八雲立つ(灼)全巻無料で読む方法を紹介!続編「八雲立つ灼(あらた)」もタダで漫画アプリで読める?

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悩んでいる人
『八雲立つ』を全巻無料で読む方法が知りたい。

 

本記事はこんな疑問を解決します。

 

ご紹介する方法は、登録不要もちろん合法です。違法手段ではないので、安心してください。 

『八雲立つ』は漫画アプリ『マンガPark』で全巻無料で読める?

いきなり、結論です。

 

『八雲立つ』はこちらの白泉社が運営する漫画アプリマンガParkにて全巻無料で読むことができます。

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『マンガPark』は、大手出版社の白泉社が運営する公式アプリなので安全に利用できます。アプリをダウンロードする際もお金は一切かからないので安心してください。

 

『マンガPark 』では『八雲立つ』1巻から最終巻に収録されているすべてのエピソードを無料で配信してくれています。

 

安心安全に、そしてタダで『八雲立つ』を全巻読破したい方は『マンガPark』を使う方法が最もお得です。

ここまでのまとめ
  • 『八雲立つ』は漫画アプリ『マンガPark』にて全巻無料で読める
  • 『マンガPark』は白泉社が運営する漫画アプリなので安心安全
  • マンガPark』をダウンロードする際にも一切お金はかからない

以上がここまでのまとめです。

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『マンガPark』は課金してもお得に読める!

『マンガPark』では基本的に無料で読める作品が多いですが、最新刊が発売されたばかりの作品などはアプリ内で購入できる『コイン』が必要です。

 

↓『コイン』が必要な作品。

 

実は、この『コイン』はアプリ内でお得に、そして簡単に購入することができます!

 

例えば、1100円分の『コイン』を購入した場合、1100円分の『コイン』に加えて、アプリ内で使用できるボーナスコインが200円分付与されます

 

つまり課金しても、お得に漫画を読めるのです!

 

購入方法もキャリア決済で簡単に購入できるため、わざわざ書店に行って漫画本を購入する手間が省けます。

 

『マンガPark』では1日に無料で読める話数に限りがあるので、うまく『コイン』を購入して読む方がストレスなく読み進められますよ!

 


 

また漫画アプリに関して言うと、小学館が運営する公式漫画アプリサンデーうぇぶり』『マンガワンも特にオススメです!

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以下のような有名作品が随時、更新され無料で読むことができます。

 

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  • 名探偵コナン
  • YAIBA
  • MAJOR(MAJOR2nd)
  • switch(スイッチ)
  • からかい上手の高木さん
  • 銀の匙
  • ドロヘドロ
  • だがしかし
  • 犬夜叉
  • らんま1/2
  • 境界のRINNE
  • 今日から俺は
  • 今際の国のアリス
  • 焼きたて!!ジャぱん
  • うえきの法則
  • からくりサーカス
  • マギ
  • 烈火の炎
  • H2
  • タッチ
  • 信長協奏曲
  • 結界師

などなど…

 

マンガワン
  • 闇金ウシジマくん
  • 土竜の唄
  • アイアムアヒーロー
  • ケンガンアシュラ
  • ケンガンオメガ
  • 今際の国のアリス
  • アフロ田中
  • ブラックジャック
  • 火の鳥
  • 薬屋のひとりごと
  • からかい上手の(元)高木さん
  • ダンベル何キロ持てる?
  • めぞん一刻
  • 青のオーケストラ
  • おやすみプンプン
  • 灼熱カバディ
  • 送球ボーイズ
  • 出会って5秒でバトル
  • モブサイコ100

などなど…

「無料でマンガを楽しみたい!」という方は『マンガPark』と併せて使ってみてはいかがでしょうか?

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次に『マンガPark』の使い方(システム)を簡単にご説明します。

 

『マンガPark』の基本的な使い方

『マンガPark』に掲載されているマンガを無料で読むには、アプリ内アイテムである『FREEコインボーナスコインを活用することになります。

 

(左がFREEコイン、右がボーナスコイン)

 

簡潔に言うと『FREEコイン』『ボーナスコイン』などを使うことで、1日1作品において、13話分以上のマンガを無料で読むことが可能です。

 

要するに1日に最低でも単行本1冊分に値する量のマンガを『マンガPark』にてタダで楽しむことができるということです。(かなり大盤振る舞い!)

