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『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』10巻は漫画アプリで読める
日向夏による原作小説『薬屋のひとりごと』は、2つの漫画雑誌にてコミカライズされています。
1つ目は「月刊サンデーGX」に連載されている『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』です。
原作:日向夏
作画:倉田三ノ路
キャラクター原案:しのとうこ
もう一つは「月刊ビッグガンガン」にて連載されている『薬屋のひとりごと』です。
原作:日向夏
作画:ねこクラゲ
構成:七緒一綺
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『薬屋のひとりごと薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』10巻 ネタバレ&感想
第三十八話 月精
猫猫が住む茘国のとある夜、西方の特使を招いての宴が催されていました。
宮殿の外、北にある庭園で開かれており、皇帝や上級妃、特使は馬車に乗ったまま参加しています。
表向きは足場の悪い屋外で転倒しないようにという理由です。
実際には暗殺、毒殺が日常茶飯事である後宮で、帝の子を身籠った玉葉妃を隠すため、さらに見目麗しい特使を必要以上に見世物にしないためでした。
後宮の宦官、壬氏(ジンシ)に仕える猫猫(マオマオ)は物陰から宴を観察していました。
宴の演奏や演舞は普段の宴よりも派手なものが選ばれていました。
しかし主賓である特使達は退屈そうに表情が変わりません。
特使は二人おり、鏡に映したように容姿が似ています。
流れるような金髪に青い瞳、豊満な肢体と見蕩れそうな美女達でした。
実際に立ち見をしている文官、武官達はそろって鼻の下を伸ばしています。
ふと、特使の一人が馬車から出てきます。
周囲の文官、武官達はざわつきますが、特使の女性はその中を悠然と歩いていきます。
彼女は皇帝の馬車の前に行くと、所々カタコトながらも流暢なこの国の言葉で言います。
「もっと近くで話したかった」
「皇弟と会えないことが残念」
その台詞から猫猫は特使の目的を察します。
婚姻により縁戚関係となり、家同志、国同士の繋がりを深めるのはこの時代では珍しくありません。
特使が二人で来たのは皇帝とその弟に同時に娶ってもらおうという思惑でした。
特使の女性はさらに皇帝に近づこうとしますが、もう一人の特使によってたしなめられます。
言われた特使は素直に馬車へと戻ります。
しかしその去り際、後宮の上級妃、四夫人達の馬車へと挑発的な笑みを浮かべていました。
特使達は表向き、ある望みから茘国へと来ていました。
「50年前に祖父が見たという月の精を見たい」
しかし特使が浮かべた笑みから、猫猫が察した特使自身の言葉はこうでした。
「この国に月の精などという自分達以上の美女はいない」
特使達は事前に四夫人相手に鏡を送っており、その意図も「おのが姿を見て身の程をわきまえろ」という特使からの挑発だったようです。
特使の思惑を把握した猫猫でしたが、実のところ彼女の仕事は別にありました。
事前に猫猫が依頼されていたのは特使達に、昔彼女らの祖父が見たという「月の精」を見せることでした。
その準備を確認するため、猫猫は宴を離れてとある小屋に向かいます。
扉を開くとなにやら疲れたような壮年の男性がいました。
彼の名前は後宮内で壬氏に仕える高順(ガオジュン)。引き締まった体格をしていますが彼もまた宦官です。
疲労した高順の様子に、猫猫は何事かと思い部屋の奥を確認します。
そこにいた人物に猫猫は彼の顔色の理由を察します。
その人物は常人が一目見れば魂を抜かれる。そう断言できるほどの存在だったのです。
一方宴も終わり、特使達は馬車で庭園から去ろうとしていました。
