アニメ化・実写映画化もされた人気マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』。
今回は、そんな『ジョジョの奇妙な冒険』に登場する・DIO(ディオ)の最後の結末やスタンド能力・実在した息子の正体などについてご紹介します。
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- ジョジョの奇妙な冒険 2部 戦闘潮流
- ジョジョの奇妙な冒険 3部 スターダストクルセイダース
- ジョジョの奇妙な冒険 4部 ダイヤモンドは砕けない
- ジョジョの奇妙な冒険 5部 黄金の風
- ジョジョの奇妙な冒険 6部 ストーンオーシャン
- ジョジョの奇妙な冒険 7部 スティール・ボール・ラン
- ジョジョの奇妙な冒険 8部 ジョジョリオン
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- からかい上手の高木さん
- 銀の匙
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- だがしかし
- 犬夜叉
- らんま1/2
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- 今日から俺は
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- 天使な小生意気
- 今際の国のアリス
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- 葬送のフリーレン
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- チ。地球の運動について
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- アフロ田中
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- ケンガンアシュラ
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- 青のオーケストラ
- プロミスシンデレラ
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- ダンベル何キロ持てる?
- めぞん一刻
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DIO(ディオ)のプロフィール紹介!ジョジョの宿敵・ディオ・ブランドーとは?
少年時代~青年時代の活躍
『ジョジョの奇妙な冒険』において、ある意味最も重要な人物とも言える悪役、「ディオ・ブランドー」。
現在八部まで連載されている『ジョジョの奇妙な冒険』の、ほとんどの部に関わりを持っています。
ディオの生まれは十九世紀後半。英国のスラム街です。
社会の最底辺の出身ですが、父親のダリオ・ブランドーは貴族であるジョージ・ジョースター卿に貸しがあり、ダリオの死後はそのコネを使ってジョースター家の養子になりおおせます。
そしてジョースター家の地位と財産を乗っ取ろうと画策。
ジョースター卿の実子であるジョナサン・ジョースターを徹底的に苛め抜き、友達を奪い、無気力で空虚な人間にしようとさまざまな嫌がらせを行います。
しかしジョナサンのガールフレンドであるエリナの唇を強引に奪い、傷つけたことで、やられっぱなしだったジョナサンは初めて怒り狂い、ディオをボコボコに打ち負かします。
あなどれない精神力を前に、ディオは方針を転換。
一変してジョナサンに友好的となり、無二の親友としての立場を確固たるものにしてゆきます。
そのまま大学生となった二人。
ジョースター卿は病を患い、日々衰弱していきます。
あるとき、ジョナサンはディオの父ダリオがジョースター卿に向けて書いた手紙を発見します。
そこには、自分の父親とまったく同じ症状で衰弱してゆくダリオの様子が記述されていました。
このことから、ディオがダリオの死に関わり、今度はジョースター卿をも殺そうとしているのではないかという疑いを持ったジョナサンは、ディオの手から薬を奪い、それが毒であるという証拠を得ようと方々を駆け回ります。
紆余曲折の末、ディオの犯罪の証拠をつかんだジョナサン。