 

『八雲立つ』も例外なく1日に13話分以上の話数を読み進めることができます。(もちろんタダで)

 

以下では『マンガPark』で使うアプリ内アイテム『FREEコイン』『ボーナスコイン』のそれぞれの使い方、取得方法を詳しく説明していきます。

『マンガPark』のFREEコインとは?取得方法と使い方を解説

FREEコインとは?
  • FREEコインとは、アプリ内でマンガを無料で読むために必要なアイテム
  • 朝6時、夜9時に120FREEコインずつ配布される(1日に計240FREEコイン)
  • 30FREEコイン消費で好きなマンガを1話分、無料で読むことが出来る

以上が簡単なFREEコインの取得方法と使い方の説明です。

 

1話につき30FREEコインが消費されるということは、

1日に配布される240FREEコイン÷1話につき消費される30FREEコイン=8話分

つまり毎日、配布される計240FREEコインを使って1日に8話分の作品をタダで読めるシステムがFREEコインです。

 

但し1点だけ注意があり、FREEコインを120以上貯めこむことは出来ません

 

朝6時に120FREEコインが配布され、その120FREEコインを使わずに夜9時を迎えたとしても新たに120FREEコインが加算されることはありませんので注意が必要です。

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『マンガPark』のボーナスコインとは?取得方法と使い方を解説

MP+(マンガポイントプラス)とは?
  • ボーナスコインとは、アプリ内でマンガを無料で読むために必要なアイテム
  • FREEコインがなくなってしまった場合でもボーナスコインを使うことで好きなマンガを1話分、無料で読むことが出来る
  • 『マンガPark』新規ダウンロード特典で900ボーナスコイン(30話分)が付与される
  • 毎日、短い広告動画を見るだけで30ボーナスコイン(1話分)が付与される(1日に2回このシステムが使える)

以上が簡単なボーナスコインの取得方法と使い方の説明です。

 

👇下の画像のように『マンガPark』新規ダウンロード特典では、900ボーナスコイン30話分)が無料配布されます。

 

そして毎日、短い広告動画を視聴することで30ボーナスコイン1話分を取得することが出来ます。

毎日0時と12時の2回、広告動画を見てボーナスコインを獲得できます。つまり毎日、60ボーナスコインを取得できるということです。

短い広告動画の見方は、アプリを起動すると画面右下にピンク色のプレゼントマークが出てくるので、それをタップします。

するとCMを見てコインをGETというボタンが表示されるので、タップして短い広告動画を視聴します。(広告を見ずに流してるだけでもOK!)

たったこれだけの労力で、30ボーナスコイン(マンガ1話分)が手に入ります。

 

やらない手はありませんよね(^^)/

短い広告を見てボーナスコインを獲得できるシステムは毎日、夜0時と昼12時に回復します。

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『FREEコイン』『ボーナスコイン』以外で1日3話分のマンガを読む方法

先ほど紹介した『FREEコイン』『ボーナスコイン』が0ポイントになってしまった場合でも1日に3話分のマンガを無料で読むアプリ内システムがあります。

 

その仕組みがコチラ。

 

読みたい”話(はなし)”のページへ飛ぶと、「CMを見て無料で読むと表示されます。これをタップし広告動画を視聴することで新たに1話分のマンガを無料で読むことが可能となります。

3回分この仕組みを使ったら翌日0時にリセットされ、また利用できます。

 

ここまでを簡単にまとめると

ここまでのまとめ
  • FREEコインを利用して1日8話分のマンガを無料で読む
  • 新規ダウンロード特典で貰える900ボーナスコインを利用して30話分のマンガを無料で読む
  • 毎日、獲得できる60ボーナスコインを利用して2話分のマンガを無料で読む
  • FREEコイン、ボーナスコインがなくなった場合でも、短い広告動画を最大3本見て、毎日3話分のマンガを無料で読む

以上の事から『マンガPark』は、1つの作品において、1日に最低でも13話分以上ののマンガを無料で読むことのできるかなり気前の良い漫画アプリであることが分かります!

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『八雲立つ』の世間の評価は?

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『八雲立つ』見どころ紹介!

「八雲立つ」は樹なつみの漫画作品で白泉社の月刊誌「LaLa」で1992年から2002年までの10年に渡り連載されました。

 

古事記、出雲神話を題材したミステリーホラー、歴史ファンタジー作品です。

 

1997年には講談社漫画賞を受賞し、OVA化されています。

見どころ① 古代史ファンと刀剣マニアの心をくすぐる

主人公・布椎闇己(ふづちくらき)は古代出雲から連綿と続く巫覡(シャーマン)の末裔であり、神格化された7本の剣の保持者です。

 

物語は古代出雲の内紛に始まり、7本の剣の誕生を経て現代へ繋がっていきます。

 

古代出雲神話を素戔嗚命の怨念に関連づけ、日本初の和歌「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠めに 八重垣作る その八重垣を」を呪いの言葉と解釈しました。

 

古代史を探求したい人には、納得したり、考えさせられたりと心をくすぐるエピソードが展開されます。

 

7本の剣は古代神話に登場する神々の具現化で、それぞれが神の名で呼ばれます。

 

「迦具土」「水蛇」「建御雷」「山祗」「沫那美」「狭土」「草薙」「天叢雲」の7本ですが、これらのワードを見ただけで古代史ファンならばニヤリとするでしょう。

 

