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『orange(オレンジ)』2巻ネタバレ紹介!
2巻の表紙はこちら。
1巻の表紙と同じ公園ですが、季節は変わって雪が舞い落ちる中、ベンチに座るのは10年後の菜穂と須和です。
翔の姿はなく、代わりに菜穂の腕には須和との子供が抱えられえています。
2人の表情もなんだか呆然としてるように見えます。
2巻では一体何が起こるのでしょうか。
では早速、各話紹介していきましょう。
5話「LETTER 5」
主人公、高宮菜穂(たかみやなほ)は成瀬翔(なるせかける)に「放課後一緒に帰ろう」と誘われます。
菜穂は友人の村坂あずさ(むらさかあずさ)、茅野貴子(ちのたかこ)、須和弘人(すわひろと)、萩田朔(はぎたさく)たちも一緒に帰ろうと声をかけます。
しかし結局、菜穂と翔の二人で帰ることになります。
その日の手紙の内容では、6人で一緒に帰ることが書かれていました。
未来がひとつ変わってしまったのです。
手紙にはもうひとつ、「土日に一緒にテスト勉強しよう」と翔に誘われることも書かれていました。
その内容も変わってしまうのでしょうか。
菜穂はがっかりした気持ちを抱えたまま、翔の隣を歩いて帰ります。
すると突然、翔が「城山公園にいってみたい」と言い出します。
第2話で一緒に帰った時に、菜穂の家が城山公園の近くだと言ったことを翔は覚えていたのです。
城山公園には展望台があり、それを登ると松本市や安曇野市を一望できる場所になっているのでした。
2人で長野の景色を眺めていると、翔は菜穂に「目をつぶって」と言います。
菜穂が目を開けてみると、菜穂の髪にはヘアピンがつけられていました。
いつもお弁当を作ったり、朝起こしたりしてくれる菜穂に感謝を込めて翔はヘアピンをプレゼントしたのでした。
そしてその日の帰り際、菜穂は翔に「土日空いてる?」と聞かれます。
翔が上田先輩と1ヶ月付き合っていたところが2週間になったり、その日も6人で帰るところが2人になっていたりと、少しずつ変わった未来もありますが、手紙の通り変わらない未来もありました。
そしてテスト明けの化学の授業。
中野(なかの)先生がタイムトラベルについて話をし始めます。
菜穂の友人、萩田は「過去へタイムトラベルをすることによって現在の自分に矛盾が発生してしまう」と、タイムトラベルに否定的な意見を示します。
すると中野先生は、タイムトラベルによって矛盾が発生してしまうのは、過去も未来もひとつの結末しか持たない世界であり、過去も未来も複数存在するパラレルワールドでは矛盾は生じないという説明をします。
つまり、パラレルワールドでは過去の自分を変えても、それは今の自分とは別の時間軸を生み出しただけで、自分の世界には全く影響がないというわけです。
この話を聞いた菜穂は、大きなショックを受けます。
手紙と同じ内容の世界(手紙を書いた10年後の菜穂)と、手紙によって少しずつ変わっている世界(現在の菜穂)が存在するなら、手紙をくれた未来の私の後悔を消してあげることができないからです。
つまり、もうひとつの世界の翔は17歳の時に亡くなってしまっているのです。
その日のお昼休みに、翔は保健室へ向かった菜穂を迎えに行きます。
そしてお弁当を一緒に食べることになりました。
上田先輩と付き合ってから、翔にお弁当を作らなくなってしまった菜穂ですが、今日は翔のお弁当も作って持ってきてくれたのでした。
そしてこれからも菜穂が翔にお弁当を作ることを約束しました。
ここでふと、菜穂は手紙の内容を思い出します。
「化学室から教室までの帰り道に文化祭の話をしたこと。
文化祭の最後に打ち上がる花火を「2人で見よう」とこっそり誘ってくれたこと」
