アニメ化もした人気マンガ「幼女戦記」を全巻無料で読めるお得な配信サイトを調査しました。
昨今、各出版社が漫画アプリに力を入れており、連載中のマンガでも漫画アプリを通して無料で読むことができます。
例えば、小学館が運営する漫画アプリ『サンデーうぇぶり』では、サンデー系列で連載中のマンガや過去の名作マンガに至るまで幅広く無料で読むことができます。(←1番オススメの漫画アプリ)
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しかし、『幼女戦記』に関しては今現在、無料で読める漫画アプリはありません。
そこで漫画アプリではなく『幼女戦記』を配信しているすべての電子書籍を調査すると、1つの電子書籍サービスを使って『幼女戦記』を実質無料で全巻読む方法が見つかりました!
最新巻まで実質全巻無料で読む方法を解説します。
この記事では
・『幼女戦記』を今すぐ全巻無料で読みたい
・お得に漫画が読める電子書籍サービスを知りたい
・『幼女戦記』のあらすじや見どころが知りたい
そんな疑問を持った漫画好きなあなたにオススメです!
結論!電子書籍『コミックシーモア』を利用して『幼女戦記』を実質全巻無料で読める
『コミックシーモア』には、新規ユーザーに対して2つの超お得な特典を用意しています。
それが以下の特典です。
特典①は、『コミックシーモア』に無料登録した方、全員に「50%OFFクーポン」を配布しています。
1冊どの漫画でも半額で購入できます。もちろん『幼女戦記』の最新刊も半額で購入可能です。
50%OFFクーポンだけなら、他の電子書籍も特典として配布しているところが多いですが、『コミックシーモア』の超お得な特典は②の「月額メニュー登録で最大20000ポイントを後日お返し!」です。
簡単に説明すると、月額メニューを2ヶ月継続することで1ヶ月分のポイントが全額返ってくるという特典です。
月額メニューとは、毎月定額で『コミックシーモア』内のマンガを購入するために必要なポイントを買うシステムです。
普通に現金で購入するよりお得になるシステムです。
作品購入の時には、ポイントと現金の価格が表示されています。
「幼女戦記」を1巻〜最新23巻まで普通に購入すると・・・14720pt(税込16192円)となります。
月額メニューは、月額22000円のコース(コミックシーモア20000)に加入すれば26000ptがもらえて、さらに翌月には特典②により20000ptが返ってきます!
使ったはずの14720ptが20000ptになって返還されるので実質全巻無料というわけですね!
『幼女戦記』を実質全巻無料でお得に読みたい方は、月額メニュー「コミックシーモア20000」がオススメです。
筆者は、このシステムを使って、『鬼滅の刃』を実質全巻無料で読みました。
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お得に漫画を読むなら『コミックシーモア』と『ebookjapan』は必須の電子書籍サービスとなっています。
オススメ漫画アプリ
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アニメ『幼女戦記』を全話無料視聴する方法は?
『幼女戦記』は、アニメ化されており、アニメも大好評です。
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『幼女戦記』読者の反応は?
幼女戦記面白いですよね😆#なりカル
— ポーちゃん&ミントくん (@BuTnbdcc8CO9olx) March 19, 2022
劇場版幼女戦記こういうご時世だけど、何度観ても面白いな…
— nijita(skeb open) (@nijiiro_table) March 22, 2022
寝る前に幼女戦記見せなきゃ良かったな
だいぶ面白い(怖い)悪夢見てらっしゃる— エル🦈 (@L_cos_) March 22, 2022
幼女戦記の小説見てるけど面白いな…アニメは見てないけど…
— メルガバメントMk.4 NO WARS (@takojiroukawaii) March 20, 2022
っぱ幼女戦記が一番面白いよ
悠木碧さん最高— おにぎり (@onigiri_0806n) March 23, 2022
幼女戦記みたー。面白いんだけど、いま観るとなかなかに内容があれだね。
— かわぎし (@Kashiiwagi) March 19, 2022
『幼女戦記』あらすじ紹介!