馬車が動き出すと、特使達は馬車越しに宴の感想を言い始めます。
「大したことの無い踊りだった」
「四夫人も馬車に隠れたままで、月の精もどうせ大したことない」
「帰れば直ぐにでも皇帝から縁談が来るだろう」
四夫人への嘲笑と、自分達以上の美女はいないとその姿は自信に溢れていました。
馬車が池の横を通っていると、道の脇に一人の侍女、猫猫が現れます。
美醜でいうなら取り立てて特徴の無い顔立ちに、特使達は疑問には思いますが特に驚きません。
しかし次の瞬間、陰から急に現れた人物に特使二人は目を見開きます。
急に現れた人物は猫猫よりも頭一つ背の高い女性でした。
頭で髪を二つの輪っかに結び、残った髪は後ろに垂らしています。
茘国の妃が着る真珠を使った衣装に身を包み、長いひれは女性が歩くたびに風に舞っていました。
女性は特使の馬車の前を歩きながら、長いまつ毛に縁どられた切れ長の目を特使に向けます。
女性の周囲には青白い光がいくつも浮かんでおり、特使達は女性の一挙手一投足に目を奪われます。
女性は馬車の前を横切った後、池の中にある小さな踊り場へと行きます。
そこで女性は、長いひれを空中に舞わせながら踊り始めます。
ひれが舞う度に青白い光も合わせて舞い踊ります。
50年前にとある妓女が評された「月の精」。猫猫は予想に従い、恐らくは同じものを再現しました。
特使達が見入っていると、ひれの布がその場に広がります。
目をとられた次の瞬間、舞っていた女性は忽然と姿を消していました。
宴で挑発をした特使の一人が思わず猫猫に詰め寄ってきます。
慌てているのか茘国の言葉ではなく母国語で何かを言います。
言葉は分かりませんが、消えた女性のことを聞いているのは猫猫にも明らかでした。
猫猫は天上の月を指さしながら一言、西方の月の女神の名前を呟きます。
その答えに特使の女性は敗北するように、その場にへたり込むのでした。
呆然としながら帰っていった特使を見送った後、猫猫は高順や彼の部下の宦官と小屋で落ち合っていました。
「月の精」の再現に見事成功した猫猫はその種明かしをします。
特使の前に出る直前、猫猫は予め女性に黒い布を被せていました。
布を突然剥ぎ取ることで、周囲からは被っていた女性が突然現れたように見えます。
そして月の精の最も重要な演出となったのが、部屋の虫かごに捕らえられている蛾の成虫でした。
50年前に「月の精」と評された花街のやり手婆。彼女は当時、周囲からの妬みによる嫌がらせで、虫の死骸を衣装に付けられていました。
恐らくは蛾の雌の死骸が擦り付けられており、やり手婆が舞っている間、雌の臭いに釣られて蛾の雄が集まっていたのでした。
当のやり手婆は周囲を飛び回る蛾にうんざりしただけと言っていました。
しかし当時の特使には月光に照らされた蛾と共に舞うやり手婆が、光を纏う「月の精」に見えていたのでした。
高順と話していた猫猫でしたが、そこに壬氏が恨み言と一緒に現れます。
女官の衣装を着ていた彼でしたが、彼の髪や衣装はずぶ濡れとなっていました。
彼こそが今回「月の精」を演じた張本人です。
彼は特使の目の前で踊った後、宙に浮かせた布を目隠しに池の中に飛び込み、泳いでその場から去っていました。
外交のためとはいえ、無理やり女装させられ、さらには水泳までさせられた壬氏は不満げな様子を隠しません。
高順が差し出した布で、猫猫は壬氏を宥めながら彼の体をふき始めます。
その光景を苦笑いしながら、高順は部下と今回の演出の難点を話していました。
今回一番の課題だったのは「月の精」を演出する以上に、その光景をどうやって特使以外には見せないようにするかということでした。
特使の帰り道に現れることで課題は成功しましたが、もし文官、武官に見られていたら大変な事態になっていたのは想像に難くありません。
その姿を見た人々が心を奪われ国を傾けるほどの美女を「傾国」と言います。
「月の精」をもし見ていたら仕事が手に付かなくなり文字通り国が傾いてしまう。
実直な性格の高順ですら、特使の前で舞っていた壬氏の姿をそう評せずにはいられないほどの光景だったのです。
