ウマ娘シンデレラグレイ2巻無料ネタバレ!タダで漫画読む方法紹介!いざ地方から中央へ!あらたな時代を作れオグリキャップ!

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『ウマ娘 -シンデレラグレイ-』ってどんな話?

この世界における馬とは、ウマ娘のことです。

 

ウマ娘たちは、別の世界で活躍した馬たちの思いをその名前と魂をもって引き継ぎます。

 

彼女たちは、古来より人間の良きパートナーとして、ともに働き、ともに生活をしてきました。なかでも、時速70キロにも及ぶ自慢の走力を生かしたウマ娘たちのレースは、人間たちをおおいに楽しませました。

 

以来、ウマ娘たちによるレースは多くの人を魅了して止まない大衆スポーツとなったのです。

 

『ウマ娘 -シンデレラグレイ-』2巻見どころは?!

見どころ① 前巻と違い、2巻ではオグリキャップ(以下オグリ)が本領!

1巻~2巻は『カサマツ編』となっており、特に2巻ではライバルであるフジマサマーチ(以下マーチ)とのオグリのライバル関係も見所です。

 

前巻でマーチがオグリを意識していたように、オグリもまたマーチを意識するようになっていきますので注目してください!

見どころ② ジュニアクラウンを契機に狂い始めるオグリキャップの運命

トレーナーである北原がオグリの将来について葛藤するシーンも涙なしには語れません!

 

1巻では、モブのような存在でしかなかった学園の不良ウマ娘たちの筆頭『ノルンエース(以下ノルン)』ですが、2巻ではオグリに対してデレを魅せます。

 

それを他の不良ウマ娘たちにイジられたりする姿は、実にイジらしいのでこちらもニヤニヤしながら読むといいでしょう!

『ウマ娘 -シンデレラグレイ-』1巻ふりかえり

カサマツトレーニングセンター学園に所属するトレーナー【北原穣(きたはらじょう)(以下北原)】は、東海地方にあるレース場「カサマツレース場」でスター不在をなげいていました。

 

そんなとき、学園への入学してきたオグリと出会います。

 

とんでもなく柔らかい身体と、爆速のスピードを持つオグリに一目惚れした北原は興奮気味にオグリをスカウトします。

 

「よくわからないけど、チームに入らないとレースには出られないんだろ?」

 

オグリはそう告げると、北原の手を取って共にレースを勝ち上がっていくことにします。

 

迎えたデビュー戦――。

 

そこで、カサマツにおける最大のライバルとなるマーチと相見えます。

 

残念ながら、デビュー戦では負けてしまいますが、オグリは初めて「走るのは楽しいが、負けるのはくやしい」のだと実感しました。

 

その後、学園の不良ウマ娘ノルンらのイジメに遭いつつも、逆に圧倒的な走りで魅了して仲間にしていきます。

 

東海ダービーへ向けて、北原の考えた練習メニューをこなすオグリ。

 

そんななか、偶然トレーニング中に金華山でマーチとそう遇します。

 

オグリは、そこでマーチから「貴様はなんのために走るのか?」を問われて、はじめて『目標』について考えるようになりました。

 

「頂上を決めなければ、山は登れない」

 

マーチが去り際に残したひと言。

 

そのひと言は、オグリの胸に深く刻み込まれます。

 

オグリは金華山の頂上に1人取り残され、そこから見下ろすカサマツの街の景色に「悪くはない」といまの心境をかさねるのでした。

 

その後、オグリは金華山でマーチに請われたジュニアクラウンへの出走を決めます。

 

ふたたびマーチとの対戦。

 

オグリは、パドックで「貴様には負けん」と言い放ち、レースに向けて火花を散らせるのでした。

『ウマ娘 -シンデレラグレイ-』2巻ネタバレ紹介!

