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『推しの子』2巻ネタバレ紹介!
第11話
アクアとルビーは成長し、14歳となりました。
成長したルビーはアイドルになるためオーディションに応募します。
第1次審査である書類審査が通り、第2次審査で面接を行い、そこで合格の手応えを感じていると学校の友人たちに話すルビーですが、友人たちはルビーはかわいいしダンスも上手いが歌は欠点だけどそれを補うくらいの魅力はあるので合格すると言ってくれます。
欠点については深く追求せずに、ルビーは自分も母のアイのようなアイドルになりたいと思いつつ、自分には秘密があることを振り返ります。
自分の母親がストーカーに殺害された伝説のアイドル「アイ」であること、そして生まれつき病弱で人生のほとんどを病院で過ごしていた前世の記憶があること。
その前世での生涯を終える間際にもアイの歌声が頭の中で響いていて、次に目が覚めた時にはアイの娘になっており、アイの娘として過ごした生活が人生の宝物であること。
それらを思い返し、自分もアイのようになると固く決心をするルビーですが、その意気込みを双子の兄であるアクアが窘めます。
二人は現在中学3年生で、高校受験が迫っているからです。
ですがルビーはアイドルになれば受験勉強なんかしなくていいと、かなり人生を楽観視しています。
アクアはそれを聞いて、アイドルのデメリットを挙げ、苦労に見合わない仕事であることを説明するのですが、ルビーはそれでも前世のように何も出来ずに終わる人生もあることを知っているため、自分のしたいことをするのが人生だと反発します。
その言葉にアクアは勝手にしろとだけ言い、弟子入りしている監督の五反田の元へと出かけるのでした。
ルビーはアイがこの世を去ってから自身の周りの変化を振り返るのです。
兄が暗くなり楽しそうにしなくなったこと、五反田の元で何をしているのかがわからないこと、苺プロの元社長の斎藤とは連絡が付かなくなったこと、ミヤコが後を引き継いだこと、アイのいなくなったB小町は解散したこと、苺プロに現在アイドル部門は無くネットタレントのマネジメントで運営が成り立っていること。
そしてある時、ルビーはミヤコにまたアイドルグループのマネジメントをやらないのか聞いてみます。
アイの見せてくれた夢は忘れられないが、あの時は奇跡だったので現実的にはそう簡単にいかないので出来ないのだとミヤコは答えます。
そんな話をしている最中にルビーが受けた事務所から電話が鳴ります。
結果は不合格でした。
ルビーは涙を流します。
色々な政治もあり、実力が正しく審査されることに期待できず、皆アイのように上手くいかないのだと言ってミヤコはルビーを慰めるのでした。
しかし、この不合格の電話をしていた相手は、五反田のスタジオにいたアクアでした。
先に本当の事務所にはルビーから辞退したように見せ、その後ルビーのケータイで着信拒否設定にしておくなど裏でルビーを確実に合格しないようにしていたのです。
五反田はなぜそこまでするのかわからないと言います。
その言葉にアクアはこう答えます。
「ルビーをアイドルにはさせない。アイと同じ轍をふませない」と。
ただ秘めた思いとしてアクアは、自分一人で目的を成し遂げるため、ルビーを巻き込ませないようにしようと考えているのでした。
ここで第11話は終わります。
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第12話
ある日、町を歩いていたルビーは地下アイドルのスカウトを受けます。
アイと同じようにスカウトから自分のアイドル人生がスタートすることを想像し運命を感じるルビーでしたが、アクアとミヤコは怪しい事務所なのではないかと訝しみます。
ユーチューブの動画や名刺を貰っていることから、活動はいちおうしている事務所なのだということだけは確認できているのですが、それでもアクアとミヤコは安心できません。
そんな二人を尻目に後日ライブを見せて貰ってから契約を結ぶのだと楽しみにするルビーなのでした。
アクアはどうにかルビーがアイドルになるのを今度も辞めさせようと考えます。
