「ガンニバル」は、二宮正明先生により週刊漫画ゴラクで連載されていた作品です。
物語の主人公は、とある村に都会から赴任してきた阿川大吾(あがわだいご)という妻子がいる駐在です。
大吾は家族を連れて、「供花村(くげむら)」にやってきます。
駐在である大吾が引っ越してきたわけは、供花村の前任の駐在が「供花村の人間は人を喰っている」と妄言を吐いて村人ともめた挙句に失踪したためでした。
供花村は閉鎖的な村であり、「後藤家」という一族が仕切っていました。
前任の駐在はイカれていた、と話す後藤家。
新参者の大吾ですが、供花村で生きていこうと決意します。
しかし、その矢先に山中で熊に食べられた、後藤家の老婆の遺体が見つかります。
その遺体には人間が噛んだような跡がありました。
不審に思う大吾ですが、その様子を察知した後藤家に猟銃を向けられてしまいます。
後日、敵討ちと熊を仕留める後藤家。
すると「ばあちゃんを喰った熊を食べることでばあちゃんは俺らの中で生き続ける」と言い、その場で熊を解体して食べ始めます。
その時に、大吾の頭の中には「この村の人間は人を喰っている」という、前任の駐在の言葉がよぎるのでした。
今回は、そんな大吾の娘であるましろの過去や正体に関する考察などを紹介していきます。
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ましろのプロフィールや家族構成！阿川大吾と有希夫婦の一人娘
阿川ましろは、阿川大吾と有希夫婦の一人娘です。
真っ黒の髪と、クリっとした目が特徴の可愛らしい子です。
口は悪いですが溌溂とした性格の大吾と、気が強い美人な有希の子供とは思えないほど静かな性格です。
しかし以前のましろは、よく話す利発な少女でした。
過去のある事件をきっかけに、話せなくなってしまっていたのです。
そんなましろですが、供花村に来てから変化の兆しが見えてきます。
ガンニバル2巻読み！閉鎖的な村に駐在派遣で来た阿川に、妙な結束をみせる後藤家の者達が襲いかかる！後藤家の隠された何か、善人と思わせるその他の村人達、阿川の過去…様々な事が混じり、緊張を呼ぶ…！妙な気持ち悪さとこの先どうなるか読めなさが大変よいね！こういうサスペンス好き#ガンニバル pic.twitter.com/kT5LNSekcf
— ゆーきゃん (@yukyan_1101) June 17, 2019
ましろが話せない理由は？今野翼という男が死亡した過去の事件が関係！
ましろが話せない原因になった過去の事件の全貌は、2巻で明かされます。
事件は、阿川家が供花村に引っ越す5か月前に起こりました。
供花村に赴任する前、大吾は優秀な刑事でしたが、容疑者に対して過剰な暴力をふるう問題児でもありました。
ある日、大吾は今野翼という男を逮捕します。
翼はましろと面識があり、近所の気の良い青年だと大吾も思っていました。
そんな翼は、児童に対してわいせつな行為を行い、逮捕されたのです。
その後、罪を償い出所した翼は、ましろを見かけます。
ましろは幼いため善悪が分かっておらず、よく遊んでくれた翼に今でも懐いていました。
そしてましろは、こっそり翼の自宅に行ってしまいます。
ましろが翼の家を訪れてから、数分後に翼の自宅を張り込んでいた刑事が「女の子が翼の家に入っていった」と大吾に報告します。
その女の子がまさかましろだとは思わず、大吾は翼の自宅に突入します。
大吾に驚いた翼は「まだ何も」と弁解しますが、ましろがわいせつ行為を受けていると勘違いした大吾。
激怒した大吾は翼を殴りつけます。
すると、翼はましろを本気で愛していたようで、ましろと心中しようとナイフを取り出します。
大吾はましろを守るために、迷わず発砲します。
慕っていた翼が目の前で父親に射殺されるという状況に、ましろは大きなショックを受けます。
この事件がきっかけとなり、ましろは話せなくなってしまったのです。
毎週水曜はみんな大好き
「#ガンニバル」の更新日ネ！ヤバ展開極まりすぎて何も言えない…
血の味がするよ…トラウマ… pic.twitter.com/Albe0EKcCg— マンガTOP公式 (@mangatop11) September 9, 2020
ましろが失踪？探す有希と失踪の真相とは？
3巻の終盤で、ましろは行方不明になってしまいます。
その日はましろの誕生日で、大吾は後藤家の次期当主である恵介に誘われて狩りに出かけていました。
「ましろがいなくなった」という有希の言葉に血相を変える大吾。
慌てる大吾の前に村人のさぶが現れ、家族を放って狩りに出た大吾が悪いと言います。
しかし大吾が狩りに行くことは、さぶは知らないはずでした。
大吾は、さぶが後藤家と組んでましろを攫ったと考えます。
大吾がそう考える理由は、「奉納祭」が近いためです。
供花村で生きていくことを決めていた大吾は、後藤家について調べていました。
