「このマンガがすごい! 2014年」オトコ編第10位を受賞し、大人気となった『宝石の国』。
本作は遠い未来の世界で、宝石の身体を持つ人型の生物と、月に住み宝石たちを拐(さら)っていく月人(つきじん)と呼ばれる敵との戦いを描いたSFファンタジーです。
作中には宝石や月人以外にも魅力的なキャラクターが登場します。
今回はその中でも『ウェントリコスス』について掘り下げていきたいと思います!
ウェントリコススとは何者なのか?弟や子孫がいる?最後は死亡する?
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ウェントリコススとは何者なのか?アドミラビリス族について解説!
ウェントリコススとは何者なのか?
ウェントリコススはアドミラビリス族の王です。
一人称は「わし」で語尾に「じゃ」をつけるなど、王族らしい喋り方をします。
初登場時はナメクジやウミウシが殻を被ったカタツムリのような見た目をしていました。
この殻については石を食べることで修復したり、強化することができるという特徴があります。
一方、故郷である海中に戻ると上半身は人間、下半身はクラゲのようなドレスを纏った姿となり、こちらが真の姿とされています。
本人はクラゲよりセクシィと言っていますが、フォスによると「ぼよんぼよんしているし、足や飾りも多くて下品」だそう。
殻を修復するために宝石を捕食しているものの、宝石については「かわいこちゃんしかおらん」「ツンとした子がタイプ」などとも語っています。
また、宝石の指導者である「金剛」については「いい男」と評しており、捕食しようとしたものの彼が宝石ではないため失敗しているシーンもあります。
アドミラビリス族について
アドミラビリス族はもともと宝石たちのいる世界の近海に住んでいました。
しかし、美しい殻を持っているため根こそぎ月人に拐われてしまい、月の甘い水と砂で肥大化し思考を奪われてしまっています。
特筆すべきは彼らには「死」という概念が存在しているということです。
また、明確な性別があり生殖機能も存在しています。
ウェントリコススは女性であり、のちに弟や子孫が登場しています。
名前の元ネタ・意味はラテン語?声優は誰?
名前の意味
ウェントリコススの名前の元ネタはラテン語です。
“ventricosus”とは「膨れた」、「腹の大きい」、「袋状の」という意味を持っています。
「袋状の」というのは下半身がクラゲのような姿を指しているのではないでしょうか。
また、「腹の大きい」というのは彼女が女性であることから、妊娠できるという意味も含まれているのではないかと考えられます。
なお、アドミラビリス(admirabilis)もラテン語で「素晴らしい」「すばらしい」「称賛に値する」といった意味です。
アニメ版の声優は誰?
宝石の国のTVアニメ版では斎藤千和(さいとうちわ)さんがウェントリコススを演じました。
斎藤千和さんは1981年3月12日生まれの日本の女性声優です。
四半世紀以上のキャリアをもつベテランの声優さんで、数多くの作品に出演しています。
代表作は『ケロロ軍曹』の日向夏美、『機動戦士ガンダム00』のルイス・ハレヴィ、『物語シリーズ』の戦場ヶ原ひたぎ、『魔法少女まどか☆マギカ』の暁美ほむら等です。
TVアニメ『宝石の国』第4話ご覧頂きありがとうございます!!キュートなナメクジ?もとい美しいアドミラビリス族の族長、ウェントリコスス王!斎藤千和さんが担当しております!!https://t.co/WezBxMe55B #宝石の国 pic.twitter.com/aOPPZYopxX
— TVアニメ『宝石の国』 (@houseki_anime) October 29, 2017
宝石や月人との関係は?フォスとの出会いについて
宝石や月人との関係性
宝石たちのいる星にはかつて「にんげん」と呼ばれる動物が住んでおり、星が6度欠けた時に「魂」と「肉」と「骨」の3つに別れました。
その内の肉がアドミラビリス族であり、生殖と死を繰り返しながら知識を受け継ぐ特性を受け継いでいます。
骨は他の生物と契約し、不死の術(すべ)を身に着けて陸に戻りました。
これが宝石です。
そして、魂は月人のことであり、月という清らかな新天地を得て肉と魂を取り戻すことを策略しています。
フォスとの出会い
フォスとは第4話で出会いました。
この時のウェントリコススは月人からやってきた襲撃者であり、フォスを捕食します。
捕食されたフォスはウェントリコススの殻と融合してしまいますが、宝石たちの手助けによって殻から分離され復活できました。
融合の影響で、フォスは会話ができるようになっています。
他の宝石や金剛はウェントリコススと会話することができないため、復活直後のフォスは病人のような扱いを受けてしまいました。
月人に拐われて養殖されていたウェントリコススですが、この襲撃をきっかけに月人から逃亡することに成功したのです。
ウェントリコススには弟や子孫がいる??