ミヤコもアイと同じような目に会ってほしくないという気持ちに対しては同意します。
ですがルビーの気持ちを止められないことやアイに顔立ちが似てきていること、そして資質があるのでどの道こうなっていたと思うのでやらせてみてもいいのではないかとアクアに言います。
そしてすでに五反田の元で働いているアクアも、自分にとってはルビーと同じだと言うのです。
ただ一連の会話の中でアクアも思う所があり、ルビーがアイドルをやることの良し悪しを語る前にやるべき事があると考え、ミヤコから事務所の名刺を借り行動を起こすのでした。
そしてアクアは苺プロのスカウトに扮して、夜の町である少女に声をかけます。
その少女はルビーがスカウトされた地下アイドルのメンバーのららという少女で、アクアはそのグループの内部事情を探るために引き抜きを装って苺プロの事務所で話を聞こうと画策していたのです。
まずはどんな条件で働いているのかを聞いてみるとららはすらすらと自分の仕事内容や収入について話していきます。
次にグループの不満はないかと聞いてみると、一番推されている子が運営と付き合っていることなどを始め、エスカレートした不満をららは口にするのでした。
話を終え、事務所にはアクアとミヤコの二人が残ります。
ミヤコは若い女の子の集団を纏めるのは苦労するのだと、かつてB小町で苦労したことを思い出しながら話します。
そしてアクアは、運営の悪い噂が流れるようなグループにルビーを入れるつもりはないと、探偵を雇ってでも止める気でいます。
そんなアクアの態度を受けてミヤコも何かを考えるのでした。。
時は過ぎ、ライブの日、ルビーにミヤコは本気でアイドルになるのかを問います。
ルビーの答えは変わらず、自分もアイのようになるのだと決意を曲げません。
あらためてアクアも本気なのかと聞くのですが、ルビーはそこでも本気だと即答するのです。
それを聞いてミヤコは、本気ならそのグループに入るのはやめるよう言います。
ルビーはそれを聞いて抵抗しようとし言葉を発しようとしますが、構わずミヤコはこうルビーに告げます。
「本気ならウチの事務所に入りなさい」と言い、苺プロが十数年ぶりに新規アイドルグループを立ち上げるのだと言うのでした。
ここで第12話が終わります。
第13話
ルビーは苺プロの所属手続きとして書類に捺印していきます。
その様子を見た後、アクアは五反田のスタジオ兼実家に足を運び、五反田の母親が出迎えてくれます。
五反田の部屋に入りすぐに映画の編集作業をしながら、ルビーがアイドルの道に進む話をすることになります。
今まで裏工作までして反対していたのを知っている五反田は、ルビーがアイドルに進んでもいいのかを聞いてきます。
素性のわからないグループに入るくらいなら身内が運営なら悪いようにはならないと答えるアクア。
そして五反田は兄妹で芸能の道になるのだと認識します。
しかし高校ではルビーだけ芸能科で、自分は一般科であると言ってそれを否定します。
そんなアクアに五反田は、最初は絶対に役者になるという顔をしていたことを思い出し、今のアクアは日和ったものだと言ってきます。
ただアクアにとっては、芸能界に関わるのは自分の復讐対象であろう父親に接触できるポジションを得るための手段であり、それなら役者でなくとも裏方でも問題ないであろうと考えているのでした。
それと同時に何本か端役で出演してみて自分には特別な才能がないという自覚が芽生えているのも、役者を目指さない理由の一つとなったのだとアクアは思い、そのことを五反田に言います。
ですが五反田は夢を諦めるのは早すぎると言い、話の途中に母親が部屋に入ってきて途切れながらも夢は宝くじのようなもので、買わなければ当たらないのだと言うのですが、40代半ばで独身、子供部屋おじさんである五反田の言葉はアクアには響いてきませんでした。
ただ役者になる夢の部分に関しては、以前までアイのように才能があるではないかと思っていた時期もあったが上手くいかなかったという認識をアクアは持っていると言うので、五反田はアイの様にはなれなくてもアイにはない頭の良さや撮影の知識があるので、自分の武器を使っていくようにアドバイスをするのでした。
時は流れ、アクアとルビーは陽東高校という、日本でも数少ない芸能科がある高校の面接に行きます。
