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『九条の大罪』1巻を無料で読む方法は?
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『九条の大罪』1巻 ネタバレ紹介!
第一審 片足の値段
住宅街にある横断歩道に轟音が鳴り響きます。
横たわる父親とその子供。
一台の乗用車が止まることなく、駆け抜けていきました。
運転手の名前は森田。若く、反社会よりの男性です。
「どうした? 汗びっしょりじゃねーか 何かやってキメテんのか?」
逃げた先で仲間の男からそう声をかけられます。
「ひっ………人轢(ひ)いちまった」
飲酒して人身事故を起こし、相当動揺しています。
それを聞いた仲間の男は事故を隠蔽するために、先輩の自動車整備会社社長・壬生 憲剛(みぶ けんご)を頼ります。
へこんだ部分を直し、塗装をして欲しいと頼みました。
壬生はきっぱりと断ります。
死亡ひき逃げ事故の検挙率は95パーセント、誤魔化そうとしても様々な証拠があり逃げ切るのは難しい、と。
その代わりに壬生は敏腕の弁護士を紹介することにしました。
九条 間人(くじょう たいざ)。
ヤクザの弁護人なども引き受ける弁護士です。
壬生に案内された九条の事務所は様々な書類の山と、留置所への差し入れ品などで散らかっており足の踏み場がありません。
烏丸 真司(からすま しんじ)は九条の下で働く弁護士で頭が良く、言いたいことははっきり言う性格です。
九条は早速、森田に事故当時の様子を包み隠さずに述べるよう言いました。
少しためらいを見せた後で、森田は運転中にゲームし、飲酒して事故を起こした、と供述します。
烏丸は「なかなかのクズだな」と言い放ちました。
じろっと一瞥する森田。
ゲーム運営会社に警察が連絡すれば、運転中にゲームをしていたことがばれる。だから、そもそもゲームをしていた、という供述は控えた方がよい、と助言します。
自分から言わなければ調べられることはないからです。
森田は
「あの、轢いた相手が死んでたら罪重いんでしょうか?」
と尋ねました。九条はそれに対し、同じ死でも罪名によって結果は異なると説明します。
危険運転致死なら求刑10年。一方で、過失運転致死なら執行猶予で刑務所行きは免れます。境遇は天と地。すべては弁護士である九条の手腕次第、というわけです。
それを聞いて森田は「長い懲役だけは絶対カンベンしてほしい 轢いた奴生きていてくれねーかなぁ」とぼやきました。
しかし、九条は爪を噛みながらとんでもないことを言います。
「被害者は死んでたほうがいい」
なぜなら、死人に口なし。死んだ被害者は供述することができませんし、被告の供述を嘘だと糾弾することもないからです。
それから九条は森田のスマホと財布を回収します。
スマホや財布には様々な記録などが残り、不利な証拠になりかねません。
その上で森田にアドバイスします。自首するので黙秘してはならない。しかし、べらべらしゃべるのも不利になる。だから、なにかにぶつかった、という事実だけを認めてその他は黙れ、と。
森田もそれに頷き、九条の車に乗って警察署に赴くことになりました。
九条は時速80kmで夜の街をかっ飛ばします。
法定速度にひっかかりますが、九条は気にしません。この道では警察のネズミ捕りが行われていないから。九条は法律、道徳というものを切り分けているようです。
森田が出頭後、九条は被害者の様子を調べました。
被害者は35歳の父と5歳になる息子。父は死亡しており、息子は片足切断の重症ですが、生きています。
この事件には一つのポイントがありました。
それは事件現場に父親の出血跡がなかったこと。人間はもし生きていれば、心臓が全身に血液を送っており、その圧力で、体に傷ができれば大量の出血をします。
ところが、この事故現場には父の血は発見されなかったのです。
そこから推測されるのは、森田がひき逃げ事故を起こす前に、既にその父親は心臓の発作で死亡していたのではないか……ということ。
森田の事故によって死亡したかどうかは量刑に大きく影響します。