10年後の菜穂は、過去の菜穂の行動を変えたことで、別の時間軸の菜穂(現在の菜穂)にとってもいい思い出まで消してしまう恐れがあることをわかっていました。
その上で、どうしても消して欲しくない思い出として文化祭の花火の思い出を手紙に綴っていました。
菜穂は勇気を出して「2人で花火を見よう」と翔を誘います。
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6話「LETTER 6」
翔はサッカー部の部活中、須和に「後夜祭、菜穂と2人で花火見るんだけどいい?」と須和に確認をとります。
菜穂には気づかれていませんが、翔はもちろんのこと、あずさや貴子、萩田も須和が菜穂のことを好きだということに気づいていました。
そして時は過ぎ、文化祭の1日目がやってきました。
翔は菜穂と2人になったとき「あのヘアピン使ってる?」と聞きます。
菜穂は「せっかく翔がくれた物が壊れたりしたら嫌だから、もったいなくて使えない」と答えます。
菜穂は「もったいなくて使えない」とは言ったものの、本当はヘアピンを持ってきていました。
「やっぱりやめようかな・・・」と思いながらも「何もできずに後悔する自分でいたくない!」とヘアピンをつけてみます。
そしてお手洗いから戻ろうとしたところ、上田先輩が菜穂の前にやってきます。
上田先輩は、菜穂に「翔と一緒にいるところを見たくないから翔から離れてくれないか」と言ってきます。
テスト前に翔と菜穂が一緒に図書館へ出かけたところを上田先輩は目撃していたのです。
そして、菜穂が翔からもらったヘアピンを取ろうとします。
そのとき、助けに入ったのが須和でした。
ヘアピンは取られずに済んだものの、菜穂の手は引っ掻き傷を負ってしまいます。
菜穂のもとに絆創膏を持ってやってきたのは翔でしたが、須和が持ってきてくれたことを伝えます。
菜穂はそれを知っていました。
そして菜穂は須和に伝えます。
「ありがとう須和。いつもありがとう」と。
未来からの手紙には、須和が菜穂のことを大切に思ってくれていたこと、そして未来の菜穂の心を救ってくれた人であることが書かれていました。
もし、須和の優しさに気づけたらそのときはいつでも「ありがとう」と伝えてほしいと手紙にあったように、菜穂は須和に感謝の言葉を伝えるのでした。
7話「LETTER 7」
ついに文化祭最終日がやってきます。
菜穂と翔は2人で当番を勤めていたところ、暇つぶしに翔は菜穂に質問します。
「須和と萩田と俺の3人の中で告白されるなら誰に一番告白されたい?」
菜穂が答えられずにいると、あずさが助けに入ります。
「じゃー、翔は?ウチら女子3人の中で告白するなら誰がいい?」
結局翔は答えを言いませんでした。
そのことを見ていた須和に「菜穂に告白したいって言えばよかったのに」と翔は突っ込みを受けます。
翔は須和に告げます。
「誰かを傷つけることになったら、菜穂にまた迷惑をかけることになったら怖い。
そうなるくらいなら選択しない、何も変わらない方がいい」と。
須和は翔のその言葉に、とても心配した表情を浮かべます。
手紙に書かれた未来を変えて欲しい内容で、菜穂が果たせなかったことが2つあります。
一つは、始業式の日に翔を誘ってしまったこと。
もう一つは、翔と上田先輩が付き合ってしまったこと。
この二つは、現在の翔も抱える後悔となっていました。
そしてやってきた後夜祭。
花火はプールで見ることを決め、翔は菜穂に先に行くように伝えます。
翔は須和の元へ行き、自分の道は間違っていないか確かめようとします。
「好きになる、好きにならないは選択じゃ決められない。
お前が好きになったら菜穂、絶対喜ぶけどな」と須和は翔に向けて言います。
そうして翔は走り出します。
菜穂が喜ぶ方へと。
