今回は「少年のアビス」の主人公である黒瀬令児（くろせ れいじ）の幼馴染であるチャコこと秋山朔子（あきやま さくこ）を紹介します。
実家が秋山茶舗という茶屋を経営していることと、ポッチャリとした彼女の体型からチャコと呼ばれています。
少年のアビスの主人公である令児とは小さな頃から仲良しで、チャコがその容姿のせいでいじめられている時も進んで令児が助けに入っていました。
しかしながら、令児もあまり強い方ではなく、いつも二人の幼馴染である峰岸玄（みねぎし げん）が最終的にはいじめっ子を退治してくれていました。
この幼馴染3人がこの物語の重要なキーパーソンになります。
チャコの家庭は父と母と祖父の4人暮らしで、一見優しそうな家族に囲まれ、幸せな毎日を送っているように見えますが、読み進めるにつれてチャコが抱える深い闇が徐々にその姿を現します。
この物語に登場するすべての人物が深い闇を抱えていることをお忘れなく。
それではチャコという人物について詳しく解説していきたいと思います。
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チャコってどんな人？ぽっちゃり？似非森との関係は？
チャコは紫葉女学院に通う、アイドルと小説が好きな女子高生です。
長い黒髪を二つのお団子にし、少し大きめなメガネをかけているのが特徴的です。
自らの体型や低身長であることにコンプレックスを抱えていて、生まれ変わる前は絶対悪人であったと語るほどです。
少年のアビス、
チャコのぽっちゃり具合が絶妙で
デブすぎず、しかし「ちょっと太いか……？」くらいの比率で書かれているのが素晴らしいんです何よりどう見てもファッション的には男ウケしなさそうな(女子ウケは大変に良い)格好なのに
いつのまにか「チャコしか勝たん」になってしまうのが…… pic.twitter.com/0V2W9B7rnw— みかみ (@komiya_chang) June 27, 2021
令児と同じように閉鎖的でなにもない町に絶望しており、東京の大学に進学を希望していました。
また、令児とは小さな頃から仲が良く、小学生の頃からよくチャコの家で遊んでいました。
小さな頃から仲が良いからこそ令児の家庭の事情も理解していて、その上で令児に町を出るよう促すシーンもありました。
そんな彼女は小説家の似非森耕作（えせもり こうさく）の大ファンであり、彼女の自宅の本棚は彼の作品でいっぱいです。
ある日チャコが実家のお店の店番をしていると、なんと大ファンである似非森が店に来店しました。
憧れの似非森に田舎の太った子供と認識されたくないチャコは、声をかけるのを躊躇してしまいました。
その間に似非森は買い物を終え、店を出て行ってしまったのですが、似非森に会える最後のチャンスかもしれないと思い、チャコは似非森の後を追います。
勇気を振り絞り、声をかけてみると、似非森は自分もこの町が出身であり、現在は親の介護をするためにこの町に帰ってきていることを教えてくれました。
そんな似非森に、将来編集者になって似非森の担当になることが夢であると打ち明けると、似非森は
「いつかと言わず今日から僕の担当になってよ、キミといたらなにかいいものが書けそうだ」
と怪しく微笑みかけます。
少年のアビスの推しが似非森さんなんですけど、ドラマ版の似非森さんそのまんまで最高 pic.twitter.com/0NfK0nfa4m
— ﾃﾞﾝｼﾞﾛｰ (@denziro000) September 8, 2022
似非森は結婚と離婚を繰り返したり、元恋人を薬物の過剰摂取で死なせてしまったりなど悪い噂が絶えない人物であることをチャコは知っていたので、令児との会話で似非森を「リアルで出会っちゃダメなクズ」と呼んでいました。
しかしながら実際に似非森に会い、憧れの眼差しを向けるチャコの表情は恋に溺れる女性の表情そのものです。
後日、なんと似非森の自宅兼職場に招かれることになり、彼の本の感想文を持参するほど舞い上がっていたのですが、部屋に入った途端に似非森はチャコをベッドに誘ってきます。
尊敬していた似非森が噂通りのクズだったことに幻滅し、似非森のファンをやめることを本人に宣言し、家を立ち去ります。
しかしその後も、ファンをやめると宣言するくらい幻滅していたはずなのに、内心ではどうなってもいいからまた会いたい、このまま縁が切れるのは嫌だと未練を抱え続けるのでした。
チャコを追い詰める家族を解説！父親と母との関係は？東京の大学へは行ける？
チャコが町を出たいと思う理由の一つに、歪んだ家族の存在があります。