その時、被害者遺族の母は病院のロビーで叫び声をあげていました。夫が亡くなり、息子は5歳で片足をなくすという事態に、抱えきれない思いが爆発します。
その一方で、森田は留置所で安らかに眠っていました。
判決の日。
森田は執行猶予判決。遺族の母親は鬼のような形相でその判決を聞いています。無罪ではありませんが、刑務所に入らずにすんだ森田は仲間と共にお祝いで焼き肉へと向かいます。
遺族の母と被害にあった息子は車イス姿でむなしく法廷を後にします。本当なら7000万円程度を得られる事件でしたが、母子が手にした保険額は1000万円。
弁護士をつけずに保険会社に言いくるめられた結果です。弁護士さえつけていればまったく違った結果になっていました。
九条の部下の烏丸は「先生はいつも割 食ってますな」と話しかけました。もし九条が加害者の森田ではなく被害者側になっていれば、弁護士報酬として少なくとも7000万円の10パーセント、つまり700万円は得られています。
しかし、加害者側の弁護士ではそれほどの利益は得られません。それどころか、卑劣な加害者を弁護した悪徳弁護士、とネットではもっぱらの噂になります。
「思想信条がないのが弁護士だ」と九条は言い切り、
「道徳上許しがたいことでも依頼者を擁護するのが弁護士の使命だ」
と烏丸に答えました。
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第二審 弱者の一分1
朝。
挙動不審な若い男が駐車場で『お菓子』を売り歩いています。ただのお菓子ではありません。その中には『野菜』……つまり違法薬物の袋が入っています。
様々な顧客に薬物を渡し歩いている途上、複数の警官に囲まれ職務質問を受けることになりました。
そのころ、九条はアパートの屋上にいました。
携帯コンロでフライパンを温め、ハンバーグと玉子焼きを作っています。
そこに壬生から電話がかかってきました。自分の後輩の一人が職務質問されているので助けてくれ、と。
九条は自分が到着するまでの間、以下の内容を伝えるように言います。
警察の任意同行には従わずに待つこと、だけども、抵抗すれば公務執行妨害で現行犯逮捕されるので、抵抗はしないこと。
それを承知した壬生は
「ところで九条先生…九条先生はなんでテント暮らしなんですか 趣味?」
と尋ねました。九条はアパートの屋上にテントを張って暮らしています。
九条曰く、これは趣味ではなく単純に経済的事情ということ。まともな部屋を借りるお金がないのです。
壬生は不思議がります。弁護士業としてそんなに儲かってないわけがないのに。
「金なんてないよ。離婚した元嫁に全財産やったし、子供の養育費もあるからねー」
「全財産? ありえねー。優しすぎませんか?」
「優しいわけじゃないよ」
九条はその理由を語ります。離婚裁判で泥沼になる例を多々見てきました。お金をめぐって2年程度、争いあうくらいなら全財産を放棄した方がてっとりばやく解決できて楽、と言うのです。
奥さんが専業主婦で経済的に自立できないため、もしお金にこだわれば余計にもめたことでしょう。
そういう争いは九条にとって無駄です。
それを聞いていた壬生は理解できません。
「揉めてナンボが俺の仕事だから考えられねーや」
「ふふ。考え方生き方なんて人それぞれだからいいんじゃないの?」
現場に向かった九条は、スマホを片手に警察を撮影し始めます。そして、職務質問は任意であり、長時間拘束すれば令状なしの逮捕となり違法である旨を告げました。
警官たちはそれを受け入れ、男を解放しますが、それでも尾行は続けます。
「しつこいなぁ お巡りさん」
「治安を守るのが警察官の職責ってやつだから真面目に挙動不審者を監視してるんだろ」
九条は警官の行動に理解を示しつつも、ついてくる警官をまくために、男と共にタクシーに乗ることしました。
「私の事務所で時間潰ししますか」
九条の事務所に着きます。
九条は飲み物を勧めますが、男は何が飲みたいか選べず、事務所でとった食事でも音を立てることに異様に警戒していました。
「あなた懲役長かったでしょ。最近社会復帰した?」
「え? いや な、な、なんでですか?」
自分で何かを選ぶ、ということができなくなる、咀嚼音を気にする、というのは刑務所で自由を奪われた人間の特徴です。