実際の剣名を冠したものもあり、美麗な描写も相まって刀剣マニアと呼ばれる人たちにもたまらない魅力を放っています。

 

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見どころ② 古代から未来に繋がるサスペンス

序盤は学園ホラー要素が強いのですが、物語が進むに従って、過去からの因縁、子孫たちが果たすべき使命がはっきりと浮き彫りにされていきます。

 

日本の源流を探るサスペンスです。

 

現代編の間に挿入される過去編のエピソードは一つ一つ謎を解き明かし、見る者を反芻させる奥深い謎解きとなっています。

 

1冊読んだら次々と次巻を読まずにはいられなくなります。

見どころ③ 少女漫画らしさを醸す恋愛模様

闇己は巫覡であるため、神降ろしの際は男でもあり女でもある無性のキャラクターです。

 

ですが、「八雲立つ」は少女漫画らしさも忘れてはいません。

 

過去からの因縁も相まって複雑な恋愛模様が展開されます。

 

続編「八雲立つ 灼」に繋がる伏線も多く用意されています。

 

恋のさや当てしながら、古代ミステリーホラーなんて他に類を見ない少女漫画でしょう。

 

布椎闇己のドSっぷり、次々に登場する男性キャラクターのイケメンぶりも見過ごせません。

『八雲立つ』登場人物紹介!

布椎闇己(ふづちくらき)

布椎闇己(ふづちくらき) 16歳。

 

出雲道返神社の後継者であり、古武道・布椎神道流の宗主です。

 

古代出雲の巫覡(シャーマン)真名志の子孫で強大な巫力を持っています。

 

巫覡として2000年に一人と言われる逸材で、素戔嗚命が残した念を昇華させる使命を担っていました。

 

しかし怨霊などを呼び寄せる負の巫覡でもある為、自分が闇に飲まれることを常に恐れる不安定な少年でもあります。

 

居合の達人で剣道大会においても楽に優勝する腕を持っているのですが、7本の神剣で念を昇華させることが布椎家の使命なので、剣道を“棒振りごっこ”と言い切ります。

 

人と深く関わることを嫌い、排他的な性格で恋愛には興味を示しません。

 

クールで冷たい印象ですが、ただ一人七地健生には心を開き、真実の友愛を育てていきます。

 

七地健生(ななちたけお)

七地健生(ななちたけお) 21歳。

 

もう一人の主人公、早稲田大学に通う学生です。

 

父祖は代々刀の研磨を生業としていたので、自宅には神剣「水蛇」が伝わっていました。

 

健生は祖父の遺品を神社に奉納する為に出雲を訪れ、闇己と出会います。

 

健生の祖先は出雲の鍛冶師にして東出雲の王子、ミカチヒコでした。

 

鍛冶師の血をひく健生の傍には7本の剣が呼び寄せられるので、闇己の剣探しに協力します。

 

負の巫覡である闇己を常に支え励まし、時にはぶつかりながらも唯一無二の親友となっていきます。

 

善良で他人を疑うことを知らない性格なので、いつもやっかいごとに巻き込まれては闇己に助けられています。

 

気配が読めるという程度で巫覡の才能はありませんが、失われていく魂に寄り添う優しい人柄です。

七地夕香(ななちゆうか)

七地夕香(ななちゆうか) 16歳。

 

七地健生の妹で巫覡の能力を持っています。

 

闇己に指摘されるまで自分の能力に気付くことはありませんでした。

 

7本の剣を担うには7人の巫覡の力が必要となる為、夕香は修行を始めます。

 

とはいえ、普通過ぎるほど普通の女子高生。

 

ドSで絶対的な魅力を持つ闇己に恋心を抱き、二人っきりになりたいが為に巫覡の修行をするのです。

 

闇己には全くその気が無いので、なかなかうまくはいきません。

 

古代出雲の念を昇華させた後は布椎蒿と結婚し母となります。

布椎蒿(ふづちこう)

布椎蒿(ふづちこう) 16歳。

 

闇己の従兄弟で関東布椎家の次期統領です。

 

念を昇華できるほどの巫覡の能力を持っています。

 

本家布椎家宗主である闇己に対抗心を抱きますが、その実力は遠く及びません。

 

いつも闇己に突っかかっては片手であしらわれるという、かわいそうな関東道場跡取り息子です。

 

剣技だけでなく布椎神道流の分派である神道夢想流古武術を体得しています。

 

師匠である野城上脩に深く心酔していますが、それさえも闇己との確執の原因に。

 

表面上は不良っぽくふるまいますが、闇己に恋する夕香に横恋慕するという、純な一面を持っています。

布椎寧子(ふづちやすこ)

布椎寧子(ふづちやすこ) 18歳。

 

闇己の姉で弟が上京してからは出雲の道返神社と神剣「水蛇」を一人で守っていました。

 

父親は布椎家前宗主闇己海潮で、闇己とは異父姉弟です。

 

