無能なナナ7巻ネタバレ感想!無料で読む方法は?最新刊8巻の発売日いつ?表紙に中島ナナオ?漫画バンクzip,rarは危険

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『無能なナナ』7巻を無料で読む方法やネタバレ、最新8巻の発売日が知りたい。

 

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『無能なナナ』7巻ネタバレ紹介!

47話:真実

「お約束いただきましたよね。真実を話すと」

 

“委員会”が能力者を集めたのはなぜなのか?能力者は本当に殺さなければいけない存在なのか?真意と目的を教えてくれと睨むナナにも鶴岡は動じず答えました。

 

「つまり『さんざん人殺しを繰り返してきたわたしに何か納得のいく慰めをください』と?」

 

鶴岡の言葉に、ナナは思わず唇を噛みしめます。

 

しかし反論することはせず、静かに俯きました。

 

「そうです…わたしは納得したいんです」

 

いつもとは違うナナの様子に鶴岡は口を開きました。

 

ある男も同じような訴えをしたから粛清した」

 

その言葉にナナは思わず顔をあげます。

 

『ある男』三島コハルの父や有識者と結託し“委員会”や能力者たちの殺害を世間に暴こうとしました

 

しかしすでに情報統制の行き届いている状態だったため、大きな運動にはつながらず犬死になってしまったのです。

 

「あのときおれはふと思った。できるだけ残虐に殺そうと」

 

そうしなければいけない気がしたと語る鶴岡の話を聞きながらナナの顔はひきつっていきます。

 

それには構わず鶴岡は話を進めていきました。

 

「そうして心の壊れた娘ができあがった」

 

親を殺された娘は『能力者は悪』だと洗脳され、能力者たちが収容された島に送り付けられたのです。

 

「嘘……ですよね?」

 

『ある男』が(ナナの)父だとは言っていないし、娘が自分だとも言っていない。

 

ナナは呆然としながらも、一縷の望みをかけて問いかけます。

 

鶴岡は言い切りました。

 

あの夜お前の子供部屋の窓はきっちりしまっていたぞ

 

それを聞いた瞬間、ナナは銃を鶴岡に向けようと、叫びながら腕を上げます。

 

しかし、今まで殺してきた能力者達の姿が脳にフラッシュバックし、銃が震えてしまいました。

 

ついには自分の脳に突きつけますが、引き金を引くことはできずに銃を地面に落としてしまいます。

 

震えも止まらず、膝から崩れ落ちるナナに鶴岡は失望しました。

 

「もしおれに向けて引き金を引けばその闘志を見込んでまだ生かしてやろうと思っていたのに、あきらめたか…」

 

鶴岡は右手を挙げ、部下に命令を下します。

 

「殺せ」

 

鶴岡は言い放ち、その場を去ろうと背を向けました。

 

しかし、なぜか背後からは部下のうめき声が聞こえてきます。

 

鶴岡の部下を倒し、ナナのそばに立っていたのは橘ジンでした。

 

「遅くなってすまないね。君に託児所の保育士になれと頼まれてうきうきとエプロンを買いに行っていたんだ」

 

いつものように突然現れたジンにモエは叫びます。

 

ジンは気にせず、しゃがみ込んだナナに手を差し出しました。

 

「立ちたまえ、ナナ」

 

しかしナナはその手をとらず、俯いたままです。

 

……わたしは殺してしまったんです。大勢、無意味に……

 

委員会の顔や、鶴岡の顔がナナの脳内を巡ります。馬鹿みたいに利用されて、と自嘲しました。

 

「ミチルちゃんや中島さん、コハル…みんな、みんな……」

 

ナナの言葉を聞き、ジンは指をパチンと鳴らして強風を起こしました。

 

「みんなではない」

 

突然の強風に鶴岡もモエも思わず手で庇い、ジンから目を離します。

 

その隙にジンはある姿に変身しました。

 

前に説明したように私は生きている者にしか変身できない

 

顔を上げたナナの目に、ありえないものが写りました。

 

「僕らは友達だろう?」

 

「なかじま…さん?」

 

先ほどまでの橘ジンの姿はなく、そこにいるのは中島ナナオでした。

 

ナナオの能力は『能力の無効化』でした。

 

そのせいか、今まではできなかったナナオの姿への変身が、ここ最近になってできるようになったと言います。

 

能力が成長したのか、制限がついたのか。いずれにせよ、ジンがナナオの姿に変身できるというのは、ナナオが生きている証拠でした。

 

ナナオの姿のジンは、しゃがみ込んだナナの肩に手を置きます。

 

