とても元気な女子高校生。
考えるより先に行動する派で、熱血型でケンカも強く、思ったことをすぐ口にしてしまうタイプ。
運動神経は抜群で勉強は苦手、おとなしい爽子とは対照的な性格ですが、義理堅さと人情の厚さで通じ合っています。
何事にもサバサバしているようでありつつも、ひとりを長く想い続ける一途さを持っています。
今回は『君に届け』を振り返りながら、千鶴の恋について紹介していきたいと思います。
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千鶴の好きな人って誰？幼なじみの真田兄弟について解説！
親友であり兄弟！？幼なじみの龍
真田龍(さなだりゅう)は、千鶴と同級生で家が近所の幼なじみ。
父親はラーメン屋「徹龍軒(てつりゅうけん)」を営んでおり、千鶴も龍もよく店を手伝っています。
昔から家族同然の付き合いで、その関係性をお互いに「男兄弟みたいなもん」と表現するほどです。
幼少期のリトルリーグから高校の部活まで野球を続けていて、そんな龍をいつも全力で応援するのが千鶴。
無口でマイペースな性格で、にぎやかな千鶴とは対照的ですが、幼い頃からずっと千鶴のことだけを想っています。
主人公・爽子が「恋愛感情ってどんなものかわかる？」と龍に相談した際も、「俺は、千鶴ひとすじ」とだけ返し、「内緒な」と静かに笑みを見せていました。
この龍にきゅんきゅんする！爽子にちづが好きな事をこっそり打ち明けるシーン！ pic.twitter.com/dFmvgzvFd6
— 猫嬢✈︎ (@nekojoyznin) October 28, 2013
二人をお似合いだと思い、千鶴の語る片想いの相手もまた、龍ではないかと思った爽子でしたが、「ちづちゃんの好きな人って真田くんでいいんだよね？」と確認するその言葉を、千鶴は笑いながら否定します。
「あたしが好きなのは、龍の兄ちゃん！」
千鶴の初恋で、今も好きな人！龍の兄・徹
千鶴の「好きな人」である真田徹(さなだとおる)は、龍の8歳年上の兄。
年齢が離れていることもあり、千鶴を笑顔にすることがとても上手で、千鶴のことを「ちー」と呼び、実の妹のように大切にしています。
君に届けは風早くんより龍の兄ちゃんがめちゃくちゃ好きで「ちー」って呼んでもらえる千鶴が羨ましかった中学生の頃…#君に届け pic.twitter.com/A6vLPS9Tdn
— mangasai@少し休憩 (@mangasai_3010) September 7, 2022
千鶴はそんな徹に懐き、幼いながら胸をときめかせ、今も一途に想い続けています。
特に口にしたことはなくとも、そのことは龍も知っている様子。
徹が彼女を作っても、成人して社会人になって家を出ても、幼い頃から千鶴の夢は「徹のお嫁さん」。
子ども扱いで今は振り向いてもらえないと思いつつも、大人になったら叶うと信じ、いい女になろうと日々奮闘しています。
なかなか会えないため、高校生になった自分を早く見せたくて、帰郷してくるであろう正月を楽しみにしている千鶴でしたが…。
憧れのお兄ちゃん・徹に失恋…その後の千鶴と龍の関係について徹底調査！
念願の再会と突然の失恋！
龍の家で爽子たちと集まっている中、正月休みを待たずに帰郷した徹。
予期せぬ徹の姿に顔を輝かせ、抱きつく千鶴に、徹も「でっかくなったなー！」と、笑顔で背中をポンポンと抱き返します。
再会を懐かしむ傍ら、「こんばんは」と一人の女性が遅れて玄関から入ってきました。
喜びもつかの間、「彼女…？」と問う千鶴に、徹は「うん」と答え、言葉を続けます。