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第三十九話 診療所
後宮内で猫猫は下女時代の仕事仲間、小蘭(シャオラン)と会います。
後宮内で新しく始まる、学問、仕事を教える手習い所の第一期生に彼女は選ばれていました。
猫猫自身、手習い所の配置等を壬氏と相談し合っており、
手習い所に小蘭が通えることを嬉しく思います。
楽しそうな小蘭は手習い所に向かうため、足早にその場から去っていきます。
明るい話題に猫猫は少し和みます。しかし壬氏からの指示で暗い事件ばかり調査していた猫猫の心は晴れません。
後宮では以前、女官の間で香油が流行しました。組み合わせると堕胎剤になるもので、
猫猫は壬氏にその情報を伝えて香油の処分には成功しました。
しかし香油が流行るように仕向けた犯人は分からずじまいでした。
壬氏は特使が犯人ではないかと疑っていましたが、
「月の精」に自尊心をずたぼろにされた特使達を、猫猫はさほど気にしていませんでした。
後宮内での事件は、上級妃を中心に発生しています。
父親が先代皇帝からの重臣である楼蘭(ロウラン)妃。
里樹(リーシュ)妃の実家は出世のために幼女だった彼女を先代皇帝に嫁がせました。
後宮内で後ろ盾である親の権力が大きいのはこの二人の妃です。
しかし楼蘭妃は皇帝が通っているものの夢中にはならず、里樹妃は完全に皇帝の趣味から外れているため通いがありません。
皇帝の寵愛を受けているのは残りの二人です。
親が皇帝の親戚である梨花(リファ)妃は息子を生みましたが亡くしてしまい、彼女自身も病にかかりました。
しかし猫猫の看病で復調して以降は、皇帝から再び愛されています。
四人の妃の中で最も寵愛を受けているのは猫猫が仕えている玉葉(ギョクヨウ)妃です。
娘の鈴麗(リンリー)公主も成長し、さらに現在もう一人子を宿しています。
玉葉妃は今までに二度毒殺の危険に見舞われました。
一つは里樹妃を狙った犯行が偶然玉葉妃に降りかかったものでした。
毒殺は猫猫によって阻止され、犯人も猫猫の調査により自首して解決しました。
しかし猫猫が玉葉妃に仕える以前、毒見役が食事に盛られた毒で倒れる事件が発生していました。
その犯人は以前から後宮内で疑われていた静妃とされ、彼女の遺体が発見されたことで表向き事件は終結していました。
しかし閉鎖的な環境である後宮内で、静妃がどのようにして毒の知識を得たのかは疑問のままでした。
すっきりしない現状に猫猫の心は晴れません。
しかし現状では答えを出せないと、猫猫は思案を切る事にしました。
玉葉妃の翡翠宮に戻る途中、猫猫は梨花妃の住む水晶宮の侍女達を見かけます。
猫猫は以前彼女達に叱咤したり、香油の確認のため服を剥いで匂いを嗅いだりと強烈な関わり方をしました。
侍女達は猫猫に気づくと化け物でも見たように、その場から逃げ出します。
その中で一人、顔色を変えない女性がいました。
侍女達よりも上等な衣装を羽織っており侍女頭と思われます。
猫猫はその女性に特別な印象があり覚えていました。
香油の確認で水晶宮に赴いた時、流行に敏感な侍女の集まる水晶宮ではほとんどの侍女が香油を付けていました。
しかしその中で一人だけ、目の前の女性が香油を付けていなかったのです。
しかし何十人もいれば流行りに乗らない者もいると、猫猫は特に疑問に思わず翡翠宮へと戻っていくのでした。
翡翠宮での食事中、侍女の愛藍(アイラン)が気怠い様子を見せます。
猫猫が額をさわると微熱があるようでした。
大事を取るため猫猫は得意の薬を煎じることにします。
すると他の侍女から、薬を渡してから愛藍を診療所に連れていくよう言われます。
医局に出入りしている猫猫ですが、其処とは別に診療所があるのは初耳でした。
愛藍と一緒に猫猫は診療所に到着します。
二人を年配の女官が出迎えます。
彼女は慣れたように愛藍を診察すると、愛藍を診療所内の寝室に案内します。