「すべてをあきらめる前に彼に謝りたいことがあるんじゃないかね?」

 

ナナオの姿とジンの言葉に、ナナの瞳が潤みました。

 

ナナとジンのやりとりを見ていた鶴岡は眉をひそめます。

 

「それで?」

 

誰も見ていない状態でなければ変身できないジンに、もう目を離すことはないと低く言う鶴岡。

 

しかし取っ組み合いの最中に目を離せば形成は逆転すると強気のまま言い放つジンに、鶴岡は聞きました。

 

「まだおれの麾下(きか)にはいるつもりはないか?」

 

「ナナと一緒に考える時間をもらえないかね?」

 

見下ろしてくる鶴岡に、ナナも強く睨み返しました。

 

「おれはお前の人生を弄んだ」

 

そしてこれからも弄び続けると言い残し、鶴岡は去って行きました。

 

鶴岡に置いていかれたモエは、愛想笑いをしながらナナ達に近づいてきます。

 

「いやあ、まいったまいったですね!」

 

完全に空回りしてるモエを無視して、ジンはナナに話しかけます。

 

「とりあえずご飯でも食べに行かないか?」

 

「コハルと…拳銃を処理しなければなりません」

 

ナナは静かにコハルの亡骸を見つめました。

 

ジンとモエに手伝いを頼みます。

 

ナナはコハルの亡骸の傍にしゃがみ込み、コハルとヒヨリに手を合わせました。

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48話:無能力PART2

「ナナ、そろそろ起きたまえ」

 

ナナオを突き落とした時の夢を見ていたナナは、ジンにゆすり起こされます。

 

あれからジンの別荘だという倉庫に移動したのでした。

 

「コハルの遺体は?」

 

そう聞くナナに、ジンは骨壷を並べます。

 

「二人分の骨壷とはね」

 

静かに骨壷を見つめるナナに、壁の陰からひょこりと姿を現したモエが明るく話しかけました。

 

「しぇんぱいが寝ている間にモエがデパートで壷を買ってきたです!」

 

自慢げなモエの話しを聞きながら、ナナは骨壷にゆっくりと触れます。

 

「鶴岡にあんな話を聞かされたのにすっきりした顔をしているじゃないか」

 

「……先輩が救いをくれましたから」

 

そう言うナナに、ジンは語ります。

 

佐々木ユウカや葉多平ツネキチなど、ナナが殺してきたのはなんらかの報いを受けるべき人間でした。そんな中で生き残っていたのは善人の中島ナナオ。

 

ジンは神を信じたくなると冗談混じりで言いました。

 

今はどこで何をしているのだろうかと呟くナナに、ジンは会いたいのかと確認します。

 

「会いたいです」

 

ナナオが生きていることを目で見て、これから幸せに暮らせるように自分なりにできることをしたいと語るナナ。

 

「許してはもらえないでしょうが…」

 

「なるほど。それがこれから君がやることが」

 

ナナは昨夜の鶴岡を見て、戦うべき相手と守るべき人たちが明確になったと言います。

 

真剣に話すナナ達に、モエはそそくさと退出しようとしました。

 

「じゃ、じゃあモエはこの辺で…」

 

しかし、ジンが指をパチンと鳴らすとモエがいきなり勢いよく転びました。

 

「先輩?」

 

「ナナのファンとしては裏切り者は見過ごせないのでね」

 

モエが鶴岡に告げ口したからコハルは死ぬことになったとジンは言いました。

 

ナナは顔を険しくしてモエを見つめます。

 

「ちょっとモエはっ!

 

きっちり仕事すればお婆ちゃんに会わせてくれるって言われたです!」

 

怯えるモエを見て、ジンは足手まといは処分するべきだと囁きます。

 

「モエちゃんはどうしてわたしたちについてきたんですか?」

 

祖母のことを考えるなら鶴岡のそばにいるべきでした。

 

モエは恐怖のあまり泣きながら答えます。

 

「しぇんぱいがコハルっちの遺体を処理するの手伝ってって言うから、なんとなくうぅ……!」

 

「なにも考えてないんですね」

 

その言葉でいっそうぼろぼろと涙をこぼすモエに、ナナは手を差し伸べました。

 

「わたしもそうでしたよ」

 

両親を殺したのは人類の敵で、殺人は正義だという鶴岡にしたがっているのが楽だったと語るナナに、モエは戸惑います。

 

それでいいのかと聞くジンに、無意味な殺人を繰り返してきたからこそ、これ以上繋がりを切りたくないと言うナナ。

 

モエのことを仲間だと思っていると言い切りました。

 

「しぇんぱいはやっぱり、モエの友達です!」

 