売人の男の腕には『うんこ人間』などの刺青がはいっていました。
そんな折、男のスマホが鳴ります。
『ワンコールルールっだ! ボケッ!!』
恰幅のいい半グレかヤクザ風の金髪の男がどなりつけます。その男が言うには、客が待っているから『野菜』を届けに行け、とのことでした。
『ボーっとしとるから職質されるんじゃ! ボクテン入れ墨の刑じゃ!! 弁護士費用はお前持ちだからな! 曽我部(そがべ)ぇ!!』
そう言われて、曽我部と呼ばれる売人は慌てて事務所を飛び出していきました。
「おや? 九条先生 今走って出て行ったの曽我部聡太(そがべ そうた)ですか?」
事務所にいた烏丸が九条に尋ねます。
「そうです 烏丸先生の知り合い?」
「はい。5年前弁護しました」
事務所には曽我部が忘れて行った『お菓子』の袋が残っていました。
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第三審 弱者の一分2
九条は路上で、買った明太子をそのまま食べています。烏丸は普通そんなことするのかと疑問に思いましたが、九条は意に介しません。
「ところで烏丸先生。曽我部の前刑の内容は?」
「強盗致傷罪で懲役5年の実刑判決」
当時21歳だった曽我部が16歳の少年たちを使い、恐喝や強盗を繰り返していた、というのです。
ところが本当の主犯は曽我部ではありませんでした。
曽我部は金髪の男と、曽我部の部屋にいます。
職務質問されただけでなく、商品であるマリファナ(違法薬物)を九条の事務所に忘れたことに金髪の男は立腹です。
曽我部の首をつかみ、泡を吹いて倒れるまで締め上げました。
倒れ込む曽我部をみて、金髪の男の後輩は「汚えなぁ」と感想を述べます。
その後輩に向かって金髪の男は言いました。曽我部は男の奴隷のような存在で、ウーバーイーツ並の代金で薬の運び屋をさせている、と。
「マジすか!? パクられるリスクあんのに!?」
それから、男は曽我部も、その父からも金を巻き上げたり都合よく利用していることを話します。
ある時、機嫌の悪かった男は、父の額と、曽我部の腕に爪楊枝で入れ墨をいれることにしました。うんこ人間という文字とうんこの絵。
その思い出を楽しそうに後輩に語っています。
さすがに後輩は引いていましたが、すかさず男は後輩を張り倒しました。
「ひくだと? 俺を否定すンじゃねー!!」
烏丸は曽我部の事件について説明を続けていました。
見た目ではわからないけれど、曽我部が軽度知的障害を負っていること。
「不良の子は勘が鋭い。障害者ってわかると徹底的に虐め、いいように喰い物にする」
事件の本当の主犯は当時16歳だった金本卓(かねもと すぐる)。父親は元ヤクザです。曽我部のことをさんざん、バカにし利用していました。
刑務所に入った後も曽我部はそこでいじめられます。暴力だけでなく、性処理まで。刑務所もそれをわかっていながら見て見ぬふりでした。いじめが存在することで刑務所内の秩序が安定するからです。必要悪だと黙認していました。
その金本をかばって5年の懲役をくらい、今はその金本から安いお金で薬の運び屋させられている。
「曽我部は負の連鎖から逃れられないんだな」
九条はつぶやきました。
金本……金髪の男は曽我部の部屋を見回っています。
「ふーむ、曽我部の部屋悪くねーなぁ」
そうこうするうちに気を失っていた曽我部が意識を取り戻します。
本来は金本が悪いのに曽我部は逆に感謝しました。
「俺のヘマが原因だから仕方ないよ。それより弁護士の先生呼んでくれてありがとう」
「いやいや。俺たちは曽我部先輩には助けられてばかりだ。実は先輩を男と見込んでまたちょっと頼みたいことがあるんだ」
珍しく金本が曽我部に頭を下げます。こうすることで上手く利用してきたのでしょう。
「え? なんだい?」
「曽我部先輩のご自宅をマリファナとコカインを仕分けする部屋として間借りしたい」
コカインの名前を聞き、曽我部は動揺しました。
第四審 弱者の一分3
郊外。
金本はほかの仲間たちと共に一人の男をリンチしています。
「二度とウチのシマで商売すんなよ」
横たわる男は手足を縛られ、金属バットでメタメタに殴られていました。
