本記事はこんな疑問を解決します。
ご紹介する方法は、登録不要でもちろん合法です。
違法手段ではないので、安心してください。
『ハイスコアガール』は漫画アプリ『マンガUP!』にて全巻無料で読める?
いきなり、結論です。
『ハイスコアガール』はこちらのスクウェア・エニックスが運営する漫画アプリ『マンガUP!』にて全巻無料で読むことができます。
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『マンガUP!』はスクウェア・エニックスが運営する公式アプリなので安全に利用できます。アプリをダウンロードする際もお金は一切かからないので安心してください。
『マンガUP!』では、このように『ハイスコアガール』第1巻から最終10巻までを惜しげもなく無料で公開してくれています。
安心安全に、そしてタダで『ハイスコアガール』を第1巻から最終10巻まで読破したい方は『マンガUP!』を使う方法が最もお得です。
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また『マンガUP!』では、スクウェア・エニックスが発刊する有名マンガ雑誌『月刊少年ガンガン』や『ヤングガンガン』『月刊ガンガンJOKER』などに掲載されている新旧作品を300タイトル以上、読むことができます。
半端ない量の有名マンガを随時、無料配信してくれるので、マンガ好きの私は、とても重宝しているアプリです!
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『ハイスコアガール』の作者・押切蓮介先生の代表作でもあり、実写映画化もされた衝撃作『ミスミソウ』は、こちらの漫画アプリ『マンガがうがう』にて全巻無料で読むことができます。
『ハイスコアガール』を描いた作者と同じとは思えないほどシリアスな内容の『ミスミソウ』ですが、本当に読む手がとまらないほど面白い作品です。気になる方はぜひ一読してみてください。
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『マンガUP!』は課金してもお得に読める!
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次に『マンガUP!』の使い方(システム)を簡単にご説明します。
『マンガUP!』の基本的な使い方
『マンガUP!』に掲載されているマンガを無料で楽しむには、アプリ内アイテムである『MP(マンガポイント)』『MP+(マンガポイントプラス)』を使用して読むことになります。
簡潔に言うと『MP(マンガポイント)』『MP+(マンガポイントプラス)』などを使うことで、1日1作品において、12話分以上のマンガを無料で読むことが可能です。
要するに1日に最低でも単行本1冊分に値する量のマンガを『マンガUP!』にてタダで楽しむことができるということです!
『ハイスコアガール』も1日に12話分以上、読み進めることができます。
『マンガUP!』で使うアプリ内アイテム『MP(マンガポイント)』『MP+(マンガポイントプラス)』のそれぞれの使い方を詳しくみていきましょう!
『マンガUP!』のMP(マンガポイント)とは?取得方法と使い方を解説
- MPとは、アプリ内でマンガを無料で読むために必要なアイテム
- 朝8時、夜8時に120MPずつ配布される(1日に計240MP)
- 30MP消費で好きなマンガを1話分、無料で読むことが出来る
以上が簡単なMPの取得方法と使い方の説明です。
毎日、配布される計240MPを使って1日に8話分の作品をタダで読めるシステムがMPです。
但し1点だけ注意があり、MPを120MP以上貯めこむことは出来ません。
朝8時に120MPが配布され、その120MPを使わずに夜の8時を迎えたとしても新たに120MPが加算されることはありませんので注意が必要です。
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『マンガUP!』のMP+(マンガポイントプラス)とは?取得方法と使い方を解説
- MP+とは、アプリ内でマンガを無料で読むために必要なアイテム
- MPがなくなってしまった場合でもMP+を使うことで好きなマンガを1話分、無料で読むことが出来る
- 『マンガUP!』新規ダウンロード特典で750MP+(25話分)が付与される
- 毎日、短い広告動画を1度見るだけで30MP+(1話分)が付与される
以上が簡単なMP+の取得方法と使い方の説明です。
下の画像のように『マンガUP!』新規ダウンロード特典では、750MP+(25話分)が無料配布されます。
そして毎日、短い広告動画を視聴することで30MP+(1話分)を取得することが出来ます。
アプリを起動すると画面右下に「ヒヨコ?」のような「ピーナップくん」というキャラが鎮座しているので、タップしましょう!
すると「短い動画を見る」というボタンが表示されるので、タップして短い広告動画を視聴します。(広告を見ずに流してるだけでもOK!)
たったこれだけの労力で、30MP+(マンガ1話分)が手に入ります。
やらない手はありませんよね(^^)/
短い広告を見て30MP+を獲得できるシステムは毎日、夜0時に回復します。
他にもMP+を取得する方法があります。
ホーム画面上に表示される「クエスト」をクリアしていく方法です。
「クエスト」と言っても簡単なもので、例えば「マンガUP!に毎日ログインする」や「~のマンガを3話まで読む」などの条件をクリアすることで、難易度に応じてMP+(マンガポイントプラス)が付与されます。
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『MP(マンガポイント』『MP+(マンガポイントプラス)』以外で1日3話分のマンガを読む
先ほど紹介した『MP』『MP+』が0ポイントになってしまった場合でも1日に3話分のマンガを無料で読むアプリ内システムがあります。
その仕組みがコチラ。
読みたい”話(はなし)”のページへ飛ぶと、「動画を再生して読む」と表示されます。これをタップし広告動画を視聴することで新たに1話分のマンガを無料で読むことが可能となります。
3回分この仕組みを使ったら翌日0時にリセットされ、また利用できます。
ここまでを簡単にまとめると
- MPを利用して1日8話分のマンガを無料で読む
- 広告視聴やクエストをクリアして獲得したMP+を利用してマンガを無料で読む
- 短い広告動画を最大3本見て、3話分のマンガを無料で読む
以上の事から『マンガUP!』は、1つの作品において、1日に最低でも12話分のマンガを無料で読むことのできるかなり気前の良い漫画アプリであることが分かります!
ぜひ、この機会に遠慮なく無料で読ませていただきましょう!!(^^)/
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『ハイスコアガール』あらすじ
舞台は1991年の神奈川県・溝の口。
ゲームをこよなく愛するゲーム少年・矢口ハルオは、いつものようにゲームセンターで格闘ゲームに興じていました。
そこに現れたのは小学校で同じクラスの成績優秀、容姿端麗なお嬢様・大野晶。
一見ゲーセンには場違いなお嬢様が持つその圧倒的なゲームセンスに対し、腕に自信があったハルオはまったく歯が立ちません。
そしてその日から、ハルオの楽しいゲームライフが少しずつ変わっていくことに…
『ハイスコアガール』登場人物紹介!
矢口春雄(やぐちはるお)
自称「豪指(ごうし)のハルオ」。勉強も運動も苦手、でもゲームへの情熱は誰にも負けないこの漫画の主人公。
車に轢かれてもケガをしない、異常な打たれ強さを持つのが特徴。
無類のゲーム好きであり、幅広いゲームの知識を有していますが、特に「ストリートファイター2」などの格闘ゲームが得意。
本人もその腕前に自信を持っていましたが、そのプライドはヒロイン・大野晶に打ち砕かれることに…。
以降、ハルオは彼女を強くライバル視するようになりますが、ゲームを通じて徐々に彼女を同志として認めていきます。
ちなみに、高校時代ではもう一人のヒロイン・日高小春にも負け、プライドを再度打ち砕かれます…。
勝つためにはズルい手も平気で使うなど、一見すると口も底意地も悪い少年ですが、靴擦れをした晶に自分の靴を貸したり、高齢の店主がいる駄菓子屋に顔を出すのを日課にしていたり、バイトの給料の半分以上を家にいれるなど、他人思いの優しい性格をしています。
ただし恋愛に関しては非常に疎く、自身に向けられる好意にもまったく気づきません。
大野晶(おおのあきら)
ハルオと同じ小学校、同じクラスに通う「大野財閥」のお嬢様。
容姿端麗・成績優秀でありながら圧倒的なゲームセンスを誇り、ハルオをスト2およびリアルファイトでボコボコにしたことで強烈なライバル心を植え付けることとなります。
非常に無口であり、言葉はほとんど、というかまったく発しません。
ですが周りとはなぜかコミュニケーションがとれているため、実は少しは話しているのかも…
見た目は細いですが実はお菓子好きの大食漢だったり、ゲームでイカついデザインのキャラを好んで使ったりなどギャップが多いのが特徴。
大の負けず嫌いでもあり、怒った際には習い事で鍛えた格闘術をお見舞いします。
ただし、怖いものが苦手というかわいい一面も。
ハルオとは最初こそ衝突していたものの、次第にその優しさに触れて心を開いていき、そして家柄によるしがらみから解放してくれる存在として惹かれていくこととなります。
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日高小春(ひだかこはる)
本作のもう一人のヒロイン。登場するのは中学生編からとなります。
当初は趣味も目標も特にない控えめな性格をしていましたが、中学で同じクラスになったハルオとひょんなことから一緒にスト2をやったのをきっかけに、ゲームの世界にはまっていきます。
そして、それと同時にハルオのゲームに対するまっすぐさ、何者にも縛られない奔放さに次第に惹かれていきます。
ゲーム経験はほとんどなかったにも関わらず、初プレイのゲームで難しい技を成功させるほどの天性のセンスの持ち主。
ゲームにしか興味がないハルオに振り向いてほしい一心で腕を磨き続け、ついにはハルオを格闘ゲームでボコボコにするまでに成長します。
そして、その過程で控えめだった性格からは考えつかないほどS気質な一面を見せ始めます。
ハルオと晶の間に深い絆があることを知りつつ、ハルオへの想いを貫くその姿には多くの読者が胸をうたれました。
彼女の積極的なアプローチの激しさは、本格的な恋愛漫画のヒロイン以上。こんな女の子と青春を過ごしたかった…!
