漫画『コウノドリ』は、2012年から『モーニング』で連載され、2020年に完結した人気医療漫画です。
2016年には第40回講談社漫画賞・一般部門を受賞し、2015年には綾野剛主演で実写ドラマ化もされています。
物語の舞台は、聖ペルソナ総合医療センター。
主人公の鴻鳥サクラ(こうのとりさくら)は、産科医でありながらジャズピアニストという異色の経歴をもつ医師です。
彼を中心に、妊婦やその家族、そして赤ちゃんを取り巻く医療の現場が丁寧に描かれています。
そんなペルソナで働く新生児科医の一人が、新井恵美(あらいめぐみ)先生。
優秀で冷静、責任感の強い医師として周囲から信頼されていましたが、その真面目さゆえに心が限界を迎え、バーンアウト(燃え尽き症候群)に陥ってしまいます。
この記事では、「鉄の女」と呼ばれた新井先生がなぜバーンアウトしてしまったのか、そしてその後どのような道を歩んだのかを詳しく解説していきます。
『コウノドリ』は漫画アプリ『マガポケ』で全巻無料で読める?
『コウノドリ』はこちらの講談社が運営する漫画アプリ『マガポケ』にて無料で読むことができます。
『マガポケ』では、『コウノドリ』をこのように全巻無料で公開してくれています。

安心安全に、そしてタダで『コウノドリ』を読みたい方は『マガポケ』を使う方法が最もお得です。
『マガポケ』は、講談社が運営する公式アプリなので安全に利用できます。アプリをダウンロードする際もお金は一切かからないので安心してください。
オススメ漫画アプリ紹介
また漫画アプリに関していうと、小学館が運営する公式漫画アプリ『サンデーうぇぶり』や集英社が運営する『ヤンジャン』も特にオススメです!
- 名探偵コナン
- YAIBA
- MAJOR(MAJOR2nd)
- switch(スイッチ)
- からかい上手の高木さん
- 銀の匙
- ドロヘドロ
- だがしかし
- 犬夜叉
- らんま1/2
- 境界のRINNE
- 今日から俺は
- お茶にごす
- 天使な小生意気
- 今際の国のアリス
- 焼きたて!!ジャぱん
- うえきの法則
- からくりサーカス
- 月光条例
- うしおととら
- 双亡亭壊すべし
- マギ
- 烈火の炎
- H2
- タッチ
- 信長協奏曲
- 天野めぐみはスキだらけ!
- くノ一ツバキの胸の内
- 結界師
- チ。地球の運動について
- よふかしのうた
- 葬送のフリーレン
- MIX
- クロスゲーム
- KATSU
- ラフ
- ジャガーン
- トニカクカワイイ
- ダンスダンスダンスール
- 九条の大罪
- 土竜の唄
- 魔王城でおやすみ
- アオアシ
- 古見さんはコミュ症です
などなど…
- 東京グール:re(東京喰種:re)
- キングダム
- GANTZ
- BUNGOーブンゴー
- DINER ダイナー
- 高校鉄拳伝タフ
- TOUGH-タフー
- かぐや様は告らせたい
- テラフォーマーズ
- リクドウ
- 久保さんは僕を許さない
- TIEMPO-ティエンポー
- 干物妹!うまるちゃん
- サラリーマン金太郎
- 息子がかわいくて仕方がない魔族の母親
- 群青戦記
- 元ヤン
- ハチワンダイバー
- ウマ娘-シンデレラグレイ-
- LIAR GAME
- 地獄先生ぬ~べ~
- ゴールデンカムイ
- 推しの子
- 九龍ジェネリックロマンス
- ジョジョの奇妙な冒険
- 少年のアビス
- 明日ちゃんのセーラー服
- シャドーハウス
などなど…
「無料でマンガを楽しみたい!」という方は『マガポケ』と併せて使ってみてはいかがでしょうか?
鉄の女・新井先生とはどんな人?
『コウノドリ』に登場する新井恵美(あらい めぐみ)先生は、聖ペルソナ総合医療センターの新生児科医です。
コミックス7巻のTRACK22で初登場し、冷静沈着で責任感が強く、患者や赤ちゃんに対して常に真摯に向き合う姿勢が印象的です。
その一方で、同僚には厳しい面もあり、同じ新生児科医の白川(しらかわ)からは「鉄の女」と呼ばれることもあります。
特に新生児を診ているときはピリピリしており、補助に入る看護師の動きが遅いと無言で突き飛ばすこともあるほど。
その厳しさは、現場での高いプロ意識と密接に結びついています。
新生児科医としての腕前は非常に優秀で、生まれたばかりの赤ちゃんへの挿管も手際よく迅速に行うことができます。
年齢は公表されていませんが、独身で恋人がいることが明かされています。
冷静で厳格ながらも、赤ちゃんや患者への思いは深く、まさに現場で頼りにされる存在です。
なぜバーンアウトした?「ごめんなさい」の理由とは?23週で生まれた陽介くんはどうなった?