チャコは町を出たいという気持ちから東京の大学への進学を希望しており、家族もそれを了承してくれていました。
そんなある日、家に帰ると突然母から東京の大学へは進学させないと言われます。
理由を聞くと、チャコが受験しようとしている大学がニュースになり、やっぱり東京は危ないから東京の大学には行かせることはできないとのことでした。
理由としては納得できるのですが、おかしいのはそれを言い出したのは祖父で、それをチャコに伝えるように母に伝えたのは父で、最終的にチャコに直接伝えてくるのは母なのです。
チャコ曰く、決定権をもつ人たちがチャコに直接伝えないのは、なめ腐ってチャコを人だと思っていないからだそうで、かわいい大事な一人娘だけど絶対に自由にしないし対等に話す気はないのだそうです。
東京の大学に行かせるという話も、どうやら最終的には婚約者を連れて町に戻ってくるように仕向けるつもりだったらしく、まるでペットのような存在として扱われているとチャコは語ります。
それを裏付けるシーンとして、高校生になり成長したチャコは少し肥満体型であり、巨乳の持ち主になります。
そんなチャコが店の前に立つと、それを目当てにおじさん達が寄ってくるようになるのですが、チャコの父はそれを理解した上で、殊更にチャコに店の前に立つよう指示するのです。
本来であれば娘を守るべき父が、チャコをまるで客引きのペットのように扱う描写に読んでいてドン引きしてしまいました。
また、チャコの母はそんな父の言いなりであり、まるで自我を持たない人間なのです。
ある事件が起こった際、激怒した父にスマホを取り上げられそうになったチャコは、母になんとか父を説得してもらうようにお願いするのですが、母は
「そんなの お母さんに言われても困る」
と真顔でチャコのお願いを却下するのでした。
チャコが絶望するに至った事件とは？令児との関係性の変化とは？
明るく前向きで、いつも令児を支えてくれていたチャコですが、ある事件をきっかけに絶望し、まるで青江ナギ（あおえ なぎ）を彷彿とさせるような危うい存在になってしまいます。
ある日、チャコは令児と町から少し離れたショッピングモールに買い物にいきます。
参考書を買ったり、ご飯を食べたり、ぬいぐるみを見たりなどそれぞれの用事が済み、少し時間が余ってしまった二人はその後、漫画喫茶へと向かいます。
東京の大学に進学できなくなったことや、令児が似非森の妻であるナギと体の関係を持っていたことなど、チャコを不安にさせるようなことが次から次へと起こっていたため、チャコは自暴自棄になっていました。
また、令児に対して恋心を抱いていたということもあり、チャコは漫画喫茶の個室で令児に体の関係を迫ってしまいます。
しかし、ふと我にかえり、やっぱりまだ特別な存在で居たいとチャコが言い出したので、結果的に二人は行為に及びませんでした。
そんな二人が漫画喫茶から出ると、そこにはなぜか令児の担任の先生である柴ちゃん先生（しばちゃんせんせい）がおり、
「迎えに来たよ！黒瀬くん！」
と大きな声で令児を呼ぶのです。
不可解な柴ちゃん先生の行動に動揺を隠せない令児はチャコを連れ、立ち去ろうとしますが、チャコが送ってもらうように促すので仕方なくその日は家まで送ってもらいました。
次の日の休み時間に友人と仲良く喋っていたチャコは担任の先生に呼び出されます。
チャコは内申点をあげ、推薦枠をもらうために生徒会長に立候補しようとしていたので、そのことについての話かなと思い、呼び出された部屋に向かいます。
部屋に入るとなぜか学年主任もおり、チャコに着席するように言います。
チャコが座ったことを確認した担任の先生は、厳しい顔つきでチャコにひとこと
「あなた昨日他校の男子生徒と漫画喫茶で不適切なことをしたそうですね」
なんと昨日の出来事が学校にバレていたのです。
話を聞くと、その男子生徒の担任の先生が来校して、交際もしていないのに体の関係を迫ってきて困っていると、男子生徒から相談を受けていると言ってきたのだそうです。
つまり柴ちゃん先生がチャコを潰すために、わざわざありもしないようなことを学校にちくったのです。
もちろん両親へ報告され、父は激怒。もう令児には会わないようにとチャコを怒鳴りつけるのでした。
ますます町から出られない状況になってしまったチャコは、正攻法で町から出ることが不可能であると考えるようになりました。
東京の大学へ進学できなくなり、ひどく落ち込んでいたチャコに令児は何をやってでもチャコを町から出すと約束してくれていました。
令児は今こそその約束を果たすべき時だと、登校するふりをしてチャコを学校から連れ出します。