泣きながらナナの手をとるモエに、ナナは微妙な顔をしながら友達ではないと否定します。

 

ジンはその様子を見て微笑みました。

 

「本当にモエくんを殺そうとしたらどうしようかと思ったよ」

 

「あまり悪趣味に人を試さないでもらえますか」

 

文句を言うナナにジンは、ナナオがナナを刺そうとしたら身代わりに刺されてあげるといって笑います。

 

ナナはナナオの生存という事実に、少しの希望を取り戻していました。

 

その頃、重力の能力者である大地ヒカルは街の中で女の子を浮かせ、遊んであげていました。

 

「どうだい?楽しいだろう?」

 

「お兄ちゃんすごーい!」

 

楽しげにはしゃぐ女の子と話しながら、ヒカルは悩んでいました。

 

島でおとなしくしていたかったのに、なぜ島から出されたのか。

 

なぜ買い物帰りに女の子を見つけてしまったのか。

 

なぜその女の子が、子供の頃に浮かせてしまった死体の女の子に似ていたのか。

 

女の子を浮かせながらそこまで考えて、ナナのせいだと思い始めました。

 

自分の中の鬼はナナが目覚めさせたのだと考えたところで、能力が暴発してしまいます。

 

おろして、と言う女の子をさらに高く飛ばします。

 

「全部ナナが悪いんだっ!」

 

叫んだ瞬間、何者かに背後から頭を鷲掴みにされました。

 

その途端、重力の能力は解除され、女の子は地面に落とされます。

 

月が出ているうちは能力が使えなくなることはないのに、なぜだと考えるヒカル。

 

背後の人物から声がかけられました。

 

「ヒカルくんだっけ?」

 

その声に、ヒカルは思わず振り返ります。

 

「キ、キミはっ!?」

 

一方、鶴岡は以前も密会していた政治家と話していました。

 

「あの娘はどうかね?柊とかいったかな」

 

まだ騙され続けているのかと聞かれ、鶴岡は全てをばらしたと正直に話しました。

 

「柊は能力者どもの内紛を煽るための火種だったのだろう?」

 

“委員会“や自分たちへの叛意を煽ってどうするのかと問う政治家に、鶴岡は顔色一つ変えずに答えます。

 

「柊に弄ばれ心身ともに傷ついた少年を拾いましてな」

 

ナナを生かしているのは少年をコントロールするのに有益だからだと言い切る鶴岡に政治家はニヤリと笑いました。

 

「なにやら復讐劇が始まりそうだね」

 

街の公園で、ヒカルは背後から迫ってきた人物の正体に驚いています。

 

「い、生きてたんだね」

 

しかしその人物はヒカルを投げ飛ばして言います。

 

「ナナちゃんがなんだって?」

 

知っていることを全部話せと言うその少年に、倒れ込んだヒカルは手をかざし、能力を使って反撃しようとします。しかし、その人物に能力は使えませんでした。

 

「みんなの前で見せただろう?忘れたのかい?僕の前ではお前らは無能なんだよ!」

 

ヒカルに接触してきたその少年は、中島ナナオでした。

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49話:”人類の敵“ PART1

「けっきょく、ヒカルくんはナナちゃんに許してもらったわけじゃないか」

 

「……で、でも納得いかないよ」

 

きっと今までの殺人もナナがしていたんだと言うヒカルに、ナナオは突然声を出して笑い出しました。

 

「ああ…ごめん。僕には容赦なかったのにひどいなあってね」

 

「中島くんもナナに襲われたの?」

 

それなら一緒にナナを倒そうと言うヒカルを見て、ナナオはボソッとつぶやきました。

 

「僕は君らを皆殺しにするつもりなんだ」

 

「え?今なんて?」

 

ナナオは息巻くヒカルに、自分も協力すると言い出します。

 

「明日の朝一番に、君はナナちゃんにやられたことをクラスのみんなの前で告白するんだ」

 

ナナオの言葉にヒカルは動揺します。

 

「そ、そんなことしたら…!」

 

「ナナちゃんの報復が怖い?」

 

そう尋ねてくるナナオに、ヒカルはナナオが言えばいいと訴えます。

 

「キミが一番の被害者だろう?」

 

ナナオは小さく舌打ちをしました。

 

みんなの前に姿を現してあれこれ聞かれるのが嫌だと言います。そして、ナナはクラスのリーダーであり、モグオやセイヤからの信用を得ています。

 

自分が出ると話がこじれると主張しました。

 

それなら自分なんかなおさらだと叫ぶヒカルの肩に手を置き、ナナオは一言だけ言葉を発します。
 

「やるんだ」

 

