失せ物探しや事件を推理する「当て屋」を生業とする椿と、同じ長屋に住む春画絵師の鳳仙の二人が繰り広げる和物怪奇ミステリー、それが「当て屋の椿」です。
そんな当て屋の椿に登場するキャラクターの一人に篝（かがり）という少女が居ます。
彼女は椿の親友であり、吉原の遊女でありながら不思議な力で未来視や託宣を行い、吉原の巫女と呼ばれています。
様々な難事件をその能力で用いて椿に助言を与え、解決に導いてきた物語の主要人物の一人ですが、とあるお話で悲しくも無残に殺されてしまいます。
今回は当て屋の椿の篝についてまとめ、以下の順番で解説していきます。
『あがほとけ』『天の果て』の重要なネタバレを含みますので、未読の方はご注意下さい。
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『当て屋の椿』篝のプロフィール紹介！託宣とは？父親は？結婚は？
#死んで欲しくなかったキャラ晒す
当て屋の椿の篝かなあの死に方はダメだよ… pic.twitter.com/FZWWfMXyhR
— スガ@野良猫 (@suga_noraneko) December 11, 2019
篝は知的能力に障害を持っていると思われる女性で、その話し方は幼子そのもので、喜怒哀楽を隠さずに表現する性格です。
吉原でも一、二を争う美貌を持つ遊女で、好みの男性に他の女性の影があると泣いて喚くほどです。
篝は主人公である椿（つばき）の親友であり、椿も篝の事をまるで姉妹のように振舞っています。
そんな篝は、右目を閉じると千里眼の様な能力を発現し、予言を行ったり、相手が望む情報を与えるという特殊な能力を持っています。
この能力を使って、椿に事件解決のヒントを与えたり、彼女の託宣を受けに多数の人物が訪れます。
【再掲】
【当て屋の椿】https://t.co/NiInukHL9Uヒロイン椿の大親友・篝(かがり)は未来予知が可能な遊女で、その縁で本編途中まで頻繁に遊郭が登場した。また本作には多数の魅力的な女性とエロシーンが登場するが、主人公・鳳仙は性的不能のためか当人に艶っぽいエピソードは無い。 https://t.co/Nj1CvKvbHu pic.twitter.com/gFCVZdIq2F
— おぎの稔議員元ネタ解説bot (@oginomatomewiki) February 19, 2021
結婚はしておらず、父は不明です。
篝の過去を考察！ハル・セリとは？
篝はどのような過去を持つキャラクターなのかについて解説していきます。
篝は椿と同じように流刑島の出身ではないかと考えられます。
トレンドにつーちゃんってあって当て屋の椿の篝が椿を呼ぶシーンしか出てこなくて泣きかけた(最推し・篝) pic.twitter.com/PM26LQIU88
— 華瀬@🍮と🍰 (@f91_8902) February 5, 2020
第８８話で椿と篝は幼馴染である描写があり、椿は第１０１話から始まる『天の果て』で描かれている通り、流刑島で生まれた事がわかります。
椿と篝が実際に流刑島で育った描写はまだ描かれていませんが、登場人物の特徴から、流刑島に居た事が推察されます。
『天の果て』では奴隷船で反逆を起こし、流刑島に降りたセリや棕櫚（シュロ）を中心に物語が描かれます。
流刑島には山巫女様と呼ばれる、託宣を行う少女が居ます。彼女は感情も無く言葉を発する描写も無く、髪も無い為人形の様な少女です。
その巫女も右目を閉じて左目だけ開くと未来予知を行う描写があり、篝との共通点を持っています。
また、セリの仲間にハルという少女が居ますが、彼女は生まれてから親に『いらない方』だと山に捨てられています。
『二度と開かぬように、二度と語らぬように』口と左目を縫われた状態でです。
その後セリに助けられますが、彼女も左目だけ目を開くと未来予知を行っている描写があります。
この事から恐らく巫女とは双子の姉妹であり、巫女が二人いる事を忌み嫌った親に捨てられたものと思われます。
ハルは成長した篝とは雰囲気もかけ離れている為、同一人物の可能性は低いですが、彼女も同じように右目を閉じて未来視を行うことから、可能性はゼロではありません。
『天の果て』での一連の騒動の中、ハルは棕櫚を救う為、セリと椿に助けを求めようとしますが、二人が不在だった為、縫われた左目を開けて未来視を行って二人を探そうとします。
しかしそこで大好きなセリの無残な姿を見てしまい、彼女の感情が壊れてしまった結果、今の篝のようになったとも考えられます。
ハルがセリの事を思い出さないように、名前を篝に変えたという可能性も捨てきれません。
山巫女は『天の果て』の中で椿と接点がない為、ハルを篝と考える人もいるようです。