ここからは、2巻の各話のネタバレです。

 

1巻同様に熱い展開が待ち受けてますので、じっくりとご覧ください。

第8R『想定外』

他のウマ娘たちとともにゲートへと収まったオグリ。

 

そんな中、レース場に中央レース(トゥインクルレース)を走るウマ娘『タマモクロス』が地方レースの実力を見ようとフラリと見物にやってきていました。

 

しかし、走るウマ娘たちになんの関係があるわけでもなく、レースはタマモクロスが面物する中スタートします。

 

レース展開は、9人のウマ娘による先行争いでした。

 

スタートダッシュを決めた外枠のマーチは、誰よりも先んじて激しく第1コーナーを攻めていきます。

 

オグリキャップは、マーチから少し離れた後方にいました。

 

その様子をスタンドから見ていたオグリの同僚【ベルノライト(以下ベル)】は、ふと北原に「なぜ短い距離だと外枠の先行が有利なのか?」と問いかけます。

 

すると、北原からトラックコースのコーナーは内側が最短距離で走れる分、カーブがきつくなって遠心力も大きくなるから減速しなければならないからだと回答を得ます。

 

同時にカーブは追い抜きがたいということも・・・。

 

直後、マーチがコーナー外側から一気にインコーナーへと突入していきます。

 

外枠はほぼ直線でコーナーに切り込め、遠心力の影響が少ないため、緩やかなカーブが多いこのコースにおいて、最後の200メートルを好位置で仕掛けるためにも先行して行かなければならないからです。

 

北原はベルにそう説明しつつ、レース前に突然やってきた叔父【六平銀治郎(むさかぎんじろう)(以下六平)】に問いかけるました。

 

しかし、隣に座る六平はそれを無視。

 

六平の視線は、じっとオグリキャップを見ていました。

 

その一方で、レースは先頭集団が第3コーナーに入ろうとしています。

 

マーチは、他のウマ娘に先頭をゆずって2番手。

 

オグリキャップは、その後方に付ける形。

 

互いに仕掛けどころを見すえながらも、いざ「ここだ!」というところでスパートします。

 

ところが、偶然にもスパートはほぼ同時。

 

ふたりとも4コーナー手前で半ば横一線になってしまい、マッチレースの様相を呈(てい)そうとしていました。

 

しかし、体勢はわずかに早く仕掛けたマーチが有利。

 

残り100メートルの時点で、マーチに並ぶことができず、オグリは劣勢を強いられます。

 

さらにマーチが加速して、オグリが少し下がる形に。

 

ゴールは目前――。

 

もはや、オグリにチャンスは無いのでしょうか!?

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第9R『2度目』

冒頭、マーチの過去が語られます。

 

幼い頃から、友達と呼べるようなウマ娘はひとりもいなかったマーチ。彼女にとって、『走ることだけ』がすべてでした。

 

むしろ、走るためには友達は邪魔な存在だと考えており、朝から晩までのキツいトレーニングをひとり耐え抜いてきたのです。

 

そして、その結果レースでは負けなし。

 

「正しい努力には、正しい結果が伴う」、「力ある者には常にふさわしい結果が求められる」と自分に言い聞かせ、相応の結果を求め続けてきたのでした。

 

しかし、カサマツの地でオグリに出会ったことでマーチは変わります。

 

オグリに勝利したいという渇望(かつぼう)が、いままでに感じたことの無いほどの調子の良さと軽やかな脚を手に入れたのでした。

 

そして、その状態でゴールするかと思われた刹那(せつな)。背後から、ただならぬプレッシャーを感じます。

 

それは、オグリでした。

 

わずかに振り返ると、オグリが鬼のような形相で闘志を剥き出しにして、マーチを抜き去ったのです。

 

必死に手を伸ばしてあがくも、もはや勝つ見込みなし。

 

先頭におどり出たオグリがそのままゴール板を駆け抜けて勝者となったのです。

 

直後に敗北を知り、膝を折ってヘタレ込むマーチ。

 

その一方で観客の誰もがオグリの二度目のスパートに驚きを感じていました。当然、マーチにとってもそのスパートは予想外のもの。

 

ワケのわからない状況にマーチは問いかけます。

 

「何故だ、オグリキャップ! 一度目のスパートで貴様は限界だったはず!?」

 

「何故、二度もスパートを掛けることができたっ?」

 