ナナオはこの数ヶ月で自分の能力の可能性に気がついたのだと言います。

 

人間が人殺しをためらうのは、脳がいけないことだとブレーキをかけるからです。これも人間だけが持つ異能力だと言えます。
そして、ナナオは「それ」を無効化できるのです。

 

「君のナナちゃんへの恐れをなくしてあげよう」

 

ナナオの目をじっと見つめ続けたヒカルは段々とぼうっとしていきます。

 

「だから、できるね?人間、いい子ちゃんでいるとつらいよね?」

 

「うん……」

 

学校の校門の前には一台の車がとまっています。

 

「なにからなにまでありがとうございます、先輩」

 

「君はこれから能力者たちに真実を明かし守ろうとするのだろう?」

 

ナナとモエを車で送ってくれたジンに、ナナはお礼を言いました。

 

そんなナナに、ジンは五年前に団結しようとしてもできなかった自分たちを思い返し、期待していると声をかけました。

 

ナナとモエはそのまま車で去っていくジンを見届けます。

 

「しぇんぱい、もうモエは120%しぇんぱいの味方です!なんでも言ってください!」

 

やる気満々のモエに、ナナは友達を増やしておくように指示を出します。

 

一方ナナはコハル達の骨壷を抱えながら、今日は休むとつぶやきました。

 

翌日、ナナはある決意を固めていました。

 

軍が能力者を殺そうとしており、ナナはその手先であったことをクラスメイトのみんなに打ち明けようと決めたのです。

 

そのうえで避難を促そうと考えます。

 

悩みながら廊下を歩くナナに、キョウヤが話しかけました。

 

「よう柊、コハルがいなくなったぞ」

 

やっぱりナナに関わると失踪する運命にあるのかと話すキョウヤにも、ナナはなにも答えませんでした。

 

「どうした?また“人類の敵”のしわざか?」

 

いつものように問いかけるキョウヤに、ナナははっきりと言いました。

 

「“人類の敵”なんていません」

 

いつもとは違うナナの様子に、キョウヤは目を見開きました。

 

ホールにはクラスのみんなが集まっていました。なかには居なくなったコハルを噂している生徒もいます。

 

そこでナナは声を張り上げました。

 

「みなさんに大事なお話があります」

 

ざわめく生徒を前に、ナナは今ならまだ間に合うのだと、全てを打ち明けるため口を開きかけます。

 

しかしそこで、ヒカルが叫び始めました。

 

「ナナは殺人鬼だ!」

 

島で殺されかけたと叫び、主張し始めるヒカル。

 

暴れて手がつけられないヒカルをモグオが押さえつけます。

 

「興味深い話だが、なぜ今になってそんな告発を?」

 

キョウヤの問いかけに一瞬ひるんだヒカルでしたが、すぐに勢いを取り戻します。

 

「許せないからだ!僕は反省してたのに!僕をいじめたからだ!」

 

ナナが言うことは全部嘘だと暴れ始めるヒカルを前に、ナナは考えます。

 

このまま打ち明けてもナナの殺人だけが取り上げられ、みんなの命が軍に狙われている事実が伝わらないかもしれません。

 

ナナは全てを打ち明けるのはとりあえず延期にすることにしました。

 

「ヒカルさん、ひとまず二人で話をしませんか?」

 

「ああいいとも、おまえなんか怖くない」

 

そう言うヒカルにナナはホールを出るよう誘導しようとしますが、ヒカルはそれを止めます。

 

月が出ている時間、つまり能力が使える時間に話すと言うのです。

 

「21時、僕の部屋に来い。思い知らせてやる!」

 

そう言い捨てホールを出て行くヒカルに、なぜいきなり、あんなに変わったのか疑問に思いました。

 

キョウヤもため息をつきながら、ヒカルと何があったか説明してくれと言いました。

 

しかしナナは説明は後日にすると断ります。

 

「そうか、じゃあ一つだけ言わせてもらうぞ」

 

昨夜のうちにコハルがいなくなりました。

 

今までも何度もこんなことが起こりましたが、ナナはそれを全て“人類の敵”の仕業とし、ご冥福を祈るだけです。

 

「一度でも誰かを守ったことがあるのか、リーダー?」

 

キョウヤの的確な指摘に、ナナは何も言い返せず拳を握り締めました。

 

夜、ナナはヒカルの部屋に向かいます。

 

キョウヤの言っていることは正しく、信じてもらうためにはみんなの信用を積み重ねていかねばなりません。

 

そして、ヒカルの部屋の前の廊下には監視カメラが付けられていました。

 

