この記事では、「ねくすとすてぇじ」で登場するダイヤのジャック・クイーン・キングについて、そして開催される「げぇむ」の紹介をしていきます。
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『今際の国のアリス』ダイヤのゲームとは?
今際の国で繰り広げられるゲームはトランプのマークと数字を模しており、それぞれのマークで特徴があります。
心理戦が行われる♡(ハート)、バランス型といわれチームワークが重視される♧(クラブ)、肉体型、身体能力が試される♤(スペード)、そして知能型、知識や閃きを試される♢(ダイヤ)など様々なゲームが行われます。
ダイヤのゲームは、ダイヤのキングであるクズリューが統括していますので公平で純粋な知能戦といったゲームが多いという特徴があります。
ダイヤのキングのルールや結末解説!
ダイヤのキングの会場は裁判所でした。
その理由はダイヤのキング・クズリューが元の世界で国際弁護士だったからです。
クズリューを含めて5人集まったところでゲームが始まりました。
ダイヤのキング「びじんとうひょう」は、有名な行動経済学の実験を基にしたゲームでした。
参加者それぞれに与えられたタブレットから、参加者は制限時間1分の間に0~100までの数字から1つ選びます。
次にその全員の選んだ数字の平均値を出し、その平均値を0.8倍した数字に最も近い者が勝者となります。
勝者以外の4人が1ポイント減点となり、これを1回戦とし、減点が10ポイントになると「げぇむおぉばぁ」となり殺されてしまいます。
例えば5人が選んだ数字の合計の数字の平均値が50だとすると、50に0.8をかけた40に最も近い数字を選んだ人が勝者となり、他の4人は減点となります。
ルールを聞いた参加者の1人である大門という女性はこれでは心理戦ではないか、知能を競うダイヤのゲームにふさわしくないと文句を言います。
それを聞いた同じく参加者のチシヤは、大門に対して、あらゆる知能戦も相手の手を読み合う心理戦であると言い、さらに答えます。
「ただし読むのは、相手の「心理」ではなく、「合理」だけど」
そして「げぇむ」が始まります。
この「げぇむ」は単純に考えると全員が0~100から数字を選ぶのだからだいたい平均値は50、それに0.8を掛けた40となります。
しかし、もし全員がそれを見越して40選んで平均値が40になると、0.8倍した数字は32になります。
さらにそれを見越して32を選ぶとまた数字が小さくなっていきます。
このげぇむは相手の「合理」をどこまで深読みできるか、チシヤが始め言っていた通りの展開になっていきます。
このゲームは回数を重ねていくと値は0に収束していき、最終的には全員が0を選ぶという戦略に行きつくことになると参加者は気付いていました。
4回戦になると数字は1.12となり、いよいよ0に近づいていきます。
全員が0を選べば5人が勝者となりポイントは動かないまま、ゲームは終わらなくなってしまいます。
そんな懸念が起こる中、そんな中、チシヤはクズリューに向かって、アンタが計りたがっているものがわかってきたよ、と呟きます。
次の5回戦でなんとチシヤは100を選び、0を選ぶことが最善とまだ理解できていなかった大門が1を選んで勝者となります。
このゲームは仮に全員が100を選んでも対象の数字は80、80以上の数字を選ぶメリットはありません。
「ブッ壊してみたくなっちゃった♪これも1つの限定合理性ってヤツ?」
となんでもないようにチシヤは答えます。
6回戦ではお返しとばかりに今度は大門が100を選んで、「げぇむ」は混沌としていきます。
クズリューはこの展開を予期していました。
この展開は自己犠牲でしか崩せない、そしてそれに応じる者がいなければ最初の犠牲者も救われない。命懸けの極限下でも利他心はあるのか?命は尊いのか?クズリューは命の価値を計りたがっていてこの「びじんとうひょう」をしていたのです。
その後ゲームは進んでいき、最後はチシヤとクズリューの一騎打ちとなります。
チシヤは、クズリューらは以前にも同じようにげぇむが行われた時の生き残りで、現実世界に戻れる可能性があったにも関わらず自ら望んで国民になったと予想していました。
そしてチシヤは、その上でなぜクズリューに今際の国の国民になったのかと尋ねます。
クズリューは重い腰を上げるような口調で口を開きます。
「世界の裏側を、自分の眼でみたことがあるか…?」
クズリューは続けます。
「弁護士として永い間、人命軽視のはびこる現実世界の裏側を見続けるうちに…わからなくなったんだ…命の価値が。」
とクズリューは悲し気な顔で言います。
それを聞いたチシヤは、自嘲気味に言います。