23週で生まれた陽介くんはどうなる?順調にみえた陽介くんに腸管穿孔?NICUの医師たちの葛藤とは
ある日、聖ペルソナ総合医療センターに、23週1日の切迫早産の妊婦・小泉(こいずみ)さんの救急搬送依頼がありました。
生まれてくる赤ちゃん・陽介(ようすけ)くんは推定600gの超未熟児で、搬送中に分娩が避けられず、そのまま出産となります。
超未熟児で生まれた赤ちゃんは肺や循環器が未発達で、脳室内に出血しやすい状態でした。
新井先生は、小泉さん夫婦に「出血した場合、影響がないこともあれば予後が不良で障害が残るか、命に関わる場合もあります」と淡々と説明します。
しかし、夫は「でも、その確率は低いんですよね?」と尋ねます。
新井先生は「低くはないと思います」と答え、夫はさらに「じゃあ何で助けたんですか?」と訴えます。
新井先生は「私は赤ちゃんの生きる力を信じています」と応えますが、混乱した夫は「そんなの勝手ですよね」と厳しい言葉を投げかけます。
鉄の女と呼ばれる新井先生も、この言葉には落ち込みましたが、救急の加瀬(かせ)に励まされ、再び勇気を取り戻しました。
翌日、新井先生は小泉さん夫婦に再度状況を説明しました。
これから起こりうる病気や障害、合併症などを淡々と伝え、まず最初のハードルは出生後72時間であることを説明します。
これは脳室内出血の90%が72時間以内に起きるためです。
その後、新井先生はずっと陽介くんの様子に付きっきりで見守ります。
23週で生まれた赤ちゃんは、向きを変えたり検温などで触れること自体がストレスになるため、「不用意に触らない」ことが基本になります。
そのため血圧や脈拍を確認しながら、呼吸器の設定や点滴量を細かく調整する必要があり、寝る間も惜しんでの対応が続きました。
その甲斐あって、最初のハードル72時間を乗り越えます。
しかし、喜びも束の間。
出生から7日後、陽介くんはグレード4の脳室内出血を起こしました。
原因は腸管の炎症による出血で、一部が破れてしまう『腸管穿孔(ちょうかんせんこう)』でした。
腸の状態悪化による出血で体の負担が増し、脳内出血まで広がったのです。
新井先生は出血が止まるのを待ち、腸管手術を検討しますが、出血は止まらず心肺機能も低下。
予後は厳しく、心拍が40を切り、あと数時間しか持たない状態に。
そんな時、同じく新生児科の今橋(いまはし)先生が小泉さん夫婦に「陽介くんを抱っこしてあげませんか?」と提案します。
治療をここで諦めることと同義の提案に、両親と新井先生は動揺します。
新井先生は「陽介くんはまだ頑張れる。私は諦めたくありません」と訴えますが、「陽介くんをお父さんとお母さんに一度も抱きしめてもらえなかった子にするんですか?」と言われ、葛藤の末、抱っこを許可します。
呼吸器を外し、両親に抱きしめられた陽介くんは、静かにその小さな命を旅立ちました。
双子の帝王切開で「ごめんなさい」その理由は?
陽介くんの件から間もない頃、聖ペルソナ総合医療センターに、26週の双子を妊娠した妊婦が妊娠高血圧症候群のため緊急搬送されてきました。
人手が必要とのことで、新井先生もオペ室に呼び出されます。
1人目の赤ちゃんが無事に産まれ、挿管処置を行おうとしたその瞬間、新井先生の脳裏によみがえったのは、陽介くんの姿と「じゃあなんで助けたんですか?」という父親の言葉でした。
その記憶がフラッシュバックし、手が震えて涙があふれ、挿管ができなくなってしまいます。
今橋先生や白川先生のフォローによって手術は無事に終わり、双子の赤ちゃんも安定しましたが、新井先生は深く動揺し、「ごめんなさい……ごめんなさい」と涙ながらに謝るばかりでした。
その後、無断欠勤が続き、新井先生はバーンアウト(燃え尽き症候群)に。
そして、ペルソナを去ることとなってしまいました。
ペルソナを去ったあとはどうなった?新生児科を離れて見た世界とは?
外来の小児科医として働いていた!?
ペルソナを去ったあと、新井先生は小さな小児科クリニックで一般外来を担当していました。
かつて新生児科で働いていた経験を活かしながら、地域の子どもたちの診療にあたっていたのです。
19巻のTRACK54では、自分の判断ミスで赤ちゃんを危険に晒してしまい落ち込む白川先生の前に、突然新井先生が姿を現します。
実はそのとき白川先生は新井先生の勤務する小児科クリニックの近くに立ち寄っていたのでした。
そこで新井先生は、現在は小児科医として働きながら、在宅医療のサポートも行っていることを明かします。
在宅医療とは、NICU(新生児集中治療室)を卒業した子どもや医療的ケアが必要な子どものもとを訪れ、家庭での生活を支える医療活動のこと。
他にも近隣の産科クリニックで新生児の診察を担当することもあるようです。
新生児科を離れたあとも、新井先生は子どもたちに関わり続けていました。
在宅医療でみたNICU卒業後の世界とは?