この漫画は最近人気のあるジャンル、異世界転生ものとなっています。
主人公は元々現代日本のサラリーマンとして日々会社勤めをしていました。
主人公の性格は超のつくほどの合理的人間で、幼い頃から自分の将来のため、安定した暮らしを手に入れるため、努力を重ねていました。
優秀な人間ではありましたが、ひねくれている部分もあり、自分の事を「天才達とは肩を並べることは出来ず、秀才達の努力には及ばない、そして人格は歪んでいる」と卑下している描写もあります。
会社では人事部という上位の役職を担っており、リストラを宣告することも彼の仕事でした。
そんなある日、仕事を終え、最寄りの駅のホームで電車を待っていると突然何者かから背中を押されます。
落ちた線路からホームを見上げると、自分を落としたのはリストラを宣告した社員であったことが分かります。
自分の死を悟り、目をつむりましたが、一向に衝撃は訪れません。
恐る恐る目を開くと、目の前には一人の老人が立っていました。
老人曰く、自身は神なのだと言い、現代の人間は信仰心が全くないと文句を言います。
それに対して彼は科学の進んだ世の中では神にすがる人間は自分も含めて少ない、と告げました。
彼の返答に激怒した神は彼をそれまでいた世界とは真逆の境遇に置けば信仰心も生まれるのだな、と言い、彼を強制的に異世界へと転生させました。
彼は新たにターニャ・デグレチャフという人物に生まれ変わります。
逆、というように女性として生まれ変わったターニャは子供ながら自ら軍隊に志願します。
転生先の世の中は開戦前夜の熱狂に包まれており、また、魔法という非科学的な力も存在する世界でした。
魔力を持っていたターニャは生まれ国である帝国の魔導師としてそのキャリアを積んでいくことに決めます。
ここからターニャは帝国軍のエース軍人として戦争への道を突き進んでいくことになります。
『幼女戦記』見どころ紹介!
見どころ① 勉強にもなる?史実に元づいた内容
この漫画が高く評価されている点の一つには「内容の濃さ」にあります。
話の大筋としては異世界転生の話ですが、転生先では戦時中であり、激動の世界で帝国軍人として戦う主人公ターニャは作中で、自分の居た世界のドイツに似ている、と思います。
実際にこの漫画は第一次世界大戦から第二次世界大戦の世情を元として作られています。
ターニャは軍人のため、話の舞台のほとんどは戦場での内容になっています。
そして、この漫画では軍の部隊の一つに「航空魔導師」という「幼女戦記」独自の部隊が存在します。
もちろんその他には実際に存在した「陸・海・空」軍も登場しています。
現実にはなかった魔法を使い戦う魔導部隊を無理やり話しの中に登場させるのではなく、自然に上手くその他の部隊と連携させ、話の中に盛り込んでいく作者の話の展開が特に完成度が高いと評価されている漫画です。
見どころ② 戦況や軍人の心境など細部まで詳しく描かれていく漫画
もう一つ、この漫画の見どころ点は戦況の変化や任務に従軍する軍人達の心情も細かく描写されている点です。
前の見どころ点でもご紹介したように実際に存在した軍隊に全く別の魔法を使った部隊を上手く織り交ぜていく点が最も評価されています。
同様に戦況の進み方もまるで実際にあったかの様に思える程詳細に考えられています。
そのため、漫画でありながらも少し難しい内容や話の運びとなってしまってはいますが、作中には所々に注釈が書かれているので歴史にそこまで詳しくない方でも読み進めることが出来る工夫がされています。
また、登場人物である軍人の心情も鮮明に表現されています。
任務内容に対する葛藤であったり、敵国と戦う際の「敵は絶対的な悪」という意識も彼らの表情やセリフから読み取ることが出来ます。
『幼女戦記』登場人物紹介!