それに対して、オグリはわずかにちん黙しますが、「マーチのおかげだ」と答えて胸中を明かしました。

 

「負けたくないって思ったら、自分でも知らない力が出せた」

 

「頂上を決めなければ、山は登れない。今なら、なんとなくわかる気がする」

 

「一緒に東海ダービーで走ろう――マーチ」

 

その言葉を聞き、マーチは屈辱(くつじょく)の念よりも深い心地よさを感じてしまいます。

 

なぜならば、誰にも負けたことのない自分が手にしたはじめて『好敵手(ライバル)』であると悟ったからです。

 

マーチはそのことを認めると「次は負けん」と言い放って、オグリの差し出すその手を取るのでした。

 

こうして、ジュニアクラウンの戦いは幕を閉じたのです。

 

レース後、オグリのウィニングライブがとり行われました。

 

北原は、オグリのダンスがわずかに上手くなっているオグリに拍子抜けしますが、不意に告げられた六平の言葉にステージから視線を外します。

 

「中京盃に出るのはやめておけ」

 

六平が発した言葉は、とても聞き捨てならない言葉でした。しかし、その真意を確かめようとすると、六平はあっという間にその場を去って行ってしまいました。

 

ふてくされる北原。

 

しかし、その目は目標である『東海ダービー』を見据えていました。

 

同時に「オグリの為を思うならば、絶対に走らせるべきだ!」と心に決め、ライブの様子をじっと見守り続けるのでした。

第10R『国内最高水準』

ジュニアクラウンから10日後。

 

オグリの姿は、中京レース場にありました。

 

目的は、ただ一つ。

 

『中京盃』に出場すること――。

 

カサマツレース場より巨大な施設に感嘆(かんたん)とするオグリでしたが、その背後で考え込む北原の胸中は穏やかではありませんでした。

 

「東海ダービーが目標つったな? なら、中京盃はやめておけ」

 

10日前に聞いた六平の言葉。

 

北原はどうしても理解できず、その意味を考え続けていたのです。

 

答えを出せない中、オグリの準備は着々と整いつつありました。

 

ウマ娘専門のスポーツ用品店が実家というベルに芝コース専用の蹄鉄をもらい、その気合いも十分といった感じです。

 

そのことは表情からも見て取れ、直後に「観てて」と言葉を投げかけられます。

 

オグリの言葉を受け、北原は何の心配もいらないはずだと自分に投げかけ、観客席からレースの様子を見守ることにしました。

 

ところが、観客席には忠告を発した当の六平の姿がありました。

 

「なぜ忠告を聞かなかった?」

 

そう怒鳴りつけられる北原。

 

だが、真意のわからぬ北原は、「何も問題ないうえに万全の状態で挑んだ」と反論します。

 

もはや議論の余地はなく、北原は六平の言葉を取り合おうとはしませんでした。

 

そんなふたりが言い合っていると、突如としてベルが『ある一報』を持って現れます。

 

「ト、トレーナーさんっ!? シ、シンボリルドルフさんが来てます!」

 

ベルが慌てふためいて名を叫んだ人物。

 

それは、中央レースで無敗の7冠を達成し、『皇帝』と呼ばれたウマ娘【シンボリルドルフ(以下ルドルフ)】でした。

 

当のルドルフは、双眼鏡越しにウワサになっていたオグリの姿を一目見ようと観戦していました。

 

葦毛(あしげ)は走らない――。

 

特別観覧席で、そうつぶやくルドルフ。

 

しかし、付け足すように「一流になるような奴は往々にしてそうした既成概念を打ち破る」と語り、同席したマルゼンスキーとともにレースを見守ります。

 

ルドルフが観覧するなか、中京盃の発走時間が迫ります。

 

オグリにとっては、初の芝のコースで行われるレース。同時に初の遠征であることから、並のウマ娘ならば走れないと思われました。

 

しかし、北原のそばでレースを見ていた六平の考えは違いました。

 

結果、オグリが国内最高水準に並ぶ脚力で他を圧倒。後続に2バ身のリードを離して、驚天動地(きょうてんどうち)の勝利をもぎ取ったのです。

 

