今回は、二度のアニメ化と、実写映画化も果たした大人気ダークファンタジーの金字塔マンガ「鋼の錬金術師」から、キング・ブラッドレイ(ラース)を紹介します。
キングブラッドレイ(ラース)は、「鋼の錬金術師」の中でも屈指の強キャラです。
温厚そうな笑顔の下に、威厳ある王の顔を隠し持つ、ダンディな人物です。
そんなキングブラッドレイの能力や、大総統になるまでの道のりなど、さまざまな角度からご紹介していきたいと思います!
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『鋼の錬金術師(ハガレン)』最強の敵キングブラッドレイ(ラース)とはどんな人物なのか?
ブラッドレイは、「鋼の錬金術師」の舞台となるアメストリス国軍の、最高指導者です。
その見た目は、常に黒髪をオールバックにし、口ひげを蓄(たくわ)え、左目には眼帯を付けています。
数々の戦果を挙げたことにより、44歳という異例の若さで大総統に就任します。
ブラッドレイが大総統になってから、アメストリス国は軍備に力を割くようになり、周辺の国へ侵攻し、領土を広げていきます。
また民族浄化を掲げ、イシュヴァール人を弾圧する政策を押し進めたのもブラッドレイでした。
その政策に反発の意思を示したイシュヴァールに対し、隣国からの武器の提供があり、戦線は予想を超えて、一気に広がってしまいます。
しかしブラッドレイ自らが陣頭指揮をとったことにより、徹底的な殲滅がはじまります。
はじめて戦場に国家錬金術師を投入したのも、この殲滅戦でした。
彼らは賢者の石によって能力を底上げされており、その破壊力はまさに兵器というにふさわしい働きをします。
同じ戦場ではブラッドレイの命令で、非人道的な実験が捕まえたイシュヴァール人を使って行われていました。
また、敵対するものだけではなく、軍に属していたものもイシュヴァール人というだけで処刑していきました。
その徹底して苛烈な命令の数々に、ブラッドレイという存在に対する畏怖は、国民にまで知れ渡るのでした。
日常の中では快活に笑い、部下や秘書の隙をついては仕事を抜け出したり、アロハシャツでエルリック兄弟をつけたりと、おちゃめな一面もあるブラッドレイ。
しかしその実力は年齢を重ねていても相当のもので、武闘派の錬金術師を三人相手にしてもまったく引けをとらないほどです。
その強さで、エドワード達を最後まで苦しめる存在として、ブラッドレイは立ちはだかったのでした。
イケおじキャラが好きなのはブラッドレイを知った日からでした pic.twitter.com/eD4nx8VSRM
— スガワラー (@sugaaaaaaaawara) June 17, 2022
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キングブラッドレイ(ラース)の正体やその壮絶な過去とは?
ブラッドレイは、人間ではありません。
彼は、“お父様”という存在に七番目に作りだされた憤怒のホムンクルス〈ラース〉です。
他のホムンクルスとは、全く違う造られ方をしたホムンクルスです。
ブラッドレイは、ただひとり人間をベースとして造られたホムンクルスなのです。
彼は、かつて名前さえ与えられない実験体の一人でした。
幼い頃から、その他の実験体たちと同じように、剣術、銃術、軍隊格闘を叩き込まれ、大総統になるための様々な教育を施されました。
そうして体の成長を待ち、実験体たちは賢者の石を血管の中に注入されていきました。
ブラッドレイ以外の実験体たちは、賢者の石への体の拒否反応に耐えられず、誰一人残らずに死んでいきました。
賢者の石は、複数の人間の魂の集合体です。
その複数の人間の精神と、ブラッドレイは自分の一つの体を争い、そして打ち勝ちます。
それは、唯一年齢を重ねることができるホムンクルスの完成でした。
賢者の石との同化を果たせた人間、それがブラッドレイなのです。
キングブラッドレイ(ラース)は何故再生能力をもたないのか?
ブラッドレイはホムンクルスの中で、唯一、再生能力を持っていない存在でもあります。
それは、彼の肉体に精神が一つしかないためです。
戦闘時には再生能力はかなり強い能力に思いますが、人の中に紛れて生活をしなくてはならないブラッドレイにとっては、逆にない方がいい能力であったのかもしれません。
年をとらないことと、再生能力がないということで、他のホムンクルスと比べて引けをとってしまいそうですよね。
けれど、ブラッドレイはグリードと戦っている時点で60歳なのですが、彼との戦闘では圧倒的に優位に立っていました。
ホムンクルスの中でも戦闘能力は、かなり上位の存在であったことが分かります。
本人は、「年をとって体が思ったように動かない」なんて言葉をこぼしたりすることもありましたが、全く周囲にはそれを感じさせませんでした。
もしも全盛期のブラッドレイと戦うことになっていたら、エドワードたちの勝敗は変わっていたのかもしれません。
キングブラッドレイ(ラース)の息子はいったい何者?
