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『九龍ジェネリックロマンス』3巻は漫画アプリ『ヤンジャン』で読める
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『九龍ジェネリックロマンス』3巻ネタバレ紹介!
第18話
工藤が九龍で暮らし始めて約一週間が経った頃の過去回想から第18話はスタートします。
この時、令子は32歳、工藤は30歳です。
職場の先輩である令子は、工藤を引き連れ、ひよこ屋さんにやってきました。
このひよこ屋さんは、第12話で、現在の令子と工藤が訪れて修理をしたお店と同一で、この頃から現在まで付き合いは続いているようです。
ひよこ屋さんを後にすると、工藤は疲れが溜まっていたのか急に立ちくらみを起こし、へたりこんでしまいました。
ここから近いから休んでいく?と、令子は工藤を自室に招きます。
ぼーっとする頭で、令子の部屋番号である「8」に反応する工藤。
以前、工藤の下の名前の「発」について、令子が言ってくれた言葉が印象に残っているようです。
8という数字は、日本でも香港でも縁起の良い数字で、その所以は発財(財産が貯まる)の「発」と「8」の発音が似ているからだそう。
それ以来、工藤は「8」という数字を特別に感じています。
遠慮しながらも令子の部屋に入る工藤。
ぼーとするので目を覚まそうと、台所で水道を借り、顔を洗います。
台所には、歯ブラシセットが置いてありました。
それを見て工藤は、令子は案外粗忽者な一面を知りました。
そこに、令子から、冷蔵庫にある水を飲むよう薦められます。
工藤が冷蔵庫を開けると、ガラスコップに入れられキンキンに冷えた水が入っていました。
令子は、水道水をガラスコップに入れて冷蔵庫で一晩置き、毎日カルキの匂いを抜いているようです。
令子の生活のクセをいろいろと見つけて、感じ入っている工藤。
さらにどんなクセがあるのかを見つけるように、部屋を見渡します。
急に令子から話しかけられて我に帰り、ドキッとした表情を浮かべる工藤。
そんな彼に、九龍での暮らしはどうかと令子は尋ねます。
工藤は、以前令子が言っていたように、なぜか九龍に対して懐かしさを感じる感覚をちょこちょこ体験していると答え、しかし懐かしいとは一体なんなのだろうと問いかけます。
令子は、懐かしさとは記憶や経験によらずとも昔から知っていたような心が高揚する感覚のこと、そして「この胸に閉じ込めたい」と思うことではないかと答えます。
だから、恋と同じだと。
そう言って微笑む令子を、工藤はぼんやりと見つめます。
今までベランダにいた令子は、洗濯ものの山を抱えて部屋に戻ってきました。
その一番上にはセクシーなショーツが…。
それを見てしまった工藤は、ちょっとは気にしてくれと頬を赤らめます。
その姿を見て、今まで饒舌だった令子は急に黙ります。
工藤も、頬を赤らめたまま黙っています。
ここで回想は終了。
この後、二人はどんな時間を過ごしたのでしょう。
第19話
休日に職場用の買い出しに赴いた令子と工藤。
その店先で、飼っている金魚用にぴったりなステキな水槽を見つけた令子。
荷物が多いので買うかどうかを悩んでいると、家まで運んでやるから買えと工藤が言ってくれました。
お言葉に甘えて運んでもらい、その流れでスーッと部屋に入ろうとする工藤を慌てて制する令子。
慌てて片付けてから、工藤を部屋に招き入れます。
ふと、台所に目をやると、歯磨きセットが。
過去の令子と同じように、現在の令子も台所で歯磨きをしているようです。
おもむろに勝手に冷蔵庫を開ける工藤。
しかし、そこにはガラスコップに入れられた水はありません。
過去の令子との共通点を探すように部屋の至るところに目を向ける工藤。
工藤は、一人ボソリとつぶやきます。
「…久しぶりだな。」
タバコを一服して、令子の部屋を後にした工藤。
彼を見送り、部屋に一人になった令子のつぶやきで、第19話は幕を閉じます。
「…また、きてくださいね。私の部屋に…」
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第20話
工藤が出勤すると、デスクの上に一輪の向日葵が活けられていました。
その向日葵は、令子からのプレゼントでした。
水槽を運んでもらったお礼とのことです。
そこに、小黒がやってきました。
大好きな洋服が増えたため引っ越しをしたいので、令子の案内で新しい部屋を見る予定だったようです。
しかし、令子オススメの物件を7件も周りましたが、どこもお気に召さない様子の小黒。
令子が、九龍からでることは考えていないのかと小黒に問うと、
