今回は、「進撃の巨人」に登場する「獣の巨人」について、紹介します。
「獣の巨人」は、ウォール・ローゼ内地から登場し、後に物語の鍵を握る重要な存在である事が判明します。
初登場時より、他の巨人とは違い、圧倒的且つ全身が体毛に覆われているという、かなり異質な存在感を放った事で、読者に強烈な印象を与えました。
しかし、「獣の巨人」が圧倒的且つ異質なのは存在感だけではありませんでした。
「獣の巨人」が初登場時に見せた、他の巨人とは一線を画する活躍、能力、強さ、そして正体に迫っていきます。
進撃の巨人で一番怖いの間違いなく獣の巨人の初登場シーンよな pic.twitter.com/sOUVp6Er8k
— moca (@cafemocagood) January 21, 2023
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「獣の巨人」の初登場は何巻何話？大きさはどのくらい？
原作は9巻、35話にて初登場しました。
アニメでは、2期37話にて初登場を飾りました。大きさは17ｍ級です。
巨人は小さくて3m級である事から伺える様に、このサイズはかなりの大型となります。
ちなみに、先代も同じ17ｍ級です。ジーク自体は、183㎝、体重は92㎏もあります。
大柄且つ、見た目以上に筋肉質な為か、体重は重いですね。
「獣の巨人」の正体は？素顔や出自の秘密は？
ジーク・イェーガー、これが「獣の巨人」の名前です。
お察しの通り、エレンの腹違いの兄で、グリシャ・イェーガーの長兄です。
壁外人類で、ライナー、ベルトルト、アニと同じくエルディア人居住区に住んでいます。
しかし、生活の実態は他のエルディア人と同じく、マーレから被差別民として扱われており、収容所と言っても遜色ありません。
彼はマーレ政府に両親がエルディア復権派の考えを持っている事を告発した事で、マーレへの忠誠心を示しました。
また、王家の力を持つ事から、会議において発言権も持ち、会議出席者からは、「驚異の子」と言われ、一目置かれています。
彼の母はダイナ・フリッツという、エルディア人の王家の血を引く、由緒正しき血筋を持つ者です。
太古の昔、エルディア人の王家は、パラディ島に逃げ延びた王族と、大陸に留まった王族とで分かれました。
そして、大陸に留まった王族の末裔こそが、ジークの母、ダイナです。
「獣の巨人」の最後は死亡？リヴァイとの対決はどうなった？ネタバレ！
冬休みなので
『#進撃の巨人』2周目中！獣の巨人VSリヴァイ兵長のシーン、
やっぱりシビれた、、、強すぎる🔥🔥謎が解けるのが待ちきれないけど
終わってほしくない…#ネトフリアニメ #shingeki pic.twitter.com/AXCoXXuipY— Netflix Japan Anime (@NetflixJP_Anime) January 2, 2021
ジークは、リヴァイとは並々ならぬ因縁がありました。
コニーの生まれ故郷である、ラガコ村の住人達を巨人化しながら、彼は悔悟の念すら抱きませんでした。
それどころか、彼の話によると、ラガコ村の前に何度もやってきた事の様で、深刻に捉えていない様でした。
リヴァイに捕えられた時、両足の半分が欠損した状態で雷槍を体の中に打ち込まれた状態にあっても飄々としながら、尋問を受ける、という並外れた精神力を見せました。
だが、彼の覚悟はリヴァイの想像を容易に超えるものでした。
ジークは、自ら雷槍を引き抜き、見事逃走に成功しました。
ジークのすぐ傍にいたリヴァイは、勿論無事では済みませんでした。
彼は重体に陥り、命こそ何とか留めたものの気を失いました。
ジークは、エルディア人から生殖能力を奪う為に、「安楽死計画」の実行をエレンに阻止されます。
そして、巨人化したエレンに、地鳴らしを継続させる為だけに取り込まれてしまいます。
そんな彼は、始祖の巨人となったエレンの背骨に、上半身のみで出現し、リヴァイに止めを刺されて最期を迎えました。
どことなく呆気なく感じる最期であるものの、「今日は良い天気だ。こんな事にもっと早く気付いていれば……」と言う言葉を残して逝った事から、ようやく苦しみから解放されたのかもしれません。
「獣の巨人」の強さや能力・投石威力とは？
他の8体の巨人に共通した事である知性も、無視できない強みの1つです。
人類にとって、移動時の最大戦略である馬を先に潰して、二番手の実力者であるミケを追い詰めました。
更に、壁外人類である筈の彼は、当然外国語でやり取りしなければならないミケと敬語で話し、コミュニケーション、情報収集を図ろうとした事も、注目すべき点でしょう。
そして、「獣の巨人」の強さを語るには、投石能力は避けて通れません。
まさにこの投石能力こそが、「獣の巨人」が他の巨人とは一線を画す、1番の特徴なのですから。