この監視カメラはホールにもつけられており、真実を話すにしてももっと慎重にならねばならないと考え直します。

 

ヒカルの部屋についたナナはドアをノックして声をかけます。なんとか和解をしたいと考えるナナはゆっくりとドアを開けました。

 

しかしそこには、棚や机を重力で浮かすヒカルの姿があります。

 

「…島でも見た光景ですね。ヒカルさん、警戒しないでください」

 

重力に警戒しながらも、お邪魔してもいいかと尋ねるナナ。

 

しかし、その瞬間背後から鈍器で殴られ、ドアの前で倒れ込んでしまいます。

 

意識を失う前、ナナが視界の端でとらえたのは少し髪の長い少年の姿でした。

 

「しぇんぱいっ!しぇんぱいっ!」

 

「え……」

 

ナナはモエの呼びかけに目を覚ましました。起きあがろうとすると後頭部に痛みが走ります。

 

「どうして…ヒカルさんは…?」

 

問うナナに、モエとともにナナの隣にしゃがみ込んでいるキョウヤが答えます。

 

「死んでるよ」

 

今ナナが持っているような鈍器で頭を殴られて、と付け加えました。

 

その言葉にナナは自分の右手を確かめると、なぜか鉄アレイが握られているのです。

 

「柊、今回ばかりは動機もありそうだな」

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50話:“人類の敵” PART2

ナナが頭の治療を受けている間に、空野フウコやモグオたちがヒカルの部屋に集まってきました。

 

キョウヤに促され、みんなの前でナナはいきさつを話し始めます。

 

重力の結界のせいで入れず入り口で立ち往生しており、そこで背後から何者かに殴られたというナナにキョウヤが尋ねます。

 

「柊はヒカルとなにがあったんだ?」

 

「それは…」

 

言いかけたナナを遮ってモエが話し始めます。

 

「島にいたときモエがヒカルくんとケンカしたです!しぇんぱいはその仲裁に入ってくれたです!」

 

ヒカルはそれを逆恨みしたのだと主張するモエ。

 

キョウヤはモエの話を聞き、過去のいきさつから口論になりヒカルに頭を殴られたナナが逆上し、ヒカルを殺してしまったのだとまとめます。

 

ナナを犯人だと決めつけるキョウヤにモエが胸ぐらを掴んで怒りますが、キョウヤはそれを受け流します。

 

ナナは重力で守られていたヒカルの室内に、自分がどうやって入るのかと反論しました。

 

キョウヤは、過去にヒカルとやり合ったなら能力の弱点を知っていたのだろうと返しました。

 

「弱点は月です!」

 

モエは勢いよくキョウヤの言葉に割り込みました。ヒカルは月が出ている間しか能力が使えない、昨夜はずっと月が出ていたと主張するモエに、フウコは昨夜の月の出入りを調べました。

 

昨日の月の出は18時4分、月の入りは今日の7時27分です。

 

今は8時。キョウヤとモエが部屋に来たのは15分前です。キョウヤは、月が入った7時半頃から自分たちが来る7時45分までの15分間でヒカルを殺し、自分も殴られたふりをしたのではないかと言い出します。

 

「どうあってもわたしを犯人にしたいんですね」

 

しかしそこでフウコが割って入りました。

 

ヒカルがつい先程殺されたにしては遺体が冷え切っていたのです。

 

「おお、気づいたかさすが俺の友達」

 

呑気にそう言うキョウヤにモエが再度怒りました。

 

しかしキョウヤは能力者の弱点が一つとは限らず、なんらかの方法で重力を攻略したのだとして、ナナを疑うのをやめません。

 

ナナは自分が部屋にやってきた時刻は監視カメラで確認すれば分かると主張します。

 

「かけあってみるさ。しばらく、お前さんの自由はないと思ってくれ」

 

ナナはフウコと正座で向かい合い、監視されることになりました。

 

無言の中、ナナは考えます。

 

重力に守られた部屋では入ることすらできません。ナナを殴った人はヒカルと共謀してナナを罠にかけていたのではないか。その人がナナを殴った後、そのまま重力を解除させ、ヒカルを殺したのだと考えるのが妥当です。

 

そうなると、ヒカルと親しい人物となります。

 

そこまで考えた時に、モエが部屋に入ってきました。

 

「しぇんぱい!言われた通りヒカルくんの遺体をじっくり見てきたです」

 

ヒカルの遺体には犯人ともみあいになった痕が見られたようです。

 

ヒカルは自分が触れた相手にも重力を使うことができます。

 

なぜもみあいになった時に能力を使わなかったのか、ナナの中で疑問が生まれます。

 