父の違う弟を一人の男として愛してしまった悲しい女性で、苦悩の日々を送ります。

 

叔父野城上脩を通じ、実母布椎世裡と連絡を取り、上京した際に対面を果たしました。

 

不義を働いた母親を闇己は深く憎んでいるのですが、道ならぬ恋に悩む寧子は共感を示します。

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布椎世裡(ふづちせり)

闇己と寧子の母親で、関東布椎家の分家筋、野城上家の出身です。

 

出雲布椎家14代目宗主と結婚しますが、義弟である布椎眞前と不倫関係に陥りました。

 

不義の子、闇己を産むと布椎家から絶縁され、眞前との関係も続かず、原宿のレストランオーナーとなります。

 

布椎家に先んじて神剣を手に入れ、念を昇華させようと画策する熊野忌部家に対抗する為、一時的に絶縁を解かれ巫覡の能力を発揮します。

 

闇己、寧子に対して母親らしい情は見せない姿勢を貫いています。

邑見眞前(おうみまさき)

本名は布椎眞前、闇己の実の父です。

 

巫覡としての能力は高いのですが、兄である布椎海潮に激しい妬心を抱いていました。

 

兄の嫁世裡を寝取った後は布椎家から出奔します。

 

負の巫覡であり、黒い野心を持っている為、世に混乱をもたらすことを望んでいます。

 

宗教の傘に隠れ違法行為を犯すことに、抵抗がありません。

 

眞前も神剣を探しているので、行く先々で闇己たちと遭遇し、我が子を苦しめます。

 

最期は世裡に刺され、古代出雲の念の一部となって消失しました。

野城上修 (のきがみおさむ)

東京の布椎流分派、神道夢想流古武術の師範で、布椎世裡の弟です。

 

姉が不義を犯した為、布椎家に対して負い目を感じていました。

 

闇己は当初、修を拒否していましたが、体術を学ぼうと道場へ通うようになり、和解します。

葛岐安柘 (かつらぎあつみ)

瀬戸内海斎島の斎主の娘で、3人姉妹の次女です。

 

古く悪しき因習と化した神事を嫌い、闇己に真実を告げて協力者となりました。

 

闇己に恋心を抱きますが、さっぱりとした性格なので深追いはしません。

 

以後巫覡の一人として、念の昇華に力を尽くします。

宗像海都波 (むなかたみつは)

斎島の隣島、鳴雲島の少年です。

 

横浜に住んでいましたが、祭主の後継として祖父に引き取られました。

 

祖父の亡霊により人柱にされる所を闇己と健生に助けられます。

 

感応度の高い巫覡で闇己にスカウトされ上京しました。

 

関東布椎家では調理担当。

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『八雲立つ』序盤ネタバレ紹介!

「八雲立つ」

大学生、七地健生は祖父の形見の剣を携え、島根県松江市へ向かっていました。

 

健生の家系は刀の研磨を生業としており、祖父は名人と呼ばれるほどの職人でしたが、第二次世界大戦で亡くなります。七地家は研磨業を廃業し、祖父が大切にしていた1本の剣だけが自宅へ残されていました。

 

健生は出雲空港で大学の先輩、江馬、北野と合流します。

 

北野が主催する劇団の取材旅行に同行するにあたり、取材先が経津主神と素戔嗚命を祭る神社だと聞いた健生は祖父の形見を奉納しようと東京から重い剣を持って参加しました。

 

経津主神と素戔嗚命はいずれも古代出雲の剣神です。

 

健生は取材旅行に参加する女優戸田千夏と、マネージャーを務める重松波瑠子を北野から紹介されます。

 

健生にとって北野は気の良い先輩ですが、極端に女癖が悪く、自分をめぐる女たちの争いを見るのが好き、という悪癖がありいつも困らされています。

 

北野に好意を寄せる二人の内、おとなしく控えめな重松を応援しようと決めた健生でした。

 

一行が向かう先はかなりの山奥で集落には民宿すらありません。北野は村の実力者である古武道(居合)の道場主に宿泊の手配をしています。

 

維鈇谷(いふや)村の道場主布椎家が執り行う神事、神和祭を取材し次期公演の題材とするのが北野の目的でした。

 

維鈇谷村の道返神社で行われる神事は、古代出雲族の流れをくむとされています。

 

道返神社に向かう車内で、北野は健生らに古事記のイザナギイザナミ神話を語りました。死者となった妻イザナミを追い、夫イザナギは黄泉平坂を下ります。イザナギは醜く腐り果てた妻の姿を見て逃げ戻り、黄泉の国との境を大岩、道返之大神で塞ぎました。黄泉比良坂は出雲国の伊賦夜(いふや)とも云われています。

 

神話を語り終えると北野はこれから訪れる維鈇谷(いふや)村、道返神社について、「いわくありげだろ」とみなに告げました。

 