「人の命に興味が持てないオレと、自分の命にすら価値を見出せないアンタとで、底辺の決着をつけようか」
知能の頂上決戦であったはずのダイヤのキングの「げぇむ」で底辺の決着いう表現は皮肉な言い回しでした。
一騎打ちとなったこのゲームは0を選択した者がいる場合に限り、100を選択した者が勝利するというルールが追加されました。。
ルール変更で、公平を期すためにと、制限時間が5分取られますが、実質このげぇむは0と1と100のじゃんけんになったにも関わらず変わらず制限時間が伸びたことにチシヤは呆れたように言います。
「公平、公平…って、そろそろ押し付けがましくてうるさいよ…何がアンタを、そこまでさせるのかな…?」
クズリューはチシヤに語ります。
「1億円の手術で難病の我が子を助けたい両親の訴えを美談と称し、多額の寄付をする一方で、100円の予防注射で地球の裏にいる子供を救えるキャンペーンには目もくれない…この命の差は?救うに値する命とそうでない命はメディア次第…ただ、それだけのことなのか…?」
チシヤは顔色を変えずに答えます。
「仮に、その1億円で100円の予防注射を100万本用意できたとして、どの100万人を救う?1000万人がその注射を待ってたら、どの100万人を救うんだい?皆は救えない。やっぱり、平等にってのは無理なんじゃない?それとも、アンタには決められるってのかい?」
クズリューは呟くように言います。。
「…わからない。私にはもう、何を決めればいいのかも…」
クズリューの言葉を聞いたチシヤはハッキリと語ります。
「何を決めていいのかも分からない…か。そっか、つまりアンタは…命の価値がわからないんじゃなく、命の価値を自分で決められない、平等だなんだと拘って、本当はアンタが一番、人の命に優劣をつけたがってるんじゃないのか?」
クズリューは動揺した表情を見せますが、何も答えられません。
「子供のようになんで?を繰り返すアンタに…オレが、ささやかな手助けをしてやるよ。」
と言い、クズリューに向かって自分が100を選択したタブレットを示し,クズリューに問います。
「ここに…死に向かって突き進む命がある。この命に価値が、あるのか?ないのか?アンタが自分で決めてみなよ♪」
クズリューは困惑します。
この時点で-9ポイントのチシヤは100を選んだ以上、チシヤはクズリューが0以外を選んだ場合死んでしまいます。
クズリューはこんなのは望んでいない、公平に「げぇむ」で決着をつけようと0を選択し、チシヤが勝者となります。
しかし次もチシヤは同じことをし、クズリューも決められずチシヤの勝利となりポイントは互いに-9ポイントとなります。
「これが…狙いなのか…?私には決められない…そう踏んで、この同点の状況に持ち込むのが狙いだった…?」
クズリューはチシヤに問いますが、チシヤは苦笑いしながら答えます。。
「それも悪くないけど…残念ながらオレは…人の命ってやつにも、くだらない「げぇむ」にも、どうしても関心が持てなくて…今やオレ達の興味は、同じだろう?オレも知りたいんだよ。アンタが最後に押す数字を。」
そういってチシヤは最後の最後にも100を選択したタブレットを示します。
覚悟を決めたように、クズリューは言います。
「…わかったよ…私が、決めさせてもらおう…」
クズリューは前から、自分には命の価値もその差異もわからないし、この先もそれを決められる日は来ないだろうと考えていました。
だとするならば、自分が決めることは命の選別ではなく、この絶望にまみれた世界で、どう生き、どう死にたいか、自分の理想を追うことであると決めます。
クズリューは弁護士時代に法廷で自身が語った理想を思い出していました。
「「命の価値は平等である」この世界が不条理に満ちていると誰もが感じているからこそ、「理想」を持つことが何よりも必要なのではないでしょうか?」
そしてクズリューは制限時間ギリギリに、0と1両方を同時に押しました。
それを見たチシヤは驚き混じりに言います。
「…そっか、アンタは…命の価値を、「自分では決めない」ことに、決めたんだね…」
同時に押した結果はクズリューは0を選んだことになり、チシヤが勝者となりクズリューは-10Pとなり、「げぇむおぉばぁ」となります。
「いつもの…しかめっ面はどうしたんだよ?それだとまるで…理想を捨てるくらいなら、そのために死ぬことになっても悔いなんてない-って顔じゃんか…」
クズリューは穏やかな笑顔を携えて言います。
「だとしたら私は…ようやく自分の生き方を決められたんだな…君のおかげだ。」
そしてその直後クズリューは死んでしまいます。
クズリューが悩み続けていた命への関心は最後の最後に自身の理想と共に答えを見つけた、スッキリとした終わりでした。
ダイヤのクイーンはあった?