矢口なみえ
のびのびとした教育をモットーにしているハルオの母。
学校の成績には厳しい目を向けるものの、息子であるハルオのことを「気立ての良い息子に育ってくれた」と評するなど信頼しており、ハルオのゲーム趣味にも理解を示しています。
息子の恋愛模様をとても気にしており、ふすまの隙間からハルオの様子を盗み見たりと面白がりつつ、時には真剣なアドバイスをするなどしてあたたかく見守っています。
ありえない体制で高速移動をしたり、ハルオにバックドロップを食らわせたりと高い身体能力を持っており、番外編では「ゲーム機を封印」「天井に貼りつく」「鼻ちょうちんがパズルボブルのように天井にたまる」などさらに謎な能力を見せています。
じいや
大野家に仕える執事。
幼少期から晶を見守っており、専属ドライバーとして学校への送り迎えなども担当しています。
ドライブテクは高いものの結構荒々しい。またパチンコ中毒者であり、晶が海外に渡る際にもパチンコを理由についていくのを断念するほどの重症者。
厳しい教育方針にがんじがらめにされる晶のことを心配し、ゲームセンター通いなどのガス抜きを黙認したりするなど、晶にとっては心を許せる存在です。
「お嬢様の良き理解者」としてハルオのことを信頼していますが、何度か車で轢いており、数年ぶりにハルオを轢いた際には「懐かしい轢き心地」と感想を漏らしたことも(笑)
業田萌美(ごうだもえみ)
大野家に仕え、大野晶の指南役を務める女性。晶の勉強や習い事すべての指導を行っていますが、いわゆる鬼教官タイプで晶からは恐れられています。
教育方針に背いたじいやの任を解いたりするなど、大野家において強い権力を持っているようです。
晶のゲーム趣味は快く思っておらず、家にもゲーム機を置かせないなど厳しい制限を実施してきましたが、ハルオの影響でその考えにも変化が現れます。
大野真(おおのまこと)
大野家長女にして、大野晶の実の姉。晶とは顔と暴力性はよく似ているものの性格はまったく異なり、おしゃべりで非常に破天荒。
妹である晶のことを非常にかわいがっており、恋路に関しては面白がりつつも、自由な時間がとれない晶のためにハルオとの仲を取り持つなど積極的に手助けしています。
大野家の教育方針、特に業田先生には真っ向から反発し、跡取りとしての責任なども放棄していますが、「それが晶の教育の厳しさに繋がった」と自責の念を抱く一面も。
ハルオの母・なみえと意気投合し、家に泊まったりする仲に。
ハルオと晶の間に何かが起きるたびに二人で厳しく追及するなど、息の合った様子を見せています(笑)
土井玄太(どいげんた)
ハルオ、晶が通う小学校で同じクラスの同級生。顔は悪くないものの、ポマードを髪に塗りたくるなどモテたい欲が滲み出すぎているからかあまりモテません。
ハルオのことは完全に「格下」と見下していますが、晶にはまったく相手にされず、むしろハルオと仲良くしている姿をみてショックを受けています。
高校で再会したハルオを見下しつつもよくつるんで遊ぶようになりますが、ハルオの成長をみて徐々に考え方を改め、友情に関する考え方も変わっていくことに。
メダルゲームで奇跡的な大勝ちを連続するなど、本人も恐怖する程の強運の持ち主。
宮尾光太郎(みやおこうたろう)
中学でハルオと同じクラスになった爽やかな好青年。
女子からも高い人気を誇るイケメンであり、ハルオの親友でもあります。
ハルオを「バカだけど優しくてあっっったかい奴」と評しており、ハルオからもよく相談を受けるなど信頼されていますが、時に愛情が行き過ぎて恐怖されることも…。
中学時代に転校してきた晶に一目惚れをしたものの、ハルオと晶の絆を知り潔く身を引くことに。
それ以降はよき恋愛相談役になりますが、恋愛に鈍感すぎるハルオにやきもきしたり、自爆して恥ずかしい思いをしたりと苦労をしています。
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『ハイスコアガール』見どころ紹介!
見どころ① 無類のゲーム好き、にぶちん主人公『ハルオ』
主人公・矢口春雄(ヤグチハルオ)小学六年生、彼は勉強も運動も得意ではなく、世間一般で言うところの劣等生です。
クラスメイトやクラス担任にまでバカにされている彼にも、ゲームという特技があります。
彼のゲームに対する思いは尋常では無く、小学6年生でありながら1990年後期のゲーム業界の進化を予見するほど。
その情熱は実力面にも現れており、特に流行していたストⅡ(ストリートファイターⅡ)では『ガイル』を持ちキャラとし、近所では敵無しの実力を誇る事から「豪指の矢口」を自称するほどです。
ハルオのその実力はたゆまぬ努力によるもので、天性の才能を持つ大野晶(オオノアキラ)と日高小春(ヒダカコハル)のヒロイン二人には若干のコンプレックスを持っています。
そのコンプレックスが原因で卑怯な手を取ってしまう事もしばしば。
そんなゲームに対して並々ならぬ情熱を持つハルオですが、ゲーム以外に長所が無い訳では無く、車に轢かれてもピンピンしている頑丈さ、長年のゲーセン通いで身に着けた社交性を持ち合わせており、彼の周りには個性的ながら魅力的なキャラクターが集まってきます。
ゲームを通して対話、成長して行くハルオに注目して読んでいくとよりこの作品を楽しめる事間違いなしです!
見どころ② 個性的で魅力的な二人のヒロイン!
ゲームに没頭するハルオはゲームを通して晶と小春という二人のヒロインに出会います。
大野 晶
生粋のお嬢様である晶はオノマトペを除けばほとんどしゃべらない無口なキャラクターですが、無口=感情が無いという事ではありません。
むしろ喋らない分、感情が表情に現れており、感情がストレートに読み取れるキャラクターです。
初めは露骨に敵意を向けて対戦を挑んでくるハルオを疎ましく思っていますが、ゲームを通して新しい世界を教えてくれ、不器用ながらもやさしさを持って自分に接してくれるハルオに段々と惹かれていきます。
日高 小春
もう一人のヒロインである小春は中学生編から登場します。
無趣味な小春は、実家の酒屋店頭の筐体で楽しそうに遊ぶハルオに影響を受け、次第にゲームの魅力に気付いていきます。
それと同時に無感動だった自分の人生を楽しめるキッカケを与えてくれたハルオに恋心を抱いていきます。
そんなヒロイン二人とハルオが織りなす、ゲームを中心にまわる三角関係がこの作品の大きな見どころとなっています!!
見どころ③ ハルオの脳内を彩るゲームキャラ達!!
ハルオ達を後押しするのは実際の人間だけではありません、ゲームに染まったハルオの脳内にはストⅡのガイルやザンギエフなどゲームのキャラが住み着いています。
彼らは物語の随所で登場し、思い悩むハルオの背中を押します。
ネタバレになってしまうので詳しくは書けませんが、最終回で彼らが起こす奇跡に気が付けば筆者は涙を流していました。
「昔懐かしいキャラクターが登場し、熱いセリフで作品を盛り上げてくれる」そんな、ゲーム好きならばワクワクする展開にきっと夢中になる筈です!
見どころ④ 作者の分身が登場!?神崎少年
『ハイスコアガール』の作者である押切蓮介さんは幼少期に自身を主人公に据えた『ピコピコ少年』という漫画を書かれていますが、その主人公である神崎少年がこの作品にも登場しています。
どちらの作品も作者さん自身が経験したゲーム業界の発展を存分に盛りこまれており、作者のゲームに対する愛情が溢れた作品です。
神崎少年は作中でクローズアップされたりはしませんが『神崎』と書かれたロンTを着た彼を見つける度、実際に少年時代ゲームを楽しんでいた押切蓮介さんの純粋な気持ちが込められているようで、この作品を更に魅力的に感じさせます。
もちろん本筋のストーリーも魅力的ですが、そんな作者の遊び心に触れられるのもこの作品の見どころになっています!!
見どころ⑤ 時代を彩った名作ゲームの数々、小ネタが登場!
本作では、格闘ゲームの金字塔「ストリートファイター2」、通称スト2をはじめ、「ファイナルファイト」「ヴァンパイア」「RPGツクール」「ときめきメモリアル」などさまざまなジャンルのゲームタイトルや、「PCエンジン」「スーパーファミコン」「プレイステーション」「セガサターン」などの家庭用ゲーム機が登場します。
作中の時代設定は1991年から始まり、時代が進むにつれてゲームも進化していきます。
ハルオたちに近い世代の方は当時遊んでいた時の記憶を思い出しながら楽しめますし、若い世代の方もゲームのグラフィックやシステムの進化の軌跡を楽しむことができます。
また「待ちガイル」「投げハメ」などの専門用語や、「確かみてみろ」「インド人を右に」など分かる人には分かる小ネタも盛り込まれたり、敵が脳みそに変身する「西遊降魔録」などクセの強いゲームも出てくるのでゲームマニアにも必見です(笑)
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見どころ⑥ 実はラブコメディ!?恋愛模様がもどかしい
筆者が本作を読む前に持っていたイメージは、「ゲームがテーマのギャグ漫画」でした。
しかし読んだ今は違います。
すれ違い、三角関係、本当に不器用な恋愛模様…ああ、これは立派な「恋愛ギャグ漫画(ラブコメディ)」なんだとわかりました!