読んで字の如くであるこの能力は、一見派手さはありません。
だが、それも「獣の巨人」が持つからこそ脅威なのです。 読者の皆様、想像してみて下さい。
17mの巨体を誇り、それもあの長い腕を目一杯振り回す事によって生まれる、遠心力を活かした投球……ならぬ「投石」は、想像するだけでも恐ろしいですね。
そもそも、彼が持つのは本当に石なのかすら疑問です。 彼の目には石に見えても、我々人間から見たら、彼が握るそれはよもや岩です。
彼にとっては、ちょっとしたピッチングのつもりで投げる石とやらも、人類側からしたら立派な兵器以外の何物でもありません。
威力は中世ヨーロッパの戦争で重用された投石機、カタパルトの何百倍は下らないでしょう。
そしてその精度の恐ろしい事……ジーク自身、幼少の頃からキャッチボールをしてきた事が、この恐るべき精度に寄与したと言えます。
獣の巨人の過酷過ぎる半生と今日に至るまでに得た思想とは？
彼もまた、エルディア人として生を受け、他の住人と同様にマーレ人から差別を受けながら居住区に住んでいます。
彼が物心ついた年頃、後にエレンの父ともなるグリシャと母ダイナから、選民思想を植え付けられそうになります。
その事に強い危機感を抱いた彼は、自らの保身と祖父母の安全の為に、父と母をマーレ政府に差し出しました。
それ以後、彼は祖父母と共に生活しました。
そして、彼の運命を大きく変える人物と出会いを果たしました。
その出会いは、ひょんな事から始まりました。 グリシャが、壁に向かってボールを投げていた事から、彼の物語は始まった……と言っても過言ではありません。
「獣の巨人」の歴代継承者は判明している？
進撃の巨人（諌山創）でジークが”キャッチボールしてるだけで良かったよ”っていうのとか、映画スカイクロラ（押井守）で”いつも通る道でも違うところを踏んで歩くことができる。それだけではいけないのか”っていうのも、最期に辿り着く生死感というか幸福論の境地の答えって感じ。 pic.twitter.com/XnURmcJDed
— 遠山潤 (JunTooyama) (@netKAMUI) January 23, 2023
トム・クサヴァーという男性が「獣の巨人」の先代に当たります。
歴代の「獣の巨人」が判明しているのは、ジークの1つ前である彼のみです。
ジークが最初壁に向かってボールを投げていたところを目にしたトムが、キャッチボールに誘ったところから2人の関係は始まりました。
同時に、トムの存在と過去はジークの思想と価値観、場合によっては死生観にも、非常に大きな影響を与えました。
ジークとトムは、キャッチボールする日々を重ねていくうちに、自然と両者の仲は深まりました。
そんなトムの口からは、想像を絶する程の過酷な過去が語られ、その大きな衝撃を受けたジークは、ある事を強く決心しました。
後にそれは、悲壮感と絶望に満ちた行為に直結しました。
トムは、ジークと出会った時点では、巨人学の研究を行っていましたが、元はと言えばその謎を知る為に戦士となった、という経緯を持ちます。
彼は自分がエルディア人である事を秘密にしながら、マーレ人の女性と結婚し、2人の間には一人息子がいました。
しかし、トムの出自を知った妻は、息子と共に命を絶つ、という非常に胸が痛む選択をしました。
その凄惨な情景を目の当たりにした彼は、ジークに向かって語りました。
「もし、自分がエルディア人ではなければ……」と言った彼は、エルディア人として生まれて来た事に、罪悪感と、贖罪の意識に苦しめられていた事が窺えます。
また、幼いジークに、両親が「エルディア復権派」であると密告する様仕向けたのは彼です。
しかし、上記の事が理由で、ジークは彼を恨むどころか、むしろ「父さん」と呼んで慕っています。
そして、トムはジークに両親の事をマーレ政府に密告させた後、ジークに「獣の巨人」を継承させ、自ら進み出る形で人生の幕を閉じました。
ジークがかけている眼鏡は、トムの遺品です。
作中でも、眼鏡を外したところをあまり見ない事から、ジークのトムに対する想いの強さが分かりますよね。
最終決戦でも、始祖の巨人となったエレンによって蘇えさせられ、「獣の巨人」として、アルミン達と交戦します。
しかし、アルミンが座標へと至り、トムと再会する機会を得ました。 ジークは、トムと対面した際、「俺は…ずっとキャッチボールしてるだけで良かったよ」と、今わの際でようやく生きる意味と、喜びを見出す事が出来ました。
ジークはトム含む歴代の知性巨人継承者に、調査兵団達に協力を促す事で、始祖討伐に貢献した後、リヴァイに止めを刺されました。
ジークの最後の会話相手は、意外にもアルミンでしたが、トムの存在あればこそ、ジークは考えを改める事が出来たのです。