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続いて『ゴブリンスレイヤー』第9巻に収録されているエピソードのネタバレ感想をご紹介します!
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『ゴブリンスレイヤー』9巻のネタバレ紹介!
第41話
激しい吹雪の中、とある冒険者のパーティーがゴブリンの集団と戦っていました。
そのパーティーの中心にいるのは、見目麗しい令嬢の剣士です。
彼女の剣術はゴブリン相手には十分で、さらに令嬢剣士は呪文使いでもありました。
さらに仲間には半森人(ハーフエルフ)の女戦士、圃人(ホビット)の斥候、鉱人(ドワーフ)の僧侶、只人(ヒューム)の魔術師がいます。
前衛、遊撃、後衛のバランスのとれたパーティーはゴブリンの集団を危なげなく撃破します。
彼らは北の寒村からゴブリン退治の依頼を受け、その本拠地とされる洞窟に向かっている途中でした。
初戦とも言える雪中での遭遇戦に見事勝利し、彼らは意気揚々と目的地に進んでいきます。
令嬢剣士は「洞窟に潜むゴブリン相手なら秘策有り」と、メンバーに作戦を伝え始めるのでした。
その数週間後、ゴブリンスレイヤーとその一団が雪山を進んでいました。
彼らは湖の町の大司教「剣の乙女」からの依頼ではるばる北の大地に来ました。
その依頼とは次のようなものでした。
さる令嬢が親元を飛び出し冒険者となった。
依頼を受けて出立したが消息不明となった。
そのため令嬢の両親が捜索依頼をギルドに持ち込んだ。
そして令嬢の請けていた依頼はゴブリン退治だった。
「高位冒険者に任せたい」という両親の希望を満たす冒険者として、小鬼殺しで第三位の銀等級に上り詰めたゴブリンスレイヤーに白羽の矢が立ちました。
剣の乙女が綴った文面はゴブリンスレイヤーの身を真摯に案じており、恋文ともとれる内容でした。
パーティーの中で女性である、妖精弓手は興味津々に手紙を読み、女神官は恥ずかしがりながらも手紙を受け取るのでした。
妖精弓手は森人(エルフ)ということもあるのか、さほど凍える様子を感じさせずいつもの軽口を言います。
そんな彼女を髭を蓄えた鉱人道士がからかい、パーティーにとってはいつも通りのやり取りが起こります。
一方、パーティーの一人である蜥蜴僧侶(リザードマン)は種族の弱点故か寒さに震えていました。
雪道を進みながらパーティーはゴブリンが冬の村を襲った原因について話します。
「獣なら収穫期の秋に村を襲うのに」と女神官は思いますが、そこで女神官はゴブリンが冬を選んだ理由に思い当たります。
それは村人が秋に収穫し蓄えた食糧を略奪するという、ゴブリンならではの悪辣さによるものでした。
そんな雑談をしていた一行でしたが突然、五感に優れる妖精弓手が異変に気づきます。
遠方で上がる煙、人々の悲鳴、火事の臭い。
ゴブリンによって村が襲われている証拠でした。
略奪に夢中になっているゴブリンを奇襲するため、ゴブリンスレイヤー一行は駆けだします。
彼らが辿り着いた時には既に、ゴブリンによる襲撃がひと段落していました。
ゴブリンに攫われそうになっている少女を救い、少女からゴブリンが村人を村の中央に集めていると情報を得ます。
一行は二手に分かれて村人の救出とゴブリンの殲滅を同時進行することにしました。
ゴブリンスレイヤーは女神官とゴブリンの殲滅を担当します。
二人は広い十字路の中央に陣取り、背中を合わせながら襲い来るゴブリンを迎え撃ちます。
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第42話
背中を預けあったゴブリンスレイヤーと女神官はゴブリンの集団を迎え撃ちます。
ゴブリンスレイヤーは自分に迫り来るゴブリンを確実に倒していきます。
女神官も倒せこそしませんが、杖で近づかれないよう牽制し、ときにゴブリンスレイヤーと位置を換えて彼の補助を行います。
ゴブリンの一体に杖を掴まれて一瞬窮地に陥りますが、閃光を発する神官の奇跡を使い難を逃れます。
10匹目を倒したところで、彼らに襲いかかっていたゴブリンの集団は途切れました。