そして様々なことが判明し、供花村では奉納祭で子供を捧げているという事実に辿り着きます。
「あの人」と呼ばれる後藤家の人物に幼い子供を捧げ、「あの人」は捧げられた子供を食べていたのです。
そして子供を調達していたのは、後藤家当主の銀という老婆でした。
大吾は後藤家にましろが攫われたと思いましたが、ましろは友達の男の子と遊んでいただけでした。
男の子の母親は、「遊んでいるのは分かっていたが、こんな大事になっているとは思わなかった」と謝罪します。
ましろ達が去った後、ましろと遊んでいた男の子は母親になぜ嘘をついたのか尋ねています。
男の子は母親から「ましろと遊ぶことは、ましろの母親に伝えてある」と聞いていました。
そして、ましろと遊んで来いと言ったのも母親だったのです。
意図的にましろがいることを隠していた母親に男の子は問い詰めますが、母親ははぐらかします。
ましろが行方不明になったと大吾と有希に思わせるように、母親は誰かに指示されていたのです。
そしてその誰かとは、おそらく後藤家なのでしょう。
❸ 後藤恵介
「ここにいんのは 全員後藤さんなんじゃわ」#ガンニバル #ガンニバル正気か pic.twitter.com/guDQd577l4— ディズニープラス公式 (@DisneyPlusJP) December 29, 2022
『ガンニバル』最終回ネタバレ！ましろの最後は死亡？どうなる？
奉納祭で生贄にされる子供たちを救うため、大吾と共に動いていた警察と後藤家は全面戦争になります。
後藤家を変えたい、本心では生贄の子供を助けたいと考えていた恵介も大吾に協力します。
その最中、有希とましろは後藤家に捕まってしまいます。
駆けつけた大吾と恵介に有希は助けられますが、ましろは「あの人」に連れ去られてしまいます。
そして大吾と恵介は「あの人」と対峙し、銃を向けますが、ましろが「あの人」を庇います。
しかし恵介は当主である銀の幻覚を見てしまい、幻の銀に大吾を撃つように誘導され、本当に大吾を撃ってしまいます。
撃たれて気を失う大吾ですが、ましろを思い浮かべて目を覚まします。
すると目の前では、まさに「あの人」がましろに食いつこうとする瞬間でした。
暴れまわる大吾ですが、ましろは「泣かないで」と「あの人」に話しかけます。
そのましろの言葉を聞き、「あの人」は突然嘔吐します。
そして「あの人」は、自分自身を食いちぎり、その姿を見たましろは涙を流します。
その後、後藤家とは決着がつき、大吾もましろも有希も無事でした。
場面は変わり、大吾は村中を自転車で走り抜けています。
すると村人の女性に、「誰もあんたを恨んでいない、おかげで村の癌が消えた」と声をかけられます。
絶対的な支配者であり、子供を生贄にしていた後藤家から、村人も解放されたかったのでしょう。
しかしなんと、大吾に話しかけた女性の口から人の指が出てきたのです。
謎めいた笑みを浮かべた大吾と、「この村はどうでしたか？」と読者に語りかけるような言葉で物語は終わります。
ましろや、大吾達が死亡することはありませんでしたが、なんとも不気味な余韻を残した幕引きでした。
ましろの正体とは？何者？
ましろに関して、ある考察があがっています。
それは、ましろは後藤家の銀や「あの人」と繋がりがあったのではないかということです。
9巻では、ましろの目の前で、翼の時と同様にまた人が死んでしまいます。
その際に死亡した人の血がましろの口に入ってしまいます。
「血の味がするよ」と大吾に言ったましろの口の中には、よく見ると肉片のようなものがあります。
そしてその時のましろの目ですが、虹彩も黒目も白い状態で、「あの人」と同じ目をしています。
今日はお休みだったので漫画喫茶
行ってガンニバル読んできましたー。いやー… 最後まで一貫して面白かった。
描写がキツいので無理な人は無理かも。上手に話しは回収出来ていたし、最終話もよく出来てて、良い終わり方でした。
…というか、無理な人は絶対無理な漫画だな😅#ガンニバル #漫画 pic.twitter.com/JSg86yvi8X
— ぶーぶー (@mqt85vFymsSEy2z) April 7, 2022
12巻では、大吾と恵介に追い詰められた「あの人」を庇うシーンもあります。
また、ましろという名前も意味深です。
「あの人」の正体は銀の息子であり、「白銀の世界のようにしがらみがない世界で、力強く生きてほしい」という願いを込めて「白銀(しろがね)」と名付けられていました。
ましろの名前は、銀、白銀、真白(ましろ)と繋がりがあるかのように思えます。
ましろは、銀から白銀へと受け継がれた愛を引き継いでいく存在なのかもしれませんね。
閉鎖的な村で起こるサスペンスを描いた「ガンニバル」。
ましろの正体がはっきり描かれませんでしたが、読者の想像を掻き立てる作品でした。