ブラッドレイには、セリムという息子が居ます。
彼は世間的には、子供に恵まれなかったブラッドレイ夫妻が、ブラッドレイの遠縁の子供を引き取って、養子にしたことになっています。
礼儀正しく、父親を尊敬し、母親への思いやりをもっている少年です。
しかし、その正体は一番初めに造られた傲慢のホムンクルス、プライドだったのです。
彼は物語の終盤、活発に動き出すのですが、今までの愛らしい少年の姿とは全く違う冷たい目をした姿に、その正体を知ったホークアイ中尉も体を硬直させてしまうほどの恐怖を味わっていました。
他のホムンクルスからも恐れられている存在であったプライドは、しかし父親役のブラッドレイにだけはその威圧感を緩ませていました。
母親のことも、人間というものを見下しているにも関わらず、幼いころに体を張って守られた思い出から特別な感情を抱いていました。
ホムンクルスとして長く生きていたプライドにとって、この形だけの家族が彼の内側に何かを残していたのかもしれません。
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キングブラッドレイ(ラース)の最後は死亡?結末は?
水堀に落ちたあと、水路を通り地下へと降りていたブラッドレイは、エドワードたちの前に姿を現します。
国土錬成陣の完成を間近に、最後の人柱を“お父様”のもとへと送り込むためにブラッドレイはロイ・マスタングを拘束し、無理やり真理の扉を開けさせるための錬成を行わせます。
エドワードとロイ・マスタングが“お父様”のもとへと送られたことを見届けると残ったものに対し、自分を討ち取るものはと問いかけます。
メイはこの下におかしな気配の中心であると伝え、スカーがそこへの道を確保するために床を破壊します。
メイはおかしな気の中心へ向かい、負傷していた他の仲間はブラッドレイから身を隠します。
一人で残ったスカーは、国土錬成陣を打ち破るための逆転の錬成陣を発動させるために、ブラッドレイに戦いを挑みます。
すでにかなりの深手を負っていたブラッドレイですが、それでもスカーとの戦闘は互角以上の動きで応戦します。
けれど逆転の錬成陣のために施した左手のタトゥーによって錬金術を使えるようになっていたスカーはの攻撃は、少しずつブラッドレイに入るようになっていきます。
そうして戦っている最中、日食からこぼれた光がブラッドレイの目に入り、眩しさに一瞬視界が奪われます。
その瞬間を逃さなかったスカーは、ブラッドレイの両腕を破壊することに成功するのでした。
そのまま倒れこむかと思われたブラッドレイは、腕とともに落とした剣を、落としきる前に口にくわえ、そのままスカーの脇腹へと突き刺しました。
そしてブラッドレイは、ついに倒れます。
そこへ現れたランファンとの会話のあと、「くだらぬ問答をしているうちに、敵を討ちそびれたな」と満足を滲ませて呟きます。
ブラッドレイは「おまえ達人間のおかげで、やりごたえのある人生だった」と言葉を残し、急速な老化とともに息を引き取ったのでした。
キングブラッドレイ(ラース)の強すぎる能力と強さが際立つエピソード3選
ブラッドレイと言えば、凄まじい身体能力を持ち、ホムンクルスの眼によって圧倒的な速さで剣を繰り出す、最強の敵という印象をもっている人も多いのではないでしょうか?
こちらでは、その強さが伝わるエピソードを5つ紹介しようと思います!
① エドワードの国家錬金術師資格試験での速すぎる抜刀!
12歳で国家錬金術師の試験を受けにきたエドワードを、ブラッドレイは見学にやってきます。
エドワードは、試験をすぐそばで観ようという大総統に向かって素早く槍を錬成し、その首元に突きつけます。
その行動に周りがエドワードの頭に銃を向けるなか、ブラッドレイは微動だにしませんでした。
その様子にエドワードは、「こういう試験の形は見直した方がいい」と提言します。
あまりの行動に、まわりはエドワードの失格を叫びますが、ブラッドレイは全く動じることなく「合格」を告げます。
エドワードの度胸を褒めながらも、去り際に「ただ、世界の広さを知らぬ」と言い残します。
その時、エドワードの手にしていた槍が、切られたように真っ二つに折れて落ちます。
手を振りながら帰っていくブラッドレイの右手にはいつの間に抜いたのか、剣が抜き身の状態で握られていたのでした。
② 最強の盾を打ち負かす、最強の眼!