「半殺しのつもりがほぼ全殺しになっちまったか?」
さすがに死ぬのでは、と心配する周囲をよそに、金本は余裕の表情でした。
「まあ死んだら俺たちの代わりに地蔵 曽我部がいるから安心しろ 持つべきものは曽我部です」
その頃、当の曽我部は九条法律事務所に忘れてきた『お菓子』(薬物)を取りに来ていました。
烏丸は「何か困ったことがあったらいつでも連絡ください」と声を掛けます。
曽我部は、自分は頭が悪いし、法律なんて分からない、お金もないから関係ないと断ります。
しかし、烏丸が「また金本 卓に利用されてない?」と聞くと、急に曽我部は激高しました。
「り、り、利用なんてされてない! 後輩を守るのが先輩の役目でしょ! 俺が馬鹿だから見下しやがって!」
しかし、ひとしきり言い終えると落ち着いたのか、
「ど、ど、怒鳴ってごめんなさい。自分がモタモタしてて子供のころからずっといじられキャラだったから…そう見られても仕方ないっすね………」
と卑下しだしました。
「人の話を聞くのが弁護士の仕事です。初回相談無料なので気楽にどうぞ」
歯ぎしりする曽我部に向かって、九条はそう語り掛けました。
曽我部は無言で出て行きます。
曽我部がいなくなった後、九条は烏丸に問います。どうして曽我部は金本とつるみ続けるのか、と。
「つるむ利点があるんですよ。曽我部のいる世界ならではの利点が」
曽我部の生きている世界は不良たちの世界です。そこは厳しい上下関係と暴力に満ちています。
曽我部のように弱く、なめられやすい人間にとって辛いものです。
しかし、金本のように強い人間がバックにいれば、その名前を出すだけで、ほとんどの問題は解決します。
曽我部のことをなめる人間でも、金本の名前を出した瞬間に相手は恐れおののくのです。
まさに虎の威を借るキツネでした。
コカインとマリファナだらけになった部屋で一人寝転ぶ曽我部は思いました。
刑務所は絶対嫌だ、と。
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第五審 弱者の一分4
曽我部の自宅はたったの月1万で良いように使われていました。薬物の仕分けのために出入りする年下の不良少年たちからは軽く扱われ、パシリのようです。
曽我部は薬の配達に向かいました。
マリファナを求める客は幸せそう。
コカインを吸う客は遊び人でお金持ち。
覚せい剤を打つ客はお年寄りと貧乏人。
売り歩いて様々な事情を曽我部は見ます。曽我部にとって今の仕事は違法とはいえマシでした。
薬を買った本人たちはみんな喜んでくれるから。その家族や周囲の人間は不幸になっていくけれど。
5年前に犯した罪……オヤジ狩りでは、金本たちが遊ぶ金欲しさに罪もない人を失明させ、仕事を奪います。
その罪をかばい刑務所に行きましたが、本人からもその親族からも恨まれました。
『ちゃんとした人の周りにはちゃんとした人が集まる。よくない人間にはよりよくない人間が集まり、よりよくない空気を撒き散らす』
曽我部はそう思います。
自分が主犯ではありませんが、関わったことは事実です。
一生かけても償いきれないほどの罪だという意識はあります。だから、刑務所は辛いけれど、法律で裁いてもらい、区切りを得られたことで、曽我部は気分が楽になりました。
公園。烏丸は出所した元受刑者の社会復帰を助けるNPO団体の代表・薬師前(やくしまえ)に会いに行きます。
薬師前はまだ若い女性です。前任の代表が高齢を理由に引退し、他に適当な人間もいなかったので代表になりました。
「情熱がないとできない仕事だよね」
そう烏丸は評します。
まず、薬師前は烏丸に一つの報告をしました。以前、烏丸が弁護した窃盗犯が訓練施設へ入所することになったのです。
烏丸にもお礼として、窃盗犯から何枚かの手描きの絵が渡されました。
「へぇ面白い絵」
独特の感性で描かれた、正直に言うと子供の落書きのような絵を見て烏丸はそう言います。
この窃盗犯は障害があり、ホームレスでした。そこで悪い人に引っかかり、劣悪な仕事環境に追い込まれてしまいます。その環境のせいで体を壊してからは追い出され、物置や廃車で生活する日々。
空腹に耐えかねて、とうとうコンビニで盗みを働く、という事態に至りました。法廷で裁判官が罪悪感は? と尋ねます。