特に、主人公のハルオの優しさと、恋愛に関する鈍さは非常にやきもきさせられます(笑)
変に大人びていないぶん、恋愛漫画慣れしていない人にもオススメです!
見どころ⑦ 押切節全開!強烈な個性が溢れる表現
ハイスコアガールの作者・押切蓮介(おしきりれんすけ)先生はとても個性的なセンスを放つ漫画家です。
そしてそのセンスはマンガ内の細かい描写に表れています。
たとえば、ハルオが何度もヒロインの執事が運転する車に轢かれたり(しかも無傷)、メインキャラの母親が「母」と書かれた服を着ていたり、ゲームのキャラクターが具現化?してハルオたちを助けてくれたり…他の漫画にはなかなかないような表現がなされます。
その強烈な個性もこの漫画の醍醐味と言えるでしょう!
『ハイスコアガール』序盤あらすじ紹介!
ハイスコアガール1巻では、ハルオと晶の出会いからゲームを通じての対立・交流、そして転校による別れが描かれています。
駄菓子屋でのシーンやゲームセンターの殺伐さが描かれるため、ハルオたちと同世代の方にとっては懐かしくなること必至です!
1-CREDIT(第1話)
「湾岸戦争勃発」、「雲仙普賢岳の大噴火」などで世間が揺れ動いた1991年。
主人公・矢口ハルオはゲームセンターにて人気格闘ゲーム「ストリートファイター2」を遊んでいましたが、突然現れた謎の強者に7連敗を喫してしまいます。
ハルオや他の大人相手に合計27連勝を重ねていた相手の顔を確認すると、そこにいたのは小学校でハルオと同じクラスの優等生なお嬢様、大野晶。
成績優秀、お金持ちの人気者がなぜこんなタバコ臭いゲーセンに…と驚きを隠せないハルオ。
しかも彼女が扱っているキャラはスト2において操作が難しくて不人気な「ザンギエフ」なのだからさらに驚きです。
学校にバレないよう隣町のゲーセンまで来ているハルオは、腕に自信のあったスト2で負けたことで「俺の聖域、憩いの場をグチャグチャにしやがって!」と憤ります。
勉強も運動も苦手なハルオにとって、ゲームの世界は唯一自分が輝ける場所。
そんな世界に、何もかも恵まれている晶のような存在が踏み入ってきたのが許せなかったのでしょう…
持ちキャラである「ガイル」を用いた卑怯な戦法、「待ちガイル(※)」「投げハメ(※)」を恥ずかしげもなく繰り出します。
周囲のゲーマーがドン引きするのも構わず、勝利をもぎとらんとする卑怯な戦法をとるハルオ。
そこで突然、ゲーム筐体(きょうたい)がせり出してきてハルオの腹に激突します。
理由は、卑怯な戦法に激怒した晶がゲーム筐体を蹴ったため。
そして「何しやがる!」と怒るハルオの顔面に、今度は強烈なパンチを食らわせます(笑)
これが、ハルオと晶の長く続く因縁の始まりなのでした…。
※待ちガイル…ガイルの必殺技「ソニックブーム(衝撃波を放つ技)」「サマーソルトキック(上方向にキックを繰り出す技)」を出す準備動作としてしゃがみながらタメ入力をし、相手の動きに合わせて適した技を後出しする戦法。
これをやると、遠距離から攻撃する手段を持たないザンギエフなどのキャラが手も足も出せなくなることから、ゲーセンによっては「卑怯な戦法」として禁止されたことも。
※投げハメ…攻撃をガードしたあとの硬直時間の隙をついて、ガード不可の投げ技を仕掛ける戦法。
キャラの相性によってはなすすべなく負けたり、防ぐ方法がある場合も一定の技術が必要であったため、「つまらない戦法」「卑怯」として敬遠された。
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2-CREDIT(第2話)
昭和~平成初期には多くあった、駄菓子屋の店先にゲーム筐体が置いてある駄菓子屋ゲーセン。
1話の晶とのケンカで行きつけのゲーセンに出禁をくらったハルオは、学校で自分ぐらいしか知らない駄菓子屋ゲーセンに足を運びますが、そこでまたしても晶に遭遇します。
「穴場であるここを知っているとは…」と驚くハルオ。
1991年当時、ゲーム趣味のある女性はまだ珍しい存在であったためか、ハルオは晶を変な奴認定します。
そんなハルオを睨んだ後、プイッ!と顔をそらす晶。
卑怯な戦法をとられたことが許せなかったのか、ハルオ同様に出禁をくらったことを怒っているのか、晶もハルオを「いけ好かない存在」と敵視していたのでした。
プレイし終わった晶がどけると、ハルオはさっそくゲームをチェック。
遊んでいたのはスト2で、少しクセの強いキャラ「ダルシム(ヨガファイヤーなどの技が有名!)」を用いて1コイン=負けなしでクリアしていました。
「それぐらいなら俺だって…」と意気込むハルオでしたが、筐体の状態を見て愕然とします。
なんと操作に必要なボタン6つのうち4つが剥がされて内部がむき出しになっており、さらにレバー操作の際に握る丸いパーツもなくなっていたのでした…(おそらく近所の悪ガキのしわざ)そしてそんな状況で、晶は1コインクリアを果たしていたのでした。
改めてその腕前に驚嘆したハルオ。自分も負けじとダルシムでのクリアを試みます。
「町内で一番スト2が上手いのは俺でなくてはいかんのだ!」と、そこで新事実発覚!実は押しづらいだけだと思っていたボタンのほぼ全てが故障しており、操作できるのは「小キック」のみだったのです…これでは必殺技も出せません。
思わず店主のおばあさんに泣きつくハルオ。しかし「理解できないことを求めるな」と煙に巻かれ、晶の前で大人に泣きついたことを恥ずかしがるのでした。
そこで、ハルオの心境にも変化が。こんな劣悪な状況に文句ひとつ言わず挑戦し、ノーミスでクリアした晶のゲームに対する姿勢・愛情、そして腕前は悔しいが認めざるを得ない、と思い始めます。
「こいつが男だったら大親友になれたかも」と惜しむハルオ。(ただし脳内イメージの男友達の服には「永久無職」の文字が…そんなやつを友達にして大丈夫か)
晶に対して少し心を許し始めたハルオは「ゲーメスト(※)とか読んでる?」と話しかけます。
その瞬間!車がハルオをドガッ!!とすごい勢いで撥ねる!飛んでいくハルオ…。
車の運転手は、晶を迎えにきた執事のじいやでした。習い事をほっぽりだして遊んでいる晶を探していた模様。晶を乗せ、上機嫌に歌いながらその場をあとにします。
一人残されたハルオ。「一瞬でもアイツに気を許した事が恥ずかしい…」と悔しがるのでした。
※ゲーメスト…アーケードゲーム(ゲーセンなどに設置される筐体で遊ぶゲーム)を専門に扱い、人気を誇っていたゲーム雑誌。1986年から1999年まで発行。
誤植が多いことも特徴のひとつで、「インド人を右に」など誤植が元に生まれた名言もある。
ちなみにこの誤植は手書きで「ハンドル」と書いたのを「インド人」と読み違えたことが理由とされている。
3-CREDIT(第3話)
学校の授業で先生にあてられ、漢字問題を解くハルオ。黒板には「卑劣」の文字が。
読めないのを視力のせいにして見えないフリをするハルオに対し、「これはお前のことを表す漢字だ」と返す先生。今の時代だと一発で問題になりそうですが、当時はこういう先生も結構いそうですね(笑)
その次のシーンで下手くそなイラストを描いていたハルオは「学力も絵心もないってどーすんの!?」とクラスメイトにいじられます。
(ゲーマーとして食っていきたいと言ったら笑われるよな…)と心の中で思うハルオ。
1991年当時はプロゲーマーという職業や概念すらもない時代でした。生まれた時代が違えば、ハルオもプロゲーマーとして活躍していたかもしれませんね。
クラスメイトの話題は「それに比べて大野は将来安泰だ」という話へ。
成績優秀なお嬢様で顔も可愛い晶はクラスメイトにとっては高嶺の花であり人気者。
髪をなでながらかっこつけているクラスメイト・土井玄太も「俺の童貞を捧げるのは彼女がいい」と評します。小学6年生とは思えない下品な話題だ…(笑)
それから晶が英才教育を受けているという話題に移ります。
「お稽古で遊ぶ暇もないんだろうな」「ずっとピアノの前に座っているイメージ」と盛り上がるクラスメイト。ハルオはそれを冷ややかな目で眺めています。
それもそのはず。なぜならクラス内でハルオだけは知っているのです。彼女が放課後に、タバコ臭いゲーセンで遊んでいることを。
「ピアノの前に座ってんじゃねぇ 脱衣麻雀の筐体の前に座ってるんだよ…!!」
ちなみに脱衣麻雀とは、麻雀ゲームでコンピュータに勝つたびにキャラの女性が服を脱いでいくという、いかにも男性が喜びそうなゲームのこと。
しかし、この時代の脱衣麻雀はグラフィックがよくなく、ハルオもキャラを「ドギツいドット女」と表現しています。
衣服をはぎ取った女性キャラのドット絵をジィ~っと凝視する晶。
非常にかわいいのですが、麻雀で負かした女性キャラのドギツい裸を見ていると思うと…(笑)
そこでハルオの視線に気づく晶。ムッとした表情を見せます。
「威嚇した猫の目みたいに見やがって」と憤るハルオ。少し心を開きかけたものの、自分の居場所であるゲーセンに晶のような優等生が来ていることはまだ面白くない様子です。
そんなハルオがプレイしだしたのは、ホラーゲーム「スプラッターハウス」。
作者である押切蓮介先生も得意とする、ゾンビなどが敵のアクションゲームです。
「ここは俺の世界…!!お前なんかが来る世界じゃないんだ…!!」と心の中で叫びながら、敵をどんどん倒していくハルオ。
ふと、後ろで晶がプレイを見つめていることに気が付きます。「お前への憎しみをゲームにぶつけているとは思うまい」と得意がり、ついでに明日学校で晶のゲーセン通いをクラスメイトに言いふらそうと思いつきます。
今日覚えた「卑劣」を存分に発揮しようと目論むハルオ…先生の目は確かでしたね(笑)
ゲーセンで遊び終わり、帰路につくハルオ。すると、晶が後ろをずっとついてきます。気色悪い!と言い放ち、走るハルオをさらに追いかけてくる!