薬の知識がある猫猫から見ても、すぐ近くに洗濯場のある環境、診療所内は酒精(アルコール)で消毒が行き届いており、療養には最適な環境でした。
愛藍を見送った猫猫は診療所内を見回そうとしますが、それをさぼりと見た年配の女官が青筋を立て、猫猫に直ぐ仕事に戻るよう叱ります。
年配の女性特有の迫力におののき、診療所内から逃げるように猫猫は去ります。帰り際、診療所内では年配の女官ばかりとすれ違います。
妃に仕える侍女は若い女性ばかりのため猫猫には珍しい光景でした。
初めて見た診療所のことで頭が一杯だった猫猫は、帰り道に壬氏とぶつかってしまいます。
壬氏との会話になり、猫猫は診療所に薬を置けないかと彼に相談します。
しかし壬氏の回答は良くないものでした。
薬を煎じる資格は医官だけが持ち、医官は現在男性のみが成れる職業です。
その上で後宮内に常駐となれば、医官は宦官である必要があります。
話を聞いていると猫猫は「女性で薬を煎じている自分は大丈夫なのか?」と壬氏に尋ねます。
壬氏は後宮に医官の少ない現状に悩んでおり、猫猫の行いには目をつぶっているのでした。
そこまで話して猫猫はふと思い出します。
小蘭からの情報ですが、今の皇帝になってからは宦官になる手術が禁止されているのでした。
つまりここ最近の話です。
「もう少し禁止が早ければ目の前の宦官も男性のままだったのに」と、猫猫は憐れむような視線を壬氏の股間に向けます。
その視線に気づいたのか壬氏は複雑そうな表情をします。高順も掘り下げたらまずい話題と察したのか、壬氏を催促してその場から去っていくのでした。
上司に無礼を働いたと猫猫は気まずくなります。
しかし去っていく壬氏を見ながら「失ったモノを生やす薬が作れないか?」とさらに不謹慎なことを考えているのでした。
その翌日、無事愛藍が水晶宮に復帰します。
同時に猫猫は診療所に呼び出されます。
どうやら猫猫が煎じた薬を愛藍が診療所内で飲み、その出所を聞かれてしまったようです。
医官でないのに薬を煎じた猫猫を咎めるものと始めは思いますが、実際には猫猫の手を貸して欲しいといった内容のようでした。
病み上がりの愛藍にまた付き添ってもらうのも不味いので、
今度は別の侍女の桜花(インファ)が猫猫に同行します。
先日の診療所からの帰り道、猫猫は思いついた薬の材料を探していました。
それを見ていた桜花は猫猫に注意します。
薬草の収集で猫猫の部屋からは異臭がし始めており、侍女頭の紅娘(ホンニャン)は怒りを溜めこんでいるようでした。
「このままでは部屋から追い出されて物置小屋に移される」と、桜花は忠告のつもりで言います。
しかし当の猫猫は部屋が広くなる、好きに調合が出来るとむしろ喜び、桜花を呆れさせるのでした。
二人は診療所に到着します。
丁寧に出迎えたのは先日猫猫を叱った年配の女官でした。
深緑(シェンリュ)と名乗り、その名の通り緑色の目が印象的で西方の生まれのようです。
先日猫猫を叱った時は迫力のある中年女性といった風体でしたが、落ち着いて話す彼女は聡明さを感じさせます。
猫猫を呼び出した深緑でしたが、ためらうような様子を見せます。
しかし猫猫の協力的な姿勢に要件を話し始めます。
深緑の頼みは次のようなものでした。
「水晶宮の下女に薬を作って欲しい」
その言葉に猫猫ではなく桜花が激昂します。
医官以外には本来禁止の調薬を頼む、まして表沙汰になれば大事になります。
しかし深緑の落ち着いて話す様子に、依頼の内容以上の何かを猫猫は感じ取ります。
猫猫は深緑から事情を聞き始めるのでした。
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第四十話 みたび、水晶宮(前編)
深緑の話を聞いた猫猫と桜花は水晶宮への帰り道を歩いていました。
彼女からの依頼は「水晶宮の侍女が気になる病状を見せていたので診て欲しい」というものでした。
洗濯場で妙な咳をしていたその侍女に、深緑は一度「休んだほうが良い」と助言しました。
しかしそれ以降、侍女の姿を見かけなくなってしまったようです。