ダイヤのクイーンは「げぇむ」の描写はありませんでしたが、初日に他のぷれいやぁ達がクリアしていたことが後に明かされ、実はこれをクリアしていたのはアン達でした。
ねくすとすてぇじが開催してすぐにスペードのキングの襲撃にあったことでアリス達とはぐれてしまったアンでしたが、そのすぐ後にダイヤのクイーンをクリアしていたのです。
クイーンの絵札のゲームですので、相当な難度だと思われますがあっさりとクリアしてみせたアンはさすがです。
この他にも絵札のゲームはダイジェストで終わってしまったものも多くありました。
連載当時はそれらのげぇむの様子をスピンオフで見たいという声も多くありました。
ダイヤのジャックはどんなゲームだった?
ダイヤのジャックはチシヤがダイヤのキングに参加する前に行ったゲームです。
「まぁじゃん」と呼ばれ4人で麻雀を行い、トップだけがクリア、2着以下は「げぇむおぉばぁ」となります。
通常の麻雀に加え、暴力団代打ちであった経験を持つダイヤのジャックに有利な関西ローカルの特殊ルールが混ぜられており参加者たちは苦戦します。
そんな中、麻雀の経験はあまりないと語っていたにも関わらず、チシヤがダイヤのジャックを上回りトップにつけて最終局面を迎えます。
チシヤが親の巡で、ダイヤのジャックがリーチをし、役によってはダイヤのジャックが逆転できるという状況になります。
ダイヤのジャックの上がり牌はツモでもロンでも狙える有利な状況になり、確実な勝利を求め、計算してチシヤを上回れるように、勝てそうな牌も見逃します。
しかし、その後チシヤの策略で、ダイヤのジャックが定めた関西ローカルのルールによってダイヤのジャックは思うような牌が来ず、この場を流して次に持ち越そうとします。
場が流れそうになったところで、なんと他の参加者がダイヤのジャックから国士無双という高得点高難度の役を直撃され、ダイヤのジャックはチシヤを上回れず、このゲームはチシヤの勝利に終わります。
1人勝ち残ったチシヤは場に残った牌を確認します。
実はダイヤのジャックが確実な勝利を求めて見逃した一番最初のチャンスを見逃さなかったら、裏ドラが乗ってチシヤを逆転出来ていました。
「所詮は安全思考の合理主義者か、リスクを取らないと博打には勝てないよ。」
と呟き、自身の知的好奇心を満たすものを探すためにダイヤのキングの会場に向かっていきます。
ダイヤの6と4のゲームを紹介!
ダイヤの4
ダイヤの4「でんきゅう」はアンを中心にビーチのメンバーがクリアしたゲームです。
このゲームでは部屋には電球が1つ、ドアを挟んだもう1つの部屋にスイッチが3つあり電球がつくスイッチは1つだけです。
ドアが閉じている状態では何度でもスイッチを押せますが、開いている状態でスイッチを押せるのは1度だけ、というルールです。
解答権は1度だけで、部屋には時間と共に水が溜められて水面が高圧電線に触れると全員が感電死してしまうという極限下でした。
どんどん嵩が増していく水位に焦る参加者ですが、アンは冷静でした。
まずドアを閉めた状態でAのスイッチを押し、しばらく動かずただじっと待ちます。
刻々と上がる水位に周りの参加者が、いつまで待つつもりだと怒り狂う中、アンは今度は1度しか使えない、ドアを開けた状態でBのスイッチを押します。
しかしBの電球はついておらず、AかCを勘で選ぶ2択になってしまったと参加者は絶望します。
しかしアンは冷静に、Aの電球を手で触って熱くなっていればさっきまでついていたAが正解、冷たければCが正解だと言います。
「これで4人が生き残る確率は、100%。」
ビーチの幹部でもあるアンの実力が示されたゲームでした。
ダイヤの6
ダイヤの6は「ぶらっくじゃっく」と呼ばれ、チシヤが今際の国にやってきて初めて参加したげぇむです。
ルールは通常のトランプのゲーム・ブラックジャックと同じで、チップを賭け、トランプの数字で21以内で最も近い数字を作った人の勝利となります。
制限時間は1時間、参加者5人の中で最後の1人になるまで勝ち残ることがクリアの条件という短期決戦です。
そのチップの数が、今際の国における滞在可能日数「びざ」によって決められ、1時間1枚、今際の国にきたばかりのチシヤは5枚しかない状態でスタートしました。
