アニメ化・実写映画化もされた人気マンガ『キングダム』。
今回は、そんな『キングダム』の主人公・信は死亡するのか?結婚はするのか?についてや将軍へなるまでの活躍についてなどをご紹介します。
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信の初登場は何巻何話?
主人公の信は1巻の第1話から登場します。
幼馴染の漂と「天下の大将軍」を目指して仕合をしている場面から始まり、昌文君に出会って二人の運命は大きく変わっていきます。
キングダムは秦王嬴政と王を支えた武将李信の物語ですので、この二人を軸にストーリーが展開していきます。
序盤のストーリーでは信と漂の別れと、信と嬴政の出会いが描かれています。
後に59巻第642話から、将軍になるためには姓が必要となるため、信は「李信」と名乗ることになりますが、実は1巻第1話の最初のページに「李信将軍」と呼ばれる未来の信の姿も描かれています。
信はどんな人物?強さや魅力を解説!
キングダムの主人公信は「天下の大将軍」を目指して多くの戦いを経験し、下僕から将軍へと成長を遂げていきます。
まずは信の性格や戦いでの強さについて紹介します。
信のプロフィール
信は戦争孤児で城戸村の里典の元で下僕となり、同じく戦争孤児の漂と出会いました。
共に「天下の大将軍」を目指して仕事の合間に苛烈な仕合を行って切磋琢磨していました。
しかし漂が秦王嬴政と瓜二つだったために、偶然出会った昌文君に王宮で士官となるよう言われます。
王宮の王弟反乱のために政の替え玉としての役割を与えられた漂は、王宮からの脱出の際に深い傷を負い、信の元へ戻ってきたところで命を落とします。
信は漂から言われた黒卑村へ行くと漂と瓜二つの政に出会い、王都奪還のために政に協力することになります。
漂を失った信でしたが、新たに政と出会ったことで、天下の大将軍に向けて新たな道を歩み始めます。
信の戦術
漂との千を超える仕合いで培った圧倒的な武力が強みです。
また独自の戦い方や身体能力の高さで相手を翻弄することが出来ます。
さらに羌瘣と出会ってからは、羌瘣とも修練を重ねて蚩尤族の技を学んでいるようです。
頭を使うことは苦手ですが、多くの経験を積むことで本能型としての才能を開花させ、鋭い感覚で戦を勝利へと導くことができる将軍へと成長を遂げました。
また飛信隊では大事な場面で自らが先頭を走ることで隊員たちに背中を見せ、力を与え強くすることができる将軍です。
また一騎打ちに強く、相手が強いほど自分の力も更に引き出される才能も持っています。
信の性格と魅力
子供の頃に憧れた理想の「天下の大将軍」を目指す、真っすぐな飛矢のような性格。
雑なところがあり、女性関係にも疎いタイプですが、飾らない性格で仲間から愛される隊長です。
自分の理想に対しては頑固な姿勢を貫きながら、様々な将軍や仲間のアドバイスを素直に聞き入れる柔軟性も持ち合わせています。
信の結婚はどうなる?羌瘣が最有力?
信の近くには羌瘣と河了貂という二人の女性がいますが、今後誰といつ結婚するのか気になるところですよね。
史実を元に今後の展開を考察してみたいと思います。
信は恋愛に疎い?
信は恋愛に疎く、今は「天下の大将軍」になることしか頭にない様子です。
その真面目さが信の魅力とも言えますが、政や同世代のライバル王賁は既に結婚して子供も生まれていますので、多少は気にしている場面もあります。
蒙恬から王賁の結婚を聞いた時にはかなり動揺していましたよね。
信と羌瘣の関係性は?