もし伝染病なら最悪の場合、後宮全体に広がる可能性もあります。
猫猫は直ぐに調べようとしますが、猫猫の突っ走る悪癖を知ってる桜花は「必ず手順を踏むように」と猫猫に忠告するのでした。
猫猫も自覚しているのか、苦い顔をしながらも必要な手続きを思い浮かべます。
しかし視界の端に映ったあるものにを見て急に駆けだすと、灯篭にいたものを手で覆って捕まえます。
猫猫のいきなりの行動に驚きつつも桜花は駆け寄ってきます。
猫猫が捕まえたのはトカゲ、正確にはトカゲが残した尻尾でした。
直ぐに切り離して逃げたのか、猫猫の手の中で尻尾は動き続けます。
直ぐに再生するトカゲの性質を薬に利用できないかと、猫猫は楽しそうに桜花に話します。
しかし当の桜花は動く尻尾を見た瞬間から気を失っており、猫猫が気づいた時にはひっくり返るのでした。
その数日後、水晶宮では宮殿の清掃をする侍女とそれを監視する侍女頭の姿がありました。
ふと一人の侍女が持ち場の部屋から出ていこうとしますが、侍女頭がそれを呼び止めます。
侍女はとある場所に行こうとしていました。しかし侍女頭は静かな口調ですが、「余計なことをすれば罰を与える」と侍女を脅します。
以前にも同じような状況があったようで、侍女は顔を青ざめさせ周囲の侍女も冷や汗を浮かべていました。
その時、侍女頭を「杏(シン)さま」と呼ぶ声がします。
一人の侍女が「医局の大医が来た」と侍女頭、杏に言伝に来ました。
水晶宮の入口で杏は大医、やぶ医者を出迎えます。
やぶ医者の傍らには猫猫が控えていました。しかし女官風の格好と化粧をしており、杏は猫猫と気づきません。
やぶ医者は「梨花妃に用がある」と言います。
しかし杏はやぶ医者を「梨花妃の東宮が亡くなった時に役に立たなかった」と、会わせることを嫌がります。
それを見た猫猫はやぶ医者に助言をすると、彼は壬氏からの書状を見せます。
さすがに後宮の監督役からの依頼は断れないのか、杏はやぶ医者と猫猫を宮殿内に迎え入れます。
「梨花妃の様子を見に来た」というやぶ医者に対し、杏は「現在は健康であるし、優秀な名家出身の侍女が揃っているので何も心配は無い」と言います。
表向きは梨花妃を褒め称えますが、その言葉の中には自分が梨花妃以上に優れた女性であるという反発があり、そしてかつての過去が蘇っていました。
数年前の後宮に向かう直前、後の梨花妃である梨花、そして杏を一族の家長が呼び出していました。
その場で家長は二人に「梨花は立派な国母に、杏は侍女頭として梨花妃を引き立てなさい」と命じます。
梨花は粛々と命令を聞いていましたが、杏の目からは光が消え絶望の色が映っていました。
嫌な過去を引きずっていた杏でしたが、「あの場所は何ですか?」という猫猫の質問で我に帰ります。
猫猫は宮殿内の端にある物置小屋を指さしていました。
杏は特別なものではないと言いますが、猫猫がその場所にあった花を気にします。
花の下は周囲と土の色が違い、最近植え替えられたようです。猫猫の指摘に杏も気になり、猫猫の側に近づきます。
その時猫猫が彼女の匂いを嗅ぎ「今日は香油を付けているのですね」と言います。
そこで初めて杏は、目の前の女官が猫猫と気づきます。
混乱する杏の横で、予め申し合わせていたのか、やぶ医者が小屋の戸を開け始めます。
慌てた杏がやぶ医者の行動を阻止しようとしますが、その時には戸は既に開けられます。
すると小屋の奥の床には、藁の上に寝かされた下女の姿がありました。
侍女は息も絶え絶えに咳を繰り返し、顔は土気色で唇は乾いています。
緊急と見た猫猫は直ぐにやぶ医者にお湯を準備させ、彼女は急場しのぎに持ってきた水を下女に飲ませます。
猫猫は看護をしながらこの下女の扱いについて杏に問います。
杏は「病人を隔離していただけ」と言います。
その行為自体は一般的に間違ってはいませんでした。
しかし医術の心得がある猫猫からしたら、血を吐いていた下女の扱いは杜撰としか言いようがありません。
それを指摘しながら猫猫は物置小屋に隠されていた病気の下女という秘密、そしてもう一つの秘密を杏に突きつけます。