ペルソナ総合医療センターを離れた新井先生は、小児科クリニックで一般外来を担当しながら、在宅医療にも携わっていました。
その中で担当していたのが、低酸素脳症で生まれた3歳の女の子・森元コノハ(もりもと このは)ちゃんです。
コノハちゃんは人工呼吸器をつけなければ自力で呼吸ができず、1時間ごとの痰の吸引や、1日5回の経管栄養が必要な生活を送っていました。
そのすべてを母親が1人でこなしており、ほとんど休む間もなく、心身ともに限界に近い状態でした。
母親は「元気に産んであげられなかったのは自分の責任」と自分を責め、夫や親族にも頼らず、孤独の中で介護を続けていました。
そんな姿に新井先生も心を痛めていたようです。
ところが、ある日事件が起こります。
ランニング中の新井先生は、公園のベンチに座る森元さんを見かけます。
声をかけると、森元さんの口から「自首します」という衝撃の言葉が飛び出しました。
話を聞くと、突然夫から離婚を切り出され、気がついたらコノハちゃんの人工呼吸器を外して外へ飛び出していたというのです。
呼吸器を外すことは、コノハちゃんの命を絶つことと同じ行為。
その出来事はニュースでも報じられ、社会的にも大きな波紋を呼びます。
森元さんは、「自分がこうしてしまったのは全部自分の責任」「守れるのは自分しかいない」と思い詰め、誰にも頼れずにいました。
精神的にも肉体的にも限界を迎え、夫からの離婚宣言が最後の引き金になったのです。
その後、新井先生と話した森元さんは、少し落ち着いた表情を見せながら自首しました。
この出来事を通して新井先生は、NICUで命を救うことだけを考えていた自分を振り返ります。
「救った命の先にある家族の生活」や、「支える側の限界」など、NICU卒業後の現実を目の当たりにし、命を助けるだけでは終わらない医療の課題を深く考えるようになったのです。
新井先生には婚約者がいる?その後結婚した?
新井先生にはお付き合いをしている男性がいました。
医師という立場上、オンコール対応や急な呼び出しが多く、デートをドタキャンしたり途中で切り上げたりすることも日常茶飯事でした。
それでも関係は良好で、一緒に暮らさないかという話が出るほどでした。
しかし、その同棲の話が出たデート中に病院からの呼び出しが入り、新井先生は急いで職場へ戻ることに。
結局その返事をしないまま、そのままバーンアウト(燃え尽き症候群)でペルソナを離れてしまい、彼との関係も描かれないまま新井先生の物語は途絶えてしまいます。
その後、新井先生が再びペルソナに戻ってきた際、鴻鳥先生から「あの優しそうな彼とはどうですか?」と尋ねられます。
すると新井先生は、「もう別れました」と答えました。
別れた理由は作中では明らかにされていませんが、忙しい医療現場でのすれ違いや、バーンアウトによる心身の限界が影響していたのかもしれません。
新井先生はペルソナに戻ってくる?NICUに復帰する?
コノハちゃんの件のあと、新井先生はペルソナを訪れ、今橋先生と話をします。
その中で今橋先生は、「医療の進化によってNICUで救われる命は増えた。しかし、だからこそこれからは赤ちゃんだけでなく、家族も一緒に支えられるNICUに変わらなければならない」と語ります。
その言葉を受けて新井先生は、「私にそれが手伝えますか? 私をもう一度ここ(新生児科)に戻らせてください」と復帰を願い出ます。
結果として、新井先生はペルソナのNICUに復帰することとなりました。
NICUを離れて子どもたちを診てきた経験を経て、新井先生は「新しい新生児科医」を目指すために戻ってきます。
ペルソナのNICUは慢性的な人手不足であり、優秀な新井先生の復帰は喜ばしい一方で、「一度バーンアウトして離れた彼女が本当に戻れるのか」と戸惑う声もありました。
しかし今橋先生は、「バーンアウトして壊れたからこそ、人の弱さを理解できるようになったはず。外で働いた経験から、NICUの課題や仲間の大切さにも気づけたのでは」と受け止めます。
復帰後、新井先生は先天性横隔膜ヘルニア(せんていせいおうかくまくヘルニア)をもつ赤ちゃんの出産に立ち会います。
その赤ちゃんは気管切開を行い、呼吸器をつけて過ごすことになりましたが、新井先生たちは母親だけに負担が偏らないよう、家族全体を支えるケアに取り組みました。
NICUを離れて見えた課題や未来への思いを胸に、新井先生は「赤ちゃんにも家族にも優しいNICUづくり」に向けて動き出しています。
かつての冷徹な“鉄の女”ではなく、他者の弱さや痛みに寄り添える医師へと変化しているようです。