「くっ空腹には耐えられないです。ど、ど、ど、ドロボーは悪いことですが寒い冬の日に温かい飲み物飲めて本当にうれしかったです。ふっ蒲団で寝られるならつっつ捕まってもいいと思いました」
その答えに裁判所もその事情を酌み、執行猶予判決が出ました。
現在はシェルターで保護され、これから前途は多難ですが、「ひとまず良かったわ」と薬師前は言いました。
「ところで烏丸先生。私に用があると? なんざんしょ?」
「薬師前さん、曽我部聡太を覚えてます?」
もちろん、薬師前は覚えていました。犯罪を犯した人間は犯罪をする環境にあります。だから、まず誰かがその環境を変えてやらなければ更生はできません。
「再び刑務所に入る前になんとかするのが私の仕事です。でも曽我部くん、3か月前から連絡がつかなくて自宅に様子を見に行っても毎回留守で。どうしたのかなぁ?」
「彼 また罪を犯してます」
烏丸の答えに薬師前は「えええー!? 馬鹿ぁ!! なんでよ? 曽我部聡太ぁ!!」と驚愕します。
「彼の更生に薬師前さんのご協力を願いたい。まず連絡先不明になった曽我部の両親の現所在地を知りたい。そして金本から身を守るためにシェルター施設を案内してほしい」
まで、烏丸は言うと、最後に「と九条先生から頼まれました」と付け加えます。
薬師前はそれに答える前に一つの疑問をぶつけました。東大法学部を首席で卒業するような超天才の烏丸が九条なんかの下で働いているのか、と。
もともと烏丸は大手の法律事務所で働いていました。それを辞めて、悪評しかないような九条法律事務所で働く理由がさっぱり分かりません。
「だって、九条先生面白いから」
ますます薬師前には理解できない回答でした。
その頃、九条法律事務所に一報が入りました。
「曽我部聡太がコカインと大麻所持で逮捕?」
それを聞き、九条は舌をぺろっと出し、考え込むのでした。
第六審 弱者の一分5
早速、九条と烏丸は曽我部に面会へと向かいます。警官が見張る中、ガラス越しに九条は話しかけました。
「コカインと大麻の営利目的所持で現行犯逮捕。曽我部さんの自宅でコカイン3gと乾燥大麻4gを所持」
逮捕されたのは、大量にあった薬物が仕訳け終わった後でした。そのため、偶然、曽我部の部屋にある違法薬物の量は少なくて済みました。この量だと保釈はとれそうです。しかし、前科があるので、実刑判決は免れないでしょう、と九条は説明しました。
「あのあと共犯として金本さんも逮捕された」
「金本くんが?」
「ああ。いいですか? 曽我部さん。金本 卓のことは何もしゃべらない。全部あなたが罪を被るんだ」
九条のその言葉に曽我部はうつむきます。
「わかってます……わかりました………。5年前も自分のせいにしていいからって下の子たちをかばうって約束したし。自分モタモタしてて子供のころからずっといじられキャラみたいなものなんで…」
そして、曽我部は子供のころの運動会の記憶について話しだしました。
小学校1年生。初めての徒競走で何をすればいいのか、どこを走るのかわからず不安でいっぱいでした。
とっくにみんながゴールしたときでも、まだコースをさまよっていて、運動場には「頑張れ! 頑張れ!」と応援する声が響きます。
でも、それは曽我部の不安を増大させるだけでした。応援がプレッシャーだったでしょうし、応援そのものができない人間という烙印を押すようなものだったかもしれません。
曽我部は必死に自分の母の顔を探しました。彼にとっての安心を求めて。
しかし、やっと見つけたというのに、『母親はこの世の終わりみたいな顔』でうつむいていたのです。
「恥ずかしくて悔しかったんだと思います………俺のことが。お、お、お、俺みたいなみそっかすが誰かのためになれるならなんでもいいです。全部被せていいです」
目も鼻もぐしゃぐしゃにして、曽我部は声を振り絞りました。
九条と烏丸は次に金本への面会へと向かいます。
初めての取り調べで、金本は精神的に疲弊していました。
刑事から「お前みたいな半端者のガキがカンモク(完全に黙秘を通すこと)できると思うなよ?」などと厳しい言葉をもらっているようです。
「曽我部の野郎がうたったんですか? (警察に金本のことを供述したのか、という意味)」