普段から無口なだけに、理由も言わずただただ追ってくる晶の姿にハルオは恐怖します。
「明日行う卑劣行為を察知して口封じのためにボコボコにしに来たのでは?」そんな疑念を抱きつつ、晶の背後にスプラッターハウスの幻影を重ねながら、なんとか逃げ切ります…。
翌日、教室内で昨日のことを思い出すハルオ。そこにクラスメイトと晶とのやり取りが目に入ります。
友達が心霊関連の雑誌を向けたとたん、手で目をふさぐ晶。実は、晶は心霊など怖いものが大の苦手で、ハルオが遊んでいたスプラッターハウスを見ているうちに怖くなってしまい、一人で帰るのが心細くてハルオを追ってきたのです。
そんな晶をハルオは一瞬「可愛い」と思ってしまい、そんな自分にイラッとしたのでした。
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4-CREDIT(第4話)
冒頭、いきなり0点のテストを返却されるハルオ。
先生に鉄拳をくらうもまったく動じず、クラスメイトも二重にどよめきます。
それに対して晶はなんと100点。ご褒美にと先生からキャンディーももらっています。えこひいきが露骨すぎる…。
勉強だけではなく、図工も体育も成績優秀な晶。
ドッジボールをやっているシーンでは、ハルオの顔面に思いっきりボールをぶつけています。のちに判明しますがこの顔面ヒットは意図的です(笑)
そんな晶と比べて何もかもダメな自分が唯一誇れるものがゲーム!学校では肩身は狭いけどゲーセンでは称賛される!とゲーセンでスト2に興じるハルオ。
ガイルで31連勝をして気持ちよくなっていますが、他のゲーマーたちからは「キモ~」「超ウゼー」と散々な言われよう。
ハルオが勝っている間は後ろで待っている人たちはプレイできないため、よく思われないのも仕方ないのかもですね。
でも、そんな嫌味もゲーマーには称賛の声に聴こえるものです。
ここで説明されるのが、1991年当時のゲーム業界の状況。家庭用ゲーム機はファミリーコンピューターから1990年発売のスーパーファミコンへと移り変わっていったタイミングであり、ゲームの進化のスピードが加速していった時代であるとのこと。
しかし、ゲーム業界の最先端を体験できる場としては、まだまだゲームセンターが主流でした。
そんなゲーセンで連勝を重ねるハルオのもとにまた晶が現れます。
なんだって俺の安住の地に優等生が足を踏み入れてくるんだ…と憤っていると、筐体の向こう側から男の叫び声が。どうやら、カップルの彼氏がハルオに負けたことに腹を立てている様子です。
彼女の前で恥ずかしくないのか…と思いつつ、またしても勝つハルオ。すると今度は筐体を手でどんどん叩く「台パン」をしながら叫び始めました。
そこまで上手くもないのに癇癪を起こす精神が理解できないものの、あまりの相手の暴れように身の危険を感じてわざと負けるハルオ。お情けで勝った彼氏は得意げです。
「負けてやったんだよ ムカつくアベックだぜ!!」と憤るハルオ。「アベック」とはカップルを表す言葉ですが、完全に死語になりましたね…
そうして席を離れたハルオの代わりに座ったのは、なんと晶。力士の重量級キャラ「エドモンド本田」を操り、一度もダメージを受けずに圧勝します。
当然、癇癪を起こす男。すると、男の彼女が交代すると言い出しました。
女性キャラ「春麗(チュンリー)」を使う彼女に対し、「同じ女性だから感情移入しやすいのかな」と分析していたハルオですが、同時に「攻撃力の低い春麗はベテラン向けだ」とも評しています。
この彼女はそれほどの腕前ではなく、彼氏同様に晶に完敗。
すると、彼女も奇声をあげながら台パンをしだしました、似たものカップルだ…。それでもお構いなしに攻める晶。エドモンド本田が持つ、相手に抱きつく技を執拗に、何度も春麗に向けて繰り出します。
「この戦い方わざとだ!セクハラ攻撃で心にダメージを与えてやがる」と恐怖するハルオ。
すると相手の女が泣き出し(おそらくウソ泣き)、彼氏が「卑猥な攻撃しやがって!お金を返して土下座しろ!」とすごんできます。
それに対し、「いくらなんでも無茶苦茶じゃないですか、ゲームなんだから楽しまなきゃ」と割って入るハルオ。
ゲームに対する純粋な思いから仲裁に入ったのかもしれませんが、嫌っているはずの晶をかばうような行動です。
こういうシーンから、ハルオが本来持つ他人への優しさが垣間見えてきますね。
しかし、癇癪カップルにそんな正論は通用せず…「失せろォッ」の叫びとともに、癇癪彼女に思いっきり股間を蹴り上げられます!!
これは痛い…地面に倒れこむハルオを癇癪カップルが執拗に痛めつけます。ハルオははやく立ち上がらなければ…とレバガチャ(※)を脳内でイメージ。どんなこともゲームに置き換えてしまう完全なゲーム脳ですね。
しかし立ち上がることはできず、ボコボコにされるハルオ。そんなハルオを助けたのは、晶でした。なんと、癇癪彼氏の背中に重いキックをかまします。
すごい勢いで飛んでいき、メダル落としゲームに激突する彼氏。ゲーム機を揺らしたことで店員に捕まり、「拷問したる」という物騒な言葉をはかれながら事務所へと連行されていきました…。
メダル落としゲームは2020年現在のゲームセンターにもありますが、揺らしてメダルを落とす行為が禁止されており、それは1991年が舞台の本作でも同じ。
その前に、ケンカしている時点で止めなかったのはなぜでしょうかね(笑)
晶は続いて癇癪彼女をボコボコに。
その様子をハルオはまたも格闘ゲームに例えています。
しかし、さすがにやりすぎであると危惧し晶の手をひいてその場から逃走!あんなに暴れてまた出禁にされたらどうする、と諭しますが、晶に怪訝な顔でジーッと見つめられたことで、いつの間にか手を握っていたことに気づいてハッとします。
その刹那、またしてもじいやの車に轢かれるハルオ!今回も盛大に撥ねられています。
「このような汚い男にからまれて…」と晶を心配し、ハルオをディスるじいや。自分が轢いた子供をそのままにし、晶を車に乗せて上機嫌に去っていきます。
サイコなキャラクターであるじいやですが、実際は優しい性格でのちにハルオとも交流する仲になりますのでご安心を。
「地位も名誉も学力も…ゲームもケンカもこの女に劣る俺は…何が残る…!?」と自問するハルオ。
「否…!!俺にも一つだけ誇るものがある…!!」と目を見開きます。
それは、打たれ強さ。車に轢かれたというのに目立ったケガもなくハルオは立ち上がります。
もはや、格闘家か何かを目指せばいいのでは…
※レバガチャ…主にアーケードゲームにおいて、レバーやボタンをガチャガチャと音を立て激しく動かすこと。
スト2などの格闘ゲームにおいては、気絶状態から復帰する際にレバガチャをすると早く復帰できる仕様になっていることが多い。
5-CREDIT(第5話)
下校中、突然の雨に降られるハルオ。
近くにある駄菓子屋ゲーセンのことを思い出し、そこに避難します。
店主のおばあさんは優しい顔をしながら「有り金なくすまで雨宿りしていけ」とハルオに言い、店頭で雨宿りする子供に対しては「金がないガキはとっとと失せな~(笑)」と追い出す鬼畜。
お金が尽きれば追い出されること必至ですが、ハルオの残金は70円しかありません。と、そこにもう一人の来客が。同じく雨に降られた晶でした。
晶もこの駄菓子屋にゲーム筐体があることを思い出し避難してきたのでした。ゲームに対する思考に関しては、本当にハルオと気が合いますね。晶の得意げな顔が可愛いので必見です!