古代出雲族とは大和王朝に従わない地方の一族で鬼、蛇といった賤称で呼ばれます。出雲族に至っては土蜘蛛と呼ばれていました。土蜘蛛、という賤称を聞くと健生の胸に衝撃が走ります。

 

維鈇谷村の布椎家に到着した頃は既に夕刻でした。

 

健生は江馬と二人、先に道返神社の取材に行くと申し出ます。

 

古びた暗い参道を通り、神社の境内に辿り着くと、巫子の奉納舞が始まりました。

 

篝火に照らされた巫子の姿は息を飲むほど美しく、健生と江馬は目を奪われます。ですが健生は次第に巫子の背後に黒い人型の影を見るのです。健生以外の人間にその影は見えていませんでした。江馬に指摘された通り、健生はその影を自身の疲労が見せた幻覚と結論づけましたが、今一つ腑に落ちません。

 

街灯一つ無い田舎道を通り、健生と江馬は布椎家を訪ねます。

 

初めて目にする布椎家の外観はまるで城塞を思わせるほど古めかしくも豪奢なものでした。

 

布椎家の玄関内で健生は布椎家長女、寧子の出迎えを受けます。寧子の容貌から健生と江馬は先程神社で奉納舞をした巫子と勘違いしてしまいます。

 

寧子は笑って、神社で舞っていたのは弟の闇己だと告げました。

 

本来巫子とは性別不詳の存在であり、寧子が舞うときは男装するのだ、と説明を加えます。応接間で布椎家当主と北野、戸田、重松は健生らを待ち構えていました。

 

当主は寧子と闇己を間違えるのは無理もない、と語ります。なぜなら、「闇己は神がかりしていたのですから」布椎闇己は舞という儀式によって入神し、別人となっていたのだ、と。

 

布椎家は神職だけでなく居合道布椎神道流の宗家でもありました。当主は14代目宗主であり、闇己は15代目宗主となります。

 

闇己は16歳にして印可を受けた、布椎神道流始まって以来の剣才でした。

 

そこへ布椎闇己が帰宅、入室します。

 

闇己は巫子舞の時と違い憮然とした表情で、健生を睨み据えました。

 

父親である布椎海潮は、闇己に明日健生らを史跡案内するよう命じます。神事を控えた闇己は父の命を快諾できませんでしたが、説得され仕方なく従いました。

 

健生らは布椎家の離れに案内されます。

 

布椎家の豪華な風呂に歓喜する健生でしたが、窓の外に光るもの、人魂を見てしまいました。人魂を追い、中庭に出るとそこには闇己が立っています。闇己は健生に説明します。この谷は霊やその類が集まりやすい場なのだ、と。

 

健生は闇己に除霊を切望しましたが、あっけなく断られました。

 

巫子は拝屋のような霊的呪師とは違う存在だからです。

 

巫子とは神と人との間に立ち、神をその身に寄り憑かせる半神人を指します。

 

布椎家では7歳を1歳と数え、49歳(神齢7歳)になると神の子から唯人となるのです。

 

49年に一度の神事とは布椎家宗主が唯人となる祭りでした。

 

祭りを前に村中が緊張し、谷の気が乱れているために早々の帰還を促す闇己でした。

 

「ここはただの神域じゃない、おかしな邪心を持ち込めばただじゃすまないぞ」

 

翌日健生らを案内する闇己は昨晩とは打って変わり、博識な好青年ぶりを発揮していました。北野は砂鉄の採掘場跡に注目し、崖の上から史跡を見遣り出雲の砂鉄について解説します。出雲地方は砂鉄の産地であり、大和王朝は鉄剣が欲しいがために出雲族を勢力下に置いた、との説があります。素戔嗚尊のスサとは州砂とも読め、砂鉄を意味する古語です。

 

大和は国譲り神話に伝えられる通り、巧妙な懐柔作戦で出雲を制圧しました。出雲が大和にいかにして制圧されたか、伝説などをもとにして北野は舞台化するつもりでした。

 

題して「八雲立つ」

 

~八雲立つ 出雲八重垣妻篭に 八重垣作る その八重垣を~

 

日本初の和歌、出雲の国褒歌を難なく諳んじる闇己でした。

 

史跡を見学していると、戸田がしめ縄で参道を塞がれた鳥居を見つけます。

 

鳥居より先は道返神社の禁域で、宮司ですら立ち入れません。神事の時のみ宮司と巫子が禁域に入ります。北野は禁域に興味を示しました。

 

禁域には7本の神剣が祭られていましたが、第二次大戦中に何者かに盗まれました。7本のうち1本は布椎家に保管されており、難を逃れています。

 

北野は禁域の見学を強く望みます。

 

見学する北野との同行をめぐり、戸田と重松が諍いを起こしました。健生はこうした女性問題を整理するよう、北野を諭します。健生のはっきりとした物言いに憤慨した北野は、健生から離れて先へ進みました。その様子を見ていた闇己は北野の態度に辛辣な意見を寄せます。