追い詰められたディオは、太古の遺物である「石仮面」を取り出してジョースター卿を刺殺。
その返り血を浴びた石仮面をディオはかぶります。
すると仮面の仕掛けが動き出し、鋭い骨針が多数伸びてディオの脳を刺し貫きました。
それは、人間の脳に眠る未知の機能を呼び覚ますための仕掛けだったのです。
ディオは人間をやめ、この時からDIOとして表記されるようになります。
吸血鬼となってから
吸血鬼となったDIOは超人的な身体能力と再生能力によって警官隊を殺戮。
父を殺されたジョナサンの壮絶な奮闘によって吸血鬼DIOは退治され、死亡したかに思われました。
しかしギリギリ生き残ったDIOは、辺境の寒村「ウィンドナイツ・ロット」に身をひそめ、体を治療すると同時に多数の屍生人を生み出して世界征服のために動き始めていました。
ウィル・A・ツェペリ男爵との出会いによって波紋法を習得したジョナサンは、そんなDIOと決着をつけるべく挑みかかります。
死闘のすえにジョナサンはDIOに波紋法を叩き込むことに成功。
しかしDIOはなんと波紋が頭に至る前に首を自ら切断し、またしても生存します。
首だけになりながらもDIOは執念深くジョナサンを付け狙い、彼とエリナが新婚旅行のために乗った客船に潜入。
最終的にジョナサンの首を刎ね、その肉体を乗っ取ることに成功します。
しかし、彼らを乗せた船は炎上して海底へと沈んでゆき、以降100年に渡って日の目を見ることはありませんでした。
そして百年後
しかし仮死状態のまま、またしても生きていたDIOは、入っていた棺桶ごと海底から引き揚げられ、その場にいた船員たちを殺戮して力を取り戻します。
さらに、エンヤという名の老婆から奇妙な「矢」を受け取り、それによってスタンド能力「ザ・ワールド」に覚醒。
吸血鬼としての力に加え、最強クラスのスタンド能力をも獲得したDIOは、この世の支配者として君臨すべく動き出します。
タロットカードやエジプト九栄神になぞらえたスタンド使いたちを次々と軍門に下し、闇の帝王としての地位を確固たるものにしていきます。
しかし、100年前に死闘を繰り広げた好敵手ジョナサンの子孫たちもまたスタンド能力に目覚め、DIOを倒すべく長い長い旅を始めます。
最底辺の生まれでありながら、さまざまな知識を貪欲に吸収し、利用できるものは何でも利用し、ジョナサンに二度も敗北しながらも異様な執念で喰らい付き、ついにはその体を乗っ取って悪の帝王と呼ぶにふさわしい存在にまで上り詰めたDIO。
彼が得たもののどれ一つとして、生まれながらに持っていたものはありません。
それらすべてを、後天的に、自由意志のもとで勝ち取ったのです。
善悪はともかくとして、そのバイタリティには感嘆の念を禁じ得ません。
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DIO(ディオ)の最後は死亡?結末解説!
次々と倒されてゆく仲間たち
ジョジョ第三部『スターダストクルセイダーズ』のラストにおいて、DIOの最期が描かれます。
ジョナサン・ジョースターの曾孫である空条承太郎は、DIOの「ザ・ワールド」と同じタイプのスタンドである「スタープラチナ」に目覚めていました。
承太郎の仲間である花京院を殺害し、祖父であるジョセフ・ジョースターに承太郎の目の前で致命傷を負わせたDIO。
幾多の死闘を潜り抜けてきたこの二人も、ザ・ワールドの前では一矢報いることすら叶いませんでした。
最期の瞬間、DIOのスタンドの恐るべき能力を承太郎に伝えるジョセフ。
ザ・ワールドは「時間を止められる」能力だというのです。
それを知ってなお、承太郎は決然とDIOに向けて歩みを進めます。
最終決戦開幕
ところが、時間停止能力を抜きにした純粋な殴り合いでもスタープラチナはザ・ワールドに勝てませんでした。
負傷する承太郎に対し、DIOは時止めを発動。止めを刺しにかかります。
ところが今にもDIOのチョップが承太郎の首を刎ねる直前、時の止まった世界で承太郎の指が一瞬ピクリと動きました。
あり得ない出来事に警戒し、間合いを取るDIO。
時が動き出してから、承太郎に探りを入れるも、はぐらかされます。
承太郎に時の止まった世界が見えているのかどうか確かめるために、再び時間停止を発動するDIO。
そこで、あまりにも馬鹿馬鹿しい事実に気づきます。
承太郎の手に磁石が張り付けられており、同じものがDIOの体にもくっついていました。