駄菓子屋にあるゲーム筐体は2種類。魔物にさらわれた姫を助ける「魔界村」と、犯罪集団にさらわれた市長ハガーの娘ジェシカを、市長ハガーや恋人のコーディ、その友人のガイを操り助けにいく「ファイナルファイト」。
この時代のゲームや創作物は「さらわれた●●を助けに行く」展開がお決まりなのかもしれませんね。
魔界村は難易度が高く、すぐにゲームオーバーに可能性があるため、ハルオは得意なファイナルファイトをやろうかと悩んでいます。そうこうしているうちに、晶が50円をファイナルファイトの筐体に投入。先を越されてしまいました。
日々ゲームに打ち込む晶はお金持ちでありながらすでに50円しか所持していなかった模様。それでも迷わずお金を投入するのはさすがですね。
俺がやろうとしていたのに!と思いつつ、晶の腕前が気になるハルオ。
後ろで見ていようとすると、店主のおばあさんに「見てるだけなら魔界村をやれ」と催促されます。やんわりと断るハルオ。
すると、晶のプレイに異変が。なんと、最初のステージで敵にやられまくり、3機あるうちの2機を失ってしまいました。
「このゲームは俺の方が上手なんだ!」と得意げになるハルオ。と、同時に背後から異様な顔をした店主のプレッシャーを感じます。心の狭いばーさんだ、と悪態をつくハルオ。
お金を使わないといけないが、魔界村はやりたくない…そんなハルオが選択したのは、ファイナルファイトへの乱入、「2人プレイ」です。そう、このゲームは2人での協力プレイが可能なゲームなのです。
ハルオとしては、以前癇癪カップルから助けてくれたことのお礼の意味も込めて、苦戦している晶を助けてあげようという想いで2人プレイを選択したのですが、それに対しての晶の反応は…「憤怒(ふんぬ)」でした。
歯をぎりぎりさせながらハルオを見つめる晶。ハルオも思わず「そこまで怒りに打ち震えなくてもいいだろ…」とビビります。
まるで威嚇をする犬のようです(笑)なぜこんなにも怒ったのか…?
その後のプレイから、ハルオは晶の意図、そしてなぜ怒ったのかについて気づきます。
まず、晶はファイナルファイトが苦手なわけではありませんでした。2人プレイを始めた頃から、ハルオは晶のプレイングがめちゃくちゃ上手いことに気づきます。
それに加えて気づいたのが、プレイしていくと貯まる得点が晶の方だけ異様に多いということ。実は、晶は高度なテクニック「錬金術(※)」を用いて得点の高いアイテムを出すことで「ハイスコアでのクリア」を目指していたのでした。
そして、最初のステージで2機を失ったのは、自分を追い込むため。あと1機で終わりというプレッシャーに打ち勝つことでハイスコアを達成しようとしていたのです。
それをジャマされたため、晶は怒っていたのでした。
「ゲームが終われば追い出されるこの状況下で…奴はドMか?」と戦慄するハルオ。
ですが、錬金術の邪魔になるため、回復アイテムを取らせてもらえなかったり、ミスをするたびに直接殴ったり頭突きをしてくる晶の姿に「それともドS…」と再び戦慄します。
楽しいゲームをしているはずなのに、まったくもって楽しくない!涙を流しながら足を引っ張らないようについていくハルオの姿は、気の毒ながらもかなり面白いです(笑)
そんなこんなで無事クリア。晶はハイスコアを達成し、雨が止んだのでハルオも濡れずに済みました。
借りを返すはずが、逆にプレイを邪魔してしまったお詫びとして、ハルオは残った20円で棒キャンディを2本購入。こういう意外と義理堅い部分も、ハルオの良いところです!
どっちか1本をあげようとしたら、晶に「ケンカから助けたお礼」と「今日の詫び」で2本どちらもよこすよう要求されます。
晶は実は大食漢であり、とにかくよく食べます。キャンディ2本を両手に持って、同時に味わう晶。そのふてぶてしさに「なんだコイツ…」とイラつくハルオなのでした。
※錬金術…ファイナルファイトにおいてアイテムが出る箱などを壊した際、0.033秒後にレバーを違う方向に入力すると得点の高いアイテムが出る、という高等技術的な裏技。
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6-CREDIT(第6話)
今日は学校のプール開きに向けた清掃の日の様子。子供たち皆でたまった汚れの掃除をしています。この光景、小学校らしいですね、懐かしい…。
掃除をサボり雑談をしているハルオとそのクラスメイト。スーパーファミコンで出るソフト「ファイナルファンタジー4」の話題が出ますが、ハルオはゲームとしては王道路線であるスーファミよりも3年前に発売された「PCエンジン」の方が夢があると力強く語ります。
「アーケードゲームの移植が多くてゲーセン好きにはたまらない」「『ワンダーモモ』、『源平討魔伝』、『ベラボーマン』などタイトルが豊富」「スーファミのカセットより小さい、プラスチック製のHu(ヒュー)カードがソフト」などなど、時代の最先端をいくハードだと力説するも、クラスメイトからは「さすがゲーマーの言うことはこざかしくて限りなくウゼェ…!!」とヒドい言われよう。
ですがハルオはお構いなしに「ヘンテコなキャラが多いのも特徴」となおも語ります。ハルオは他人にどう言われてもブレない、自己が既に確立されていますね。人の意見をあまり聞かないだけかもしれませんが…(笑)
そんなハルオの力説に興味を持つ人が。もちろん晶です。
「お前は知ってるよな?PCエンジン」とハルオが聞くと、首を横に振る晶。
「TVでバリバリCMやってんじゃん!」と憤慨するハルオ。晶は家柄上、テレビなどもあまり見させてもらえなかったのかもですね。
実際のところ、PCエンジンはソフトの質の高さも含めてゲーマーからの評価が高いハードであり、2020年には復刻版である「PCエンジンmini」も発売されています。ハルオと同世代の方の中には、大喜びだった人もいたことでしょう。
話は戻りますが、ハルオと晶の会話にクラスメイトの土井が割り込みます。
「そこの劣等生 高嶺の花と対等に話せる身分かねキミは…?」とひどい言われようです。
土井は顔はそこそこいいものの、どこか勘違いしがちな男の子。狙っている女の子である晶が、見下しているハルオと話していたのが気に入らなかった様子。髪に塗りたくったポマードがキラキラと光っています。
晶の仕事を勝手にハルオに押し付けつつ、晶を映画に誘う土井。しかしそっぽを向かれてしまいます。「なぜハルオなんかが口をきけてこの僕とは…」と悔しがる土井。思わずまだヌルヌルしている床に突っ伏してしまうほどショックを受けるのでした…
それを受けてハルオが漏らす印象的なセリフが、「俺もこの女の声聞いた事ねーけどな」…。
そうです、ここまで何度か顔を合わせ、一緒にゲームで遊んでいるにも関わらず、「晶はまだ一言もハルオと話していない」のです。無口キャラというよりかは、無言キャラという感じですね…一応、周りとの意思疎通はできるようですが。
ここで、雑談をしていることに対し先生からお叱りが。案の定ハルオのみが怒られ、「カンチョーでお前の腸を破壊してやらないでもない」と脅してきます。すごい教師だ。
ハルオは、晶といるとすぐ劣等分子扱いされていい迷惑だと言い放ち、「PCエンジンも知らねー腕だけのモグリがよ」とバカにします。
当然、激怒した晶。ホースの水をハルオに噴射してビショ濡れにしてしまいます。先生は一応晶を叱るものの、心中では「可愛いから許す…(爆)」とデレデレ。よく学級崩壊しませんねこのクラスは…。
翌日、見事に風邪をひいてしまうハルオ。学校が休めるのは嬉しいものの、38度の熱のせいで下心(ゲーム)が抑制されます。
ドアがノックされる音に反応し、「おふくろ~苦しいよ~水をおくれ~、あとヨシヨシしておくれよぉ~~」とここぞとばかりに甘えまくります。
すると、部屋に入ってきたのは…なんと晶(笑)ハルオは慌てふためきます。
実は、晶は本日の日直係。休んだハルオにプリントなどを届ける役を任されていたのでした。