 

闇己は健生の持つ霊的波動が強い為、このグループのリーダーだと思っていました。

 

健生をリーダーと思っていたからこそ、遠慮の無い物言いを発し、全員を帰そうとしていたのです。

 

この谷は霊のような気が集まりやすく、何万年も蓄積され場を形成しています。巫覡(シャーマン)と呼ばれる人間はそのエネルギーを取り入れる事ができる存在でした。

 

森の中で闇己が念について語っていると、周囲の樹々がざわめきます。

 

闇己は霊が騒いでいると、簡単に言いのけました。怯える健生は闇己に除霊を願います。

 

「失せろ」

 

能力の高い巫覡である闇己は一瞬で除霊を果たしました。

 

維鉄谷の念は1700年来の呪詛の気を吸っているため、取り込まれたら同化する以外なく、未来永劫生まれ変われずに、この世を呪いながらさまようのだと、闇己は健生を脅します。

 

道すがら、闇己は叔父と対面し、神剣での演舞を申し込まれました。神和祭を前に闇己の資質を見極めるためです。

 

真剣を手にした闇己は健生の想像を遥かに超える、卓越した剣道家でした。闇己の剣技に満足した叔父は、何があろうと平常心を失うなと告げて退室します。

 

寧子が闇己を探し、道場から出た健生に出くわしました。

 

寧子は健生を父布椎海潮に似ている、と告げます。父に似ているから闇己は健生に甘えているのだと。闇己のぶっきらぼうな態度が甘えているようには思えません。明るく笑う寧子に健生は好意を抱きます。

 

健生と北野らは予定を変更し早めに帰途につきました。

 

途中山道で江馬は車をパンクさせてしまいます。ガソリンスタンドも無く電話もありません。江馬はスペアタイヤを積んでいない車をレンタルした北野のミスだと責め、二人はつかみ合いになります。

 

健生、北野、江馬の三人は布椎家にスペアタイヤを融通してもらうため、車を降りて歩き出しました。戸田、重松の女性二人は車内に残っています。仲の悪い二人を残し健生は不安を覚えました。

 

案の定、戸田と重松は残された車内で、言い合いを始めます。

 

劇団をステップと考えすぐに退団の意志を持つ戸田は、重松に対して始めからけんか腰でした。重松は怒りに震え、バッグの中からカッターナイフを取り出します。

 

神事を前に闇己が気の乱れを感じ取りました。唯人となった父親には何も見えず、聞こえません。

 

布椎家は維鈇谷が呪詛におおわれて以来、ひたすら荒ぶる神を鎮め奉ってきましたが、7本の神剣のうち6本まで失ってはもう限界です。

 

こうなっては全ての封印を解き、念を昇華させるしかないのです。

 

そのためには神剣が不可欠であり、ミカチヒコの血統の者を捜せと、父は言います。

 

ミカチヒコは古代出雲の刀鍛冶で、7本の神剣を鍛えた者でした。禁域から持ち出された神剣は必ずミカチヒコの元へ戻ります。また巫覡と鍛冶師の根は一つ、切っても切れない絆で結ばれています。

 

稀代の巫覡闇己が生を受けたは天の配剤、必ずみつけ出せると父は闇己に告げました。

 

巫覡として念を昇華させると同時に、闇己は己自身と戦わねばなりません。闇己は負の巫覡、神よりも怨念の方が心地よく、我が身に依り憑かせていました。巫子舞の折、健生が目にした影がそれです。

 

闇己は母親が不義でなした子であり、布椎海潮の子ではありませんでした。海潮は正の巫覡であり、正しく父の血を受け継いだ寧子の方が、宗主にふさわしいと闇己は嘆きます。

 

しかし突出した巫覡の才を持つ闇己を宗主にすると、父は決めていました。

 

「闇己、己の心の邪に勝てよ」

 

と言い残し、二人は神事へと向かいます。

 

布椎家に戻る際、健生は祖父の形見を持参していました。七地家に伝わる剣を布椎家に奉納する為です。北野は神事が行われる禁域に、光が灯っているのを発見し、祭事と見ようと中へ入ってしまいます。巫覡と一族以外の者が神事を見ることは許されません。健生は北野を止める為、禁域に足を踏み入れました。

 

古い祠の前で正装した布椎一族が一堂に会しています。

 

闇己は父から布椎家宗主のしるし、神剣「迦具土」を継承しました。

 

父は闇己に告げます。

 

宗主として最初の仕事、「迦具土」で父の首をはね、命を天に返せ、と。

 

神事とは宗主が49歳となった時、新宗主が首をはね、殺害する儀式でした。

 

父海潮は悪性のガンに侵されており、巫覡の能力を失った後の人生に執着しません。

 

ですが、愛する父を刃にかけるなど闇己にはできず、代わりに寧子が父を斬ると叫び、「迦具土」を手に取りました。

 