篝の最後はどうなったのか？死亡した？生きている？ネタバレ
その能力で事件を解決に導いていた篝ですが、突然殺されてしまいます。
第79話で「顰に倣う黒ねずみ、月に喘げ」という託宣を残し、そのまま殺害されます。
次の第80話で椿と鳳仙が篝の死を確認します。
篝はまるで生花のように体を固定されて死亡していました。
両腕・右足を切断された篝はまさに花のようで、そんな篝を見て椿は冷静沈着に「何流かね？」とつぶやきます。
鳳仙は、大切にしていた篝の死を前に狼狽えもしない椿を責めますが、本当は椿は篝を殺した犯人を見つけだして殺す為に、冷静に謎解きをしていただけでした。
篝の死の真相とは？犯人は孔雀？
篝の死に関しては第６５話す～第７８話「あがほとけ」の中で展開されます。
「あがほとけ」の物語は相手が欲しがる言葉を授ける事で崇拝を得ていた鈴懸を長とした一派が起こした騒動です。
初めはほんの偶然でしたが、鈴懸の発した言葉が真実になり、それが何度か続いたことで自分を託宣者と勘違いします。
鈴懸を信奉する人間が集まり、いつしか鈴懸様と呼ばれるようになりますが、実は鈴懸が発した言葉が真実になるように、信奉者が裏で手を回していただけでした。
その手回しをしていたのが孔雀（＝雁の使い）でした。
（椿は物語の中で雁の使いを下記の通り説明しています）
『雁の使いとは、大陸で敵に捕らわれた男が雁の足に文を結んで送った事から、文の事や文を運び人を指す。孔雀は鈴懸の文を家族（群れ）に配る役回りだった』
鈴懸の信奉者は鈴懸の前で、篝の話をします。
『素晴らしいご託宣で、吉原の巫女も跣で逃げ出しちまいますよう』
『美しい遊女で、託宣をする』
『初めは訳の判らぬ事を言うが、いざとなった時にこの事か！！と導いてくれる』
『顔を拝むのも難しいが、そこがまたそそる』
信奉者の心が自分ではなく、篝にも向いている事にも気づいた鈴懸は篝を邪魔ものに感じ、『その巫女は死ぬ』と託宣します。
この時点で鈴懸は、自分に託宣の能力が備わっていると完全に勘違いしており、自分が言った事が真実になると思っていたのだと推測されます。
そして、孔雀はその託宣を実行に移してしまうのでした。
篝を殺した犯人とその後は？棕櫚の裏切り
当て屋の椿
このシーンはざまぁみろクソガキ
篝の痛みはそんなもんじゃないぞって感じ
出てくるキャラはほぼ毎回全員死ぬけど、言葉遊びと椿の犯人の深層心理から謎解きしていく感じが好き pic.twitter.com/8aSUtfjLen— 山吉新八郎 (@375c5777be41d) May 7, 2017
そもそも篝を殺した孔雀とはどのような少女なのでしょうか？
孔雀は鈴懸の妹の様な存在で、先述の通り花売りをしながら鈴懸の託宣を実現する為に、信者に手紙を配る役割を持っていました。
初めは信奉者の一人で、只の少女という描写でしたが、とんでもない病を抱えていました。
彼女は多重人格者で、人格が変わると身体能力も変わるのです。
人格の中には棕櫚も居て、第８１話で棕櫚が『ひょっとして俺に篝を殺させたのか?非道ぇな』と発言している通り、篝を殺したのも棕櫚に人格が変わった時でした。
その後、孔雀の元に日輪がやって来て殺されかけますが、ふとやってきた棕櫚と激闘を繰り広げ日輪が瀕死の重傷を負っている事から、棕櫚もかなりの強者である事が想像できます。
大江戸吉原ミステリー「当て屋の椿」、アニマルで2年ぶりの連載再開 https://t.co/A8OEPd83oE
めっちゃ嬉しい
２年ぶりとかまじか、棕櫚かっこよくて好きだったなぁ
全巻集めてたのに急にコミック出なくなった時はへこんだわ pic.twitter.com/zPDBmZPSa6— Saku (@Saku_ganbaranai) October 25, 2019
しかし、先述の『天の果て』で棕櫚とセリを助ける為にやって来た赤樫一行の中に日輪もおり、二人はそこで出会っていると想像出来ます。
言わば棕櫚にとって日輪は命の恩人の一人であり、孔雀を助ける為に棕櫚が取った行動は恩を仇で返す行為となります。
先述のハル＝篝であれば、孔雀は棕櫚にとって仲間を殺した仇であり、そこまでして棕櫚が孔雀を助けたのは、孔雀を簡単に死なせないようにする為と思われます。
孔雀を助けた後、死んだ鈴懸の信奉者の死体を持って来て、更には貢物を回収しに来た元信奉者達（を殺したと思われます）を孔雀の人格として植え付け、苦しめる描写があります。
最終的に孔雀が犯人であると突き止めた椿により全員の人格を殺され、意識が朦朧とする中止めを刺されます。
棕櫚やその仲間達の『天の果て』以降についてはまだ描かれておらず謎が残りますが、現状篝を中心とした考察は異常になります。