そこでアクアは前世で医大を卒業出来た学力から偏差値70であるのに偏差値40の陽東高校一般科を受けたことに驚かれ、志望動機を聞かれます。
その質問にアクアは校風に惹かれたと無難に答えるのでした。
そんな面接のやり取りを終え、アクアとルビーはお互いの面接結果について話をします。
ルビーの方は平気そうと答え、アクアも落とされるとしたら名前のせいだと言うのですが、その会話を聞いて反応する者が現れます。
それは小さい頃に共演した10秒で泣ける天才子役と言われていた有馬かなでした。
アクアが役者をやめてしまったのだと思っていたので、芸能科のある陽東高校で再会出来たことを喜ぶかなは、アクアに芸能科に入るのかと訪ねますが、アクアは一般科を受けたことを正直に伝えます。
それを聞いてかなは、「なんでよ!!」と言って驚く所で第13話は終わりです。
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第14話
かなは何故アクアが芸能科ではなく一般科を受けたのかを問います。
その質問にアクアは妹が芸能科に受けたので心配だから陽東高校を受けただけだと答え、五反田の所に行くと言ってその場を離れますが、かなは現在のアクアがどんな暮らしをしているのかなど追いかけながら質問を更に浴びせてきます。
そして役者はまだやっているのかと聞かれ、アクアはもうやっていないことを伝え、かなから離れようとしますが、かなは食い下がって人目を気にしながら二人で話そうと提案してくるのです。
かなの真意をいちおう理解したアクアは、そのまま五反田の家にかなを連れて行くことにしました。
五反田の部屋で芸能界にアクアがまだ関わっていることを知ってかなは喜びます。
夕食時にはかなの身の上話にもなり、現在は寮生活だが子役時代の資金が余っているので暮らしていけるというのを話しつつ、アクアの出演した作品はないのかなどを聞いてきます。
アクアは自分に才能がないことを認識することになった作品だったので見られたくないと答えます。
それでもアクアの演技が見たいのか、かなは自分がヒロインをやっている作品「今日は甘口で」という少女漫画原作のドラマに出演しており、プロデューサーの鏑木勝也にアクアが空いてる役にアクアを抜擢してもらうよう掛け合ってみようかと聞いてきます。
鏑木勝也という名前にアクアは心当たりがありました。
アイが妊娠する以前に使っていた古いスマートフォンのパスコードを4年がかりで解除した際、鏑木勝也はアドレス帳に記載されていたのです。
自分の目的に近づけるかもしれないと思ったアクアはかなの話に乗ることにするのでした。
ただしかなは忠告として、多少問題のある現場なので覚悟してと言います。
さっそくかなは鏑木に連絡し、鏑木もアクアのプロフィールを見ながら出演をあっさりと承諾します。
鏑木にとっては誰でも構わないということで、特に何かを求めているようなものではないようです。
こうしてアクアは目的に近づけるかもしれないという予感をさせて第14話が終わります。
第15話
アクアがドラマに出演することをミヤコから聞いてルビーは驚きます。
なんで勝手に言うのかと不満に思うアクアですが、ミヤコは所属タレントの広報活動だと言って不満を聞き流します。
そしてアクアがドラマに出演すること聞いたルビーは、アイの最後の言葉を思い出します。
自分がアイドルでアクアは役者と言っていたことを。
ただアクアはプロデューサーの鏑木からDNAを採取出来ればいいという程度の気持ちでしかありません。
そんなアクアの気持ちを他所に、ルビーはアクアの出演作品に興味を持ちます。
「今日は甘口で」は全6話のネットTVで放映されているドラマで既に3話まで放送されている作品であり、アクアは最終話の悪役として出演するのだとミヤコは説明します。
そしてネットで視聴出来るので、3人はその場で視聴を始めます。
内容はかな以外の出演者のセリフが棒読みで、視聴を終えたルビーは「今日あま」はこんな作品だったかと疑問を口にします。
その他にもルビーから疑問が出てきますが、それらに制作側の意図を汲み取ったミヤコが作品のフォローをします。