現在物語が進む中で、信の結婚相手に最も近いと思われるのは羌瘣ではないでしょうか。
同じ飛信隊で苦楽を共にしてきた羌瘣は、信に想いを寄せているようなシーンがいくつかあります。
まず羌瘣は「信の子を産む」宣言をしています。
34巻第364話で幽連への復讐から帰った羌瘣は信に向かって「お前の子を産む」と言いました。
しかし羌瘣は子作りに関して羌象から嘘を教えられており、真実を知った羌瘣は気まずい思いをしたようです。
ただ信は満更でもない様子を見せていましたので、可能性はあるかもしれません。
次に58巻第630話では秦趙大戦の最中、龐煖に勝利したものの一度死の淵へ行ってしまった信を生き返らせるために禁術を使います。
その際、生と死の間の世界で会った羌象と話をしているシーンで信への想いを語っていました。
羌瘣は羌象に「そんなに命がけで男を好きになることがあるんだね しかもあの瘣が」と言われて、初めて自分の信への気持ちに気付きます。
そして「いつからそんな感じだったの」と問われた羌瘣は、「それは割と 会ってすぐぐらいだったかも」と発言しています。
羌瘣は自分では気づいていませんでしたが、信に恋愛感情を持っているのではないでしょうか。
また、羌瘣は自分の命をかけて死んでしまった信を救っていますので、仲間としての感情以外の好意があることは間違いなさそうです。
史実から考察!信の結婚相手は?
次に史実から信の結婚相手を考察してみたいと思います。
史実では信は結婚しており、李超という子供がいました!
しかし信の結婚相手であり、李超の母は史実では不明とのことでした。
信は史実では名家の出身で秦王にも信頼されていたことから、貴族や王宮の人間と結婚した可能性が高いといわれているようです。
キングダムのストーリーと史実の李信は同じ境遇ではありませんので、今後のストーリーがどうなるかまだ分かりませんね。
羌瘣や河了貂と結婚する可能性もありそうです。
信の最後はどうなる?死亡?史実から考察!
信の最期はいつ、どのような形で訪れるのでしょうか。
史実から考察してみたいと思います。
史実では李信は蒙恬と共に楚へ侵攻し、大敗したと記されています。
しかしその後も逃げ延びたようで、李信は王賁と共に燕へと侵攻し滅ぼします。
その後も李信、蒙恬、王賁で斉を滅ぼし、秦国の始皇帝は中華統一を成し遂げます。
李信の最期に関しては史実には記されていないことから、戦で命をおとした可能性は低く、寿命や病気で命を落としたという説が有力なようです。
キングダムのストーリーはおそらく中華統一で終わりを迎えると予想されますので、李信の最期については描かれないことになりそうですね。
飛信隊の歩みと強さを紹介!
信が隊長を務める飛信隊は王騎将軍から命名された百人隊から始まり、信の成長と共に隊も大きくなりました。
飛信隊について詳しく紹介していきます。
飛信隊の歩み
飛信隊は信が初陣で結成した余りものたちの伍をベースに、百人将となった信が集めた歩兵メンバーが初期の隊員です。
王騎将軍の元で修業を受けた信は、馬陽の戦いで特殊百人隊として王騎将軍から「飛信隊」という名をもらい、趙将馮忌(ふうき)を討つという任務を任され見事に成し遂げました。
その後、郭備(かくび)隊から楚水を中心とする騎馬隊が加入し、麃公の死をきっかけに麃公軍からも岳雷(がくらい)や我呂(がろ)を中心に強靭な騎馬隊が合流します。
また黒羊丘の戦いの後には桓騎軍から那貴(なき)軍が加入。
軍師の河了貂の活躍もあり、元々は歩兵が中心だった飛信隊に強靭な騎馬隊も加わって、どんどん人数を増やしていきました。
また副長の羌瘣も武功を上げていき羌瘣隊もどんどん大きくなり、飛信隊の中に羌瘣隊がプラスされる形となっています。
45巻492話では飛信隊を大きくするために寡兵し、選抜試験を行っています。
そこで新戦力となる身体能力に優れた千人が選ばれ、弓の特殊技能をもった仁淡兄弟も加わりました。
現在将軍となった信の飛信隊は一万人、副長の羌瘣は五千人将で飛信隊に加わっているため、実質一万五千人の大きな組織となっています。
飛信隊の強さ