ゴブリンスレイヤーは、ゴブリンが村で「殺しや犯しもせずに人を集める」という組織的な行動に違和感を覚えます。
しかし広場の状況が進んだことに気づき、彼らはそちらに向かいます。
広場では鉱人道士の術によりまとめて行動不能となったゴブリンが殲滅されていました。
助け出された村長は噂に聞いたゴブリンスレイヤーが来たと感激します。
さらに村人達と協力し、負傷者の手当て、死者の葬送を進めていきます。
その最中、ゴブリンが一体村から逃げようとします。
妖精弓手が発見し矢を放とうとしたときに、ゴブリンスレイヤーがあるものを投げ渡します。
それは先端の鏃がわざと外れるよう細工した弓矢でした。
ゴブリンスレイヤーはゴブリンの巣を潰す手段の一つとして、鏃が抜けず手当てのできないゴブリンから疫病が蔓延するという策を考えていました。
妖精弓手の放った矢はゴブリンに命中し、鏃が刺さったままのゴブリンは苦しみながらも逃げ帰っていきました。
ゴブリンを撃退した一行ですが、ゴブリンスレイヤーはその経験から村を襲っていたのは先見隊にすぎず、後詰めの部隊も直ぐに追撃の必要があると考えます。
しかしゴブリンにとって有利な夜が迫っていること、 日に回数制限のある術の回復の必要、死者の埋葬もあり、その晩は村に一泊します。
村には温泉が湧いており、女神官は笑みを浮かべながら湯に浸かっていました。
温泉を始めてみる妖精弓手も初めは恐る恐るといった様子でしたが、お湯に入ると至福の表情を浮かべます。
気分も落ち着いた女神官は、妖精弓手に冒険者になったきっかけを聞きます。
森人として充実した生活を送っていた彼女でしたが、ある日河を流れていく葉を見つけ、単なる興味からどこまでも追いかけていきます。
そして追いかけていった先で見つけたのは、只人の作った堤で止まっていた葉という光景でした。
森を出て追いかけ続けた結果としては、何の劇的さもないものでした。
しかし妖精弓手はそれをきっかけに冒険者になります。
きっかけを話した後 妖精弓手は女神官を羨ましそうに見ながら話します。
それは悠久の時を生きる代わりに成長のない森人が持つ、数年で成長する只人に対しての憧れでした。
逆に女神官は若い姿のまま長い時を生きる森人への憧れを口にします。
「もし森人に生まれたら」という憧れを考えて、女神官は「もし ~だったら」という他の考えも心に浮かびます。
女神官は初めての冒険で、彼女以外のメンバーが全てゴブリンに蹂躙されてしまったという過去があります。
もしその時自分がもっと上手く戦えていたら、蹂躙された彼らを救えていただろうか。
そして今日のようにゴブリンスレイヤーと共に戦うことはできているが、もしもっと力があれば恐らく死ぬまでゴブリンと戦い続けるであろう彼の生き方を変えることはできるだろうかと考えます。
妖精弓手もゴブリンスレイヤーについては同じことを考えており、ままならない人生を憂いつつも明日への英気を蓄えていくのでした。
第43話
村の酒場でゴブリンスレイヤーとその一行は暖を取りながら、後日の作戦を練ります。
どうやら捜索を依頼された令嬢剣士とそのパーティーは、この村で食材、材木を買い占めていったようです。
その狙いはゴブリンの兵糧攻めでした。
しかし令嬢剣士達が出発してから数週間経っており、 彼女らの状況が良いものとは思えませんでした。
兵糧攻めの食料頻出で村にも余裕は無く、 令嬢剣士の救出をするためにゴブリンスレイヤーはゴブリンが次に襲ってくる前に速攻で片をつけようとします。
後日、ゴブリンスレイヤーと一行は雪山を登っていました。
村までの道のりよりも寒さはより厳しく、 蜥蜴僧侶や妖精弓手も寒さに凍え悲鳴を上げていました。
ゴブリンが潜んでいるとされる洞窟を見つけ、一行は近くで暖を取り体を休めます。
休憩しながら妖精弓手は、好物のチーズをかじる蜥蜴僧侶に話しかけます。
蜥蜴僧侶は冒険をしながら位階を高め、伝説の竜になることを目的としていました。
彼が今の性格のまま永久を生きる竜になれば、乙女や宝石を好まないチーズ好きの竜が誕生します。
それを想像して笑った妖精弓手は、竜と同じように永久を生きる自分がいずれ会いに行くと蜥蜴僧侶に約束します。