ですがルビーは結論として、ドラマ化された「今日あま」はひどいと酷評し、更にかなはもっと演技が上手かったのではないかと言うのでした。
別の日、アクアはかなと会い、ルビーがかなへの評価をどのようにしていたかを話しました。
勿論かなはそれを聞いて怒りますが、今回の企画はイケメンモデルを売り込むのが目的なので自分が抑えた演技をし、目立たないようにしなければいけないのだと弁明します。
特に今回の作品は企画から売り手の都合が前に出すぎている傾向にあり、1話の撮影で原作者が失望するだったようです。
それでも役者も裏方も精一杯やっていることをわかっていて、自分が協調することでせめて「観れる」作品にする為に下手な演技をすることも辞さないのだとかなは言うのでした。
アクアは自分の評価を下げてでもするのかと問います。
その問いにかなは、役者に大事なのはコミュ力だと答え、昔の自分は演技力をひけらかし旬が過ぎたら仕事がなくなった経験を語り、今回の企画で自分が求められているのは我を通さず品質貢献に務めることにあるのだと言います。
そんな答えを聞いてアクアは、かなが協調性を持つようになったことを知るのでした。
ただ今回の作品はスケジュールに余裕がなく、一週間後のオンエアの為に現場のメンバーで読み合わせする時間もなく即リハーサルからというスケジュールのようで、アクアはまた呆れ直します。
急な話になってしまいましが、かなは以前、五反田が何故アクアを抜擢したのかを今では理解出来たので、あらためてアクアこうお願いするのでした。
「お願い、私と一緒に良い作品を作って」と。
家に戻ったアクアは台本とこれまでに放映された「今日あま」の映像をチェックします。
そして脚本と演出は役者に合わせているのが分かり、裏方は優秀で、ヒロインも実力派であることを認識し、
「なんかやりようはありそうだな」と言いながら笑みをこぼすのでした。
ここで第15話が終わります。
第16話
撮影現場に入ったアクアは、かなから撮影の流れを聞いて五反田よりも雑な収録現場だと感じます。
かなと話をしていると主演の鳴嶋メルトがかなに話しかけてきます。
そこでかなはアクアを紹介しようとし、アクアも挨拶しかけますが途中で雑に挨拶を返されて終わってしまいます。
態度の悪い対応をされたことをかなに指摘するアクアでしたが、鳴嶋メルトも若くして売れだしたので、その手の役者にはよくあることだと言ってフォローします。
ただ、売れている事務所のタレントは礼儀正しく現場の高感度も高いので、使われるには理由があるとして、今度はアクアにプロデューサーへの挨拶を勧めます。
アクアはプロデューサーの鏑木勝也に挨拶を済ませます。
挨拶が済んだことを確認し、かなは鏑木についてモデル事務所との繋がりが強くキャスティングはほとんど彼の仕事であり、かな曰く顔面至上主義で見た目を重視するのだそうです。
そして鏑木について説明が一通り終わった所でリハーサルの開始が告げられます。
アクアの役はヒロインにつきまとうストーカーという役でした。
アイを殺したストーカーに自分が演じることになり因果を感じるアクアですが、リハーサルは進んでいきます。
かなはアクアに対し、普通に演技が出来ていると評します。
ですがアクアは他人の演技の邪魔にならない程度でしかなく、凄い演技を期待していたのなら悪いなと言います。
その言葉に対し、かなはアクアの演技は努力してきた人の演技と感じ好きだと返し、作品に寄り添っているとあらためてアクアの演技の感想を述べます。
変に気を使うなと答えるアクア。
しかしかなは十年ぶりの主演級なので気を使うのは当然だと主張するのでした。
それを聞いたアクアは、確かに最近かなを見なくなったのでまだ役者をやっていたのかと思ってはいたようです。
かな自身も引退が頭をよぎってはいたのですが、ずっと努力を続けてきた結果、やっと評価される時期が来たのだと仕事が貰えるようになった今に満足しているのだと言うのでした。
そしてアクアの演技は、自分と同じようにもがきながらも役者を続けていることがわかっただけで十分なのだとかなは言います。
シーンは変わり、喫煙所でタバコを吸っている鏑木をアクアは監視しています。
DNA鑑定に出すには吸い殻だと3本は欲しいとアクアは思っている所に、鏑木とスタッフの会話が耳に入ります。