九条は金本の質問を即座に否定します。とにかく警察が取り調べできる期間の20日間、絶対になにも喋らないように、と九条は念押ししました。
特に押収されたスマホのパスコード。通話記録は警察が調べることができますが、LINEなどの通信アプリの履歴はパスコードがない限り、警察は調べることができないからです。
嘘をついたとしても、警察はその矛盾点を必ずついてきます。
「絶対に何もしゃべるな。黙秘しろ」
「はい、先生」
「弁護士は接見時間が無制限だ」
黙っておくことのストレスがあるのなら、自分がいくらでも付き合うので我慢しろ、と九条は声を掛けます。
警察が脅すような言葉を使ってきたときはタイムリミットが迫って焦っているときです。だから、その言葉が来たら勝ちだと、金本に教えて鼓舞します。
面会を終えたところで壬生から九条に電話がかかってきます。壬生も金本が捕まったのは曽我部が喋ったからではないか、と尋ねます。
九条は、曽我部宅への出入りから金本も見張られていた、と壬生に答えました。
今回の争点としては、コカインの単純所持か営利目的なのかになります。営利目的なら懲役3年ですが、自分で使うための単純所持なら1年半の実刑です。
「で? 先生どうなりそうですか?」
今後の弁護方針を、壬生が九条に問いました。
「曽我部に罪を全部被らせる」
曽我部が罪を全部被れば、金本は無罪放免、釈放です。あとは曽我部をできるだけ軽い刑にする。
これが九条の方針でした。
それを聞いた壬生は
「それが本当にできたら先生は天才だよ」
と言いました。
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第七審 弱者の一分6
九条の事務所を訪れた薬師前は曽我部に対してひどすぎるのではないか、と文句を言いました。
九条はそのほうが曽我部の刑が軽くなる、と反論します。
もし金本との共犯にすれば営利目的と認定され、3年の懲役になってしまいます。だったら金本の分も全部ひっくるめて罪を被った方が単純所持で短くなる可能性があるです。
薬師前はそれでも納得しません。法律論の問題ではなく、何も知らない曽我部を利用し、金本だけが罪を免れる、その非倫理性を問題視しています。
「わかってるさ」
「はい?」
「曽我部さんは軽度の知的障害があるのかもしれませんがわかってる。彼はあなたが思ってるより道理を理解している」
そんな言葉で薬師前は納得できませんでした。弱者に責任を押し付けて、それで問題を解決することのどこに道理があるでしょうか。
怒りが冷めやらぬ薬師前に対して、烏丸が割って入ります。烏丸は薬師前にまた曽我部の身元引受人になってくれないか、と頼みました。情状証人として、裁判で証言してくれることも。
「それはもちろん構いません。ただ……」
薬師前は目を伏せ承諾すると、九条のほうに顔を向け、はっきりと見つめます。
「九条先生がしていることは倫理的に許されない行為だと思います。絶対に間違っています」
それに反論することもなく、九条は手を首に当てていました。
20日後。人目につかないトンネル状の駐輪施設。
完全に黙秘を貫いた金本は無事釈放されており、壬生やほか一人の後輩と共にそこにいます。
トンネル内にときおり鈍い音が響き、その中で壬生と金本らは会話しています。
ごっごっごっ。
「美味い焼き肉屋予約したから九条先生も誘ってお祝いしよう」
そう言ってトンネルから出てきた壬生の手には鉄製のハンマーが握られていました。後輩がおそらく死体になってしまったであろう男を運び出します。
金本は平然とその様子を見ていました。
血の付いた手袋で壬生は九条に電話し、今回のお礼を壬生が述べます。
九条はそもそも起訴されないことが大事だ、と語りました。一度起訴されてしまえば長い長い裁判の始まりです。時間が無駄になってしまう。
それに同意した壬生は九条を焼き肉に誘いますが、九条は仕事が忙しいから、と断りました。
「またお世話になります」
と言って電話を切った壬生は、仲間の若い男にハンマーを手渡しました。ハンマーを受け取るその手が震えています。今度はこの男が曽我部のように身代わりになるのでしょうか。