さっきの殴り合いのどさくさに紛れて承太郎が仕込んでおいたのでしょう。
お互いが接近すると磁石同士が引き合って、承太郎の手をわずかに動かしていたのです。
時の止まった世界でも磁力が働くのは奇妙に思えるかもしれませんが、可視光が問題なく見えている以上、光は時の止まった世界でも普段通りに振舞っていることになります。
そして光という現象の根源は電磁力であり、これは広義において磁力と同一の力です。
意外にも科学的整合性のとれた展開と言えるでしょう。
「しかしッ! こんなイカサマのトリックは! きさまのスタンドが時の中を動けぬという証明ッ! 寿命がほんの数秒延びたにすぎぬわッ!」
今度こそ致命傷を加えるべくザ・ワールドを向かわせるDIO。
しかし、そこでなんとスタープラチナの拳が握り込まれ、強烈な一撃をザ・ワールドの胸板に叩き込んで貫通させます。
磁石のトリックは動けないことを隠すためではなく、動けることを隠してDIOを十分引き付けるためのものだったのです。
DIOの能力が時間停止であるという知識を得て、「そういうことが可能である」という認識に至った結果、この土壇場でスタープラチナに秘められた能力が開花したのです。
時が動き出し、吹き飛ばされるDIO。
その先にいた一般人の血を吸って傷を回復し、策を練ります。
承太郎が止まった時の中を何秒動けるのかは不明ですが、たとえ何秒だろうと関係のない処刑方法を思いつきます。
時を止め、無数のナイフを承太郎に投げつけたのです。
DIOの手を離れた途端、ナイフは空中に静止します。
承太郎の僅かな行動可能時間でこのすべてのナイフを叩き落とすことなど不可能。
案の定、腕を一振りしてナイフの一部を払うことしかできませんでした。
時が動き出し、残りのナイフが一斉に承太郎へと刺さります。
どう見ても人間には致命傷です。
さらにダメ押しのもう一本が承太郎の頭蓋に突き刺さり、成すすべもなく倒れ伏します。
しかし承太郎は胸と帽子の中に雑誌を仕込んでおり、辛うじて致命傷は免れていました。
死んだふりをしてDIOを引き付け、もう一度スタープラチナを叩き込むしかありません。
一方、DIOもまったく油断していません。
承太郎の死をほぼ確信していましたが、完全なる止めを刺すべく道路標識をへし折って携え、首を切断しようとします。
スタープラチナが行動可能な範囲は本体からわずか2メートル以内。
道路標識のリーチがある分、承太郎にはなすすべがありません。
絶体絶命のピンチを救ったのは、承太郎の仲間の一人、ポルナレフでした。
突如としてDIOの背後から奇襲を仕掛け、レイピアで頭蓋を刺し貫くことに成功します。
しかし、恐るべきことに吸血鬼DIOはそれだけでは死にませんでした。
即座に時止めを発動してレイピアを頭から引き抜き、拳の一撃でポルナレフを吹き飛ばします。
重傷を負い動けないポルナレフを殺すべく向かうDIO。
その瞬間、承太郎が倒れている方からかすかな引っ掻くような音がしました。
即座に反応して承太郎を警戒するDIO。
職務質問してきた警官を暴力で従わせて承太郎を拳銃で撃たせますが、反応はありません。
精密動作性に優れるスタープラチナは銃弾を服の内部で摘み止めていたのです。
DIOは離れた位置から呼吸音や心臓の鼓動音に耳を澄ましますが、どう考えても死んでいます。
承太郎は息を止め、心臓の鼓動をスタンドで握りしめて強引に止めていたのです。
自殺行為にも等しい荒行の甲斐あって、DIOは承太郎の死を確信。
折れて短くなった道路標識で首を切断しようと近づいてきました。
意識と生命を手放しそうになる直前、スタープラチナは心臓を直接揉んで強引に血流を復活させ、油断して近づいてきたDIOの脳天に渾身の一撃を叩き込みます。
頭蓋骨を粉砕し、脳組織を破壊。
DIOは時止めを発動しますが、同時に承太郎も時止めを発動したことで、そのまま拳を振り抜くことに成功しました。
さすがの吸血鬼もこれには甚大なダメージを受けました。
まともに立ち上がれず、傷の再生も遅々として完了しません。
そこへガソリンをぶっかけられます。
ライターを取り出す承太郎。
が、しかし、近くを車が通過した瞬間にDIOは時止めを発動。
静止時間の中で必死に這いずって車のバンパーを掴むことに成功します。
時が動き出し、まんまと逃走に成功したかに思えた瞬間、スタープラチナはナイフを投げて車をパンクさせました。
道路に投げ出されたDIOはそれでもあきらめずに下水道の蓋をこじ開けて入り込もうとしますが、時を止めた承太郎に先回りをされていました。