猫猫が小屋の棚から取り出したのは木造の箱でした。
しっかりとした作りの蓋を猫猫が開けると、中には瓶詰にされた香油が数種類保管されていました。
猫猫は念のため匂いを嗅いで香油の種類を確認します。
その様子を見る杏は必死に動揺しないよう、自分を抑えていました。
「医者でもない小娘にこの香油の意味、自分の目的がわかるはずも無い」と言い聞かせながら。
しかし香油の種類を確認した猫猫は杏を糾弾します。
「堕胎剤を作るなんて、どういうおつもりですか?」と。
第四十一話 みたび、水晶宮(後編)
病人の下女に触れていた猫猫は、感染防止のため着替えをします。
慣れない化粧も落としたかった猫猫でしたが、それ以上に優先すべきことがあり、ある場所に向かいます。
堕胎剤の材料を隠していた侍女頭、杏への審問が待っていました。
別の部屋では猫猫への調査を命じていた壬氏、堕胎罪作成の容疑がかけられている杏、そして彼女が仕える梨花妃が揃っていました。
高順と着替え終わった猫猫も到着し、杏への審問が始まります。
以前、香油は毒物となるので処分との命令が出ていました。
壬氏は何故、物置小屋にあったのかという言い方で杏に質問します。
杏は「下女を寝かせるようには指示したが、何が保管されているかは知らなかった」と白を切ります。
実際、今揃っているのは状況証拠のみで杏を罰することはできません。
杏は落ち着きを取り戻したのか、女官の変装で調査に来た猫猫を逆に非難し始めます。
このままでは埒が明かないと判断し、猫猫は杏が堕胎剤を作ろうとした証拠、彼女の衣服の匂いを確認しようとします。
杏は初めて狼狽し、近づいてきた猫猫を「触れるな」と手で振り払います。
「(位の低い女官が高貴な自分に)触れるな」。言葉には出さずとも行動から杏がそう考えているのは明らかでした。
爪が当たり猫猫の頬にはひっかき傷が出来ますが、動じずに猫猫は「他の方に確認してもらう」と言います。
いよいよ逃げ道が無くなったように杏の目は大きく見開かれています。
猫猫はさらに追い詰めようとしますが、そこに杏の主である梨花妃が口を出します。
「後は自分に任せて欲しい」と。
梨花妃の毅然とした態度に猫猫はその場を任せます。
梨花妃は静かに仮定の話から入ります。
状況証拠から考えられる杏の罪状を、梨花妃は壬氏に聞きます。
壬氏は「仮に堕胎剤を作ろうとしたなら帝の子を殺すのと同義」と、死罪であると暗に言います。
それを聞いた梨花妃は悲しそうな表情を浮かべながら杏に言い始めます。
「貴女は自分のことを一度も『妃』扱いしなかった」
「どちらが妃になるか最後まで分からなかった。故に国母にはふさわしくないと思っていたのでしょう」
それは昔を懐かしむようで、それでいて杏を憐れんでいるようにも聞こえます。
遂に我慢が出来なくなったのか、冷静な口調を崩して杏は梨花妃を非難し始めます。
「私のほうが優れているのになんで皆あなたばかりを」と言います。
従姉妹という関係から、恐らく幼少の頃から常に比べられ、そして納得できなかった杏の恨みがそこには込められていました。
怒鳴る杏とそれを見つめる梨花妃、それを横から見ている猫猫は二人を見比べます。
容姿や豊満好きという皇帝の好みから見ても、二人の外見にそれほど差はありません。
しかし内面の妃としての器、その大きな差を猫猫は感じ取っていました。
感情的になった杏は遂に「私のほうが国母にふさわしい」とまで言います。
自白したも同然の台詞でした。杏はさらに机上にあった香油の瓶を梨花妃へと投げ捨てます。
さすがに見過ごせなかった壬氏が飛び散った香油から梨花妃を守り、杏は高順に取り押さえられます。
捕まえられた杏は抵抗し、高順に「宦官ごときが触れるな」と怒鳴ります。
その姿を見た猫猫は、はっきりと彼女に言います。
「貴女は主上ではなく『国母』という立場を愛しているのですね」
それを見ていた梨花妃が遂に行動を起こします。
梨花妃は杏に平手打ちをすると直ぐ様壬氏に言います。
「主に暴言を吐いた侍女頭を解雇する。後宮から追放して欲しい」