一方、罪をすべて被った曽我部に九条と薬師前が面会に行きました。
薬師前は出所したら金本と縁を切って新生活をしましょう、というようなことを言います。
その言葉に曽我部は不満そうでした。
「また同じだよ」
曽我部だって真面目に生きようと考えなかったわけではありません。しかし、知的障害者への差別が現実として存在していました。
曽我部ががんばろうと奮起しても、社会はそれを受け入れてはくれない。いじめられるだけ。
「結局運命には逆らえない」
そう悲嘆する曽我部に薬師前は曽我部の父のことを話します。
父も金本からひどい迫害に会っていました。そんな父親は金本の呪縛から逃れ、辛いことにも文句ひとつ言わず生きている、と薬師前は告げます。
それはひとえに息子を刑務所に追いやってしまったのはこんな情けない父親だったから、という自責の念があるからでした。
父親そうやって立ち上がっている。
「曽我部くんはいいの? 真実を供述してもいいのよ?」
薬師前は知的障害者の曽我部に対して、正しいことは正しいと言っていいのだと教えます。きちんと対応すれば相手は引く。だから利用されっぱなしになる必要はないのだと。
「何もわかってないな薬師前さんは」
曽我部が答えます。
薬師前の中では曽我部は知的障害があり、都合よく利用されているだけ、というフィルターがかかっているのでしょう。
でも、先日、九条が言ったように、はるかに曽我部の方が現実を、道理を理解していました。
「九条先生は俺を守ってくれたんだよ。罪を被る必要があるんだ」
曽我部は以前、九条に対して罪を被る理由を「俺みたいなみそっかすが誰かのためになれるならなんでもいいです」と語っています。
しかし、誰かの役に立つことで、低い自己肯定感を満たして欲しい、そんな承認欲求で片づけられるほど単純な理由ではありませんでした。
「法律は人の権利を守る。だが、命までは守れない」
曽我部の言葉に応じ、九条がそう言います。
曽我部が生きているのは反社会集団の中です。もし、警察に供述してしまえば確実に報復として殺されてしまいます。
だから、金本との縁を切るのは罪を被った後。報復されないように段取りを踏まなければ、「命の保証はない」と。
その話を薬師前は黙って聞いていました。
第八審 弱者の一分7
再び刑務所に収監された曽我部の目つきはどこか前と違っていました。以前のように自信がなく怯えている様子ではなく、決意に満ちたような表情です。
警官から金本が共犯者だったのではないか、と刑務所の中でまで追及をうけますが、それには一切答えません。
代わりに、「刑事さん、刺青を消したいです」と答えました。あの『うんこ』と書かれたひどい刺青です。曽我部も前を向いて生きる気になったのでしょうか。
壬生の自動車整備工場。
無罪放免になった金本はそこで楽しそうに壬生と談笑しています。まさか自分が殺されるとも知らずに。
壬生はスタンガンで金本を気絶させ、工場の奥に運びます。どこからか汲んできた河の水をホースで飲ませ『溺死』させました。
なぜ、金本は殺されなければならなかったか? ことの発端は伏見組の幹部が警察に逮捕されたことでした。
誰かが、その幹部の愛人宅にコカインがあると密告し、警察が捜査に入ったのです。2.5kgもの大量のコカインが押収され、あえなく御用となりました。
問題は誰が密告したか、です。
この情報を知っていたのは後日、それを取りに来るはずだった金本だけ。バレるとすれば金本しかありえません。
その報復として金本は殺されたのです。
その話は九条のところにも届いていました。金本が殺されたかどうかの内部事情までは分かりませんが、幹部が逮捕されたこと、金本は疑われ、水死体となって発見されたことなどは伝わっています。
そして九条はある推理を烏丸に話しました。
まず、金本のスマホのパスコードは315515だったのですが、これはひらがなの母音に対応させると、『うんおおあお』で適当に子音をつけて読むと「うんこおやこ」になります。
これは金本が曽我部をよくバカにする際に使っていた言葉でした。
そのことから、曽我部はパスコードを知っており、以前から金本のスマホを盗み見していたのではないか、と予測できます。
