2023年に完結を迎えた「血の轍」
今回はその血の轍の主人公静一（せいいち）のいとこにあたる、しげるについての考察記事になります。
しげるは何故あの日、静一のもとに来たのでしょうか？
何故静一に殺されてしまった？
本記事は最終話までの完全ネタバレ記事となっております。
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【考察】長部静一（おさべせいいち）の従兄弟しげるってどんな子？母親は？性格は？
毎週静一の家に来るしげる母子。しげるはどう思ってた？
血の轍の主人公・静一には同い年の従兄弟にしげるという男の子が居ました。
しげるは、静一の父親の姉の子供です。
そんなしげる親子は毎週末のように静一の家に遊びにきておりました。
静一も毎週くる従兄弟に疑問を持たず、クラスメートの誘いも断り毎週しげると遊ぶのでした。
しかし、静子だけは毎週くるしげる親子の事を疎ましく思っておりました。
しげるは毎週母親に連れられて静一の家に来ることはどう思っていたのでしょうか？
静一と比べて活発で思ったことをはっきり言うしげるは、嫌だと思ったらはっきり拒絶する人間です。
母親について静一の家に行く事には特に疑問を持っていないようでした。
そして毎週静一と家でテレビゲームをして遊ぶのでした。
しげるの母親は過保護？どんな人なのか
しげるの母親はどのような人なのでしょうか？
静一の母親の静子はしげるの母親を苦手としており、毎週遊びにくるしげる親子に嫌気がさしておりました。
しかし静子はそのような態度はしげる親子にも静一にも一切みせておりません。
しげるの母親は少しおせっかいなところがあり、静子の事を影で過保護と笑ってたりしてますが、しげるにはごくごく普通の母親でした。
またしげるの母親が毎週静一の家に来るのは、結婚当初から様子の少しおかしい静子が気になり毎週やってきてたのでした。
おせっかいで思ったことを口に出すようなデリカシーの無さがあるしげるの母親ですが、一人息子のしげるを大切に思い、親戚の静一の事も気に掛けるただただ気のいいおばさんだったのです。
しげるはなぜ静一の元に来た？あの手紙は遺書だったのか？
登山中、静子に突き落とされてベットで寝たきりに生活になっていたしげる。
しかし徐々に回復していき、言葉はおぼつかないながらも少しづつ自分の体が動くようになったしげる。
そんなしげるはある日静一のもとに訪れたのでした。
その目的は？しげるの残した手紙の意味は？
静子逮捕後に突如現れたしげる。目的は何？
登山中に突き落とされたしげるは意識も混濁しており、自分が誰に突き落とされたか思い出せなかったです。
しかし静子と久々に対面し静子に突き落とされたことを思い出したしげるは静子をわかりやすく拒絶します。
その様子を不信に思ったしげるの母は静子がしげるを落としたのではと疑い始めました。
そしてしげるからハッキリと自分を突き落としたのは静子だときいたしげるの母親と父親は静一の家に乗り込んできます。
静子は慌てもせずに警察に行く事を自ら提案して、逮捕されていくのでした。
そしてその後、体に麻痺の残るしげるは静一の家に早朝にやってきます。
二人で山に登ろうと静一にもちかけ、町にある小高い丘の公園に行きます。
しげるは何故早朝に静一の家にやってきたのでしょうか？
突如真夜中に現れた従兄弟のしげる。不可解な行動と言動に、静一の心が乱れ始める…そして⁉️
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しげるが両親に残した手紙の真実は？遺書だったのか？
しげるは静一のもとに行く前に両親に手紙を残しておりました。
それはこんな内容でした
『父さん
母さんへ
静ちゃんのところへいってきます。
ごめんなさい。どうしても行きたいんです。
母さんがだめって言っても。
ふたりで 山に 登ってくるね。
こんなふうになってしまって ごめんなさい。
せわして かんびょうしてくれて ありがとう。
しげるより』
遺書のようにも見えるしげるの手紙ですが、いったいことは何だったのでしょうか？
どうしても静一と二人で山に行きたい。とはしげるは静子に突き落とされたあの日を再現したかったのではないでしょうか？
何故自分が突き落とされたのか？どうして自分だけこんな風になってしまったのか？
しげるはそれが知りたくて静一の元に行ったのではないかと考察します。
遺書のようにも思われるこの手紙には直接死ぬというような表現もされておらず、この段階ではしげるには死を選択してなったように思います。
しげる死亡の真実。静一はしげるをなぜ殺した？
静子に落とされ、静一に殺されてしまったしげる
体に麻痺が残る状態で、両親に手紙を残して静一の元へ向かったしげる。
しかししげるは、静一に丘から突き落とされて死んでしまいます。
その丘は静一が3歳の頃に静子から突き落とされた丘でした。
3歳の静一は生き残り、なぜしげるは死んでしまったのでしょうか？
それは麻痺の残る体でうまく受け身が取れず、また雪の降る日だったのでしげるの体はどんどん冷えてしまい生き残ることが出来なかったのです。
また早朝ということもありしげるの発見が遅れたのも原因の一つでした。
静一が本当に殺したかったのは誰？
そもそも、なぜ静一はしげるを殺したのでしょうか？
静一はしげるに恨みでも持っていたのでしょうか？
それは静一の精神状態のせいでした。
しげると静一が登っていた小高い丘は昔静一が静子から突き落とされた場所です。
しげるとその丘に登るうちに昔の記憶がよみがえっていき、過去と現在なのか現実なのか夢なのか判断つかなくなった静一は、しげるが3歳の頃も自分に見えてきました。
3歳の頃の静一の存在は大好きなママの静子を追い詰めた存在。
そんな自分なんかあの時に死んでいればよかったんだ、今度こそちゃんと殺してあげようと思った静一にしげるは突き落とされてしまうのでした。
なぜ、あなたは、僕という存在を殺そうとしたのか？その核心に、触れる。
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【最終章ネタバレ】しげるの幻影は消えた？
しげるを殺してしまった罪のより鑑別所送りになってしまった静一。
しげるを殺してからというもの静一にはしげるの幻影が付きまとう事になります。
しげる死亡後、しげるの幻影に悩まされる静一
しげるを殺してしまい鑑別所に入ってしまった静一、出所後静一はあまり人と関わらない生き方をしていました。
工場で仕事をしたあとまっすぐ家に帰り安酒を毎晩あおるような静一には、親しい友人もたわいもない会話をする会社の人など一人も居ません。
そんな一人ぼっちの静一にはたまにしげるの幻影が現れるのでした。
しげるの幻影は、昔静一と一緒にテレビゲームなどをして楽しんでいた頃のしげるです。
静一の父親が死んだとき、静一は死ぬ覚悟で居ました。
これまではただ死んだように生きていた静一ですが、死ななかったのは自分を見ている人（父親）がいるから。
そんな父親が死んだことで命を絶とうする静一の前にもしげるの幻影は現れます。
死のうとする静一に早く一緒に遊ぼうよとしげるの幻影は誘ってくるのでした。
何故しげるの幻影は消えた？
しげるを殺したあと、静子と静一の父親は離婚が成立し、その後静一と静子は二度と会うことがありませんでした。
しかし年老いて認知症を患い、身内もいない静子の身元引受人となった静一は、静子という人間を死ぬまでの間、観察していこうと思います。
そんな静子が息をひきを引き取りました。
そして静子が死んでしまった瞬間に静一は言いようもない解放感に襲われます。
ただ静子の亡骸をみながら「死んだ」とつぶやく静一なのでした。
静子が死んでしまったことで過去へ囚われることが少なくなった静一に元からしげるの幻影は自然と消えていったのでした。