寧子の持つ「迦具土」を鞘から抜き放ち、闇己は父の首を一刀両断します。

 

身を隠していた北野は悲鳴をあげてしまい、健生も布椎一族に見つかってしまいました。

 

神事を穢した者は死をもって償う、と闇己は別人のように冷たく言い放ちます。宗主としての闇己の命に一族の誰もが従いました。

 

車に戻った江馬はシートの上に血痕を見つけます。

 

諍いの末、重松が江田の顔をカッターで切りつけた痕でした。重松の姿は車内に無く放心状態のまま、村へ向かっています。

 

維賦谷の森を健生は逃げまどいます。「迦具土」を手にした闇己がそこまで迫っていました。闇己は本気で健生を殺そうと刃を振り上げます。負の力に支配された闇己に対して、健生は調子に外れた言を投げました。

 

「自首しろ、お父さんを殺して苦しいのは君の方だ」

 

健生の体を押さえつけ、剣を振りかざした時、鈍い雷鳴が轟きました。雷音の中に闇己は父の声を聞きます。

 

「己の心の邪に勝てよ」

 

闇己の刃は健生の耳元をかすめ、ふりしきる豪雨の中、慟哭が響きます。

 

「お父さん、生き返ってくれ」

 

泣き叫ぶ闇己を健生はしっかりと抱きしめ、君は悪くないと何度も告げました。

 

翌朝、健生は荒れた祠の中で目覚めます。側には正気を取り戻した闇己が立っていました。

 

闇己は母親の不義により生まれたにも関わらず、実子の寧子と分け隔てなく育てられます。

 

闇己の父は健生と同じでお人好し、善良な人間でした。父の悲願を果たすため闇己は命を捧げる覚悟です。

 

盗まれた6本の神剣を取り戻し、この地の呪詛を解く、2千年分の念を昇華させることが父の願いでした。「迦具土」1本で守り続けた結界が破れれば、世界は戦争に陥ります。素戔嗚の怨念がこの地を支配しているからです。

 

一方北野は放心した重松と出くわしました。手には血ついたカッターナイフを持っています。負の力に取りつかれた二人は、互いのエゴをむき出しにして争います。

 

もみ合ったあげくカッターの刃が北野の手を傷つけました。鮮血が神鏡に飛び、轟音と共に亀裂が入ります。

 

神鏡は結界です。鏡がひび割れたことにより、念があふれ出します。闇己は結界を張り直すため、北野の元へ走りました。

 

健生も後を追います。途上、祖父の形見の神剣を拾います。

 

駆けつけると北野と重松は既に念に取り込まれた後でした。禁域に封じられていた念が一気に噴き上げます。

 

「八雲立つ」の歌はスサノオら出雲族の呪いの言葉であり、目の前のマグマのような念が呪詛の正体でした。

 

念は肥大し放出が始まります。「迦具土」1本で防ぐことは不可能です。闇己は念の依り代となった自分を「迦具土」を使って斬れと健生に命じました。

 

健生に闇己を手にかけることはできません。絶叫する健生の意志に祖父の形見の神剣が共鳴します。

 

神剣は「水虵」、失われた6本の剣の内の1本でした。

 

闇己は「水虵」を抜きその身に神を呼びます。男でも女でもない神と人の間に立つもの、巫覡が出現しました。神は「水虵」を媒体に、闇己に力を与えます。

 

念が封印されると健生の意識は幻視をとらえました。

 

健生の意識は古代出雲に飛び、ミカチヒコと呼ばれていました。

 

鍛冶師ミカチヒコは巫覡マナシが念を封印する為に、双子剣「天叢雲」と「草薙剣」を鍛えます。

 

巫覡の魂を焼けるのは鍛冶師だけであるため、封印が失敗した場合、自分の魂を焼いてくれ、とマナシはミカチヒコに頼みました。

 

布椎家の客間で健生は意識を取り戻します。豪雨に打たれ、健生は肺炎をおこしかけていました。東京の自宅へ連絡が入ります。

 

「水虵」は健生の祖父が決して抜いてはならないと言い残し、家に伝えられた剣でした。いつか七地家にこの刀に対する者が現れるだろう、と。健生以外の人間は「水虵」に触れることすらできないため、祖父の遺言にある者とは健生を指すのかもしれません。

 

警察の事情徴収を終え、闇己と江馬は帰途に着きました。闇己は上京し叔父の道場で修行を積む予定です。

 

健生と闇己、それぞれが見上げる出雲の空に、八重に湧き上がる雲が立ち上がっていました。

「鬼哭の辻」

健生は父の代理で親族の集まりに参加するため、京都へ向かいます。

 

京都駅で料亭「尼辻」の後継者、後藤徳彦の出迎えを受けました。健生の叔父、邦生は尼辻に婿入りしていましたが、突然に失踪、妻の小夜子も姿を消しています。尼辻に向かう途上、健生は黄色い着物を着た霊の姿を見てしまいました。尼辻は元尼寺、T字路の辻に当たる為、霊の通り道と謂われています。