「結婚すんの」
妹のように可愛がっている子だと、千鶴を婚約者に紹介する徹。
挨拶を交わしたものの、おめでとうも言えず、気持ちの整理もつかないまま、千鶴たちは一度その場を解散します。
その後、爽子たちと話す中で「明日、徹に会いに行こうかな」と思い立った千鶴でしたが、結局、徹の滞在期間の数日間、会いに行けないままでいました。
千鶴の失恋に、龍がとった行動は…！？
一方、龍は徹が婚約したことも正月より早く帰郷することも、すでに知っていました。
事前に千鶴に伝えようとしていた龍でしたが、龍の誕生日プレゼントをサプライズで用意していることを必死で隠す千鶴に会話を避けられていたため、結果、最悪のタイミングで千鶴は徹と再会してしまうことになりました。
千鶴が徹の滞在が終わるころを見計らって、龍にプレゼントを渡しに行ったその日、徹からの伝言を伝える龍に千鶴は思わず苛立ち、自分に気を遣って徹の婚約を黙っていたのかと問い詰めます。
ですが龍は、気なんか遣ってない、むしろこの状況にほっとしている、と答えます。
「これで千鶴が兄ちゃんをあきらめられるから」
「あたしが望みもないのに徹のこと好きだって思ってたの？早く失恋すればいいって思ってた！？」
失恋するために徹を好きになったんじゃない、その気持ちと、龍にプレゼントを渡しに行ったのに…という気持ちと、ぐちゃぐちゃになってしまったその気持ちを、やつあたりのように龍にぶつけてしまった自分に腹が立って、千鶴は爽子たちの前で泣き出してしまいます。
そしてあらためて、龍とケンカしたことで徹とちゃんと話したかった自分に気付いた千鶴。
とはいえ、徹の返事はわかっているから好きとは言えない、と爽子たちに語ったその時、千鶴に会いに来た徹が現れます。
千鶴の心の整理をつけてくれたのは、どっち？
爽子たちと別れ、千鶴は徹と思い出の道を歩きながら帰ります。
思い出の道を歩きながら、千鶴とのたくさんの思い出を話す徹。
そんな中、なんで結婚しようと思ったの？と千鶴は徹に問いかけます。
「一生一緒にいたいと思った」と答える徹に、自分もずっと幼い頃からそう思ってたのにな…と、想いを巡らせます。
どんなに可愛がってくれたって、思い出があったって、高校生になったって、近所の子は近所の子なんだよな…と顔を曇らせる千鶴。
そんな千鶴の表情を見て、徹が言います。
「ちー、“ちー”って言ってみ？」
自分の名前を自分で…と千鶴は戸惑いますが、いいから言ってと徹は促します。
なぜ徹は千鶴を“ちー”と呼ぶのか、それは、“ちー”と言うと、自然と口角が上がって笑顔になるから。
たくさんそう呼んできた徹の数々を思い出し、ふと千鶴は徹に告げます。
「好きだよ」
「…オレもだよ」
そういう意味じゃないよ、と思いながらも嬉しく思う千鶴。
あらためて、徹に結婚おめでとうと言えたのでした。
その後、徹に家まで送ってもらった千鶴でしたが、そのまま一人で河原に座り込んでいました。
そこへ「なぐさめてやろっか」と龍が現れます。
徹のことは、本気で好きで好きだったわけじゃなくて、憧れてただけかもしれない、そう話す千鶴の言葉をさえぎり、「ちゃんと好きだったって、わかってるから」と伝える龍。
千鶴が恋の終わりを知り、その心の整理をつけられたのは、他ならぬ徹の“兄”としての愛情と、何も言わず自分のそばにいてくれた龍の存在でした。
君届6巻💓
千鶴の恋のお話はほんとに切ないよね(T_T)
てか徹格好良い～🙈✨
こんな幼なじみのお兄ちゃんいたらそりゃ惚れるよ！！！