腕を突き出して歓喜の声を上げる北原。

 

――だが、その勝利はオグリの運命を変える出来事でした。

 

直後、北原は中央レースの関係者によって、ルドルフが座る特別観覧席へと呼び出されます。

 

そこで聞かされたひとつの提案。

 

それは、「オグリキャップを『中央』にスカウトしたい」というものでした。突拍子のルドルフの提案は、オグリの勝利を喜んでいた北原に鈍器(どんき)で殴りつけるような衝撃を与えるのでした。

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第11R『ライセンス』

25歳の頃、北原は無職でした。

 

やる気もなく、テレビでレースを観戦するだけのいわゆる『ニート』という奴です。

 

だが、ある日両親を連れて現れた六平によって、「トレーナーになれ」となかば強引にレース場へと連れ出されます。

 

否応なく訪れた中京レース場は、メインレースである『東海ダービー』を観戦する人々の熱気であふれかえっていました。

 

人々とおなじ景色を見た北原はかつてないほどの高ぶりに、自分の中でくすぶっていただけの人生が代わるような錯覚を覚えました。

 

若き北原にとって、それは自分がいままでテレビ越しに見てきたどのレースよりも、生のスゴいレースでした。

 

一瞬でみいられた北原は、「トレーナーになって、東海ダービーに出走するウマ娘を育てる」という夢を抱いたのです。

 

時間は、現実へと巻き戻り・・・。

 

北原はオグリの処遇(しょぐう)について悩んでしました。

 

「オグリキャップを『中央』にスカウトしたい」

 

『皇帝』と呼ばれたルドルフからの提案は、まさに絶対命令のような宣告。

 

当然、北原の心を蝕んでいました。

 

待ち焦がれていた念願の「東海ダービー出走の夢」――。

 

その夢も失うかもしれない状況に、オグリへの指導にも身が入らなくなっていたのです。

 

その頃、タマモクロスが中央レースで『鳴尾記念』を圧巻の走りで勝利していまいした。

 

怒濤の3連勝。

 

このまま行けば4連勝、5連勝とできる勢いでした。

 

メディアインタビューにも本人はまんざらでもないらしく、調子のいい理由について「カサマツでどえらい葦毛を見かけた」と豪語してみせます。

 

時を同じくして、カサマツでは北原がオグリの今後について思い悩み続けていました。

 

中央へ移籍させるべきか?

 

東海ダービー出走させるべきか?

 

オグリに歩ませる道としてどちらが正しいのだろう・・・? 自分の夢も相まって、北原はまったく答えが出せません。

 

北原はあまりの苦悩から、学園への出勤する道でバッタリ遭遇したベルにおもわず質問してしまいます。

 

すると、ベルから「オグリちゃんならどこでも通用するんじゃないか」という回答を得ます。

 

同時に北原ならば、中央へもついて行けるんじゃないかとも。

 

だが、北原には致命的な問題がありました――『トレーナーライセンス』。

 

それはウマ娘を指導するトレーナーにとって必要不可欠なものでした。しかし、北原が所持していたライセンスは『地方限定』のもの。

 

北原は、中央のトレーナーライセンスを持っていないことをベルに明かし、オグリが中央に行けても自らはついて行けないのだと告白しました。

 

「オグリは、自分のような三流トレーナーよりも一流トレーナーのもとで戦うべきウマ娘だったんだ」

 

ベルを前にそう述懐して、泣き叫ぶ北原。

 

絶望に打ちひしがれる北原に対して、ベルは涙ながらに「オグリちゃんの気持ちを確かめるべきです」と語りかけます。

 

そのことが、北原に「オグリは中央へ行く」という自ら勝手に決めつけていた事柄を気付かせるきっかけとなったのです。

 

ベルの言葉に押され、北原は意を決してオグリと話をすることにしました。

第12R『一番の選択』

「話がある」

 

開口一番、ロッカールームを訪れた北原はオグリにそう切り出します。

 

とても重い雰囲気がただよっていましたが、耐えかねた北原はとっさに「中央にスカウトされたぞ」と笑って誤魔化してしまいます。

 