弟・アクレアツス
アクレアツスはウェントリコススの弟です。
ウェントリコススと同じく月人に囚われていました。
フォス曰く「かわいい」とのこと。
ウェントリコススからは「食うのと戦うしか脳のないバカ弟」と呼ばれています。
人型の姿は複数の触手と二股に別れた長い脚が特徴です。
【PASH!+】『宝石の国』ウェントリコスス王の弟・アクレアツス役は三瓶由布子!
OP&EDCDのジャケットも解禁https://t.co/oMmXWIvSLM#宝石の国 pic.twitter.com/3Y3U1TjW4E— PASH!編集部 (@magazine_pash) November 4, 2017
殻は鋭く尖ったトゲが多数ある貝のような形をしています。
ウェントリコススが月人に対して、フォスと引き換えにアクレアツスを取り戻すという取引を持ちかけます。
この取引中にアクレアツスは正気を取り戻し、その触手を使って月人を撃退させることに成功しました。
その後、取引時に両足を失ったフォスに対して自身の殻からアゲートの詰まった2本のトゲを与えています。
アクレアツスはラテン語で”aculeatus”。
「棘のある」という意味で、まさしくその貝殻のことを表しています。
子孫・ウァリエガツス
ウァリエガツスはウェントリコススから数えて5代目のアドミラビリス族の王です。
歴代の王の中でも飛び抜けて貧弱で頼りない性格をしています。
人型になった際の姿はウェントリコススに似ていますが、少し子供のような見た目をしています。
勇気を出して陸に上がったものの、ゴーシェナイトとモルガナイトという宝石に捕獲され、学校の池で飼われていたところでフォスと出会うことに。
フォスについてはアドミラビリス族の中で「祖先を月人から解放した伝説」として伝えられていましたが、名前は「ポスポピペロペロ」と間違えています。
このウァリエガツスとの一連のシーン、かわいいから好き pic.twitter.com/rWOR3KYv22
— 真絢 (@mZ_01_Tn) April 1, 2025
フォスは作中で様々な身体の欠損をしたことで記憶を失っており、ウェントリコススから聞いた「にんげんと肉・骨・魂」の言い伝えも忘れていました。
ウァリエガツスはこの言い伝えを改めてフォスに教えます。
また、いつか仲間を取り戻すべく月に向かうことを伝え、この決意がフォスの今後に重要な影響を与えることになります。
ウァリエガツスはラテン語の”variegatus”で、意味は「多様な」「変化に富んだ」などです。
アドミラビリス族は姿形や構造がバラエティに富んでいることと関係があるのかもしれません。
ウェントリコススは死ぬ??アドミラビリス族はその後どうなった?
ウェントリコススは死亡する?
先述したようにアドミラビリス族は死という概念がある種族です。
フォスがラピスラズリという宝石の頭を接合した102年後には、既に死亡していることがウァリエガツスによって語られています。
ウェントリコススは、アクレアツス奪還のためにフォスを取引の材料に利用したことを死ぬまで後悔していたそうです。
アドミラビリス族はどうなった?
月へ行ったフォスは、宝石たちの修復のためにアドミラビリス族の殻が必要であるということを知らされます。
王に認められたフォスが彼らに殻の提供を懇願しますが、殻を無理に剥がそうとしても剥がせない無惨な姿を見て、回収を諦めることに。
フォスに金剛の機能が移植された際には、地上に残っていたアドミラビリス族も月へ回収され、最終的に宝石たちや月人と同様に無に還(かえ)ることになりました。