「次はなにをすればいいですか?」

 

やる気に溢れるモエに、ナナは重力密室を破れる能力者やアリバイのない人物を探してきてくれと頼みます。

 

「キョウヤさんとも協力してください」

 

「え?キョウヤくんはしぇんぱいのこと疑ってるですよ」

 

ナナはその言葉に「勘ですが」と前置きをしてから口を開きました。

 

「彼はおそらくわたし以外の犯人も捜してくれていると思います」

 

一方キョウヤは監視カメラの映像を確認していました。

 

「ヒカルの部屋はちょうどカメラの死角に当たるようだな」

 

一緒にカメラを確認しているモエは、ナナが誰かに殴られているところが映らないともどかしげにしています。

 

しかしキョウヤは何者かに殴られたという話は嘘なんだろうとバッサリ切り捨てました。

 

「昨夜21時ごろから柊のほかにヒカルの部屋に近づいた者はいない」

 

窓から入ったかもしれないと言うモエにも、ここは5階だし重力の結界の中には入れないとすぐに反論しました。

 

「重力の話は信じるんですね?」

 

詰め寄るモエにキョウヤは淡々と答えました。

 

真犯人がいると主張したいなら誰でも入ることができたと言ったほうが容疑者も増えて得だと言います。

 

「まあ、俺がそう考えるとまで踏んでいるのも柊なわけで…」

 

キョウヤは監視カメラに目を戻しながら話します。

 

「まったく手がかかる娘さんだ」

 

キョウヤとナナの不思議な信頼に、モエの頭には二人の関係がよくわからないとハテナマークが浮かびました。

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51話:“人類の敵” PART3

捜査の進度を話すモエに、ナナは再度指示を出します。

 

「ヒカルさんの下の階に住んでいる人に話を聞いてください」

 

室内に浮いていたものが落ちる音で、ヒカルが能力を使えなくなった時間が割り出せるかもと言います。

 

その時、ドアをノックする音が部屋に響きました。

 

「入っていいかな?」

 

「あっ、サチコっちとキヨミっち」

 

部屋に入ってきた二人の女生徒に、モエが親しげに手を振ります。

 

「どうしたですか?」

 

「ヒカルくんの件調べてるんでしょ?なにか手伝えないかなって」

 

サチコとキヨミはヒカルと入学時期が被っており、かなり親しかったようです。

 

しかしどうやらキヨミはそれだけではないようで、顔を赤らめました。

 

「私は…柊さんのこと好きです」

 

「はい…?」

 

キヨミの突然の発言にナナが不思議そうにします。

 

いわく、ミチルがいなくなっても頑張るナナをこっそり尊敬していたようです。

 

「この二人は信用できるですよ」

 

二人は昨晩、モエとずっと一緒だったのです。キヨミに誘われ20時からご飯を食べ、朝までトランプを楽しんでいたのでした。

 

「お二人の能力は確か…」

 

「あたしは瞬間移動だよ」

 

ナナがいいかけると、サチコは突然ドアの前からナナの隣まで瞬間移動してみせました。

 

同じく瞬間移動の能力者であった高梨カオリとは違い、写真などで場所がイメージできていれば長距離でも飛べるようです。

 

一方キヨミは能力を見せるのを恥ずかしそうにしています。しかしサチコに促され、キヨミは渋々と部屋に置いてあったコケシ人形を手に取りました。

 

キヨミは口から糸を吐き出し、コケシに吐きかけました。

 

「クモみたいだな」

 

「これで犯人をがんじがらめに縛れるです」

 

キョウヤやモエの言葉にもキヨミは恥じらい、糸を解除しました。

 

「口から吐き出すなんてはしたない感じがして嫌いなんです」

 

能力が解除されて糸が消えたコケシをキョウヤが手に取ると、キョウヤの手のひらにコケシが張り付き離れなくなってしまいます。しばらくは粘着性が続くようです。

 

「まあよかろう」

 

コケシがついたままの手にもキョウヤの反応は薄く、からかうつもりだったモエは残念そうにしていました。

 

キョウヤ達はそのままヒカルの下の部屋の住人であるセイヤを訪ねます。

 

セイヤの証言では重力が解けて物が落下したのはおよそ深夜2時でした。

 

キョウヤ、サチコ、キヨミ、モエの4人は食堂で休憩がてら話し合いを進めます。

 

「問題はどうやって重力がかかってる部屋に入ってヒカルくんを殺したのか、だよね?」

 

サチコの言葉に、それができそうな能力者をそれぞれ考えていきます。

 

「もしかしてサチコっちじゃないですよね?」

 