「小黒は九龍から出たくないヨ、あの時だってそう思ってタ。」
という意味深な言葉が返ってきました。
あの時とは、いつのことなのでしょうか。
令子もそう尋ねますが、当の本人は、
「え?小黒そんなこと言ったカ?」
とキョトン顔。
しかし、話をはぐらかしているような様子はありません。
“あの時”は自然と口をついた言葉だったようで、さらに謎は深まります。
小黒は令子に時間を尋ねると、バイトの時間が差し迫っていることに気づき、大慌てで帰って行ってしまいました。
その夜、令子は楊明と飲みに出て、工藤に向日葵をプレゼントしたことを話します。
すると楊明は、令子のことを積極的だと茶化します。
茶化されたことを不思議がる令子に、楊明は教えます。
向日葵の花言葉は、”あなただけを見つめてる”。
令子は、それを聞いた途端に顔を真っ赤にして慌てふためきます。
第21話
令子が出勤すると、工藤の手には向日葵が。
花言葉のことを思い出して慌てた令子は、なんで向日葵を持っているのかとトンチンカンなことを工藤に尋ねます。
令子の動揺の理由はつゆ知らず、
「なんでって…水換えようと思って…枯らしちゃまずいだろ。」
と答える工藤。
令子は嬉しくて内心悶絶で、顔を伏せてしまいます。
そこにやってきた李支店長。
向日葵を見つけるとすかさず、
「向日葵の花言葉は”あなただけを見つめてる”だよね。」
と、令子が工藤に知って欲しくなかったことを早速話題にするものだから、令子は大慌て。
しかし工藤は、だったら尚のこと枯らすわけにはいかないとつぶやきます。
ドキドキしっぱなしで慌てふためいていた令子にとどめを刺すようなセリフです…。
そんなところに、小黒がやってきました。
前日のリベンジで、今日も別の物件を見る約束だったのです。
その日は、工藤が物件を見繕ってくれました。
その部屋は、ベッドとテーブルを置いたらいっぱいになるほど狭い部屋なので、令子があえて候補に選ばなかった部屋でした。
しかし、部屋を見た途端にそこを気に入った様子の小黒。
その部屋は狭いかわりに、収納スペースはたっぷりと用意された部屋だったのてわす。
一見、その狭さゆえにとても良物件とは言えないその部屋。
しかし、洋服が増えたからという理由で引っ越しを考えていて、且つバイト三昧であまり家で過ごさない小黒にはぴったりの物件だったのです。
しかも、出入りのできる屋上付きで、更にお気に召した様子の小黒。
そして、その屋上には偶然にもたくさんの向日葵が植わった一角がありました。
その見事な景色に見惚れてテンションが上がる女性陣。
工藤はと言うと、どこか物悲しげな表情で向日葵を見つめています。
“あなただけを見つめてる”
工藤は、一体誰からの眼差しを感じているのでしょうか。
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第22話
広場で麻雀を楽しむおじいちゃんたち。
それを、変なお面をつけた長髪の男が見つめています。
訝るおじいちゃんたちですが、その中の一人が、勇敢にも怪しい男に話しかけに行きました。
おなじみのヒヨ爺です(笑)
初対面の怪しい男に、気さくに卵をプレゼントするヒヨ爺。
怪しい男は、受け取った卵でおもむろにジャグリングを披露し、おじいちゃんたちは感心しています。
ところ変わって、大好きなスイカジュースを屋台で買おうとしている令子。
支払いの時に落としてしまったコインを拾ってくれた人物がいました。
またしても、変なお面の怪しい男です。
お面越しに、令子をじーっと見つめる怪しい男。
しかし、令子が話しかけようとするとすかさずお辞儀をして去って行ってしまいました。
その男が次に向かったのは、工藤の馴染みの喫茶店です。
新しく入った店員に、男は
「タオ・グエンって知ってる?」
と、問いかけます。
グエンは、先日急に店を辞めたばかりの、工藤と仲の良かった店員です。
新しい店員は、グエンとの面識はないとのことで、それを聞くなり男はさっさと店を後にしました。
その頃街では、工藤もグエンの行方を探して、彼と面識のあった人に聞き込みをしていました。
しかし、有力な情報はなかなか得られず。
その足でグエンの住んでいた部屋を訪ねようとするも、そこに通じているはずの路地はことごとく通行止めで道が塞がれており、辿り着くことすらかないません。
工藤は、九龍でなにか異変が起こり始めていることを感じています。
ところ変わって、お面の男が広い部屋で
「いやぁ驚いたよ。確かに、彼女だった。」
と、誰かに話しかけています。
その相手は、蛇沼みゆきでした。
お面の男は、その「彼女」について、色も、匂いも、感触もほぼ同じだったと続けます。
「彼女」とは誰を指しているのでしょう?