ターニャ・(フォン)・デグレチャフ
漫画「幼女戦記」の主人公です。
転生前は現代の日本でサラリーマンとして働いていました。
転生後は生まれた国、帝国で航空魔導師として従軍することを決めます。
金髪碧眼で目は大きく、まるで人形のような顔立ちをしています。
彼女は齢九歳で戦場へと送られ、初陣の際に最も名誉の称号である銀翼突撃章を授与し、帝国軍のエース魔導師として多くの功績を残します。
魔力量、判断力共に他の軍人とくらべ群を抜いており、あっという間に少佐まで昇進します。
その後は国の中央にある参謀本部の直属部隊として多くの戦線へ送られる事になります。
非の打ちどころのない程の実力者ではあるものの、合理的すぎる性格故に帝国軍内でも尊敬と共に畏怖されている人物です。
ヴィクトリーヤ・イヴァーノヴナ・セレブリャコーフ
彼女はターニャが初めて受け持つ小隊で新兵として配属された航空魔導師です。
仲間内ではヴィーシャと呼ばれています。
初陣では初めて見る戦場に恐怖していましたが、ターニャについて戦闘を重ねるうちに彼女もまた帝国軍のエース軍人となるほどに成長していきます。
ターニャが少佐に昇進した際に新たに任された大隊では隊長のターニャと同性であるという点からも副官を務める事になります。
穏やかな性格をしており、一見ぼんやりとした雰囲気を持っていますが、戦場では副官として部下へはきはきと指示をとばします。
ヴィーシャは食べることが大好きで戦時中はどうしても食べるものが質素になりがちですが、どんな食べ物でも美味しそうに食べています。
マテウス=ヨハン・ヴァイス
ターニャが任せられた大隊の副隊長です。
性格は極めて真面目で優秀な軍人です。
真面目過ぎる点もあり戦闘中も教範通りの行動をとった時にはターニャに「マニュアル馬鹿」(アニメ版)と言われる程です。
通常は頼れる人物ですが、酒癖が悪く部下達からは鬱陶しがられる事もあります。
メアリー・スー
彼女は帝国軍ではなく、合衆国に入隊した魔導軍人です。
メアリーの祖国は協商連合のレガドニアという国でした。
彼女が合衆国軍に入隊した理由は帝国以外で唯一女性軍人を採用しているためでした。
彼女の父親は祖国、協商連合軍の魔導軍人として従軍していました。
幾度となくターニャと戦い、最終的にはターニャに敗北し戦死してしまいます。
父の死を知ったメアリーは世界の敵である帝国を負かすため軍人になる決意を固めます。
『幼女戦記』アニメ化情報!
「幼女戦記」は初め、作者のカルロ・ゼンさんがオンライン小説として始めた小説でした。
そこから書籍小説、漫画版、そして2017年にアニメの第一期が放送されました。
内容は小説版とは違い多少の省略をしているものの、話の本筋や展開は分かりやすく伝わる内容になっています。
小説版では少し難しい表現や内容と感じる人もいると思いますが、アニメ版では難しい場所は理解しやすい表現に変えられています。
さらに2019年には映画化もされ、放映されました。
劇場版では特に音響に力を入れており、場面に合わせてリアルなサウンドになっています。
爆発音やターニャ達魔導師が上空を飛ぶ音は流れるような音響で移動する方向から聞こえてきます。
またアニメ版「幼女戦記」はBGMも素晴らしく、その中でも戦闘シーンに流れる曲はテンションをあげてくれる、やる気になれるような曲ばかりです。
その他の特徴ではアニメ版と漫画版ではキャラクターの見た目が少し異なっています。
特にヴィーシャをはじめとしたターニャの部下達の見た目が違っている様に思います。
しかしアニメ版、漫画版それぞれが作中の雰囲気にマッチしており違和感は感じない出来になっています。
「幼女戦記」は題材が難しいものなので理解しづらい部分もありますが、個人的にはアニメ版の方から見てみることをお勧めします!
アニメ版の方が視覚的にも聴覚的にも楽しめ、内容も小説、漫画と比べて情報量が少なく、理解しやすい構成になっています。
また現在(2022年3月)ではアニメ版第二期の制作がすすめられています。
『幼女戦記』序盤ネタバレ紹介!
