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『おじさまと猫』4巻ネタバレ紹介!
第41話・ようこそ猫友
――ペットショップで日比野さんを見かけたとき、その場から逃げ出したくなった。輝き続けている彼に、今の自分を見られたくなくて…でも身体が先に動いた――
『馬鹿にされてもしょうがない、落ちぶれているのは本当の事だ』おじさまは一歩踏み出してみると恐怖は消えていました。
初めて日比野奏さんに出会ったのは20年以上前になりますが、いつも近寄りがたいオーラを発していてあまり話しかけられませんでした。
あれほど遠く感じていたのに、大量の猫用品を買った日比野に親近感が湧きました。
――神田もっと周りを頼れ、話をするだけでいいんだから――小林からのアドバイスを思い出し次は少し強引なくらい踏み出してみました。
後日、親友の小林に日比野に会い猫友ができたことを電話で話しました。
「そいつ信用していいのか?」小林が心配しますが「大丈夫、良い人だよ。悪いことができる人には見えない。会えば小林も好きになるよ」と答えました。
“ピンポーン”玄関の呼び鈴が鳴ったので電話を切るおじさま。玄関を開けると、日比野奏がキャリーケースを持って立っていました。
今日、日比野を家に呼んだ大事な理由があります。
――私の直感なんてあてにならないかもしれない…でも鼻や口のライン目の位置・輪郭どれもふくまるを感じる。ふくまるとマリンちゃんは兄弟なのかもしれない――
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第42話・君が生まれた日
血統書、それは誕生日や所有者だけではなく3世代前までの親も明記されています。
日比野はマリンの誕生日が分からないのでダメもとで母親に電話して聞いてみました。
「マリンちゃんの血統書?私お掃除好きだから捨てちゃったかも、いつだったかしら?」『だよなぁ、息子の誕生日だって忘れてるのに覚えているわけないよな。神田は会えば分かると言ったが兄弟で暮らしていたのは一か月程度、覚えているだろうか』そう思っているとふくまるがやってきます。
『でかっ!!これがふくまるか、確かに似てるかもしれないが…マリンのほうが可愛い顔をしているな』ふくまるが怒って噛んだりしないか不安でしたが、大人しい猫だとおじさまが言っていたので合わせることにしました。
「マリン出ておいで」そう日比野の言葉にマリンは恐る恐るケースから顔をのぞかせました。
―その時、ふくまるはケースから出てきたマリンを見ると『ママさん…ママさん、ママさん…』とマリンの方へ走り出しました。
そして…「お姉ちゃん、ママさんにそっくりににゃったね」とマリンにすり寄ります。
姉マリンが母親にそっくりになっていたことをふくまるは気づいていたのです。
「それはあなたも同じじゃない。一番小さかったのに大きくなったね、私の弟…。ねぇ、今は幸せ?」姉マリンが尋ねました。
ふくまるは「幸せにゃ―!」と答え、おじさまが優しいこと“ふくまる”と呼んでくれることを話しました。
マリンも日比野が優しいこと“マリン”と呼んでくれて撫でてくれるからとっても幸せだと話しました。
仲のいい2匹の姿を見て日比野も確信し、おじさまにふくまるの誕生日を聞くと「じゃあ…その日をマリンの誕生日にしますね」と優しく微笑みました。
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第43話・陽の下の夜想曲
おじさまからの影響で猫に触りたい衝動に駆られた森山は実家へと帰ってきました。
猫たちがいる弟の部屋に入ると神田冬樹の燕尾服姿のポスターが壁に飾られていました。
弟は神田冬樹のファンでたくさんのCDや雑誌を持っています。
