黒執事は「月刊Gファンタジー」で2006年から連載されています。
19世紀末期のイギリスを舞台に、執事に扮した悪魔セバスチャン・ミカエリスとその主人であるファントムハイブ伯爵家の当主シエル・ファントムハイヴが活躍する人気作品です。
ファントムハイヴ家は、代々「女王の番犬」として政府の汚れ仕事を請け負ってきた家柄です。
幼いながらもシエルは当主としてその役割を担っています。
グレル・サトクリフは死神としてセバスチャンたちの前にたびたび現れる人物です。
今回はグレルがどんな人物なのかをご紹介します。
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「これでも執事DEATH★」冴えない執事の正体の性別は?グレルの初登場を紹介!
初登場は意外な姿? ダサさに徹して周りをあざむく
グレルの初登場は、2巻から始まる「切り裂きジャック事件編」です。
ロンドンで発生した娼婦連続殺人事件の犯人を突き止めることを命じられたシエルは、自身の叔母であるマダム・レッドに協力を求めます。
マダム・レッドの屋敷、バーネット邸の執事として登場するのがグレルです。
膨大な仕事をスマートにこなすセバスチャンとは対照的に、気が弱く、常におどおどしている上に仕事ぶりは何をやってもダメダメです。
お茶もまともに淹れられない、とマダム・レッドにキレられる一幕もありました。
外見は、黒縁メガネをかけ、黒髪をきっちりとまとめ、いかにも真面目な執事、というものでした。
あまりのグレルの仕事ぶりに呆れたセバスチャンが手を貸すと、ほれぼれと見とれてしまうような純朴な青年に見えていました。
自慢のデスサイズで大暴れ セバスチャンとの死闘で繰り出される名言
グレルの真の姿が明かされるのは、切り裂きジャック事件の終盤です。
この事件の真犯人がマダム・レッドだと突きとめたシエルに対し、彼女は刃を向けます。
長年のうちに募ったコンプレックスとつかみかけた幸せを失った絶望から、マダム・レッドは猟奇殺人事件に手を染めてしまったのです。
その姿を気に入ったグレルが死神として手を貸すようになったのが事件の真相でした。
死神という正体を明かしたグレルは、赤く長い髪を解き、赤い縁のメガネにかけ替えます。
真相を知ったシエルを殺せなかったマダム・レッドに対し、あからさまに侮蔑の表情を見せたグレルはあっさりと彼女を殺害します。
その後、シエルの命令で闘いを挑んできたセバスチャンと、自慢のチェーンソー型の死神の鎌(デスサイズ)で闘います。
そのさなか、セバスチャンに惚れた、と堂々と告白したグレルは彼のことを「セバスちゃん」と呼ぶようになります。
しかし、決して結ばれることのない自分たちの間柄をシェークスピアの「ロミオとジュリエット」になぞらえ、作中のセリフを応酬して戦うのでした。
月光の下、芝居がかったセリフの応酬をして戦うグレルとセバスチャンの姿は、圧巻です。
赤への執着と美学
何でも赤が好き、と明言するグレルは、髪もメイクも赤で彩っています。
マダム・レッドに手を貸すようになったのも、娼婦の返り血を浴びた彼女の姿に惹かれたからです。
赤は視認性の高い色で、遠くからでもよく見えます。
グレルが赤を好むのは、このよく目立つ性質が気に入っているのかもしれません。
執事に扮していた時の自分の姿を「おしゃれもできなくてダサい格好」と評していましたから、派手好みなのは確かなようです。
マダム・レッドを殺害した後、グレルは彼女の着ていた赤いコートを持ち去ります。
その後、サイズの合わないそのコートを常に身に着けていることから、彼女に対するいろいろな想いがグレルの中にはあるのかもしれません。
それは、赤色を愛する彼なりの美学とも呼べるのでしょう。
職場ではいじられキャラ? グレルのお仕事事情を調査!