第1話 「北辺の空」
統一歴1923年、帝国はレガドニア協商連合へ宣戦を布告しました。
砲弾が飛び交う戦場で飛び回っている一人の少女、彼女がこの作品の主人公ターニャ・デグレチャフです。
ターニャは自分が戦争に参加している事に疑問を抱きます。
なぜなら彼女は異世界転生をした元日本のサラリーマンだったからです。
現代の日本でサラリーマンとして働いていた彼は会社でも人事部という重要なポストに就いていました。
彼の性格は超のつくほどの合理的人間で自身の能力を過信することなく淡々と日々の業務をこなしていました。
人事部ということもあり、社員の解雇宣言を言い渡すのも彼の仕事の内の一つ。
「リストラは面倒だが仕事はきっちりとこなす」というのが彼の信条でした。
このまま順調に業績を重ねていけば順風満帆な人生を送れるだろうと考えています。
その日も仕事を終え、駅のホームにて電車を待っていました。
そして電車がホームに入ってきた頃、彼は急に何者かから背中を押されます。
線路上に落ちた彼がホームを見上げると、そこに居たのは先程自分が解雇宣言をした社員が見下ろしていました。
どんどんと迫ってくる電車を呆然と見つめながら「リストラされるような人間は理性よりも感情を優先するのか」と思い、目をつむりました。
しかし、いくら経っても自身に衝撃が訪れることはありません。
気が付くと辺りは見知らぬ神殿の様な場所になっており、目の前には老人が立っています。
戸惑う素振りも見せず、彼は老人に何者かを尋ねます。
返って来た返答は「創造主」という言葉。
あまりにも現実味の無い事柄に彼は走馬灯を見ている、胡蝶の夢を見ている、と言った憶測を考えました。
しかし老人は彼の胸中を読んでおり、そのことを知った彼は「悪魔が存在したとは」と老人に言い放ちました。
彼は「この世の理をはずれるのは神か悪魔だけだ」と考えており、神が存在するのならば世の中の不条理を見過ごす訳がない、よって神は存在しないと自己完結させます。
ここで彼は目の前の老人を「存在X」と呼ぶことにしました。
そこから彼と存在Xの会話が続きます。
神と称する存在Xは時代が進むにつれ信仰心を無くしていく人間達に我慢がならないと言います。
それに対し彼は「自分は科学的で平和な時代、国に生まれ性別的にも社会的にも優位なサラリーマンとして生きていたため神にすがる理由は無い」と言い返しました。
この言葉に激怒した存在Xはそれならば今言った事と真逆の境遇に彼を置けば信仰心も芽生えるのだな、と言い「非科学的な世界で女に生まれ戦争を知り追い詰められるがよい」と一方的な力で彼を転生させました。
そして彼が転生した先の世界では魔法の力が存在し、ターニャ・デグレチャフとして生まれ変わった彼女もまた魔法と呼ばれる力を有していました。
また彼女が生まれた国は軍事主義の「帝国」と呼ばれています。
世の中は開戦前夜の熱気に包まれ、孤児として生まれたターニャはこのまま軍に徴集されるくらいならば、志願兵としてキャリアを積んだ方が良いと帝国軍の航空魔導士に自ら志願していきます。
そして話は冒頭に戻ります。
ついに開戦した帝国はターニャに前線において敵兵の偵察任務を課します。
ターニャの目標はただ一つ、順調にキャリアを積んで安全な後方で勤務するというものでした。
一人で上空より敵情視察せよ、と命令された彼女は最初、自分の様ないたいけな幼女を戦場に送り込むことに不満を抱いていました。
しかし、開戦当初の戦況は帝国が有利に動いており、「勝てる戦争で、勝てる軍隊で戦うだけの簡単な仕事だ」とターニャもほくそ笑んでいました。
一方、帝国と対戦している協商連合軍は苦戦を強いられていました。
ターニャと同じく連合軍側で航空魔導士として従軍しているアンソン・スー中佐もまた彼女と同じ空を飛んでいました。
部下達を率いて何とか苦しい戦況を打破しようと案を講じます。
そこで敵観測手を叩く、という作戦を部下に命じます。
その観測手というのがターニャでした。
観測手を倒してしまえば自軍の歩兵位置を知られることは無く、戦況も好転する可能性が出てくると踏んだための作戦でした。
ターニャは順調に任務を進めていたものの、通信にノイズが入る事に疑問を抱き始めます。
何度か司令部と通信を試みていると、急に敵兵が近づいてきているとの情報が入ってきます。
丁度その時ターニャはアンソン中佐率いる魔導部隊との戦いが始まります。
自分一人を狙ってきていることを悟った彼女は無線のノイズは不調などではなく、妨害術式を受けているのだと思い、そうなれば彼らの狙いは自分(観測手)だと言うことに気が付きます。