すると、直後にオグリから質問が飛び出します。

 

「行くとしたらキタハラも一緒に来るのか?」

 

 

その質問は、北原にとってズッシリと重いものでした。

 

もちろん、答えようがありません。

 

北原はオグリの言葉を聞いて、コラえていた感情が堰(せき)を切って、沸き上がりそうになってしまいます。

 

しかし、どうにかガマンをして「トレーナー資格がないから」と自虐(じぎゃく)の言葉を発してみせます。

 

ところが、その言葉はオグリになんの意味もなしませんでした。

 

「だったら行かない」

 

それどころか、せっかくの中央からの誘いをキッパリと断るような言い方をしたのです。

 

さらに、オグリはマーチと東海ダービーで一緒に走ろうという約束を果たす言い放ちます。

 

それとともに、「東海ダービーは私たちの夢だろ?」とも・・・・。

 

それを聞かされた北原は、トレーニングに出ていこうとするオグリを止めることができませんでした。

 

むしろ、ひたすら真っ直ぐなオグリの気持ちに突き動かされ、顔をうつむけてその場に立ち尽くしすしかなかったのです。

 

時間が経つにつれ、中央への移籍話は新聞にも取り上げられるほどのものとなりました。

 

世間が騒ぐなか、オグリは食堂で同席したベルに「北原の夢を叶えてやりたい」と口にします。

 

その北原は「オグリの将来か」、「自分の夢か」のどちらを優先すべきか。

 

さらに深い悩みを抱え込んでいました。

 

職員室で考え込んでいると、突然ルドルフからの電話が鳴ります。

 

それは、催促の電話でした。

 

北原は「まだ考えている最中だ」と告げ、返事を保留にして欲しいと願い出ます。対して、ルドルフは「オグリにとって、一番の選択を考えてあげて欲しい」と告げて電話を切ります。

 

通話後、北原はルドルフの「一番の選択とは何か」という言葉を自らに問いかけます。

 

そして、ようやくある決断をします。

 

けれども、それは『ゴールドジュニアで勝てば中央へ行け』という醜態の入り交じったひきょうな答えでした。

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第13R『だったら私に勝て』

「勝ったら、中央。負けたら、東海ダービー」

 

それは、誰が見てもフザけた決断でした。

 

当然、北原の決断は瞬く間にスポーツ新聞に報じられ、ルドルフの耳に入ることとなります。

 

「本気で言っているならば、貴方は彼女のトレーナーとして相応しくない」

 

電話を通して、決断を一刀両断される北原。

 

それでも、北原は覚悟のうえでの決断を曲げることはできませんでした。

 

時は、あっという間にゴールドジュニア当日へと進んでいきます。

 

当日、カサマツレース場には中央へ移籍するであろうオグリを一目見ようと、多くの観客が集まっていました。

 

そこには、六平やノルンら学園の仲間、ルドルフまでもの姿があり、注目の高さがうかがえました。

 

多くの観客が見守るなか、オグリは心を揺れ動かされていました。

 

「レースでは負けたくないし、どこかで走りたくないから負けたい」

 

その弱音のような苦心は、おもわずベルに吐露(とろ)してしまうほど大きくなっていたのです。

 

だが、そんなオグリを殴りつけて発破(はっぱ)したは再戦を約束したマーチでした。

 

マーチは「東海ダービーで一緒に走ろう」という約束を反故にされたと憤(いきどお)っていました。

 

オグリの胸ぐらをつかみ、たもとに掲(かか)げた新聞の一面を見せつけたのです。

 

プライドを傷つけられたマーチに対して、オグリは冷たい表情で「だったら私に勝て」とわざと挑発します。

 

「私が負けたら、中央へなんて行けない――そうだろ?」

 

「ああ、私が勝てばいいッ! 貴様を中央になど行かせない!!」

 

激高(げっこう)したマーチは、面と向かって言うオグリに対して雄叫びのような声で、そう宣言するのでした。

第14R『なにやってんだよ』

やがて、多くの人間の前でゲートインが開始されます。

 

オグリは6番。

 