チャコは令児と二人で町を出るつもりで家を出たのですが、令児にその覚悟はなく似非森を頼るようにと町を出ることを断ります。
そんな令児の行動に、チャコは最後の希望であった令児にすら絶望してしまいまいした。
実はこの時、令児の母親が自殺を示唆するようなメッセージを令児に送信しており、令児はそれを止めなければいけないと思いチャコの誘いを断ったのです。
自分は絶対にこの町から出ることはできないと悟ったチャコは、一生この町で生きていく覚悟をします。
そして全てを諦めて、家に戻るのでした。
以前のチャコとはまるで別人？チャコが激的にやせる？ネタバレあり
そんな事件から３ヶ月後、令児は偶然にもアルバイト先でチャコの父親に出会います。
チャコの父はひどく険しい顔で令児に
「おかげさまで朔子の人生はめちゃくちゃになったよ」
と告げてきます。
その一言を聞き、チャコの様子が気になった令児は恐る恐るチャコに連絡を取ります。
いつもと変わらないチャコの声に安心したのも束の間、なんとチャコは不登校になってしまい家に引きこもっているというのです。
そんなチャコが久しぶりに会いたいというので、令児は次の日チャコの家へ会いに行くことになります。
次の日、以前と違って少し散らかっている印象を与えてくるチャコの家に戸惑いつつもチャコの部屋に入ります。
するとそこには以前のチャコからは想像もつかないほど痩せほそったチャコがいました。
あまりの衝撃に令児はその場に立ち尽くします。
そんなチャコの姿にS N Sでは
少年のアビス
チャコ激痩せしてアイデンティティが、、、
とか思ってたけど経緯が凄まじすぎて笑えない、、、— 加勢 理(おさむ) (@kakahaLastkei) November 3, 2021
激痩せチャコ、かなり可愛くなってびっくりしたけど激痩せしたプロセスは絶対負の要素で埋め尽くされていると思うので素直に喜べない変化ですな…
せっかく青江ナギにも引けを取らない可愛さになったのに、チャコの心は闇に染まっていそうだ。#少年のアビス— たまやん (@x_Tamayan_x) October 28, 2021
衝撃的だったのはそれだけではなく、本棚にいっぱいだった似非森の本も一つ残らず姿を消していたのです。
何があったのか、必死になって問いただす令児にチャコは
「聞いてどうするの」
と冷たい言葉を浴びせるのでした。
外見だけでなく内面までも以前のチャコとはまるで別人のようです。
動揺を隠せない令児にチャコは久しぶりに告解ごっこをやろうと告げます。
告解ごっことは白い布を頭にかぶり、お互いの顔が見えない状態で言いづらいことを告白するというゲームで、小さい頃から二人が行っていたものです。
白い布を被ったチャコは、重い口を開け、ことのあらましを話し始めます。
あの事件の後、家に戻りこの町で一生暮らす覚悟をしたチャコは、久しぶりに家族揃って夕食を食べることになりました。
いつも通りの母の料理の味に、これからも何が起きてもこの味を一生出してくるんだと、いつまでもいつまでも食べ続けるんだと、そう思ったチャコは料理を吐いてしまいました。
それから母の料理が食べられなくなり、学校で倒れてしまったりすることが多くなっていった結果、体の肉と一緒に気力までも無くなってしまったのだとチャコは語りました。
その後チャコは令児にとんでもないことをするのですが、気になる方はぜひ本書を読み進めてください！
実写ドラマのチャコ役は本田望結さん！ネットではそっくりとの声続出！
2022年の9月1日から放送中の実写ドラマ「少年のアビス」では、なんと本田望結さんがチャコ役を演じています！
S N Sなどでビジュアルが公開された際には、原作そっくりとの声が続出しました。
チャコそっくりな本田望結さんの姿がこちらです。
MBSさん「少年のアビス」
24:59〜第４話！✨ pic.twitter.com/bJtgPuZ4hj— 本田望結 (@miyu_honda1) September 22, 2022
長髪を二つのお団子にまとめた髪型や、少し大きめなメガネがチャコそのものです。
そんな本田望結さんですがチャコ役の話が来た際、チャコというキャラクターが想像のはるか上をいく役であることから、すぐに出演を決めることができなかったそうです。
人気子役として小さい頃から活躍していたことから、芸能生活が長い本田望結さんですが、過去にそんな経験をしたことがなかったらしく、チャコ役に対する覚悟が伺えます。
また、本田望結さんに限ったことではないですが、比較的過激なシーンが多い少年のアビスが、ドラマとしてどこまで再現されるのか非常に気になりますね。