梨花妃の突然の行動もそうですが、壬氏は梨花妃の処分内容に呆然とします。
本来、帝の子を殺そうとしたなら死罪が当然です。
この場で処分を言い渡されてもおかしくなかった杏を、主である梨花妃は自らへの暴言という罪を強調し、自分の平手打ちと追放という罰を与えて死罪から守ったのでした。
以前猫猫は衰弱していた梨花妃の看護をしていました。
その時の彼女は消えかかっている自らの命を嘆き、皇帝に愛されている玉葉妃への劣等感を抱えているだけでした。
しかし今の彼女は違います。
自らを害そうとした相手に対しても感情的にならず、しかし寛大な罰をしっかりと与える。
誰が見ても立派な妃の姿がそこにはありました。
解雇された杏はその場から退出させられ、梨花妃、壬氏は後始末に入ります。
病で弱っていた下女は梨花妃が当面の治療費、生活費を工面すると約束し、壬氏もその言葉に従います。
ふと、猫猫は梨花妃の服装に違和感を覚えます。
彼女は普段、腰を締めて胸を強調する衣装を好んでいました。
しかし今は胸で結ぶ型の衣服をまとっています。
まるで猫猫の仕える玉葉妃と同じように。
猫猫の視線に気づいた梨花妃の笑みから察します。
後宮では侍女頭でも帝のお手付きになり、子を孕むことは珍しくありません。
その状況下で、杏の衣装からははっきりと堕胎剤の匂いがしました。
それは匂いが付くほどに急いで調合しようとした。そうするほど彼女が焦っていたことを示します。
恐らくは杏の身近に実際に子を成した人物が居たからです。
皇帝の通う頻度を考えれば玉葉妃以外で妊娠しているのは一人しか考えられません。
猫猫は明言はせず、その場を去ります。
梨花妃を見送り、壬氏と猫猫は審問の部屋から退出します。
壬氏は猫猫に絹の布巾を差し出します。そこで初めて猫猫は自分の頬についた傷を気にします。
猫猫に調査を命じていた壬氏は彼女に確認を取ります。
「何故直ぐに病の下女が居る場所がわかったのか」と。
実際猫猫も長丁場の調査が必要と考えていました。
猫猫は過去の経緯から水晶宮の人間に強烈な印象を持たれており、彼女と分からないよう女官風の変装で今回水晶宮へと赴きました。
しかし猫猫は事前の聞き込みによる下調べと、
水晶宮内でのとある目印から直ぐに見つけることが出来たのでした。
水晶宮の下女への聞き込みから、病の下女がいるというのは宮殿内での周知である、そう猫猫は察していました。
しかし恐らくは下女達の上司、杏によって箝口令が敷かれていました。
病気が本当ならその下女は隔離されて目立たない場所にいると当たりは付けていました。
その上で水晶宮に出向いた結果、猫猫は物置前にあった緑の葉に白い花を見つけた植物から直感します。
風水では緑と白が健康に良い組み合わせとなります。植えられていたのは白い花がめったに咲かない種類でした。
つまり、言葉には出せずとも誰かが病人の回復を祈り、珍しい白い花を見つけては植えていったということです。
しかし植えられていた白い花がおしろい花であることに猫猫は状況の皮肉を感じます。
おしろい花の種は堕胎剤に使われます。
後宮内に自生している植物が危険という事実を聞き、壬氏は慌てます。
しかし調薬の仕方さえ知らなければ害とはなりません。猫猫の懸念は別にありました。
後宮内に自生する植物ではなく、隊商から購入した香油を材料に堕胎剤を作るという
危険で目立つ行動を杏は犯しました。
杏に堕胎剤の調合方法を伝えた人物が後宮内にいるのではないか。
実行犯を捕まえつつも、真の犯人が潜んでいるかもしれないという、すっきりしない状況です。
猫猫や壬氏の心配の種は尽きませんでした。
その頃、好奇心旺盛な小蘭は手習い所の教師に個人的に質問をしていました。
老齢の宦官は小蘭に答えながら、次の授業の準備をしています。
次の授業では茘国、この国の成り立ちについて話すということでした。
サンデーうぇぶり
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