マーチは9番。

 

どちらも外枠からの発走となりました。

 

すぐさまウマ娘たちのゲートインは終わり、あとはスタートを待つだけ。緊張の面持ちの中、矢庭(やにわ)にゲートが開かれます。

 

レース場にこだます実況と熱い歓声。

 

今回は、ジュニアクラウンのときとは違い、オグリがマーチの前を行きます。

 

何が何でも勝ちたいマーチは後方からオグリのペースを乱す作戦を立てていました。さらにラチ沿いを走れば、状態の悪い馬場に足を取られて体力を消耗(しょうもう)してしまいます。

 

どうにか好位置に付けて良い結果を残したいオグリでしたが、足が鎖に縛られたように重くなって走れなくなってしまいました。

 

それは、仲間たちの顔を思い浮かべていたせいでした。

 

寂しそうな顔で「勝ったら、中央へ行け」という北原。

 

複雑な表情でオグリを見送るベル。

 

約束を反故にされたと怒りをあげるマーチ。

 

それぞれの表情と言葉がオグリの心を縛り付けていたのです。

 

その間にもレースは進み、まもなく残り600メートル。

 

後続が詰めてきて、レースも佳境に入ろうとしていました。

 

けれども、オグリは動こうとはしません。

 

その様子を背後からうかがっていたマーチは、いっこうにオグリが仕掛ける様子がないことに気が付きます。

 

「まさか、仕掛けるつもりがないというのかっ!?」

 

オグリが重い心の鎖に縛られているとは知らないマーチ。

 

みたび辛酸(しんさん)をなめさせられる思いがしたと考え、オグリを後方から一気に詰め寄ります。

 

その頃、観客席では北原がレースも見ずにうつむいたまま立ち尽くしていました。

 

見かねて六平から声を掛けられますが、レースを直視できずにいます。けれども、六平が罵声(ばせい)を浴びせていたのは、北原ではありませんでした。

 

六平が罵声を浴びせた相手――。

 

それは、遙か向こう側で覇気(はき)のない表情で走り続けるオグリでした。

 

オグリの異変に気付かされた北原は目を大きく見開き、すべて自分の迷ったせいだと悟ります。

 

そして、六平の制止を振り切ると、かつてベルから聞いたオグリの話を思い出しながら観客席を駆け抜けていきました。

 

「前にオグリちゃんが言っていたんです。『立って走る。私にはそれだけで奇跡だって』」

 

だから、すごくうれしい――。

 

ベルを通して聞くオグリの言葉に、北原は『自分はトレーナーとして失格だ』とはげしく痛感します。

 

そして、誰よりも馬場に近い場所で、オグリに向かって大声で叫(さけ)んだのです。

 

第15R『怪物』

「オグリィイーーーー!!! 走れるんだァアアアーーッ!!!」

 

ありったけの声を振りしぼって叫ぶ北原。

 

それは、オグリへのメッセージでした。

 

自分の不甲斐なさでまどわせ、結果的に「走る喜びを失わさせているのは自分じゃないか」という気持ちからでした。

 

オグリは、それがトレーナーである北原の指示であると受け止めると、またたく間にスピードを上げてマーチを突き放し始めます。

 

互いに迷いを断ち切った北原とオグリ。

 

「オグリキャップ・・・・。お前が時代を作れ」

 

オグリの走る背中を見ながら、北原はそうつぶやきます。

 

誰しもがオグリのここからの逆転は無理と考える中、オグリはゴールに向かって最後の直線を駆けていきます。

 

驚くべきスピードで、他のウマ娘を圧倒するオグリ。

 

「あれでは、まるで怪物・・・だな」

 

北原と同様にオグリのレースを観戦していたルドルフはそんな風に感想を漏らします。

 

それは、次世代の新しい風の誕生を期待するひと言でした。

 

やがて、オグリの姿はゴールまで残り100メートルの地点にありました。

 

すでに後続との距離はグングンと離れていき、実況も「強すぎる」と漏らすほどのものとなっていました。

 

だが、最後の最後でオグリは心を迷わせてしまいます。

 