数々の作品に興奮する森山ですが『こんなに手放したんだ神田先生…ここまでくるのに数えきれない努力を積み重ねてきたんだろうに…』舞台の上に立てなくなってしまった神田先生の気持ちを考えると涙が出てきました。
すると「にゃ~」バディとボブが森山の足にすり寄ってきました。
「覚えていてくれたのか?ごめんな、今度からはもっと会いにくるよ。ありがとう」慰めてくれてありがとうと思いながら2匹の猫を抱きしめます。
猫みたいにいるだだけで癒せるような存在にはなれないだろうけど神田先生の力になりたい。
そしてまた“舞台に立ってほしい”と思いました。
――翌日。森山がいつもより早く職場につくと、教室からリーダーと神田の話し声が聞こえてきました。
「神田先生それ本気で言っているんですか!?」「はい。講師を辞めさせてほしいんです」先日コンサートに行った際、会場でまともに息ができなくてこのままだと生徒たちを支えてあげることができないと思ったからでした。森山は自分のせいだと責め『辞めないでください』と祈ることしかできませんでした。
すると「そりゃ、無理ですよ。大した問題じゃないですもん。それくらい周りに助けてもらえばいいんです。それに子供達は神田先生の事が大好きなんです。別れる方が悲しいですよ、絶対に泣いちゃいます…私だって…」リーダーが目に涙を浮かべた瞬間…「神田先生!!何を考えているんですか!」森山を含め同僚達が泣きながら教室に入ってきました。
――いいんですよ。それくらい。いっぱい迷惑かけちゃってください――そう同僚達からかけられた言葉は神田の心を温かくするのでした。
そんなこんなで、神田は講師を続けることになり更に来週の土曜日森山のライブに行くことになっていました。
不安な神田は小林に相談すると、ライブ会場なら平気かもしれない「行こうぜライブ!!」そう言われるのでした。
第44話・綺麗な夜
「う~ん…う~ん…、明日のライブは大丈夫…絶対平気…」ブハッ!!「駄目だ、眠れない」ベットから勢いよく起き上がり神田はソファーに座るとふくまるが膝の上に乗ってきました。
「寝にくいだろう、ベットで寝ていていいんだよ」優しくふくまるに話しかけます。
『ここがいいにゃ、ベットはねパパさんがいるから寝てるにゃ。パパさんがいるところにゃら、ふくまるどこだって寝れるにゃ』そんな幸せそうなふくまるを見ていると「ふくまるが来る前はね、よくこうやって起きてたんだよ。あの時は時間が凍り付いてる気がしていたのに不思議だね」と話しました。
――大丈夫、あの頃とは違う。どんな結果でも受け止められる。それにもし駄目だったら……その時はまたふくまるに慰めてもらおう――
第45話・私の親友
神田が子供の頃母親から、派手な衣装・派手な髪形、何よりその派手なロックバンドの音楽を聴いてはいけないと言われてきました。
「この歳で行くことになるとは…」「マジかよ、尚更満喫しねぇとじゃん」そう神田と小林は話していました。
「小林と遊んだ日はいつも最後は楽しい思い出になるんだ。だから今日も良い日が来るよな」神田がそう言うと「当然さ、当たり前だろ!行こうぜ神田!!ライブは楽しいぜ!!!」小林は神田を連れてライブハウスへと向かいました。
しかし、ライブハウスの扉を開けようとするが『平気…じゃなかったらどうしよう…』と躊躇してしまいます。
「小林、私は大丈夫だ。行こう!」先に扉を開けたのは神田本人でした。
ライブは熱狂に包まれていて派手な音楽に神田は圧倒されます。
「神田?」と小林は心配して声を掛けると…「平気みたいだ…平気みたいだ。平気みたいだ!」
神田からその言葉を聞くと2人は一緒になって喜びライブを楽しむことができました。
『森山先生のライブに行けるんだ!楽しい!楽しい!音楽って最高だ!』神田と小林はテンションが高くなりライブをはしごすることになりました。
すると…その中でギターを弾いている人が誰かに似ています。
神田はその人を凝視すると…なんとそこにいたのは日比野奏だったのです!