ブラックジャックのルールもわからないチシヤに対して、周りの参加者はギャンプラーや裏社会の人間、マジシャンなど専門の人間が集まっていてチシヤは圧倒的に不利な状況に思われました。
しかし、チシヤはその頭脳を活かして独自の方法で場に出たカードを数えることで確率論に沿った予想をし、着実にチップを増やしていきます。
明らかにカモだと思われたチシヤの躍進に場の展開は大きく変わっていきます。
それぞれの参加者がイカサマをし始めて、段々とチシヤは劣勢になっていきます。
このゲームで禁止とされていたのは「不正なチップのやり取り」そして「不正な制裁」でした。
つまりイカサマ行為に関してはバレない限りは容認されるということでした。
トランプを用いた知能戦、イカサマも技術の1つということでしょう。
チシヤも他の参加者がイカサマをしていることはわかりますが、決定的な証拠があるわけでもなくじりじりと追い込まれていきます。
制限時間も迫る中、トップの男が勝負に出ます。
ルールでは賭けるチップの上限は親の持ちチップ、つまり上限まで賭けて親が敗れれば一気に親の人物を「げぇむおぉばぁ」にすることが出来ます。
この勝負で1人が脱落し、次の親であるチシヤに対してもトップの男は上限を賭けてチシヤを潰しにかかってきます。
この状況でチシヤはこれまで自身で使ってこなかったイカサマを使い相手を出し抜き危機を乗り越えます。
次の親はマジシャンの男で、カードを配る時にイカサマを仕掛けてきますが、トップの男が突然の大声を出したことで手を止めてしまい、イカサマの現場が露わになります。
すると会場にブザーが鳴り、マジシャン以外のテーブルの前に用意されたブザーが光り、ブザーを押すと用意された1発だけ弾が入った銃が使えました。
ルールにあったのは不正な制裁でしたので、イカサマに対する正しい制裁なら問題はない、とトップの男がマジシャンを撃ち殺します。
これで残りは3人、トップの男がチシヤともう1人残っているお婆さんの3倍近いチップを持っており、絶望的な状況に思われました。
しかし、チシヤは余裕の表情を見せながら、トップの男が親でカードを配っている時に、イカサマをしているのではないかと発破をかけます。
当然男は否定しますが、チシヤはお婆さんとアイコンタクトをし、なんと自身が隠し持っていたカードを握りつぶして場に放り投げます。
明らかなイカサマの現場、としてブザーが鳴ります。
銃弾は1人1発ですので、トップの男は先ほど使ってしまったのでこの場でチシヤに制裁を加えることが出来るのはお婆さんだけです。
銃を手に取ったお婆さんはその場でチシヤではなくトップの男を撃ち殺します。
トップの男はやはりイカサマをしており、正しい制裁をしたお婆さんにもお咎めはなく、ついに残り2人になります。
チップの枚数は同数でしたが、お婆さんは銃を使ってしまったため今後チシヤがどれだけイカサマをしても制裁を加えることは出来ない状況でした。
それがわかっていたお婆さんは諦めながらさっさと済ませてしまおうと言います。
するとチシヤは最後くらい恨みっこなしで終わらせたいよね、と驚きの提案をします。
全てのチップを賭けて、互いに2枚のカードを裏向きに配ってそれで勝負するというのです。
確実に勝てるチャンスがありながら最後は運任せの選択をするチシヤにお婆さんは困惑しますが、チシヤの眼を見て察します。
チシヤは自信があるわけでもなく、度胸があるわけでもなくただ「生」への関心がないだけなんだと。
「哀しい…人なんだね…」
最後の運任せの勝負は劇的な展開もなく、7と6の役という低レベルな勝負でチシヤが勝利しました。
これまでに何があっても動じてこなかったチシヤのルーツが明かされた、チシヤにとって初めてのゲームでした。
『今際の国のアリス』ダイヤのキングの実写キャストは誰?
ダイヤのキングであるクズリューのキャストは阿部 力さんです。
シーズン1ではビーチの王として漫画版よりも存在感を示したボーシヤの右腕として、ビーチNo.2の位置にいました。
活躍する機会はあまり多くありませんでしたが、ビジュアルの完成度の評判は高かったです。
シーズン2では「てんびん」という名前のゲームでチシヤとの熱い戦いが繰り広げられ、要注目です!