…令子以外には見当がつきません。
また、蛇沼が「例の店」の話題を振ると、
「行ったよ。つい2週間前まで働いてたらしい。今は行方不明。」
と、グエンについての話をしています。
他にも色々見たかったが悪目立ちしそうだからやめたという男に、蛇沼は、お面のせいで悪目立ちしてそうだが、もしはち合わせたらどうなるかわからないからお面はつけていた方がいいと話します。
そして、お面の男の膝に乗り、
「迷信であるでしょう、”ドッペルゲンガー”に会うと命を落とすって。」
と言いながら男のお面を外し、名前を呼び掛けます。
「グエン。」
その男は、工藤が探している行方不明のグエンと全く同じ容姿をしていました。
違うところといえば、髪の長さくらいでしょうか。
この回で、グエンという人間がこの世に二人存在していることが判明しました。
となると、鯨井令子は、どうなのでしょうか…?
現在と過去の令子は同一人物?
それとも、グエンと同じで別の存在?
謎が謎を呼ぶ展開です。
第23話
グエンが屋外でもの思いに耽っていると、誰かから電話の着信が。
「ハニーちゃん♡」と表示が出ています。
電話の相手は、蛇沼みゆきでした。
勝手に出歩くなと言っていたのに出て行ったグエンにお叱りの電話です。
九龍の中をあまりうろうろしないようにと釘を刺されて電話を切りますが、その直後に令子の姿を見つけたグエンは彼女に接触を試みます。
前回令子と接触した時にはお面をつけていましたが、今回はお面を外して素顔を晒しました。
お面の男が、自分が探していた喫茶店の店員であることを知って令子はとても驚きます。
そして、思い切って、過去の自分と工藤の関係性について訊ねます。
グエンは、鯨井令子のことはよく知っているがアンタのことは知らないと言い放ちます。
そして、冷え切った目つきで、とどめを刺します。
「オレの知ってる鯨井令子は、もうこの世には在ない。」
令子の頬には冷や汗が滴り、心臓の鼓動は激しく早まっています。
真実を知ってしまい、動揺のあまり何も言うことができぬままグエンが立ち去るのを見届ける令子。
心ここに在らずで職場に戻ると、工藤はデスクで居眠りをしていました。
その机上では、令子が贈った向日葵が首をもたげて萎れています。
それを悲しげな目で見つめる令子に、工藤は突っ伏したまま声をかけます。
「鯨井…俺はお前が嫌いだ。」
グエンに続き工藤からも心をかき乱される言葉を受け、もう令子には動揺する気力もありません。
生気のない表情で、
「知ってます。」
と返事をし、令子は萎れた向日葵をゴミ箱に捨ててしまいます。
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第24話
翌日、心ここに在らずのままの玲子に対し、工藤は何事もなかったかのようにいつもの調子で令子に接します。
一日中フラフラしている令子を見て、工藤は
「目ぇ見えてなくね?」
と声かけます。
メガネを薦めてくる工藤に、絶対メガネはかけないと声高に主張する令子。
その流れで、
「私は、工藤さんが知ってる鯨井令子ではないんでしょう?」
と、真っ直ぐで冷静な眼差しで問いかけます。
真剣な令子に、工藤は半笑いで返します。
「知らないのは、お前の方だろ。」
令子は一瞬動揺しますが、またすぐに真っ直ぐな目つきに戻り、自分の人生は借りものかもしれないが自分で選んだことだってあると主張。
そして、工藤に恋をしていることもそのひとつだと告白します。
しかし、それは錯覚しているだけだと否定する工藤。
そんな工藤に、令子は必死で自分の気持ちを訴えかけます。
勢いあまり、令子は咳き込んでしまいます。
そしてそのままくらくらと倒れ込み、気を失ってしまいました。
第25話
蛇沼邸では、メイドたちが噂話で盛り上がっています。
週刊誌に、蛇沼みゆきは父親の愛人との間に生まれた子どもで蛇沼家の養子であることがすっぱ抜かれたのです。
しかし、そのこと以外にも気になることが。