死神のお仕事とは?同僚との意外な関係
グレルは「死神派遣協会」に所属する死神の1人です。
所属は回収課という通り、人の魂を回収するのが仕事のようです。
死神は、死にゆく人の魂を審査し、世界にとって有益な人物なら生きながらえさせるために人間界に派遣されている、と同期のウィリアムが言っています。
しかし、実際にはそのような人間は存在しないため、坦々と魂を回収するのです。
同期のウィリアム・T・スピアーズは管理課に所属しているので本来は回収には当たらないはずですが、人出不足が高じると駆り出される、と嘆いています。
まして、同僚のグレルが不始末ばかり起こすのでその尻ぬぐいをさせられることも多い、と恨み言を吐くように、グレルにはスタンドプレーが多く、周囲をひっかき回す存在のようです。
実は勤勉? グレルの仕事に対する姿勢
グレルはいい男には目がありません。
特にセバスチャンが絡む事件と聞くと、詳細も確認せずに飛び出していってしまいます。
そのおかげで目当てのセバスチャンがいる現場とは違うところに行ってしまい、悔しがる姿は愛すべきものがあります。
それでも、現場に出れば死神としての仕事をまっとうするグレルは、実は勤勉で仕事熱心なのかもしれません。
同僚との付き合いは意外と良好?
いい男には目がなく、特にセバスチャンが絡むと乙女心全開、ハイテンションで仕事に挑むグレルですが、同僚である死神たちとは意外にもいい関係にあるようです。
後輩のロナルド・ノックスにはからかわれながらも、現場では協力して魂の回収にあたっています。
同僚のオセロに、葬儀屋のことで話があると呼び出されて向かった先はバーでした。
真剣に葬儀屋の過去について話している2人ですが、周りから見れば仲良くアフターファイブを過ごしているようにしか見えません。
重い話をさらっと説明するためにオセロが気を使ったようにも思えるシーンです。
数々の規定違反をとがめられ、同期のウィリアムからは遠慮なく、強烈にどつかれることも多いグレルですが、それでもどこか楽し気に仕事にまい進していることから、職場での人間関係は良好なのかもしれません。
死神の鎌にはこだわってマス 死亡しそうで死なない死神のお仕事を紹介!
カスタマイズ必須! 自慢の死神の鎌
死神は、それぞれ大きな刃物を武器として持っています。
死神の鎌(デスサイズ)は元々はその名の通り、大鎌だったようですが、グレルたちは自分好みにカスタマイズして使うのが普通のようです。
初登場時のグレルが使っていたチェーンソー型のデスサイズは職場に申請していなかったとして後に謹慎処分を受けるはめになってしまいます。
後輩のロナルド・ノックスは芝刈り機型のデスサイズを愛用しています。
要領の良い若者らしく、総務にあらかじめ申請を通してある、とウィルに対しても堂々と言い放つ姿は颯爽としていました。
ウィルは高枝切ばさみ型のデスサイズで、柄が伸び縮みするので離れた相手とも戦えるものでした。
死神たちは自分のこだわりを持って仕事道具のカスタマイズを楽しんでいるようです。
同期にどつかれてもめげないアタシ
グレルはその自由奔放な言動から、謹慎処分を受けたり、ウィルから厳しく叱責されるシーンが見られます。
未申請のデスサイズを平気で使ってしまうあたりは、要領のいいロナルドとは対照的です。
死神は一度死んだ人間なので、悪魔であるセバスチャンと何度戦っても死ぬ心配はありません。
それでも、血を流したり殴られたりすれば痛みは感じています。
同期の尻拭いをさせられて苛立つウィルに顔の形が変わるほど激しくどつかれても、「乙女の顔はやめて」とおどけて見せる余裕を見せるグレルは実はとても打たれ強いのかもしれません。
グレルの好きな人って?セバスチャンだけではない周囲の男たちを紹介!