続いて、ハルオの母・なみえも部屋に入ってきます。「聞いた?小6にもなって『ヨシヨシして~』だって(笑)甘えん坊さんなのよ~」と晶の前で言われ、ハルオは恥ずかしくて死にそうです。
せっかくこんな可愛い子が来たんだからおもてなししなくちゃ♪と席を外すハルオママ。二人になったハルオは恥ずかしさをごまかすためか、風邪をひいたのはお前のせいだぞと悪態をつきます。実際その通りなのですが。。。
晶が持って来たのは、授業参観のお知らせ、0点のテスト、視力検査の結果などなど…どれもハルオにとっては気が滅入るものです。
しかし、この授業参観のプリントをよく見ると「バカ親集まれ」の文字が…先生、ブレません。
さっさと帰れとせっつくハルオをよそに、ハルオママが持って来たのは「マンガで出てくるホットケーキ」。大きく分厚いのが2枚、上にはアイス?バター?もたっぷりのっています。
夕飯前のお嬢様にそんなもん食わしていいのかと突っ込むハルオですが、ハルオママは構わず晶にデレデレ。晶もモガーッとホットケーキを食べてます。
この子は相当食べる子なので、これぐらいは平気なのでしょう。
「んじゃお母さん買い物してくるから エロいことしちゃダメよ♡」とからかうハルオママ。
ハルオは慌てますが晶はどうでもよさそう。これぐらいの年齢だと、女の子の方がグッと大人びていますよね。
出ていったと見せかけてドアの隙間から部屋を覗いてくるハルオママ。どうやっているのか、明らかに天井に張り付いているような体制で覗いてきます。
息子に何かが起こる瞬間を見届けたいのでしょう…思春期の男の子からするとたまったものではありません(笑)
なんとかおふくろを追い払うハルオ。熱もあるのでクラクラしてきました。用が済んだら帰れと晶に言うも、何かを気にしているのか、ソワソワもじもじして帰りたがりません。
そんな晶を不審がるハルオですが、すぐに理由に気が付きます。晶が気にしていたのは、部屋にあったPCエンジン。ハルオが熱弁していたゲームハードに興味津々だったのです。
ハルオは「読めたぞお前の下心!PCエンジンがやりたくてウズウズしているんだろう!」と得意気に指摘。さすがに図星な晶は顔を赤らめます。
でも、意地悪してやらせないようなことはせず、プレイさせてあげるハルオ。
こういうところが優しいですね。なんだかんだ、同じゲーム好きの同志である晶には心を開いてきているのです。
「俺にとって家庭用ゲームと言えばPCエンジン」と力説するハルオ。これを買ってもらったことでスーファミは買ってもらえずじまいになったものの後悔はないそうです。
スーファミを王道すぎると表現していたのは、買ってもらえなかったひがみだったのかも。
ハルオが晶にやらせたのは、PCエンジンのソフト「THE 功夫(くんふー)」。
拳法家ワンを操り敵を倒していくゲームですが、敵が蛾だったり、攻撃力をあげるアイテムが烏龍茶だったり、その烏龍茶がふわふわ浮いてきたりとクセが強い内容です。
ハルオはそれを「もう病みつきさ」と表現していますが、かなり独特な感想ですね(笑)
面白いだろと聞かれ、ウンとうなずく晶。気を使ってか低い音量でゲームをやっている晶に対し、ハルオは音量をあげていいと促しますが、それでも音量は変えません。
こういう、微妙な距離感のやり取り良いですね…。
ふと、晶の操作が目についたハルオ。ゲームセンターでの華麗なレバー・ボタン操作と比べると、ゲームパッドの操作はどこかおぼつかない様子で、入力に合わせて体や腕まで動かしてしまう初心者的な動きまで見せています。
お金持ちのお嬢様なら全部のゲーム機を持っているだろうと踏んでいたハルオですが、聞いてみたところなんと1つも所持していないとのこと。
晶は家柄の良いお嬢様。教養を叩きこまれるその生活では、ゲーム機を買い与えてもらえないのも無理はありません。
「だから外でああして一人遊びに興じていたのか」と気づくハルオ。
日々の鬱憤(うっぷん)をゲームで発散している自分と晶とを重ねます。
功夫をやり終わったら帰らせようと思っていたハルオでしたが、気が変わったのか他の名作ゲームも勧め始めます。
「R-TYPE」「妖怪道中記」「ビジランテ」「ワンダーモモ」「獣王記」「PC原人」「ダライアス」「奇々怪界」「源平討魔伝」…そして晶が苦手な「スプラッターハウス」もあります。
PCエンジンのソフト、Huカードはよく値が安くなるのが特徴とのこと。
そのおかげで、家をゲーセンに変えてしまうぐらいのラインナップが揃い、ゲーセンでお金を使いすぎる心配がなくなったんだと力説します。
その勢いのまま、「Huカードが遊べるカラー携帯ゲーム機『PCエンジンGT』」「キャラが喋る『PCエンジンCD-ROM2』」など、PCエンジンの魅力を語りつくします。
家庭用ゲーム機の話題は、晶にとっては未知数の世界。そんな楽しそうな世界を語ってくれるハルオに対し、心を許したような表情を見せます。
ここは、本作においてかなり重要なシーンだと思っています。「何でも持っているお嬢様」だと思っていた晶が、実は自分と似た者同士だったと気づいたハルオ。
「いけ好かない奴」から「ゲーム好きの同志」だという思いへ変わりつつあるため、こうしてゲーム知識を楽しそうに語っているのです。そして、晶もハルオのことを「窮屈な日常から連れ出し、楽しい世界を見せてくれる人」と思うようになってきています。
ハルオにとっては「同志を見つけた!」ぐらいの気持ちかもしれませんが、晶にとってはまた別の感情が芽生えてきた瞬間なのかもしれませんね。
本編に戻り、「桃太郎活劇」を晶に勧めるハルオ。特にオススメな神ゲーだそうで、晶にやらせて自分は横で見ていましたが、だんだん自分もやりたくなってきてしまい…
「やらせろや~!」「もう辛抱たまらん~」「俺の禁断症状が~っ」と叫ぶハルオ。
パッと聞いた感じ、やばい意味に捉えられそうなセリフですね(笑)
タイミング良くちょうど帰ってきていたハルオママ。コントローラーを奪おうとするハルオを、晶を押し倒そうとしているのだと勘違いし「なんて下品でオゲレツな息子に育ってしまったの~」と強烈なバックドロップをかまします。
しかし、息子の成長を感じてかどこか嬉しそう(勘違いですが)そんなドタバタをよそに、晶はプレイを続けるのでした…
日が変わってプール開きの日。ハルオは病み上がりのため見学です。
まだ6月で寒さも残るため、高みの見物だと余裕な表情のハルオ。そこに、晶が突然水をかけてきます。その行為を「また風邪をひかせてゲームをやりにいくため」と判断し、「女の下心はやらしい」と悪態をつくハルオ。
当の晶は顔を赤らめながらプールに沈んでいます。これは、下心なのかなんなのか…。
7-CREDIT(第7話)
場面は晶の自宅である大野家。晶の指南役・業田萌美(ごうだもえみ)先生が晶を叱っています。どうやらゲーセン通いがバレている様子。大野財閥の令嬢である自覚を持つよう言われ、「夏休みもみっちり習い事」「終業式が終わった瞬間から地獄だと思いなさい」と厳しい通告がなされました。終業式の帰りにそれを思い出し、憂鬱になる晶。
ところ変わって駄菓子屋にいるハルオ。ゲーマー仲間であろう大人の男性(Tシャツには『童貞』と書かれている)と「10円ゲーセン」の噂について話しています。
「多摩川から3駅ほど、銭湯の近くにあるらしい」「1プレイ10円でスト2対戦のメッカ」と都市伝説レベルの話ですが、ハルオは当然食いつき、駄菓子屋の店主のおばあさんに自転車を借りてさっそく探しに行こうとします。実は、成績1だらけの通信簿をお母さんに見せたくないという現実逃避の意味もあるのですが…
自転車を走らせようとしたハルオは、いつの間にか荷台部分に座っていた晶に気が付きます。都市伝説の真相が気になるからついていくとのことですが、こちらも現実逃避でしょう。
既に晶を「いっぱしのアーケードゲーマー」と認めているハルオ。仕方ねえ、と二人乗りで晶を乗せて出発します。(真似してはいけません!)