でもこの千鶴慰めるとこの龍もほんとに良い奴すぎる！徹も好きだけどやっぱ千鶴には龍のがお似合い💕 pic.twitter.com/qwF3LcbRYk— りんごÜ (@rin_5n) January 14, 2015
龍の告白！千鶴の誕生日にキス…ふたりは付き合う？結末をネタバレ！
夏の海で、二人の距離が変わる！？
約半年が経ち、高2の夏、爽子たちと海で遊ぶ千鶴。
ナンパされた千鶴たちでしたが、食べ物につられた千鶴が、自分と腕相撲して勝ったら遊んでやる！とふっかけ、海辺は腕相撲大会に。
千鶴が連勝する中、野球部の20分休憩で海へ来ていた龍が、割り込みます。
あっさり勝利した龍は「20分、俺のもんだろ？」と千鶴の腕を掴んで連れ出します。
腕を掴んでいた龍の手が、いつのまにか手をつないで、そのまま離さない…、というか龍は何がしたかったの？
わけもわからず「へんなの！」と思うしかなかった千鶴ですが、それは、二人の関係が変わっていく前兆でもありました。
修学旅行でついに龍が告白！！
夏以来、なんとなくやりにくさを感じる中、修学旅行の時期を迎えた千鶴たち。
そんな折り、龍が他のクラスの女子に告白され断ったという話を耳にし、龍とはお互いに知らないことはないと自負していた千鶴は、それを自分に話さなかった龍に、なにか面白くないような複雑な気持ちを抱きます。
その後も、龍にフラれた女子に絡まれ、嫌悪を露わにする千鶴。
その女子曰く、告白して断られた際に「好きな人がいるの？」と聞くと「うん」と答えた龍。
告白されたことも好きな人がいることも、自分は知らない、何も聞いていない。
龍のことなら誰よりも知っていると思っていたのに、それなのに「好きな人がいる」なんて、一番大事なことを、何も知らされていなかった。
千鶴には関係ないと答える龍に、また、自分の知らない龍がいることに、戸惑いと寂しさを感じた千鶴は、うまく言葉にできない気持ちも入り混じって、思わず苛立ちをぶつけてしまいます。
龍のことは知らないことなんてないと思っていたけれど、それは自分が思っているだけで、本当に「関係ない」のかもしれない…。
ですが、翌日の自由行動でも、当たり前のように千鶴の隣に座る龍。
わけもわからず怒りをぶつけられて、龍は気まずくないのか、と問う千鶴に、龍は「嬉しかった」と答えます。
千鶴が少しでも自分の好きな人を気にしてるのが嬉しかった、と。
そして続けます。
「俺が好きなのは、ずっと千鶴だよ」
千鶴の戸惑い…龍との関係の終わり
「…龍のこと、そういう風に見たことない」
龍の告白にそう答えた千鶴。
本当に考えたこともなかったし、今のこの関係を変えるつもりもない。
ずっと何でも話せて、ずっと一緒にいるものだと思っていたから。
でも、この関係は、龍の気持ちがあったから成り立っていただけかもしれない。
大切にしていた龍との関係が終わってしまうことを嘆き、「なんで好きだとか言ったんだよ！」と、龍を責めるかのように訴える千鶴に、龍は答えます。
「終わらせたかったんだよ」
今の関係が終わり、やっと始まるんだと告げた龍の表情は、千鶴にとって、まるで知らない男の人のようでした。
千鶴と龍はついに！？複雑な気持ちを重ねたキス
龍のことを考えることが増え、千鶴は龍の何気ない一挙一動にも緊張してしまいます。
意識してしまうのは、好きと言われたからなのか、それとも…。
そんな中、高校卒業後は地元に残ると思っていた龍が、地元を出て大学で野球をやると知り、混乱する千鶴。
今までの関係はもちろん、龍と離れることがあるなんて、考えもしなかった——。
3年になり、最後の高校野球を前に、朝も夜も部活と自主練づけになる龍。