恋愛対象は大人の男性?報われない恋に身を焦がす
グレルは自分の正体を明かした時から「あたしは女優」と明言しています。
「神様が間違えた」とグレル本人がいうように、体は男性、心は女性のトランスジェンダーです。
セバスチャンにはあからさまに異様な愛情を向けてドン引きされたこともありました。
悪魔ですらドン引きさせる愛情表現は、過激で異様な迫力に満ちていました。
そんな情熱的な一面のあるグレルですが、恋愛対象は男性なら誰でも、という訳ではなさそうです。
セバスチャンは悪魔ですが、ファントムハイヴ家の執事として振る舞う姿は立派な大人の男性です。
グレルが密かに心惹かれている同僚のウィルもいかにも真面目な公務員という風貌です。
また、豪華客船編で登場する暁学会会長を務める医師、リアン・ストーカーに対しても初見で「ちょっといい男」とまんざらでもない様子を見せました。
一方で、常にセバスチャンと共にいるシエルや、今時の若者代表のような軽いノリのロナルドに対しては、特に恋愛感情は刺激されないようです。
報われない恋と知りながら自身とは正反対の、真面目で仕事のできる男性に惹かれるグレルは、実は純情な一面もあるのかもしれません。
セバスチャンとは戦って愛し合う?
グレルとセバスチャンが相まみえる時は、敵同士としてです。
互いの目的が反対のため、会えばすぐに戦闘態勢に突入するのは仕方のないことかもしれません。
印象的なのは切り裂きジャック編で最初に戦った時の様子です。
「ロミオとジュリエット」のセリフをやりとりしながら戦うふたりの姿は幻想的で美しいものでした。
シェークスピアの戯曲を再現できるあたりは、英国生まれの教養が成せる技なのでしょうか。
チェーンソーを振り回しながら楽しそうに戦う姿は本物の女優のようでした。
いつ会っても戦うしかない境遇のふたり。
もはや殺し愛と言ってもいいのかもしれません。
同期ウィルに対する想いとは
公式キャラクターガイドによると、グレルの本命はウィルで間違いないようです。
アニメでは死神の実習中に行動を共にするグレルとウィルのエピソードがありますが、原作では触れられていません。
しかし、セバスちゃんと呼んでハイテンションに絡んでいく時とは違い、静かに胸に秘めた想いがあるのかもしれません。
生真面目に仕事をこなすウィルに邪険にされ、時には激しくどつかれても甘んじて受け入れているグレルを見ると、けなげな乙女心が隠れているようにも感じます。
死神としての美学を貫く 過去の因縁 グレルの死因は?
死神の理(ことわり)を歪めるのは許さない 葬儀屋への憎悪
行動にかなり癖のあるグレルですが、死神としての仕事は常に真剣に取り組んでいるように見えます。
豪華客船編では、葬儀屋が動く死体、ビサール・ドールを創り出したことが明らかになります。
葬儀屋は元・死神でありながら、彼独特の好奇心から人間の走馬灯劇場(シネマティックレコード)を改造するという禁忌を犯したのです。
この行為に対し「死神による人間界への生死に関わる干渉はルール違反」とはっきりと怒りをあらわにしています。
しかし、それ以上にグレルが本気で憎悪を向けたのは「乙女の顔に傷をつけた罪」でした。
この点については「いくらイケメンでも許されないワヨ」と絶叫しています。
仕事に対しては真摯に取り組むけれど、乙女心も忘れないのがグレルの真骨頂なのです。
仕事は華麗にスマートに 激務にも負けず
黒執事における死神は、自ら死を選んだ罰としてなると説明されています。
詳細な説明はありませんが、作中の描写からすると死神たちに生前の記憶はないように思えます。
グレルは「体は男性だけど心は女性」と自認しています。
記憶はないにしろ、生前のグレルもそうだったのではないかと推察できます。
この作品の時代設定は19世紀末ですから、現代よりも生きづらさを抱えていたのかもしれません。
グレルが死神として生まれ変わった自分をどう感じているのかは分かりませんが、「公務員のようなお堅い職業」といわれる死神の仕事を、自分のおしゃれを貫きながら楽しそうにこなしているのを見ると、死神という境遇を受け入れているのでしょう。
常に人手が足りないという職場環境のようですが、メイクやおしゃれを楽しんだり、時には同僚とパブで酒を酌み交わしたりという状況は、グレルにとって幸せなことかもしれません。