アンソン部隊は中隊規模、決して人数は多くはないもののたった一人で戦えるような相手ではありません。
そのことをよく理解しているターニャは司令部に戦力差を理由に撤退を許可してもらおうとします。
しかし司令部の返答は「援軍が到着するまで持ちこたえよ」というもの。
一気に絶望的な状況に追い込まれたターニャは存在Xのしわざで今自分はこんな戦場に居るのだと改めて認識します。
彼女はまるで存在Xが自分に改心しろと言われている様なこの状況に歯向かうことを決意しました。
そして無線機に向かい「せいぜいあがいてみせましょう!!!」と半ばやけくそになりながら叫びます。
ターニャは善戦していましたが、さすがに中隊相手では不利な状況は続きます。
敵前逃亡は銃殺刑に処されるため許可が下りない限り戦い続けなければなりません。
そこで彼女は魔導士特有の能力を駆使します。
魔導干渉によるドーピング、さらには痛覚の遮断と言った術式を展開させ戦います。
アンソン中隊側も敵兵の増援が近づいてきていることを知り、早いうちに決着をつけようとターニャに吶喊していきます。
しかしこの吶喊こそがターニャの狙いでした。
突っ込んできた敵兵に向かい被弾することも構わず次々と敵兵を屠っていくターニャ。
そんな中でも彼女が考えていることは「戦果を挙げる」ことのみ。
そして大きく被弾し血まみれになるターニャ、しかしドーピングされ痛覚も遮断している彼女は止まりません。
武器も持たずその身一つで敵兵に掴みかかります。
そしてターニャは「ツカマエタ」と一言こぼし自爆をしました。
その表情はとても幼女のものとは思えないまるで鬼の形相そのものでした。
自爆しながらも命からがら生き残ったターニャは後日、帝国軍でも生きている内に授与される人が少ないと言われる一番の名誉「銀翼突撃章」を受章し、同時に「白銀」という二つ名を頂くこととなります。
第2話 「エレニウム九五式」
先の戦闘で銀翼突撃章を受章しさっそく帝国のエースとなったターニャはこれから前線でこき使われるのだろうと落胆していました。
しかし新しく配属された先は前線ではなく後方。
技術部署において新型の魔導道具の検証員として任務を言い渡されます。
そしてターニャは願ってもない安全な後方で技術研究に励むこととなりました。
しかしその内容はターニャが予想していたよりもはるかに辛いものでした。
研究内容は魔導士が戦闘で必要不可欠な「演算宝珠」その新型の実証実験を任されたのです。
その名も「エレニウム九五式」。
その性能は今までに類を見ない程優秀でした。
しかしその代償として使用者の魔力を底無しに必要とし、さらには少しでも集中を切らすと直ぐに魔力が安定しなくなってしまうという物。
優秀なターニャでさえ実験が始まってから一度も成功したことのないほどです。
その日の実験も宝珠が安定せずターニャは上空で実験の中止を提案します。
しかしそれを許さないのは技術部の最高責任者であるアーデルハイト・フォン・シューゲル主任技師。
ターニャと彼はどうにも意見が合わない様です。
とうとう痺れを切らしたターニャは転属願いを提出することに決めました。
彼女の転属願いを受け取った技術部内では、実験を続けるべきだという意見もありましたがターニャの意を汲んでエレニウム九五式の開発を打ち切る決断を下します。
ここで場面は帝国ではなく「神域」と呼ばれる存在Xをはじめとした神と呼ばれる者達に移されます。
集まった神々は皆口をそろえて自分達、神を信仰する人間が減ったと言います。
どうにかして信仰者を取り戻したい彼らは新たな聖遺物(せいいぶつ)を授ける事にしました。
そんなことがあったとはつゆ知らず、ターニャは転属願いが受理された事に喜びを覚えたのも束の間、最終実験に付き合わされることにまたも落胆します。
エレニウム九五式の打ち切りに呼応して、予算も打ち切りとなったことを知ったシューゲル技師は最後の実験を敢行することに決めます。
「科学に犠牲はつきものだ」と言うシューゲル技師に「自分は科学者ではなく軍人だ」と返すターニャ。
「なら命令するしかないな」というシューゲル技師の返答にターニャは万策尽きたとしぶしぶ実験を開始します。
どうせまた失敗に終わると思っていたターニャですが宝珠に魔力を供給し始めてからシューゲル技師は必ず成功する、と彼女に自信満々に笑いかけます。
意味が分からないというような表情を浮かべるターニャにかけた言葉は「天啓を得た」というもの。
「天啓」という言葉に嫌な予感を覚えたターニャは即刻実験を中止しようと魔力供給をカットしようと試みます。
しかし宝珠はそれを受け付けません。