先にプールに着く予定の菜穂でしたが、プールに向かう途中で、上田先輩に遭遇し、荷物を3階の教室まで運ぶように言いつけられます。
その間に上田先輩はプールに向かいます。
もう花火に間に合わないと菜穂が思ったところに、あずさと貴子がやってきて、菜穂が持っている荷物を引き受けてくれました。
大慌てでプールに向かう菜穂。
プールに続く道で、菜穂は須和と萩田とすれちがいます。
プールへと向かった上田先輩を足止めしてくれたのもこの二人でした。
花火がもう終わりに近づく頃、菜穂はようやくプールに到着しました。
そして菜穂は「3人の中で告白されるなら・・・」の答えを話し始めるのです。
「3人の中で翔に一番告白されたい。翔が松本に来てくれて嬉しいよ。出会えてよかった」と。
すると翔は「女子3人の中で告白するなら、菜穂に一番告白したい」と言います。
そのとき、終わったと思っていた花火が再び上がり出します。
最後に翔は菜穂に伝えます。
「今日は俺、一生忘れない。今日は幸せな日」と。
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8話「LETTER 8」
後夜祭から日が経って、8月に入りました。
菜穂の携帯に「松本ぼんぼん」という夏祭りに行こうとあずさからメールが入ります。
菜穂は夏祭りに翔も誘います。
8月4日の手紙には「翔の母についての話を聞いてあげてほしい。それができていたら翔を事故から防げたのかもしれない」と書かれていました。
「事故は防げたかもしれない」という言葉に菜穂は疑問を感じます。
そして、手紙の最後の日付の2月15日の内容を初めて読んでみることにしました。
「事故から翔を助ける事が、翔を救うことじゃない。
翔に死を選択させないでほしい。
翔の背負っているものを、軽くしてあげてほしい。
翔の悩みを一緒に抱えてあげてほしい。
翔を独りにしないでほしい。
翔の心を救ってほしい。
翔は事故ではなく、自殺だったと、10年後に私たちは知りました。
私達の後悔はただ一つ、翔を死なせてしまった事です。」
最後の日付の手紙を読んだ菜穂は、困惑したまま夏祭りへと向かいます。
集合場所で待っていると翔がやってきます。
他のみんなは遅れるということで、菜穂と翔の2人でお祭りを見て回ることになり、神社にお参りへ向かいます。
菜穂が翔にお願い事の内容を聞いてみると、翔はお願い事をせず、母さんに声をかけたと言います。
翔は母親になんと声をかけたのかは、その時は菜穂に教えませんでした。
菜穂は手紙の内容にあった「お母さんの事を聞いてあげてほしい」を思い出していました。
菜穂は意を決して翔に問いかけます。
「翔の後悔って?お母さんを救えなかったこと?」と。
そうして翔はひとつずつ話はじめます。
「始業式の日に母さんと一緒に病院へ行く約束をしていたこと。
始業式にみんなが誘ってくれた事が嬉しくて、母さんのことを後回しにしてしまったこと。
メールの返信が来なかったのに、面倒臭いとそのときに思ってしまったこと。」
ひとしきり翔の話を聞いた菜穂でしたが、「大丈夫」としか声をかけることができませんでした。
どうすれば翔のこころを本当に救うことができるのか、菜穂は悩みます。
夏祭りからしばらく経って、菜穂の家に須和が訪ねてきます。
菜穂は須和から、翔が最近部活に顔を出さないことを聞かされます。
菜穂は翔を救うことに須和も協力してもらえないかと、相談しようとします。
すると、須和は菜穂の説明を遮って答えます。
「菜穂、大丈夫だよ。心配すんな。届いた?手紙」
なんと、菜穂だけではなく、須和の元にも未来からの手紙が届いていたというのです。
さて、今まで翔を救うために菜穂が孤軍奮闘を続けてきましたが、ここからどのように話が進んでいくのでしょうか。
ここまでが2巻の内容となります。