苦し紛れの攻撃もスタープラチナの圧倒的スピードの前では無力。
連撃を喰らって吹き飛ばされます。
しかし、これこそがDIOの策だったのです。
吹き飛ばされた先に転がっていたのは、ジョセフの遺体でした。
DIOは最初から闇雲に逃げていたのではなく、最初からここを目指していたのです。
DIOのパワーアップ
先述の通り、DIOの首から下はジョナサン・ジョースターの肉体であるため、その孫たるジョセフの血を吸うことで首と肉体がさらに馴染み、一瞬で負傷を回復したのみならずスタンド能力まで大幅にパワーアップ。
さらに過剰に血を吸い続け、ジョセフの遺体は干乾びたミイラのようになってしまいました。
これを目の当たりにした瞬間、承太郎は激怒。
時の止まった世界で両者は激突します。
格闘能力はブチ切れた承太郎が一枚上手でしたが、時間停止能力はジョセフの血を吸ったDIOが遥かに上でした。
果たして何秒止めていられるのか実験するため、すぐには承太郎を殺さず時止め状態を維持し続けるDIO。
その停止時間は実に九秒。約二倍もの強化です。
時が動き始める間際に攻撃され、吹っ飛ばされる承太郎。
骨格が砕け、もはやまともに行動できません。
着地する前に空中で追いつかれ、執拗に放たれる追撃をスタープラチナで必死に防ぎます。
墜落に近い形で着地。
そこでDIOは正真正銘最後の時止めを発動します。
何ゆえか姿を消すDIO。
しかし次の瞬間、真上から巨大な影が降ってきました。
「ロードローラーだッ!」
ナイフでは足らないと見たのか、巨大な車両で押し潰すつもりのようです。
承太郎は下から連続攻撃を叩き込んで対抗しますが、圧倒的質量には敵わず、ロードローラーは轟音とともに着地。
その上で勝ち誇るDIOですが、なぜか自分の体がまったく動かなくなっていることに気づきます。
そして背後から現れる承太郎。動けないDIOの肩を掴みます。
「おれが時を止めた…9秒の時点でな…そして脱出できた…」
そして強烈なローキックがDIOの脚を粉砕し、時止め解除。
しかしDIOは砕かれた脚からの出血を承太郎に浴びせ、目潰しを行います。
その隙にハイキックを仕掛けるザ・ワールド。
同時にスタープラチナも拳を繰り出します。
激突する両者の攻撃。
スタープラチナの拳が砕け、ニヤリと嗤うDIO。
ところが直後、ザ・ワールドの脚が、スタープラチナの拳が命中した箇所から罅割れ、砕けていきます。
罅はザ・ワールドの脚を伝い、胴体や頭部にまで及びました。
驚愕の絶叫とともに、スタンドからのダメージフィードバックで同様に砕け散るDIO。
その残骸は朝日に晒され、完全なる消滅を迎えました。
悪の帝王の、壮絶な最期と言えるでしょう。
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DIO(ディオ)の吸血鬼としての力とは?
人間の脳を「押し」、未知の能力を開花させる機能を持った太古の遺物「石仮面」。
それを被ったことにより、貧民上がりのただの少年であったDIOは夜を支配する吸血鬼となりました。
人間を遥かに上回る怪力と、どんな重症でも数秒で再生する治癒能力。
さらに、大方のフィクションでの吸血鬼イメージとは裏腹に、脳への負傷すら致命傷にはならないことがたびたび描写されています。
人間の血を吸い、その際に不浄のエキスを注入して屍生人(ゾンビ)へと変え、操ることも可能。
これら屍生人(ゾンビ)もまた人間を圧倒する怪力と、さまざまな特殊能力を獲得しえるようです。
また、屍生人に作り替えずとも、「肉の芽」と呼ばれる細胞片を植え付けることで、相手を人間のまま忠実な下僕に洗脳してしまうことも可能です。
体液に高圧をかけて両目から飛ばし、ウォーターカッターのように対象を切断することもできます。
この技は空裂眼刺驚(スペースリパー・スティンギーアイズ)と呼ばれ、軽く薙ぎ払っただけで巨大な塔を両断するなど、とんでもない威力を発揮しました。
もはやこの時点でほとんどのスタンド使いより強いのですが、吸血鬼DIOの切り札は別にあります。
それが「気化冷凍法」。
吸血鬼にとって弱点となる波紋法に対抗するために編み出したDIO固有の技であり、気化熱で血液を凍らせて波紋が肉体に流れ込んでこないよう防御できるのみならず、そのまま相手の体を凍り付かせて砕くこともできる攻防一体の絶技です。
DIO(ディオ)スタンド能力「ザ・ワールド」について解説!