「は!?」

 

モエの突然の推理にサチコは驚愕します。

 

ヒカルと仲のいいサチコは「今から行く」とメッセージをとばして重力を解除してもらい、モエ達に気づかれたいようトイレに行くふりをして瞬間移動でヒカルを殴り殺し、戻ってくる。

 

それなら可能だと言うモエの推理をキョウヤはすぐに否定します。

 

「坊主は携帯をもっていなかったし遺体には犯人ともみあったような痕跡があった」

 

トイレから出てきたサチコからは乱闘した直後のような気配は感じられませんでした。

 

胡乱げに見つめてくる三人に、モエはヘラリと笑いました。

 

「言ってみただけですっ」

 

「いい性格してるよー、もー」

 

一気に溶けた緊張感に、とりあえず重力密室を破れそうな能力者をあたると言う方向性に決まりました。

 

数時間後、ナナとフウコのいる部屋に再度みんなで集まりました。

 

しかし密室が破れる能力者も深夜2時のアリバイが確かな人も特には見つかりません。

 

みんなの話を聞きながら、ナナは心当たりを考えていました。

 

思い浮かべるのは、気絶する前に見た少年の姿と重力を無効化できる能力。

 

しかし、そこまで考えたところでモエの暗殺用の武器であるワイヤーがポケットから落ち、みんなに見つかってしまいます。

 

「服の中に妙なものを隠し持っているな?」

 

「そ、それはモエの武器ですよ。それで“人類の敵”の首を締め上げるですよ」

 

必死に言い訳をするモエを見てキョウヤはモエにもヒカルを殺す動機があることに気がつきます。

 

その瞬間、キョウヤとナナが同時にひらめき、声を上げました。

 

二人は顔を見合わせます。

 

「犯人がわかった」

 

「わたしもです」

 

突然の言葉にフウコやモエ達は驚きます。

 

ナナはキョウヤと何かを相談した後、スッと立ち上がりました。

 

「わかりました。よくも裏切ってくれましたね」

 

そう言いながらナナは人差し指でビシッと指を突きつけました。

 

「犯人はあなたです、モエちゃん」

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52話:“人類の敵”PART4

「モエが犯人!?どうして…!?」

 

指をさされた本人であるモエが一番驚いていました。

 

そんなモエを気にせず、ナナはモエの落としたワイヤーを手に取ります。

 

「みなさん、ついてきてください」

 

移動した先はヒカルの部屋でした。

 

「しぇんぱい、モエは…」

 

「あなたはこれを使って室内をさも重力で満たされているように見せかけたんです」

 

みんなにワイヤーを見せつけ、実際にやってみせると言います。

 

「…と思ったんですが、正座続きで足が……」

 

しびれた足でよろけたナナは、キヨミにクモの糸のような能力を使って再現してみて欲しいと頼みます。

 

頼まれたキヨミは、浮かせるものと天井に糸を貼り付けて室内の物を次々と浮かせていきました。暗い中では重力で物が浮いているように見えます。

 

サチコはモエがワイヤーを使って家具を持ち上げていたのかと納得します。

 

しかし、そのままキヨミが次の家具に糸をつけ、天井を見定めた瞬間、ナナが声を上げました。

 

「そこまでです!」

 

驚いたキヨミはびくりと止まります。

 

「もういいんですか?」

 

キヨミの質問にナナは肯定しました。

 

「証拠をすべて消されるわけにはいきませんから」

 

「え?」

 

戸惑うキヨミに、ナナはさらに言い募りました。

 

「どうして昨晩の再現がキヨミさんにできるんですか?」

 

机や戸棚、テレビの位置はほぼ完全に再現されていました。

 

ナナの言葉にサチコは勢いよく反論しました。

 

「キヨミがそんな仕掛けをしたっていうの?だったらなんで昨晩の状況を再現なんかしちゃうわけ?」

 

自分から犯人だって言うようなものだと主張するサチコに、ナナは冷静に返しました。

 

「証拠を消すことができるからです」

 

キヨミの能力は糸を解除したあともその粘着性は残ります。キョウヤがコケシを手放せなかったように。

 

ナナはキヨミが次に狙いをつけていたあたりの天井を見上げます。

 

フウコに肩車をしてもらい、ハンカチでその天井に触れると、ハンカチはぴたりと天井にくっつきました。

 

昨夜、天井に糸がついていたことの動かぬ証拠となります。

 

「モエは犯人じゃないですね?」

 

ナナはうなずきます。モエが犯人だと言ったのは糸の粘着性を確かめるためでした。犯人が実際に再演するのが手っ取り早かったのだと語ります。

 