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第46話・最高のライバル
『う…嘘だろ…神田冬樹!!何でてめぇがライブにいるんだよ!!』天才ピアニスト神田冬樹がいない世界に行きたいのとモテたい思いでギターを始めた日比野でした。
しかしこの世界でも神田冬樹と出会ってしまいライブが終わってからも苛立っていました。
「日比野さん!痺れました!素晴らしいです!まだ心臓がバクバクしています!!ピアノでもギターでも感動させてくれるんですね」神田がそう話すと「噓をつくな。お前なら俺との実力の差ぐらい気づいているだろ。じゃあ何で俺のピアノのコンサートは途中で帰ったんだよ!!」そう日比野は答えました。
神田はあの日何があったのか、表舞台からなぜ消えたのか…これまでのことを淡々と話しました。
神田の話を聞いて返す言葉も出てこないでいると「日比野さん…マリンちゃん元気にしていますか?また会いに行ってもいいですか?」と言われ日比野は嬉しくなり「はい。いつでも会いにきてください」と笑顔で答えました。
第47話・傷だらけのメインクーン
「ママしゃーん、ママしゃんどこー?」ふくまるが生まれて1か月経ったころ母猫と引き離されペットショップの小さな部屋に入れられました。
すると壁の向こうから「うるせぇぞ新入り!いつまでも泣きわめいてるんじゃね!」と声がしてきます。
知らない声と乱暴な口調にふくまるは再び泣いてしまいました。
「うるせぇぇ!!お前はもう帰れない。ママとも一生会えない。泣いたって何も変わらない、人に飼われるまでここがお前の家だ。諦めろよ!俺は諦めた!」どうやらその黒い雄猫はペットショップにきて5か月だということでした。
黒い猫は辛くなったら未来の飼い主の事を考えるようで『子供ではなく、母親みたいなあったかい大人の女性』を夢見ていました。
そんなある日、「ねー、ねーお母さん!僕この猫がいい。この猫が欲しい!だって黒くてカッコいいもん!」と目を輝かせながら黒猫を抱き上げました。
黒猫は理想としていた飼い主ではないけれど、“悪くないぜ”と思い涙を流すのでした。
――それから年月が過ぎ…なんとその黒猫がふくまるの前に現れたのです!
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第48話・幸せな時間
――にゃんで!?ご主人様ができたのに幸せににゃれたのにお外にいるにょ?――
「覚えてるにゃ?あの時のちびにゃ!隣にいたちびにゃ!どうしてお外にいるにゃ?迷子にゃの?帰れにゃいの?ここにいればきっとパパさんが…」そう外にいる黒猫に向かって一生懸命話すふくまるですが、その黒猫は“シャア――!!”と威嚇してどこかに行ってしまいました。
『怖い、怖い、また猫がいた。なんか喋ってた…ここはどこなんだ?お家に帰りてぇよ…』黒猫は知らない世界に怯え体中傷だらけになっていました。
お腹も空いて力が入らず、とうとう黒猫は倒れてしまいました。
『もう、動けない…』意識が遠のく中で黒猫のモジャは幸せだった日々を思い出しています。
それは大好きなご主人様の腕の中で温かく眠っている姿でした。
第49話・選択の時間
「じゃあね、マリンちゃん!ヒビノン!」小林と神田は日比野の家から家路につきました。
神田は小林と別れた後、早くふくまるに会いたくて急いで家に向かいます。
一方、ふくまるはボロボロになったモジャのことが心配で落ち着くことができません。
どうしたら外に出られるか考えていると…「ふくまる、ただいま!」神田が帰ってきました。
――そこにゃあ!!ふくまるは神田が帰ってきた隙に家を飛び出し外に行ってしまいました。
「ふくまる!!」神田は勢いよく飛び出して行ったふくまるを追いかけますが、もうふくまるの姿はどこにも見当たりません。
『うかつだった…今まで外に出たがる素振りも見せなかったから安心していた…私は飼い主失格だ…』落ち込む神田ですが、野良よりは遠くに行かないはずだと本に書かれていたことを思い出し一生懸命辺りを探し始めました。
――その時。
「猫がいる」そこには衰弱したモジャの姿がありました。
神田はすぐ病院に連れて行かないとと思いますが、ふくまるのことが心配です。
『時間が経てば経つほど見つかりにくくなるのに、この子を病院に連れて行くのか?』葛藤する神田ですが「衰弱している猫を見つけたんです。今すぐ診て頂けますか?」そう病院に連絡をしました。
「ごめんね…ふくまる…」
おじさまと猫4巻の感想
ふくまるの姉マリンちゃん登場しました。
ふくまるに似てとても可愛いですね。
この巻では日比野がマリンちゃんの事を大切に思っていることが分かって安心しました。
無責任な母親のところに居なくて逆に良かったです。
【ふくまる・神田】と【マリン・日比野】の絡みの話が個人的に好きで次回もあったらいいなと思います。
そしてあのモジャ、どういった経緯で外にいるのでしょうか…どうか、捨てられてませんように…ふくまるも無事でいてほしいですね。
おじさまと猫4巻、今回もとても楽しかったです。