 

尼辻近くの観鹿寺で健生は剣道の奉納試合を見学します。

 

奉納試合で優勝した剣士は島根の高校から参加した、布椎闇己でした。徳彦は闇己の剣技に心酔し、健生の友人ということで料亭尼辻に宿泊するよう、誘います。初めて会う親族の中で針の筵状態の健生を思い遣っての配慮でした。

 

尼辻の大叔母は闇己は客人ゆえ離れに、健生は親族ゆえに主屋に泊まることを強います。案内された健生の部屋は不可思議な気が満ちていて、安易に入室できず、闇己が除霊しました。

 

この部屋の天井は重要無形文化財であり、桃山城落城時の廊下を使ってあるとのことで、血染めの天井板の一枚が蔵に残されています。

 

京都は千年の昔から死霊が恨めしさに無く声、鬼哭の絶えない都だと闇己は言いました。

 

この地の霊は健生にまとわりついています。

 

ミカチヒコの子孫である健生は自分が守る、と闇己は約束しました。

 

親族の集まり、後継者の披露目が終わると健生は部屋に戻ります。まどろんでいると激しい金縛りに襲われました。霊の手が障子の隙間から入ってきます。天井には無数の血と血染めの手痕が浮かび上がりました。女の霊に襲われ健生は闇己に助けを求めます。闇己は障子を剣で切り裂いて霊と対峙しました。深い怨念を抱いた霊は既に念になりかけています。

 

霊の正体は尼辻の跡取り娘、小夜子。健生の叔父邦生と夫婦となったものの疑心暗鬼に取りつかれ、夫を殺めてしまいます。自らは首を吊りその場で果てました。

 

尼辻の女将は醜聞を恐れ、二人の死を隠し失踪したとして、遺体を庭に埋めました。妄執に取りつかれたまま夫を殺し、自分も命を絶った小夜子は20年経っても成仏できず尼辻でさ迷っていたのです。

 

人の好い健生は小夜子の悲しい生に同情を寄せます。

 

尼辻の女将は死体遺棄の罪で裁かれ、料亭は廃業を余儀なくされるでしょう。皮肉屋の闇己は「父親殺しの俺が裁かれもせずのうのうとここにいる」と、自虐的な言葉を吐きました。健生はもっと気を楽に持て、と闇己を励まします。

 

霊障から助けてくれたことに深く感謝し、神剣捜しに協力すると約束した健生でした。

「若宮祭(1)」

健生は電話で江馬から呼び出しを受けます。都合よく先輩に使われる健生を妹の夕香はなじりました。夕香は兄健生の前で平然と煙草を吸うような、少し背伸びした少女です。

 

夕香は自宅の外で学生服の少年に出会います。少年は布椎闇己、夕香が健生の妹であると一目で看破しました。

 

健生と入れ違いになった闇己は滞在先となる関東布椎家へと足を向けます。夕香は闇己の存在が気になって仕方がありません。

 

道案内と言いつつ闇己と一緒に歩きだしました。

 

闇己は駅への近道「若宮小路」を通ろうとしましたが、夕香は恐ろしくて通れません。若宮とは非業の死を遂げた霊魂を指し、激しく祟る為、屋敷神として祀られました。

 

若宮小路はかつて若宮を屋敷神として祀った家があった場所です。霊は放置され念となり負の気を放っています。

 

闇己は夕香に自分は出雲の巫覡(シャーマン)であると、告げました。

 

その場を除霊した闇己は東京は魔都である、夕香は依坐になりやすい体質だから二度と若宮小路に近づくなと言い含め、立ち去ります。

 

関東布椎家には一族が勢揃いし、闇己の到着を待ちわびていました。

 

闇己は布椎家現当主であるため、年長の親族を飛び越えて上座に迎えられます。一族の前で父殺しの罪は父の遺志を継ぐことで償うと、誓いました。残り5本の神剣を集め維鈇谷の念を昇華させることが父の遺志です。

 

神剣「水虵」は出雲の道返神社に、「迦具土」は闇己が携えてこの場にあります。ですが、念を昇華させるには神剣だけでなく、それを使いこなす巫覡が必要でした。

 

関東布椎家には次期当主とされる布椎蒿が巫覡として存在していましたが、一族に反発している為、この場にはいません。父親である布椎家現当主は蒿の不在について、一族から責められました。

 

闇己は同年の従兄弟である蒿を自分が説得し、巫覡の任に着かせると進言します。布椎家新当主の言葉に一族誰もが従いました。

 

関東布椎家に1本の電話が入ります。

 

健生が闇己と連絡を取る為電話したのですが、何の応答も無いまま通話は切られました。

 

「八雲立つ」第2巻に続きます。

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