かように強力かつ多彩な能力の数々を誇るDIOですが、第三部においてはそれに加えて最強クラスのスタンド能力まで身につけてしまいました。
それが「ザ・ワールド」。
タロットにおける大アルカナの最後、二十一番目に位置するカードの名を冠するスタンドです。
名の通り、世界を支配する恐るべき力を秘めています。
それは「全世界の時間を止める」こと。
止まった時間の中を、DIOとザ・ワールドだけが自由に行動できます。
敵対者は何の抵抗も許されず殺されるしかありません。
無敵ともいえる力ですが、DIOの主観で五秒程度しか時止め状態を維持できないという制限もあります。
また、「時の止まった世界を認識すること」、「時の止まった世界で動くこと」、「全世界の時を止めること」はそれぞれ別個の行いであるらしく、終盤で同様の能力に覚醒した承太郎によってこの複雑な仕様の穴を突かれ、敗北することになります。
とはいえ、承太郎との戦いでの最終局面においてはDIOも大幅なパワーアップを果たし、実に十一秒も時を止めていられるようになりました。
この静止時間は圧倒的で、全盛期の承太郎すらこれにはまったく及びません。
さらに、ザ・ワールド自身の格闘能力も最強クラスであり、本体の不死性の高さも相まって、白兵戦では無敵と言ってよいでしょう。
スタープラチナを従えた承太郎も、トリックなしの真っ向勝負ではほぼ勝ち目はなかったと思われます。
DIO(ディオ)の息子・ジョルノ・ジョバァーナとは?DIOの死後の影響について解説!『4部・6部』
第四部『ダイヤモンドは砕けない』への影響
1988年、エジプトにおいてDIOは承太郎に破れ、完全消滅します。
これにてジョースター家とDIOとの百年にも及ぶ因縁は清算された――かに思われました。
しかし『ジョジョの奇妙な冒険』はその後も続き、死んだDIOの影響がのちのちまでジョースター一族を祟り続けます。
第四部においては「肉の芽」を植えられたDIOの部下が、DIOの死によって肉の芽が暴走し、全身に転移してしまいます。
彼は知性を喪失し、異形の姿となり、戦闘能力はひとかけらもない代わりに異常な再生能力を有するようになりました。
細切れにされてもすぐに元の姿に戻り、太陽光を浴びても滅びません。
もはや吸血鬼でも屍生人でもない存在になり果ててしまいました。
それでもかすかに残る家族との記憶を求めるように、とっくの昔に朽ちていった家族写真を元に戻そうと、毎日無駄なあがきを続けています。
彼の息子たちが、そんな父親をせめて人間として死なせてやりたいと願ったことから、第四部の物語は幕を開けました。
第五部においては、驚くべきことにDIOの息子が登場します。
名はジョルノ・ジョバァーナ。
生物学的には吸血鬼ではなく完全な人間のようです。
ジョジョ第五部は彼を主人公とした物語です。
DIOの首から下はジョナサン・ジョースターの肉体であり、つまりジョルノはジョースター家の人間でもあるという複雑な出自を持っています。
勇敢で、冷静で、聡明で、正義を重んじ、呆れるほど逆境に強く、しかし敵対者を冷酷に抹殺することもできる、ジョースター家とブランドー家のいいところだけを受け継いだサラブレッドのような存在です。
第六部『ストーンオーシャン』への影響
第六部においては、生前のDIOと深い絆を結んだ親友が登場します。
名をエンリコ・プッチ。
恐らくジョナサン・ジョースターを除けば、DIOが心を許し、友情を交わし、信頼した唯一の人物です。
DIOと出会った時点ではプッチはまだ学生で、神父を目指して聖職者見習いをやっていました。
礼拝堂の中で日光を避けていたDIOを見つけ、「ここは一般客は立ち入り禁止だよ」と咎めるものの、DIOの「自分は太陽アレルギーなので、日没まではいさせてほしい」という言葉を信じ、「神父様には黙っておくよ。他に何か僕にできることはあるかい?」と何の気なしに親切にしてあげたことが切っ掛けとなり、吸血鬼と神父見習いの奇妙な友情が始まりました。