でも、千鶴の誕生日にはランニングの途中で会いにきて、おめでとうと告げます。
誕生日プレゼントは買いに行けてない、プレゼントにはならないけど必ず勝つ、と。
そんな龍に「がんばれ」「行ってこい」と言うはずだった千鶴の口から出た言葉は、「行くなよ」でした。
応援なんかできない、と涙を流す千鶴。
行くな、行くなよ、と何度も泣きながら龍の胸を叩く千鶴の腕を掴み、龍は強く問います。
「俺のこと、好きなのか？」
「…好きだよバカ！！」
千鶴の答えに、龍は腕を強く掴んだまま強く千鶴を引き寄せるように、二人は唇を重ねました。
千鶴と龍の進路は離れ離れに…その後、ふたりは結婚？最後どうなる？
好きなのに、好きだから、千鶴の葛藤
想いが通じ合った二人でしたが、龍のことを応援できないと言ったことを、千鶴は気にしていました。
千鶴が今の高校に入ったのは、龍を一番近くでいつでも応援したかったから。
なのに、自分の「好き」が龍の夢を邪魔しようとしていることに、頭を抱える千鶴。
勝ち続けてほしい、龍が大好きな野球をいつまでも続けてほしい、でも試合で結果を出してしまったら野球で進学してしまう、遠くへ行ってしまう…。
好きなのに、好きだから応援できない。
龍がひとつひとつの試合のために頑張ってきたことを一番よく知ってる、だから応援したいけれど、離れたくないのも千鶴の正直な気持ちです。
順調に勝ち進む龍に、全校応援で迎えた準決勝当日、千鶴は「がんばれ！！」とは言えませんでしたが、「行ってらっしゃい！！」と精一杯に伝えるのでした。
誰よりも応援したい！！
葛藤を抱えたまま試合を観戦する千鶴。
試合がピンチが続く中、応援したいのにできず、千鶴は思わず席を立って離れます。
千鶴は、中学最後の試合に負けた龍と話したことを思い返します。
高校があるから、龍の野球が終わったわけではない、と。
「高校だったら、勝ち進んだら全校応援とかあるのかな、勝ち進んでよ！！」
あの時、そう言った自分の言葉に、千鶴はハッとします。
それが今なのに。
試合の歓声を耳に、応援席へ戻る千鶴。
ただ、物心ついてからずっとそばにいた龍が、突然いなくなってしまうことが怖くなっただけで、本当はいつも心の中で、そんな龍を千鶴はずっと応援していました。
やっとそのことに気付いた千鶴は、がんばれ、がんばれ、がんばれ！と、何度もフェンス越しの龍に向かって叫びました。
龍の帰る場所は千鶴、二人は将来を誓い合う…！？
龍の高校野球最後の夏が終わりを告げました。
試合終了後の夜、河原で座り込む龍に「なぐさめてやろっか」と声をかける千鶴。
終わったよ、と涙を浮かべる龍に、終わってない、と千鶴が告げます。
「大学がある」
何があってもここにいるから、安心して行っておいで、と本当の意味で「行ってらっしゃい」と言う千鶴の言葉に、必ず戻る、と誓う龍。
「その時は、家族になろうな」「うん」
「店、一緒にやろーな」「うん」
龍の帰る場所になろうと思ったら、あんなに離れるのが嫌だったのにすっきりした、と千鶴はのちに爽子たちに語ります。
龍は無事に大学に合格し、そして訪れた別れの日。
涙をこらえて強がる千鶴に龍はそっと耳打ちします。
「卒業したら、結婚な」
君に届け と、番外編の運命の人 やっと読み終わった〜😭😭😭
龍ちづペアが大好きなんだけど、このシーンほんとに最高すぎない？😭後半はほぼずっと泣いてたし、やっぱり人気作だけあってストーリー展開が良すぎる…くるみちゃんもとってもいい子で番外編で幸せになれて良かった😭💗 pic.twitter.com/86pzqwzjN9— なぁ (@maaaa_0712) October 3, 2023