荷台で揺られながら、「ピアノ!英語!水泳!…」と叫ぶ業田先生の幻影を見る晶。その幻影はどんどん遠ざかっていきます。晶にとってハルオは、地獄の日常から自分を連れ出していってくれる人なのですね。
一生懸命自転車をこぎながら「強豪の揃うゲーセンなんて腕がなるな」と晶に話しかけるハルオ。しかし、案の定何も返事はしません。「うんともすんとも言わねーで俺にチャリこがせてからに…純度の高いお嬢様だ」と悪態をつくハルオ。連れていくお礼に夏休みの宿題をやってくれないかと冗談まじりに打診すると、後頭部での頭突きが飛んできます。運転してくれてる人にひどい…(笑)
銭湯の煙突を見つける晶。ハルオはすっかり情報を忘れていました。「お前の盗み聞き力に感謝だな」とひねくれたお礼をし、また頭突きを受けています。
そうして見つけた「ゲームセンター がしゃどくろ」。外にガイコツの絵、地下にある、壁には「オール10円」の貼り紙、怪しすぎる…いざ入店!と進むハルオの腕を晶がつねります。どうやら暗い階段が怖い様子。可愛いですが、ハルオにとっては痛いだけです(笑)
店内に入ると、カビくささが鼻をつきます。他に客はおらず、都市伝説は嘘だったのかと落胆するハルオですが、元祖「ストリートファイター」を見つけ興奮します。スト1は拳で叩くぐらいのデカいボタンが特徴。叩く強さで攻撃が変わるため、「台パンが基本になる」というクセのあるゲームです。
スト1を二人で楽しんだあと、店内を見まわしたハルオはあることに気づきます。「平安京エイリアン」「クレイジー・クライマー」「プーヤン」「エレベーター・アクション」「スペースハリアー」など、1991年においてはどれも少し前のゲームです。1987年発売のスト1が最新作という時の止まりよう。
気色の悪い店主が言うには、ここは昔流行したインベーダーゲームを遊ぶインベーダーハウスとして始めたとのこと。しかしブームがすぐに終わってしまい涙したらしい…
そんな店主の話を聞きつつ「全然遊べる良いところ」と評するハルオが見つめるのはクレーンゲーム。時計やら指輪やら景品が入っていますが、これも古いモノばかりと訝しみます。
と、ここで晶がギブアップ。カビ臭くて薄暗い店内はあまり居心地がよくないらしく、もう帰ろうと催促します。それに応じて帰ろうと店を出るハルオと晶。ですが、自転車のカギが見当たりません。店内に落としたのかと思い、ゲーセンに戻ろうとすると…
なんと、さっきまで遊んでいたはずのゲーセンが影も形も見当たりません…。
階段にはシャッターが下りており、そこには「テナント募集」の文字が。
さっきまでいたゲーセンは!?とうろたえるハルオと晶に話しかけてきたのは、近くを通ったおじいさん。曰く、「ここのゲーセンの店主は経営難を苦にし、ゲーセン内で1987年に自殺してしまった」とのこと…
ハルオは冷静に「あと4年待てばスト2のブームが来たのに…」と惜しみますが、晶は気が気ではありません。あれは幻覚だったのか、ゲーセンの幽霊だったのか…いずれにせよ明らかな心霊現象にあってしまったのですから。ブルブル震えながら、なぜかハルオの背中をバシッ!ボコッ!と叩きまくります。「なんでお前は怖くなると暴力表現に出るの!!」と痛がるハルオ。心霊現象よりも、晶に恐怖しています(笑)
自転車のカギが異次元に飛ばされてしまったため、長い距離を歩いて帰るハルオと晶。ゲーセン内にいた時間は体感30分ほどだったというのに、5時間も経過していたようです。
「あの気色悪い店主の記憶の中に迷い込んでしまったのか…」と冷静に分析するハルオですが、怖い話が苦手な晶は涙を浮かべながらまたしてもハルオを殴ります。
ふと、空腹なことに気づくハルオ。それもそのはず、昼から何も食べていなかったのです。そこで、通りがかった精肉屋にてビッグメンチカツを食べることにしました。
「空腹時に食えば一生忘れることのできない味になろうよ!!」こういうセリフ、押切蓮介テイストが濃くて好きです(笑)晶もご満悦そうな表情です。
再び歩き始めた二人ですが、晶が足を気にしています。見れば、履いているのは硬そうな革靴。長時間歩いたことで靴擦れを起こしてしまったのでした。
「自分がカギをなくしたばっかりに…」と申し訳なさを感じるハルオ。そこで、自分の靴を履けばいいと促します。優しい提案に胸をうたれる表情の晶。ですがその後の「おぶるのは無理だぜ?重そうだし」という言葉に怒ります。台無し…(笑)
結局、ハルオの靴を履く晶。ハルオは靴下で歩いています。
「お前の家の人は心配してるんじゃないか」とハルオが気にした瞬間、晶を探すじいやの姿を見つけます。じいやも晶を見つけ、「業田先生がお怒りですよ!」と連れ帰ろうとします。
すると、ハルオの陰に隠れる晶。家に帰っても堅苦しい教育が待っている晶のことを、自分なんかより全然不憫だと思い、「普通に夏休みとか楽しめるの?」と聞きます。
もちろん、無言の晶。その表情に何かを感じたのか、「じゃあさ またしんどくなったら逃げてこいよ…また妙チクリンなゲーセンに連れてってやっからよ」と励まします。川崎の巨大ゲーセン…ゲーム代をすべて出してもらえる老人ホーム…そんな変なところにまた連れてってやると。
ここも本作における名シーンだと思います。辛い日常を忘れさせてくれるハルオの存在が、晶の中でとても大きくなった、そんな日だったはずです。
なんとか家に帰ったハルオを待っていたのは、ハルオママによるお叱り。帰りが遅くなったことはもちろん、オール1の通知表についてもです。罰として、PCエンジンの封印宣言をくらってしまうのでした…(番外編で、本当に謎の力で封印されてしまいます)
一方、晶の方はおとなしくピアノのレッスン中。業田先生は「まじめに授業は受けるし、姿勢も顔つきも良い どこでモチベーションをあげてきたのか」と不思議がります。
ハルオの存在があったからこそ、晶は夏休みの鬼レッスンをも乗り越えることができたのでした。
8-CREDIT(第8話)
冒頭、いきなりやられているスト2のダルシム。操っているのは晶です。そこに通りがかったハルオ。劣悪な環境でもダルシムでクリアをした晶の不調ぶりを不思議がり、何かあったのか?と聞きます。もちろん無言。夏休みが終わりそうでナーバスになっているのか?とハルオは想像します。
まあいいやと話題を変えるハルオ。土井に「御花園に皆で遊びに行こう」と誘われたがお前はどうするのかと聞きます。
場面は変わり、土曜日の御花園。土井、晶、ハルオと他3人とで待ち合わせをしていますが、ハルオだけ遅れてしまい、土井に「皆待ってんだから 置いてくぞ!」とどやされます。(そんな土井のTシャツには「歯」の文字が。どんなセンスだ)ハルオは「こういう時の『皆』という言葉…重くるしいぜ…」と気まずそう。その気持ち、わかるぞ…。
どうやら、土井がハルオを誘った理由は、自分の引き立て役としての意味の様子。デートに誘うといつも断られる晶を誘い出すため、複数人での遊びをもちかけたとのこと。これを機に晶と親睦を深め、自分の婚約者となることを約束させようという魂胆のようです。怖すぎる…(笑)
あまり遊びの誘いに乗らない晶が今日は来たことを不思議がるクラスメイト。それは花を愛でようという僕のプランに心が躍ったからだろう!と得意気になる土井。ですが、晶はどこか上の空です。一方、夏休みの宿題からの現実逃避に来ただけのハルオは花にはまったく興味がわかず、お花畑に隣接する遊園地に行かないかと提案。土井を除きみんな賛成します。
どこか上の空で覇気のない晶を不思議がるハルオ。そこに、土井が晶に「ミラーハウスに活きませんか?迷うことなく出口までエスコートしますよ」と提案します。土井は、晶と二人でアトラクションで遊ぶことで無理やり親密な仲になろうと画策しています。
それに対し、「迷うのがおもしれーんだろ 遊びの楽しみ方を知らねーなぁ」とちょっかいを出すハルオ。RPGの迷いやすいダンジョンをクリアしたときの喜びに例えるなどやはりゲーム脳ですが、苦労するからこそ楽しいというのは同意です。
その隙に晶に逃げられてしまった土井。お前のせいだ!とハルオに頭を押し付けます。ポマードがべたべたして非常に不快そう…(笑)
そこに「観覧車に男女ペアで乗ろう」と提案するクラスメイトが。同じクラスの破天荒な女子、鬼塚ちひろです。突然奇声をあげたりする変わった子で、自らハルオを捕まえ一緒に乗ろうと提案します。その理由は、「チンチンに骨があるかを確かめたい」から。そう、鬼塚は単なる変わった子ではなく、めちゃくちゃに変わった子なのです(笑)
狂気的な提案に恐怖し、逃げるハルオ。一方、晶は土井とペアにされそうに…。
逃げたハルオが行きついたのは、遊園地内のゲームセンター。実は最初からここが目的で、遊園地で遊ぶことを提案したのでした。とはいえ、通常のゲーセンと比べるとラインナップも古めで、少しがっかり。でも、ここが一番落ち着くなと周りを見渡したハルオは、ゲームで遊んでいる晶を見つけます。晶も、土井から逃げてきたのでした。
お前も逃げてきたかーと愉快そうなハルオは、晶にゲーセン内のタイトルを説明。敵のモンスターに乗れたりする「ゴールデンアックス」、画面をグルグル回して球をゴールに導く「キャメルトライ」、キャメルトライをプレイした晶は酔ってしまいました。
二人きりになったところで、ふと何故今日来たのかと晶に問うハルオ。ムスッとするなら最初から来なければよかったのに…と。それに儚げな表情で返す晶。ハルオは慌てて「思い出したくないことがあるなら話さなくていい」と話題を終わらせます。
とにかく遊んでいくことにした二人。ですが、いつものスト2は台数が少なく行列ができており、遊べそうにもありません。そこで晶が興味を示したのが、家の近所のゲーセンにはない、大型のシューティングゲーム。
「ダライアス2」「スペースガン」と立て続けに遊びますが、敵キャラのエイリアンが怖くて前進しようとしない晶、それをなだめるハルオと、なんだかんだ楽しそうです。
一通り遊んだのち、「そろそろ土井のところに戻らないとかわいそうだ」と提案するハルオ。やはりぶっきらぼうに見えて優しいところがありますね。ですが、晶はまだ戻りたくない様子。というか、ハルオと一緒にいたいようです。