アルフォンスがグリードたちに連れ去られたことを知り、駆け付けたエドワードはそこで強欲のホムンクルス・グリードと交戦となります。
体の硬質化という最強の盾を武器に、エドワードを追い込むグリードでしたが、そこに駆けつけたのはちょうど視察に赴いていたブラッドレイでした。
グリードは最強の盾でブラッドレイの剣を防ごうとしますが、彼の眼は硬質化する前にグリードの体を貫きます。
それだけでなく、ホムンクルスの再生能力をも凌ぐスピードでグリードの体を切り刻んでいきます。
ホムンクルスは不死身ではありません。
体内の賢者の石の持つ命の数しか、再生はされないのです。
それを知っているブラッドレイは、グリードに対し「あと何回だね?」と問いかけるのでした。
③ 戦車を一人で止めることができる男!大総統府、正面扉での激闘!
最終決戦のそのとき、東方司令部のグラマン中将の計略で谷底へと落ちたかに思われていたブラッドレイは、大総統府の正門に現れます。
正面扉を守っていたブリッグズ軍の戦車に、バッカニアは後退を呼びかけますが、ブラッドレイは剣一本と手榴弾でそれをあっという間に制圧してしまいます。
ブリッグズ兵の中でも高い戦闘力を持つバッカニアも、その場でブラッドレイの刃に倒れてしまいます。
そこへリンの体に入ったグリードと、フ―も加わっての戦闘になりますが、ブラッドレイはこれを圧倒します。
バッカニアのおかげで剣を失うブラッドレイですが、「使い慣れない」という二本のナイフで、一方的な強さを維持します。
フーの捨て身の攻撃に、バッカニアからの援護の一突きが入り、やっとブラッドレイの足がふらつきます。
その後のグリードからの一撃で最強の眼を負傷し、ブリッグズ兵から肩を撃たれ、正面扉の横にある水堀へとブラッドレイは落ちていきました。
最終局面でブリッグズ兵が中央司令部の9割を制圧して「我々の勝ちだ!」というフラグ発言から即ブラッドレイ帰還の流れマジでもう絶望感凄すぎて毎回「ウワ?嫌だな…」の気持ちになる
— 無効谷 聡 (@_MvoyX_) June 11, 2022
キングブラッドレイ(ラース)の妻への思いと、その名言とは?
ブラッドレイの人生において、唯一命令ではなく、自らの選択で選び取ったものがあります。
それは、妻であるブラッドレイ夫人その人でした。
夫人との結婚はお見合いなどではなく、恋愛を経ての結婚でした。
その際の恋愛指導を、ブラッドレイはホムンクルス(主にラスト)に頼み、彼女を口説き落とします。
お喋りが大好きな、朗らかな様子からは想像もつきませんが、あの最強の眼をもってしても止められなかったビンタを打てるただ一人の人でもあります。
恐ろしい命令を淡々と下すブラッドレイですが、夫人にだけは逆らえなかったそうです。
ランファンはブラッドレイの最後の時に「夫人に言い残すことはないのか」と問います。
しかしそんなランファンの言葉にブラッドレイは「なめるなよ。あれは私が選んだ女だ。私とあれの間に、余計な遺言など要らぬ」と一蹴します。
夫人にたいしての、ブラッドレイの愛情が確かにあったことが伝わる、素晴らしい名言ですね。
ブラッドレイの「なめるなよ」「あれは私が選んだ女だ」はコトが終わってから(こっちが勝手に作り上げた)敵像を全部ひっくり返しにきてもう……ほんとずるい男ですよ???♀?
(通りすがり失礼します)— あおい@育児 (@aoi_okan) June 17, 2022
原作とアニメでのキングブラッドレイ(ラース)の違いとは?
鋼の錬金術師は、二度アニメ化をされています。
二度目のアニメ化である「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」は原作にできるだけ沿ったものとして制作されました。
しかし、一度目のアニメ化は、原作の漫画の巻数もまだ多くなく途中からほぼオリジナルのお話となっていきます。
そのためブラッドレイの設定も、原作とは少し違っています。
まず、ブラッドレイはホムンクルスとしての名が、ラースではなくプライドとなっています。
性格の面も、一度目のアニメのブラッドレイの方が、原作よりも冷淡な部分が大きくなっているように思います。
それが一番表れている場面が、セリムとの最後の場面です。
セリムは一度目のアニメ化の設定では、本当の人間の子供にを養子として迎え入れたとなっています。
セリムは心から父親を尊敬していて、何とかブラッドレイの役に立とうとするのですが、それがブラッドレイの身を危うくします。
その時、ブラッドレイはいとも簡単にセリムの命を奪ってしまうのでした。
また、ブラッドレイそのものの成り立ちも違っています。
原作では人間をもとにして造られたホムンクルスですが、一度目のアニメの場合は純粋にホムンクルスとして生まれており、再生能力も持っています。
その生まれの違いから、ホムンクルスとしての矜持をより強く持っているように思います。
どちらの場合もかなりの強者として登場するブラッドレイを、楽しんでみるのもいいかもしれません。
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