休憩を終えた一行は洞窟へと進入します。
入り口には令嬢剣士の仲間と思われる女戦士の死体がありましたが、彼らは先へと進みます。
分かれ道をゴブリンスレイヤーの判断で進むと、そこではゴブリンの集団が採掘作業をしていました。
女神官の光の奇跡を目眩ましとして、一行は奇襲を仕掛けます。
順調に撃破していきますが、一匹のゴブリンの放った矢が妖精弓手の足に刺さります。
その場に居たゴブリンを殲滅し、妖精弓手の手当てのため矢を抜こうとします。
しかし妖精弓手の足に刺さった矢は鏃のみが足に食い込んで、矢の柄は外れていました。
それはゴブリンスレイヤーのとった戦術をゴブリンが模倣したものでした。
しかもその矢を放ったゴブリンはかつて村から矢を受けながらも逃げたゴブリンであり、そのゴブリンは矢傷が治療されていました。
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第44話
ゴブリンスレイヤーは治療のため、妖精弓手の足を斬り鏃を抜きます。
その上で蜥蜴僧侶が治癒の術を施し、妖精弓手は激痛に悶えますが無事に回復します。
一行はさらに進み、洞窟の奥にある部屋へと入ります。
その部屋にはゴブリンから凌辱を受けながらも、まだ息のある令嬢剣士が横たわっていました。
令嬢剣士の首筋には焼き印によって付けられた紋章がありました。
それは緑の月と呼ばれる紋章で、人間にとっては邪神と呼ばれる覚知神を示しています。
それは悪意を持った人間やゴブリンに、無差別に世界を滅ぼす外法を与える覚知神の紋章でした。
「ゴブリンは緑の月から世界にやってきた」と世界には伝えられており、ゴブリンスレイヤーは相手の親玉がゴブリンであると確信します。
しかしこの地に来てから遭遇したゴブリン達の行動は「ただのゴブリン」ではありえないものでした。
一行は今までの事実を振り返り、集団を統率する親玉がどのような存在なのか考えます。
矢傷を受けたゴブリンの治癒を行う。ゴブリンを統率し人を襲う。そしてゴブリンの神を崇拝し、ゴブリンにとっての邪教に抗う存在。
これらの要素からゴブリンスレイヤーはたった一つの可能性に行き当たります。
それは小鬼の聖騎士、ゴブリンパラディンが居るということでした。
ゴブリンスレイヤー達が雪山を訪れる数週間前、令嬢剣士とその一行はゴブリンに兵糧攻めを仕掛けていました。
ゴブリンが潜む洞窟の入り口を木材で塞ぎ、 飢えてその隙間から出ようとするゴブリンを一行は倒していきます。
令嬢剣士は「村のためには一匹も逃がすわけにはいかない」と考え、兵糧攻めを提案しました。
メンバーの数人から反論はありましたが案は実行され、事実一人の負傷者も出さずゆっくりとゴブリンを倒すことには成功していました。
しかし極寒の中、兵糧攻めの長期間に及ぶキャンプは確実に一行の精神を蝕んでいました。
食料、燃料も遂に底を付き始めます。
撤退も考えましたが「ゴブリン退治から逃げ帰った冒険者」にはなりたくないと体面を気にした彼らは続行を選び、メンバーの一人が村へ食糧を補給に行くことになります。
令嬢剣士は他のメンバーから半ば強要される形で、吹雪のなか村へと向かいます。
間章 初めてのお出かけのお話
こちらは雪山に赴く前の、女神官が旅の準備をする話です。
原作小説の著者が描いたショートストーリーとなります。
官は春、夏、秋と様々な遺跡や町に赴きゴブリン退治を繰り返してきました。
ゴブリン退治しかしてないことに自ら呆れますが、初めての冬のゴブリン退治、しかも雪山という依頼に対し、女神官はこれまでの経験を活かし仲間には頼らず自分で準備をしようとします。
神官として慎ましく必要最小限の食料や防寒着を女神官は購入します。
しかし初めての一人での冒険の準備ということで気分の乗った彼女は、獣人のようなもこもこの外套も購入しようと考えます。
初めての冬の冒険に女神官は不安もありましたが、その顔には未知への期待をするように小さな笑みが浮かんでいました。
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