「金本の弱みになる情報を押さえていたのだろう」
「なるほど。曽我部が警察に密告したのですね」
このタイミングで密告すれば確実に金本が殺され、自分への脅威が取り除かれると分かっていたのでしょうし、復讐心もあるでしょう。
その話を聞いた烏丸は、壬生にそのことを伝えたのか、と尋ねます。
九条は「憶測の話はしない主義だ」と言い、暗に壬生には黙っていると答えました。
もし九条がその推理を伝えていれば、金本は殺されずにすんだかもしれません(代わりに曽我部が殺されますが)。
金本を無罪放免させたかと思えば、ここでは見殺し。
烏丸は問います。
「九条先生は誰の味方なのですか」
「依頼人。誰の味方でもない」
九条は依頼があれば、それがどのような人物であれ、法律にのっとって弁護します。悪人だとか善人だとかは関係ありません。すべては依頼人のために。
どこかの河で、金本の水死体がぷかぷかと浮いていました。
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第九審 家族の距離1
九条の住む屋上のテントに烏丸が一匹の犬を連れてやってきました。
この犬は殺された金本が勝っていた愛犬で、引き取り手がいないので九条が引き取ることになったのです。
壬生が引き取ればよいのですが、前に飼っていた犬が忘れられず、九条にお鉢が回ってきました。
「案外繊細だよね」と九条は壬生を評します。
そこに一本の電話がかかってきました。電話の相手は流木 信輝(ながらぎ のぶてる)。同業の弁護士で、九条にとっては師匠にあたります。
流木と九条の父とは同期であり、今日がその父の命日だったために、懐かしくて息子である九条に電話してきた、というわけです。
「仕事は順調かね?」
「私は先生の教えのおかげでなんとかやっております。私は先生に育てられました」
九条は弁護士として情報の集め方、依頼人などの接し方を流木から教わったと言います。
流木も悪評もあるけれど、弟子の中では九条が一番魅力的だったと答えました。
「(魅力的なのは)お父様の血かな」
話が父親に及ぶと、少々、九条は不機嫌になります。
「父とは親子の縁を切りました。和解もないままこの世を去りました」
「そうね。キミら親子は仲悪かったね」
それから話は流木の同期の山城へと移ります。九条は弁護士になりたての頃3年間、山城の事務所で仕事していました。
流木は山城とは考え方が正反対らしく、毛嫌いしています。
山城はとにかく金儲けが一番で、難しい刑事弁護は断り、楽な仕事ばかり。金持ちばかりの弁護をし、弁護士として最も大切な、人権を守るという使命を忘れている、と。
「九条くん、キミの意見はどうかね?」
九条はそれに直接答えず、代わりに「私は先生の血圧が心配です」と言いました。
流木の電話が終わったと思ったら、今度は山城から電話がかかってきます。やはり、理由は九条の父の命日、ということでした。
命日になると、山城は毎年、高級なワインとバカラのグラスを九条に贈っています。まず、九条はそれ礼を述べました。
流木からも電話があったと伝えると、山城は気色ばみました。
「あいつ私の悪口ばかり言ってただろ?」
山城の方も流木が大嫌いらしく、人権人権というばかりでまったく金を稼げない奴、という認定です。
山城は九条に対して、刑事弁護は考えようによっては金になる、とアドバイスします。
「刑事(事件の裁判)は最も人が困っている状況だ。被告人は一刻も早く出たいから、名のある弁護士を選ぶ。そうなれば報酬は言い値になる。他に頼めない不良や輩(やから)の足下見れば楽に稼げるぞ」
「はい、山城先生」
近いうちに銀座のクラブで飲もうと言って山城は電話を切りました。
電話が終わった九条は日課のジョギングに出かけます。
走っている途中で雨が降り出しました。
九条は立ち止まり、目の前に広がるアパートを眺めます。
九条の脳裏にバースデーケーキが浮かびました。今日は父の命日であると同時に、娘の誕生日でもあります。
離婚してからは会えなくなった娘にプレゼントだけは郵送しています。
しばらくして、雨の中、また走り出します。
烏丸はその間、九条が引き取った犬の面倒を見ていましたが、この犬はお手一つもできませんでした。