プッチはスタンド能力として「他人のスタンドをディスクに変えて取り出せる」力を持っていました。
そこでDIOは、ある時プッチの手を取って自分の頭に触れさせ、ザ・ワールドのディスクを実体化させます。
「君はわたしをいつか裏切るのか? なぜわたしを襲わない? 君はわたしの弱点が太陽の光で、昼…暗闇で眠るのを知っている。わたしの寝首をかけばいいだろう……わたしの「ザ・ワールド」をDISCにして奪えば君は王になれる。やれよ…」
「そんな事は考えた事もない…ぼくは自分を成長させてくれる人間が好きだ。君は王の中の王だ。君がどこへ行きつくのか? ぼくはそれについて行きたい。神を愛するように君のことを愛している」
「すまない……君を侮辱してしまったか…思ってもみなかったのだ。話していると心が落ちつく人間がいるなんて……君がいなくなるのが怖かったのだ…君は気高い聖職者になれるだろう」
冷酷で凶暴で傲岸な悪の帝王としてのDIOを知る読者からすれば、まさしく驚愕もののやりとりです。
その後プッチ神父はDIOの死を知り、親友がかつて成し遂げようとした「天国」と呼ばれる何かを追い求めて策謀を巡らせることになります。
その過程で、大人になった空条承太郎と、その娘空条徐倫との死闘を演じることになります。
それは最終的に、世界にとんでもない変化をもたらすことになるのです。
7部以降の物語は「一巡後の世界」?
第六部のラストに起こったとある出来事によって、『ジョジョの奇妙な冒険』の世界は時間がループし、少し異なる似た世界となりました。
七部以降の物語は、この「一巡後の世界」を舞台としています。
第七部『スティール・ボール・ラン』において、DIOを強く想起させる人物が登場します。
その名は「ディエゴ・ブランドー」。
史上初の馬による北米大陸横断レース「スティール・ボール・ラン」に出場した選手の一人で、競馬界に威名を轟かせる天才騎手です。
名前と言い容貌と言い、どう見てもDIOそのものであり、巨大な自己顕示欲や功名心、不屈のバイタリティ、冷酷さ、機転の速さなど、人格面でもDIOと同質です。
ただしディエゴは石仮面を被っておらず、吸血鬼にはなっていません。
七部における主人公「ジョニィ・ジョースター」と幾度も対立し、激しく火花を散らすライバルキャラクターです。
もちろんスタンド能力も獲得しますが、それはザ・ワールドではなく、「スケアリ―・モンスターズ」という別の能力です。
本来はフェルディナンド博士と言う別の敵役のスタンド能力だったのですが、作中に登場するキーアイテムである「聖人の遺体」の超常的な力によってディエゴがその力を強奪し、以降完全に使いこなすようになります。
「スケアリー・モンスターズ」の能力は、あらゆる生物を恐竜に変異させて操るというもの。
恐竜化した生物は極めて獰猛かつ俊敏であり、鋭利な牙と爪を持ち、生物史上最強の動体視力を有しています。
もっぱらディエゴ自身が恐竜化して高い戦闘能力を得る用途で使用されていましたが、やろうと思えば凶暴な恐竜軍団を大量発生させることもできる極めて危険な能力です。
この能力をフル活用して、ディエゴは過酷なスティール・ボール・ランレースを勝ち抜きながら、主人公ジョニィ・ジョースターや黒幕であるファニー・ヴァレンタイン大統領とは異なる第三勢力として縦横無尽の活躍をすることになります。
しかし終盤においてヴァレンタイン大統領との死闘の結果惜しくも敗北し、物語からは退場していった、かに思われました。
ところがヴァレンタイン大統領のスタンド能力によって、無数に分岐した並行世界のひとつから生きているディエゴが物語の舞台である基本世界へと連れてこられ、ジョニィの前に立ちはだかる最後の敵役を務めるのです。
この並行世界のディエゴは、なんとザ・ワールドを有しています。
能力ももちろん時間停止。
この展開にはすべてのジョジョファンが歓喜したことでしょう。
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DIO(ディオ)の名言紹介!