どんどんと魔力が強くなりもはやターニャ一人の魔力量ではないほど強力なものとなっていきます。
彼女の頭に浮かぶのは超常的な力を持つ存在Xの事。
「謀ったな悪魔め」とターニャは思います。
爆発に構えるターニャでしたが、電車の時同様、彼女に衝撃が訪れることは一向にありません。
目を開けるとそこには存在Xとはまた違った神がいました。
神曰く、エレニウム九五式を神の力を以てして使用できるようにした、という内容。
しかし九五式を使うためには神への賛辞を述べなければならずターニャはこれを「呪い付きの代物だ」と思います。
気が付くとターニャは現実の世界に戻っており、いつもの実験場に居ました。
実験の成功を喜ぶシューゲル技師は今一度エレニウム九五式を起動するように命じます。
すさまじい魔力反応と共に宝珠は安定し、演算宝珠として素晴らしい力を発揮します。
しかし、呪いの代物と言うように九五式の発動の際にはターニャは思ってもいない神への賛辞を口にすることとなりました。
その後、実験を終え新たに小隊の隊長としてターニャは戦地へと配属されることとなりました。
第3話 「ラインの護りⅠ」
前線へと転属を告げられたターニャはこれであのシューゲル技師の元を離れられると喜びます。
ライン前線と呼ばれる戦線は最も激戦区とされる戦場でした。
少尉へと昇進し、新小隊長として部下を持つことになったターニャは今まで一人で行ってきた仕事を部下に押し付けられる、と心の中で呟きます。
さっそく前線へとやってきたターニャを前線指揮所で待っていたのはイーレン・シュワルコフ中尉。
お互いに軽く挨拶を交わし、ターニャは彼を一瞥すると「中隊長で中尉、年齢から考えても軍務経験は充分」とシュワルコフ中尉が有能な上司になり得るだろうと安堵します。
逆にシュワルコフ中尉は「銀翼突撃章保持者と言う程だ、どんな叩き上げのベテランが来るのかと思っていたが、こんな幼い子供が来るとは」と不安を隠せない様子でした。
しかしいくら子供と言っても相手は実践経験のある立派な軍人、新人からなる小隊を上手くまとめ上げられるのか、とターニャに返答を求めます。
しかしターニャは「そうせよ。とご命令下さい」と一言返します。
この一言とターニャの瞳を見たシュワルコフ中尉は彼女を実力のある一人の軍人として信頼するようになりました。
そしてシュワルコフ中尉は現時点でのライン戦線の状況を伝えます。
開戦当初、帝国の敵は協商連合のみでしたが、戦線が進むにつれ新たな敵、隣国の「フランソワ共和国」との開戦をしなければなりませんでした。
連合と共和国という二つの敵に帝国は二正面作戦を余儀なくされ、中央からライン戦線への増援が来るまでの間、時間を稼ぐ必要がありました。
そのために銀翼章保持者でありエレニウム九五式を運用できるターニャが配属されたのです。
シュワルコフ中尉曰く、肝心の中央からの増援は芳しくありませんでした。
ある程度の難戦を覚悟していたターニャは自身の出撃位置を中尉に尋ねます。
防御戦と聞いていたターニャは、予備戦力としてならばひとまずは安全だと思っていました。
しかしシュワルコフ中尉の返答は「喜べ少尉 最前線だ」と言うターニャにとっては最悪なもの。
ここでターニャは最重要になってくる部下のリストに目を通すことになります。
一枚一枚紙面をめくっていくターニャからは段々といつもの余裕な表情が消えていきました。
なぜなら配属される新兵達は、実践が未経験の新兵と聞いていましたが、実際には「訓練未修の新兵」だったのです。
帝国軍魔導士は四人で一つの小隊、十二人で一つの中隊を形成する、少数精鋭部隊です。
ターニャは小隊長の視点からこの戦力ならば自分一人で戦った方がマシだ、と中尉に具申します。
しかしそれは許されず、ならばもしもの時は後退を許可してくれるのかと指示を仰ぎます。
それに対しシュワルコフ中尉は「上は勝利かヴァルハラかを選ばしてくれるそうだ」と返します。
「ヴァルハラ」とは勇敢に戦った戦死者の魂が行きつく先の事で、つまり「勝利」か「死」を選ばしてくれるという意味でした。
この言葉だけでどういう任務なのかを理解したターニャは「素晴らしいどちらも大好きです」と逃げられない事に覚悟を決めます。
ここで視点は新たにターニャの元に配属された新兵のヴィクトリーヤ・イヴァーノヴナ・セレブリャコーフ伍長へと移ります。
先日までは幼年学校の温かい部屋に居た彼女にとって最前線の殺伐とした空気は気を引き締めさせると共に恐怖するものでした。
しかし隊長はかの有名な「白銀」と呼ばれる軍人、どんな人物が来るのか不安反面、少し気になっていました。
そしてそんな中に颯爽とターニャは現れることとなります。