側近であるグエンと恋人関係にあるのではという噂です。
そんな話を嬉々としてしながら蛇沼の部屋へ朝食を運ぶと、扉を開けたのは上半身裸のグエンでした。
朝食を渡し終え扉を閉めた途端、メイドたちは噂話が本当だったことを知ってまた一層盛り上がっています。
グエンと蛇沼は、同じ部屋から連れ立って街に繰り出しました。
蛇沼が食べたがっていたホットドッグを路地裏で食べる二人。
グエンは、蛇沼と初めて会った日の思い出話をします。
小汚いバーでやたら仕立ての良いシャツを着た蛇沼を見てビックリ、キスをしたら舌が割れていてまたビックリ、脱がせたら背面に大きな蛇の入れ墨が入っていてまたまたビックリ、そして正体を知ってさらにビックリしたそうです。
蛇沼は、びっくりしたことは他にもあったでしょうとほくそ笑み、グエンはそれを認めます。
二人が共有するその秘密は、読み手にはまだ明かされません。
その話はそこまでで、グエンは話題を変えます。
どうしてこんなに文明が進化しても、九龍のような場所は無くならないのかと。
その言葉に、多くの人が捨てられず持て余している”なつかしい”という感情があるせいだと蛇沼は答えます。
蛇沼は”なつかしい”とは、非情にやっかいで忌々しい感情だと罵ります。
工藤や過去の令子とは対照的な考え方をしていることが分かります。
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第26話
第24話で気を失った令子は、目を覚ますと知らない部屋のベッドに寝かされていることに気づきました。
傍らでは、工藤が椅子に座ったまま眠っています。
目を覚ました令子の気配で工藤も起きると、ここはどこだろうもキョトンとしている令子に、平然と
「俺ンち。」
と紹介します。
そして、昨日の話の続き…自分の知っている鯨井令子の話をしようかと問いかけます。
しかし、令子の答えは、
「…聞かなくて大丈夫です…。」
あれほど過去の鯨井令子について知りたがっていたのに、いざその場面に直面すると、直感的にそれを聞いてはいけないと悟ったようです。
工藤の家を後にし自宅へと帰る道すがら、令子はお寺からのお香の匂いに吸い寄せられます。
お寺では、三日月型の何かを地面に転がす人々の姿が。
それは、ジャオベイというおみくじでした。
ジャオベイを二つ地面に落として、裏と表がでると神様から願いを聞き入れてもらえたということだそう。
しかし、表と表、裏と裏だともう一度やり直し。
裏と表が出るまで、言い回しをかえながら願い事を唱え続けるというルールです。
まず、令子はこう願いました。
「工藤さんの、恋人になりたい。彼女(鯨井B)のように…」
しかし結果は裏と裏。
やり直しです。
次の願い事は、
「工藤さんが私のことを鯨井Bと同じように好きになってくれますように。」
これもやはり、もう一度やり直し。
他にもいろいろな言い回しをしてみますが、なかなか先に進むことができません。
そこに居合わせた令子の職場のお客さんがアドバイスをしてくれます。
裏と表が出ないと言うことは「それだと願いは叶わない」と神様が言っているということなので、「どうなりたいか」というと
ころは変えずに別の言い方で願ってごらんと。
令子は「どうなりたいか」を自問します。
工藤に想われたい。
振り向いて欲しい。
でも今の自分は時々存在していないみたいだし、さっき工藤から振ってきた鯨井Bの話題を拒否したのは、それを聞いてしまったら自分という存在がなくなってしまいそうで怖かったから…。
そこまで考えて、令子は気がつきます。
今まで、「工藤が…」とか「鯨井Bみたいに…」とか他人を基準に願い事をしていましたが、そんな願い事をする以前にもっと大切な願い事があったのです。
令子が導き出した願いは、
「他の誰でもない、ましてや誰かの中の誰かでもない。私は、絶対の私になりたい。」
すると、ようやく裏と表が出て、神様に願いを聞き入れてもらえました。
令子は少しずつ、確実に、前に進んでいます。