「・・・キタハラ・・・私・・・勝っちゃうよ・・・・・・?」

 

このまま勝利すれば、当然中央への移籍が待っている。

 

つまり、北原の夢であった「東海ダービー出走」の道が絶たれるということです。オグリは、わずかな刹那にこの気持ちを整理できずにいました。

 

しかし、すでに防護フェンスの向こう側の北原は覚悟を決めていました。

 

優しくオグリを見守り、涙ながらに言葉を発します。

 

「勝てばいいんだよ。お前は天下を取るウマ娘なんだからよ」

 

それを聞いたオグリは、最後の力を振り絞ってゴールを駆け抜けるのでした。

 

「・・・ありがとう・・・北原・・・・」

第16R『ありがとう、カサマツ』

レース後、勝利したオグリのウィニングライブが待っていました。

 

集まった多くの観衆の前で歌って踊ってみせるオグリ。それは、最初に比べればマシになったオグリの姿でした。

 

北原が苦笑しながら、その姿を見守っているとルドルフが近付いてきます。

 

ルドルフは、先日の非難を謝罪したいというのです。

 

けれども、北原は東海ダービーの夢をキッパリと諦めたという顔で、「新たな夢ができた」と言ってみせます。

 

その間にも、オグリは観衆から中央レースへの移籍の件を問い詰められていました。

 

オグリは、舞台上から観客に向かって高らかと「中央へ移籍する」と叫びます。

 

当然のことながら、観衆からは呼び止める声が殺到。

 

すぐさま北原が舞台に上がり、観客に自ら「新たな夢」を提示します。

 

「皆さん、夢を見たくないですか? このオグリキャップという田舎の『灰かぶり娘』が中央の猛者達を圧倒するそんな夢を!」

 

それは、誰もが見果てぬ夢でした。

 

けれども、それは同時に示された新たな可能性でした。

 

北原が「その保証は自分がする」と言って頭を下げると、今まで黙っていた観衆がワッと沸き立ちます。

 

オグリが地方の星となった瞬間でした。

 

レース場の閉場後。

 

北原は誰もいなくなったレース場でコースを見つめながら、オグリに「中央のトレーナーライセンスに挑戦してみせるよ」と宣言します。

 

それが自分の新しい目標だと述べる北原に安堵の表情を浮かべるオグリ――が、直後に泣きながら抱きついてきた学園の仲間達に揉みくちゃにされてしまいます。

 

そして、そこにはポツンとひとり立って、オグリを見つめるマーチの姿も。

 

マーチは東海ダービーにオグリが出場しないことを「盛り上がりに欠ける」と言うと共に「今回負けたら、二度とレースを走らないつもりだった」と告白します。

 

しかし、オグリと真剣に走ったことで気が変わったのでしょう。

 

その場でオグリよりも永くレース場を走り続けると声高に宣言しました。同時に拳を突き出して、「中央で暴れてこい」と言ってオグリを見送ります。

 

やがて、写真撮影をしようということとなり、全員が一同に返してレース場の一角に並び立ちます。

 

オグリは撮影の最中、全員への感謝の気持ちを心の中でつぶやくのでした。

 

「ありがとう、カサマツ!」

 

数日後。

 

オグリは中央レースのトレーニングスタッフの編入試験に合格したベルとともに『日本ウマ娘トレーニングセンター学園』のある府中へとおもむきます。

 

そこで待っていたのは、緑色のジャケットと帽子に身を包んだ笑顔の女性でした。

 

結論、2巻も面白い!!!!

 

『史実にはない、むしろ史実ではないドラマがここにある!』

 

――そう言っていいのではないでしょうか。

 

総じて、1巻~2巻はカサマツ編ということでしたが、『これでもか!』というぐらい濃厚なドラマが展開されていましたね。

 

特に2巻は、フジマサマーチとの白熱のレースや北原の葛藤と涙の決断が熱かったです。

 

次巻は、いよいよオグリキャップが『中央(トゥインクル)レース』にデビュー。

 

史実に登場する『あの馬』と同じ名を持つウマ娘たちが登場します!

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