鏑木のかなに対する評価は、誰にでもいい感じに尻尾を振ってくれるので雑に据えるには丁度いい人材で、子役時代のネームバリューはあるが事務所を抜けてフリーになったため、タダ同然で使える得な役者という認識なのだと言うのです。
その話を聞いたアクアは、かなが評価されていないのだということがわかりました。
無人となった喫煙所から鏑木の吸ったタバコを回収し、目的を果たしたアクアでしたが、撮影の再会を聞いて
「せっかくだから滅茶苦茶やって帰るか」と言って何か行動を起こそうとする所で第16話は終わります。
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第17話
「今日あま」の撮影が再開されます。
かなは自分が世間からオワコン扱いされていることを自覚し、それでもなお業界にしがみついてやっと手に入れたこの作品がどうしようもなく駄作であることを理解しています。
それでもこれから演じるシーンは、原作の名シーンであり、共演者と呼吸を合わせた最高の演技が出来れば、世間からこの作品の評価を覆せるのではと期待を持っています。
ですがそのシーンに入った時、演じながら共演者の演技をフォローしきれないことに気づいてしまいます。
そして現場のスタッフもこれでいいのかと疑問を抱いてしまうのです。
ところがそこでアクアがアドリブを入れた演技で登場します。
かなはすぐにアクアの演技がリハーサルの時より良い物になっていると感じます。
その演技は、自分の才能のなさを役者としての演技力ではなく自分の知識で補い、現場の環境全てを活かし自身を演出してアクアは表現してみせます。
そして主演の鳴嶋メルトにだけ聞こえるように「お前そばで見るとブスだなぁ。パソコンで加工しないとこんなもんか」と言って挑発します。
突然のことに一瞬呆けた後、メルトは感情をむき出しにした声でアクアに
「なんつったオメェ!!」と言い放ちますが、すぐに自分が感情を引き出されたのだと気づくのでした。
撮影の雰囲気を変えたまま、不敵な笑みをアクアは見せながら演技を続けていきます。
アドリブで台本とは違う流れとなってしまっていましたが、現場は続行を判断。
鳴嶋メルトの演技も乗っていき、かなもアクアとのやり取りを見て原作のような良さを感じるのでした。
原作者の意図を汲んだ及第点の場を計算して作り上げることに成功したアクア。
あとはかなが名シーンで上手く涙を流すことが出来るかにかかっています。
そしてかなは「それでも、光はあるから」という原作のヒロインが涙を流すシーンをしっかりと演じきります。
それを見てアクアは、かなが10秒で泣ける天才子役と言われていたことを思い出し、笑みを浮かべるのでした。
アクアのシーンの撮影が終わってから、メルトはアクアの顔に拳が当たってしまったことを謝罪します。
ですがアクアはわざと当たりにいったのだと言い、逆にメルトに対し感情がノッていい芝居になり、おかげでかなも本気になれたんじゃないかなと返します。
その後、スタッフからかなに最後のシーンがいけるか声がかかります。
最後のシーンは主人公が恋に落ちた乙女の顔を映すシーンであることが台本に書かれていました。
そしてかなは恋に落ちた表情を浮かべ、第17話が終わります。
第18話
第18話は「今日あま」の原作者の仕事現場にアシスタントが入るシーンから始まります。
アシスタント二人はすでに「今日あま」のドラマを視聴していないようですが、原作者は続けて視聴しており、アシスタントに仕事を任せ、これから最終話を視聴しようとしています。
完結した作品がメディア化しただけでもありがたいと話しながら最終話を見ていき、かなの演技を見ながら涙を流し、原作者は最終話を見てドラマ化を受けて良かったと思えたのでした。
そして「今日あま」は大きな話題にこそなりませんでしたが、狭い界隈で熱烈な評価を受ける作品となったそうです。
時は移り、「今日あま」の打ち上げパーティーの場にアクアとかなも参加していました。
そこでかなは原作者に感謝の言葉を述べられます。
それを横目で見ているアクアでしたが、そこにプロデューサーの鏑木が声をかけてきます。