次に晶が指さしたのはファイナルファイト。皆に置いてかれちゃうのに、なんで地元でいくらでも遊べるゲームを…とハルオは不思議がります。
場面変わって、フラフラと歩くかわいそうな土井。晶に逃げられただけでなく、鬼塚と一緒に観覧車に乗るハメになり、チンチンに骨があるかを確かめられてしまいました。晶とムリに親密度をあげようとしたバチか…としょぼくれます。
結局、ハルオと晶はファイナルファイトを全クリ。すっかり夕方になり、置いてきぼりをくらいます。ふと、晶が何かを見つめていることに気づくハルオ。それは、土井が晶と乗りたがっていたホラー系アトラクション、「不思議な森の冒険」でした。
1回400円という価格に不満をもらしながらも、晶が入りたがっているので付き合ってやるハルオ。しかし、思ったよりも怖さがあったようで二人とも震えてしまうのでした。
その後、二人はミラーハウスやジェットコースターを楽しむなど遊園地を満喫。
声や表情にこそ出さないものの、晶のはしゃぎっぷりをハルオは感じ取ります。聞けば、遊園地に来たのは今日が初めてとのこと。それを聞き、かわいそうなお嬢様のワガママを最後まで聞いてやるかと優しさを発揮します。
そんな晶が次に乗りたがったのは、観覧車。土井と乗るのを拒んだのに?と訝しむハルオ。ふと、意味深で儚げな表情で見つめてくる晶にドキッとします。
それに対しハルオは、「なんで俺、今緊張したの…?」と戸惑う。
結局、観覧車はすでに終了時間が過ぎており、乗れずじまい。そこでもハルオは、「なんで俺、ちょっとホッとしてるの…?」と自分の気持ちに驚いています。
カバンの紐をにぎりしめる晶。表情こそ変化はしませんが、何か想いを抱えているようです。ハルオも、その想いを感じ取ったからこそ緊張したのかもしれません。
バスで帰るハルオと晶。疲れたのか、晶はハルオの肩によりかかって寝てしまいます。
「最近元気なかったし、こいつも色々耐えてるものがあったんだろう」と、晶を起こさずにそのまま肩を貸してあげるハルオ。下心もなく、本当に良い男だハルオは…。
場面変わって、二学期が始まった学校。憂鬱な気持ちで登校するハルオは、信じられないウワサ話を耳にします。
「大野さん、親の都合で転校するみたいよ…」
「私は海外移住って聞いた…」
ハルオが思い起こしたのは、ゲーセンに来る晶を忌々しく思っていた日々。
「なんでこいつが俺の聖域に…」「優等生のクセにこんな盛り場に…いけすかねぇ!」
そんな風に思っていたやつのはずなのに、「なんで俺、こんなにショックを受けてるの?」と、自分の気持ちに戸惑います。
9-CREDIT (第9話)
場面は急に進み、晶が引っ越しをする当日に。アメリカ・ロサンゼルスに移住するとのこと、遠いですね…。破天荒な先生も「皆であたたかく見送ろう」とクラスをまとめあげ、みんな晶にお別れの手紙やミニ四駆など贈り物を渡します。どうやら、一人一人ずつプレゼントをあげると取り決めていた様子。
花束をあげているのは鬼塚。こういうセンスは謎に優れています。逆に酷いのは、奇妙な巨大ぬいぐるみを渡そうとする土井。とことん残念…。皆渡したかと思ったら、ハルオがまだとのこと。先生が問い詰めると「忘れました」と一言。当然、大ブーイングです。
ですがハルオは反省するどころか、晶に悪態をつきます。「お前と絡むとロクなことにならねえ…行くなら行くで早く行っちゃえよ」「俺の聖域(ゲーセン)も荒らされなくて済むからせいせいするぜ」
これには先生も激怒。ハルオの頭に噛みつきます(笑)クラスメイトもハルオを責めますが、晶は相変わらず無表情。
そしていよいよお別れの時。校門で先生やクラスメイトが見送る中、ハルオは特に声をかけることもなく、晶が乗った車が遠ざかっていくのを見つめていました。
「目の保養的存在がいなくなっちゃったなー」と悲しがるクラスメイトに「私は!?」と絡む鬼塚。押し売りがすぎる…。
帰路につくハルオ。その手には、1000円札が握りしめられています。
実は、ハルオはプレゼントのことを忘れてはおらず、ただ晶に何をあげればいいのかが分からずに当日になってしまったのでした。
ハルオママにもらった贈り物用の1000円は遊びに使おう!とゲーセンに立ち寄るハルオ。気持ちの整理ができていないからか、珍しく悪いことをしようとしています。
なんで俺があいつにプレゼントをしなきゃいけない?と自問するハルオ。
自分の憩いの場を荒らし、プライドを引き裂かれた…そんなやつがいなくなったんだからまた胸を張ってゲーセンに通えるんだ!と納得をしようとします。唯一のとりえであるゲームで上をいかれる、憎くてウザくて忌々しくて、いけすかねぇ存在だったと…。
「でも なぜかゲーセンに入るとあいつの姿を捜しちまう…」
同時に、そんな気持ちにも気づくハルオ。
「あいつの腕を認めざるを得なくて…尊敬した…」
「心意気に惚れ惚れした…」
「初めて同志ができたと胸も躍った」
気づいていなかった、気づかないフリをしていた自分の気持ちに向き合い始めた瞬間、誰かがハルオを呼ぶ声が聞こえてきます。
「ハルオ…ハルオ…!!お前の気持ちはそれだけか!?」
その言葉を投げかけてきたのは、なんとスト2のキャラ、ガイルさんでした。
「己に正直になれハルオ あの子との戦いはまだ終わっていない」
「お前の戦いが俺の新たなる力となるだろう」
そう語りかけるガイルさん。
これはハルオが見た幻影なのか、それともゲームキャラが実体化したのか。
真相は分かりませんが、ガイルさんは発破をかけるためか「ファネッフー!」(ガイルが必殺技を放つ際の音声の空耳)とソニックブームを放ち、ハルオの後頭部に直撃します。
頭を押さえるハルオに対し、今度はファイナルファイトのダムドが語りかけます。
「へっへっへっ… ハルオさんよ お初にお目にかかるなぁ」
「これ以上見栄を張るようなら後悔することになるぜ」
ゲームキャラの呼びかけに反応するハルオ。続けて、キング・オブ・ザ・モンスターズ、ハングオンなどさまざまなゲームのキャラが呼び掛けてきます。
「今タイムはいくつだ?」「時間がないぞ!!」
ハルオの脳裏に浮かぶのは、晶の顔。同志であり、ライバルである晶と遊んだ日々。
「行け そして頼朝をうて」「何ボヤボヤしてやがんでぃ さっさと行きやがれぃ…!!」
「そおらっ 走れ 早く!!速く!!迅く!!」
「大野!!」
走り出すハルオをゲームキャラ達が追い、その後ろ姿を応援するのでした…。
場面変わって空港のシーン。晶のことをじいや、業田先生が見送っています。
「パチンコ中毒ゆえ日本に留まらざるを得ないのです」と嘆くじいや。
晶よりも自分の心配をした方がいい…(笑)
そこに駆け付けるハルオ。なんとか出発までには間に合いました。走ったからか、汗をかいて息もあがっています。そんな状態でハルオが始めたのは、ゲームの話。
「飢狼伝説って格闘ゲームが出るんだよ」
「俺の予想だとこれからどんどんゲーセンが盛り上がってくるぞ」
「俺たちが想像もつかないようなものがどんどん出てくると思うんだ!!」と、いつもの調子でゲームについて語ります。そして、「こんなイイ時に海外に行くなんて残念すぎるぜ…」「俺も張り合いが持てるやつがいなくなるのかと思うとさみしくてしょーがねぇ」と本音をぶつけます。恥ずかしさからか、心にしまっていた気持ちを打ち明けました。
ハルオはプレゼントについて話しますが、ハルオママにもらった1000円は電車賃を考えると使えない。何も買ってあげられず悪いと謝りながら、ハルオが何かを取り出します。
それは、小さなおもちゃの指輪でした。
実はこれは、晶と行った幽霊ゲーセン「がしゃどくろ」のクレーンゲームでとったもの。なぜかこれは消えなかったため、母の日にでもあげようととっておいたのでした。
「これ…この世のモノじゃないかもしれないし色々な意味で気色悪いかもしれねーけど」
「今 お前にあげれるもんはコレしかねぇ…もらってくれるか?」
次の瞬間、晶は、ハルオにギュッと抱き着きます。
驚くハルオ。晶の目には大粒の涙がたまっています。そして…「うあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙」と大きな声で泣く晶。
おそらくハルオが初めてまともに聴いた、晶の声です。
ハルオとゲームをして遊んだ日々。辛い日常を忘れさせてくれた日々。
無表情に見えて様々なことを思っていた晶も、気持ちがあふれてハルオの前で初めて大きな声を出して泣きました。
飛行機の搭乗時間が迫るため、ハルオから晶を引きはがす大野家の面々。
ハルオから指輪を受け取りつつ、ハルオの顔面に爪をたてて抵抗しつつ、涙と鼻水でグシャグシャの顔のまま、晶は日本を旅立ちました。
そんな晶を見るハルオの目にも涙が…同志である晶に想いを伝えることができ、さみしく思いながらも「ははっ」と笑い、表情はさわやかです。
その顔には、額から鼻にかけて晶の爪痕がしっかりと残っていました。
文字通り、ハルオに対して「爪痕を残した」わけです。
飛び立つ飛行機を見上げながら、「投げハメに頼らないくらいガイルを強化しねーとな」と意気込むハルオ。再会した時に互角に戦えるように、と決意を固めました。
一方、落ち着いた晶はキャンディをなめています。さっきまで泣きじゃくっていたとは思えませんが、その左手薬指には、しっかりと指輪が…。
ハルオはあくまで「同志への友情の証」のつもりでたまたま持っていた指輪を渡したのですが、晶には違った意味で捉えられているようです。さて、どうなることやら!
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さて、ハイスコアガール1巻の内容はここまでとなります。
ハルオと晶がいかに出会い、憎み合い、そして認め合っていったか…。
終盤でゲームキャラが突然喋りだす展開は驚きですが、これ以降も様々な場面で助言を与えたりしてくれる存在です。この漫画ならではの表現ですね。
小学校時代が描かれるこの1巻は、ハイスコアガール全編を通してもかなり評価が高い巻ですが、もちろんこれ以降もめちゃくちゃ面白いのでご心配なく!
続く2巻では、1巻から2年後が舞台。中学生編に突入します。
もう一人のヒロイン・日高小春(ひだかこはる)の登場、晶の帰国など、次第にラブコメの様相を帯びてくる巻となります。ワクワク!
では次巻もお楽しみに!