「醜くって、ズル賢くって、母に苦労をかけて死なせ、最低の父親だったぜ! 一番の金持ちになれだと? ああ! なってやるとも! おまえの「遺産」、受けとるぜ! ひとりでも生きられるが利用できるものはなんでも利用してやる! だからこのジョースターとかいう貴族を利用してだれにも負けない男になるッ!」
父ダリオ・ブランドーの墓標を前にしてのモノローグ。まだほんの子供ながらDIOという男の本質はこの時からすでに確固としたものだったようです。
「おいワンチェン。ジョジョへの侮辱はゆるさんぞ! 彼はこのディオをこんな姿まで追い込んだ人間…尊敬の念をもって苦しみを与えず、すみやかにヤツの首を切断しろ!」
幾度も死闘を繰り返したジョナサン・ジョースターへの奇妙な友情が垣間見えるセリフです。
「ポルナレフ。人間は何のために生きるか考えたことがあるかね? 「人間は誰でも不安や恐怖を克服して安心を得るために生きる」。名声を手に入れたり、人を支配したり、金もうけをするのも安心するためだ。結婚したり、友人をつくったりするのも安心するためだ。人のために役立つだとか、愛と平和のためにだとか、すべて自分を安心させるためだ。安心を求める事こそ人間の目的だ」
まるで自分の行いをも冷徹に客観視しているような言葉です。この思想は、第六部において「全人類に己の全生涯をあらかじめ悟らせることで、未来への不安や過去への後悔を取り去る」という形で結実していきます。
「しかし……しかし! 承太郎…このどたん場に来て…やはりおまえは人間だ……ククク…ごく短い時の流れでしか生きない人間の考え方をする…『あと味のよくないものを残す』とか、『人生に悔いを残さない』だとか…便所のネズミのクソにも匹敵するそのくだらない物の考え方が命とりよ! クックックックッ。このDIOにそれはない…あるのはシンプルなたったひとつの思想だけだ…たったひとつ! 『勝利して支配する』! それだけよ…それだけが満足感よ!」
かと思えば自分が追い詰められると我武者羅に生き汚くなるのがDIOという男の人間臭さであり、複雑な所でもあります。
「必要なものは『わたしのスタンド』である。『ザ・ワールド』。我がスタンドの先にあるものこそが人間がさらに先に進むべき道なのである」
「必要なものは信頼できる友である。彼は欲望をコントロールできる人間でなくてはならない。権力欲や名誉欲、金欲・色欲のない人間で、彼は人の法よりも神の法を尊ぶ人間でなければならない。いつかそのような者にこのDIOが出会えるだろうか?」
「必要なものは『極罪を犯した36名以上の魂』である。罪人の魂には強い力があるからである」
「必要なものは『14の言葉』である。わたし自身を忘れないように、この言葉をわたしのスタンドそのものに傷として刻みつけておこう」
「必要なものは『勇気』である。わたしはスタンドを一度捨て去る『勇気』を持たなければならない。朽ちていくわたしのスタンドは36の罪人の魂を集めて吸収。そこから『新しいもの』を生み出すであろう」
「「生まれたもの」は目醒める。信頼できる友が発する14の言葉に知性を示して…『友』はわたしを信頼し、わたしは『友』になる」
「最後に必要なものは場所である。北緯28度24分。西経80度36分へ行き……次の「新月」の時を待て……それが『天国の時』であろう……」
安心を求めるDIOが、人類を新たな段階へと導くために遺した記憶です。非常にミステリアスな手順を経て、あらゆる人間か究極の安心を得る世界である「天国」を実現させようとしています。傲岸で凶暴な悪の帝王ですが、一方でDIOなりに人類を愛してはいたようです。もし人類を滅ぼすような脅威が現れたならば、恐らく命を懸けてそれに立ち向かったことでしょう。
「切り裂いた首のその傷はッ! オレがいた人間世界の悲惨の「線」だ…WRYYYYYYYーーーッ。そしてこれがッ! それを越えた線ッ!このオレがッ!! 手に入れるこの世界への「線」だッ!!」
スティール・ボール・ランの黒幕、ファニー・ヴァレンタイン大統領との決戦で発せられたディエゴの魂の咆哮。古代ローマの終身独裁官ユリウス・カエサルの言葉をもじったものです。冷酷で凶暴ですが、一方で知識を貪欲に求めていく教養の高さが垣間見えます。
「『THE WORLD』。オレだけの時間だぜ」
七部の終盤、並行世界から連れてこられたディエゴが初めてスタンド能力を発動するシーンから。もはや何もかもがカッコイイ。荒木飛呂彦先生、ありがとうございました。