すでに撮影現場で採取したDNAの鑑定結果は出ており、鏑木は赤の他人であることが証明されていたのですが、鏑木は突然アクアのことをアイと顔つきが似ていると言い出してきます。
アイの顔をよく見ていたので間違いないと付け加える鏑木。
鏑木の言葉の真意を探るため、アイとはどういう関係だったのかをアクアは問います。
鏑木はファッション雑誌のモデルの仲介で知り合い、その後良い営業先を紹介したり、事務所に内緒で男と会う時に使う店を紹介していたのだと言います。
誰と会っていたのか追求しようとするアクア。
ですが鏑木は情報を提供するには交換条件としてルックスの良いアクアに恋愛リアリティショーの仕事の話を持ち出そうとしてきます。
ここでシーンは変わり、陽東高校の入学式になります。
アクアとルビーの入学祝いの挨拶にかなが現れ、周りにいるのは芸能人ばかりであり、この学校は日本で一番観られる側の人間が多い高校であると言います。
そして「芸能界へようこそ」という言葉を述べ、二人の新たなストーリーが始まる予感をさせ第18話は終わります。
第19話
アクアとルビーはかなに連れられ教室へ向かいます。
道中、かなはここは養成所でも撮影所でもなく普通の学校なので緊張しなくてもいいと助言をしてきます。
そしてルビーは教室に入ります。
周りを見渡すと美人とイケメンばかりで予想以上に普通の学校とは違うことに驚くルビーですが、母親譲りのルックスが自分にもあるので負けていないはずで呑まれてなるものかと自身を奮い立たせようとしながら自分の席に座ります。
すると横の席にはすでに生徒がいたので何気なく見てみると、スタイルの良いグラビアアイドルの少女でした。
寿みなみという名前で、神奈川県出身でもノリでエセ関西弁を喋る少女だということがわかり、そのまま友達に二人はなることができました。
そして休み時間、ルビーはアクアにみなみを紹介し、アクアにも友達は出来たのかとルビーは聞いてきます。
友達を作りに学校に来たわけではないとアクアは答えるのですが、それを聞いたルビーは友達が出来なかったのだと認識します。
その認識に対しアクアも話し相手くらいならいるが友達認定を女子のようにすぐには男子はしないなど早口で捲し立てます。
可哀想に思ったルビーは、みなみにアクアとも友達になってあげてほしいと言い、みなみも承諾します。
ですがアクアは、芸能科は特殊な環境なので自分の心配だけしていろと言い、その意見に対しみなみは同意し周りもプロだと思うと緊張してしまうのだと言います。
それに対してルビーは養成所でも撮影所でもなく普通の学校だから緊張しなくて良いのだとかなに言われたことをそのままみなみに伝えます。
どこかで聞いたままのセリフだと突っ込んでからアクアは、入学式で周りを見ても容姿が整っている人間は多いが見たことある人はほとんどいなかったのでそんなに緊張する必要はないと言いかけます。
その言葉を遮ってルビーは凄い人がいたと言うのでした。
それはルビーの最初の授業が始まる時、教室に一人の生徒が朝の生放送があって遅刻してしまったと言いながら入ってきたのだそうです。
その少女は不知火フリルと言って、ドラマで大ヒットし、歌って踊れて演技も出来るマルチタレントとして人気の高いタレントで、今一番推しているとルビーはアクアに説明します。
ですがアクアはフリルを知っていながら、今も昔もアイ以外推しはいないと言い興味がないことをルビーに言います。
そうこうやり取りしている時にフリルが近くにいたので、アクアはフリルにルビーが同じクラスなので仲良くしてやってくれと話しかけます。
話しかけてきたアクアを見てフリルは「今日あま」に出ていたのを覚えていて、演技が良かったと評します。
そして横にいたみなみもフリルは雑誌の表紙で見たことがあり名前も覚えていました。
次にフリルはルビーが何をしているのかわからなかったので率直に聞いてくるのですが、ルビーは言いにくそうに
「今のところ特に……」
とだけ返し、その答えにフリルは
「そう。えと……頑張って?」
と、無表情に返すのでした。
その後、自宅でルビーは、このままでは芸能科に紛れ込んだやっかいな一般人として扱われてしまいいじめられる事を想像してしまい、ミヤコに早く自分をアイドルにしてくれと泣きつきます。