「つまりお役に立てたってことですね!?」

 

「驚かせてごめんなさい」

 

キラキラと目を輝かせるモエにナナは申し訳なさそうに謝ります。

 

「でもキヨミっちはどうしてこんなことをしたです?」

 

ナナは物が浮いている部屋を見てヒカルが重力を使っているのだと勘違いしました。つまり、重力の密室なんてはじめからなかったのです。

 

「ヒカルさんはわたしが部屋にうかがったときにはすでに殺された後だったのですから」

 

だから昨夜21時から朝までのアリバイなんて無意味だとナナは言い切りました。

 

「思った通りだ」

 

そこでキョウヤが遅れて部屋に入ってきました。監視カメラを確認してきたのです。

 

「昨日の夕方4時ごろ、キヨミが一人でヒカルの部屋の前の廊下を歩く姿が映像に残っていた」

 

夕方4時ならまだ月は出ていない時間帯であり、ヒカルは能力で身を守ることができません。

 

「…というわけでキヨミさん。まだ否定なさるならそのカーディガンを脱いでもらえますか?」

 

犯人なら抵抗したヒカルの爪痕などの傷が残っているはずです。

 

キヨミはしばらく黙り、やがて崩れ落ちました。

 

「すみません、でした…」

 

ナナ達の推理通り、昨日の夕方にヒカルを殺し、糸とサチコ達を使ってアリバイを作ったのです。

 

捜査をしていたキョウヤ達に近づいてきたのも、捜査の状況が知りたくなったからでした。

 

「気になるのは…動機です」

 

ナナに指摘されたキヨミはうなだれながらも、わからないと答えました。

 

「なにを言うですか!?しぇんぱいのこと好きだと言っておいてこのぉー!」

 

「ほ、本当なんです」

 

ナナに憧れていたキヨミは、昨日の朝のヒカルの糾弾がなんだか許せなくなったのです。

 

「柊さんはミチルちゃんを失ってもがんばってるのに、ひどいなって」

 

そんな理由で殺したのかと聞くキョウヤに、またもわからないと答えるキヨミ。

 

「ただ…昨日の日中ある人に会ったんです」

 

今思うと夢だったのかも、と言ってからキヨミは語ります。

 

会ったその人に言われたのは、ただの一言でした。

 

『いい子ちゃんでいるとつらいよね』

 

それからタガが外れてしまい、ヒカルを殺さなければいけない、殺してもいいのだと思ってしまったと言います。

 

「ご、ごめんなさい…私、なんてことを…」

 

サチコはキヨミの話を聞き、あることを思いつきました。

 

「ねえ、これってナナちゃんがよく言ってたあれじゃない?“人類の敵”に操られてたっていう…」

 

ナナは困惑が隠せません。“人類の敵”に操られるというのはナナの妄言に過ぎないはずです。

 

「こうなると柊を殴ったヤツの正体がつかめん」

 

キョウヤの言葉にナナはハッとしました。

 

21時ごろ、キヨミはモエ達と一緒にいたためナナを殴れるはずはありません。

 

「…何者かはわたしに罪をきせるべくキヨミさんと足並みを合わせていた印象を受けます」

 

「殺人を教唆したヤツがいるということか」

 

モエは泣いているキヨミを慰め、『ある人』が誰なのかを尋ねました。

 

キヨミは泣きながらも話します。 

 

「中島ナナオくん、でした…」 

 

印象も変わってたし、自分でも信じられないと言います。

 

「中島は島で行方知れずになったんじゃないのか?なあ柊……?」

 

ナナは呆然として、キョウヤの問いには答えられませんでした。

 

鶴岡は書類を確認していた手を休め、誰もいないソファに向かって話しかけます。

 

「いるのはわかっているぞ」

 

誰も座っていないように見えるソファからはしかし、返答がありました。

 

「なぜわかった?」

 

人間の認知や識別能力を『無力化』して姿を消しているように見せているのを自分は理解していると鶴岡は言います。

 

「ならば」

 

鶴岡は携帯を取り出し、カメラ機能でソファのあたりを写しました。

 

「人の目を通さないまでだ」

 

レンズ越しに姿を見せたのは、中島ナナオでした。

 

「あんた、やっぱりすごいね」

 

順調かと聞く鶴岡に、ナナオは挨拶は済ませたと言います。

 

「今の貴様はただ能力者の能力を無効化するだけの男ではない」

 

人を操り、姿を消すことさえもできる。

 

鶴岡の言葉に、ナナオは口の端を釣り上げて静かに笑いました。

 

「まさしく、“人類の敵”さ」

 

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