アイドルグループを作るには様々な手続きなどが必要なうえに、更にはそう簡単に可愛い女の子は見つからないので急には出来ないと至極当然の事を言って聞かせようとするミヤコ。
それならとルビーはみなみはどうかと提案しますが、フリーならまだしも、よその事務所に所属しているので駄目だと言って却下します。
話を聞いていたアクアは、フリーで名前が売れてて可愛い子ならいると言います。
そこで出てきたのはかなのようです。
第19話はこの場面で終わりとなります。
第20話
ルビーはかなのルックスについて、長年アイドルを追いかけた経験上コッテリとしたオタの人気を稼ぐと分析します。
人気が出そうならグループに参加するよう誘ってみればいいのではとアクアはルビーに言いますが、ルビーはかなとはただならぬ因縁があると感じているようで気乗りしていません。
ただそれもアクアから言わせれば、ルビーが勝手にかなを悪く言っていたから関係が悪化しただけではないかと思うのでした。
そしてアクアは大した事ではないと感じているようで、ルビーの代わりにかなを呼び出すことにします。
一方その頃、かなは自身のエゴサーチをしていました。
自分が評価されているコメントを見て表情を崩すかな。
しかし次のコメントは、ストーカー役を演じていたアクアに対してで、内容は演技は嫌悪感しかなかったけど顔は良くて複雑というものでした。
そのコメントを見て、かなは共演していた時のアクアの顔を思い出し、頬を染めるのでした。
そんな時、アクアから大事な話しがあるので放課後時間を作って欲しいと連絡があり、放課後髪を念入りに整えます。
待ち合わせ場所に着いてみると、先に声をかけて来たのはルビーで、早速かなは不機嫌になります。
かなはなんで妹の方がいるのか聞いてきたので、アクアは話があるのはルビーの方だからと答えます。
期待していたような状況ではなかったのでかなはすぐに要件を済ませるよう言ってきます。
ですがルビーはアイドルに誘うのはかなが可愛いと認めているようで癪だと変な意地を張ってしまい、そのことをアクアに諭されます。
決心をしたルビーはかなを一緒にアイドルをやらないかと誘います。
それを聞いたかなは自分の将来を考えます。
アイドルの仕事はリスクが大きすぎると最初は考えますが、幼い頃に共演したアイが本物の才能を持っていたことを覚えており、ルビーからはアイを彷彿とさせる何かを感じるのでした。
しかしアイは自分がアイドルとして通用するほど可愛くはないと思っており断ろうとします。
その答えを予め予測していたのか、アクアがかなの言葉を遮るようにルビーとアイドルをやってくれるよう頼み込み始めます。
かなはそこらのアイドルよりも可愛いし、大事な妹を預けられると言ってアクアは押し切ろうとします。
しびれを切らしたかなは、
「何度言われても無理なものは無理!絶対やらないから!」
と言います。
時間は進み、かなはけっきょく押し切られて苺プロの書類にサインをしてしまうのでした。
どんな手を使ったのかとアクアを訝しむミヤコ。
その質問にアクアは、かなを共感力が強くて圧(お)しに弱い、泣き落としやゴリ押しが有効と思ってそれを決行したら成功しただけだと言うのです。
呆れたミヤコはそう言う事ばかりしているとそのうち酷い目を見るので気をつけろと言うのでした。
頭では否定していた事を受け入れてしまったかなは、自分を納得させるためにサインすることになった理由をつけようとします。
元・天才子役という意味のない肩書が元・天才子役のアイドルに変わっただけだと自分に言い聞かせますが、苺プロと契約をするもう一つの理由としてアクアと同じ事務所にいればアクアから何か技術が盗めるかもしれないというのも考えていたようです。
そしてそんなアクアが次にどんな仕事をするのかかなは気になり、質問してみます。
その質問にはルビーが答え、次の仕事は恋愛リアリティショーであるという映像をかなに見せます。
アクアの事が気になり始めていたかなは驚愕します。
ここで、次章を「第三章 恋愛リアリティショー編」と銘打ち、第20話が終わります。
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