飛信隊は、蒙恬が率いる楽華隊、王賁が率いる玉鳳隊と並び、秦国の今後を担う存在です。
その中でも飛信隊の組織としての強みを紹介します。
結束力と絆
飛信隊は信を中心とした隊員たちの結束力と絆の強さが一番の強みではないでしょうか。
印象深い場面では、馬陽の戦いで秦軍の野営地に龐煖が突然現れた時、まだ百人隊の飛信隊は必死に戦い、それでも敗北し逃げます。
しかし万極軍に背を追われてしまい、どうしようもなくなった時、みんなが信を守るために囮となって信を逃がし、尾到、尾平兄弟は深手を負いながら必死で信を運んで逃げました。
その時に尾到は傷が原因で命を落としてしまいます。
まだ百人将の信でしたが、隊員たちの命がけの行動に信への思いが表れています。
また黒羊丘の戦いで尾平が一時的に桓騎軍に加入し、戻ってくる場面も印象的でした。
敵国の集落に落ちていた宝石を拾ったことが信に知られてしまった尾平は「飛信隊に戻ってくるな」と言われてしまい一度は城戸村に帰ることを考えますが、そこで飛信隊の魅力を再確認し、戻ってきます。
戻ってきた尾平に信は語りかけます。
凌辱や虐殺の現実を知らなかった子供時代に漂と語り合った時の夢を思い出しながら、
「ガキ二人で胸高鳴らせた誰より強くてかっこいい天下の大将軍に…俺は本気でそういう将軍になりたいと思ってる」
「そして飛信隊もそういう隊でありたいと思ってる」
信の想いを隊員みんなが聞いたことで隊の結束はより強くなりました。
様々な経験を乗り越え、それでも少年のような夢を持ち続ける信の姿が、隊員たちには輝いてみえるのではないしょうか。
歩兵の強靭な力!
百姓を中心とした歩兵隊から始まった飛信隊は、元々身体が丈夫で根性があり、その上に厳しい練兵を重ねていますので、他の隊に比べて歩兵が強いのも特徴です。
63巻第681話では軍師の河了貂が語っています。
反り返った崖を登ることでしか勝機を見いだせない状況の中でした。
「歩兵はまずは身体の強さだ 日々重いものを持ったり運んだりしている百姓の身体は元々強いし 今の歩兵の主力はさらにそこにふるいをかけて過酷な選抜試験を抜けた者ばかりでできている」
「それが練兵と実戦を繰り返してさらに強くなった」
「そして二年前 副歩兵長松左を失い 確実に今の者たちに受け継がれ 彼らはそこからさらに自発的に自分のからだをいじめ抜いて鍛えて 努力に努力を重ねて 揺らがぬ強靭な力を付けたんだ」
歩兵の強靭な力こそが飛信隊の強みといえます。
五千将羌瘣が率いる羌瘣隊
飛信隊の中でも副長羌瘣の存在はかなり大きいですよね。
羌瘣自身も現時点では五千将となっていますので、戦の中では信が率いる部隊とは別に、羌瘣の隊が展開できることで戦術の幅もかなり広がっていると思います。
また、羌礼が加入したことで更に飛び道具的な強さも増しました。
信の将軍への道のりを時系列で紹介!
信が初陣の伍から現在の将軍になるまでの道のりと成長に深く関わった人物を簡単に紹介します。
漂と秦王嬴政
一緒に天下の大将軍を目指していた漂を失った信ですが、新たに秦王嬴政と出会うことで新たな道が開けました。
最初は将軍になる方法も全く分からなかった信ですが、政や昌文君と出会って王都奪還作戦に加わり、その後も戦争を経験することで前に進んでいきました。
信を将軍へと導いた出会いと戦い
王騎将軍との出会いと別れ
初期の信に最も影響を与えた人物といえば王騎将軍ではないでしょうか。
初陣の蛇甘平原の戦いで初めて出会い、「将軍」を教えてくれたのが王騎将軍でした。
その後、百人将となった信は王騎将軍の城へと向かい、稽古をつけて欲しいと頼みますが、王騎将軍は稽古ではなく、僻地の無国籍地帯へ連れて行かれ、争いを平定してみせるよう告げて去ってしまいます。
そこで多くを学んだ信は次に参戦した馬陽の戦いで特殊百人隊として王騎将軍に趙将馮忌を討つという任務を任され見事に成し遂げました。
しかし馬陽の戦いで王騎将軍は命を落としてしまいます。
死の間際、王騎将軍は矛を信に渡し、強者が次の強者に討たれ時代が続いていく、これだから乱世は面白い、と言ってこの世を去りました。
そこから信は誰もが憧れる天下の大将軍、王騎将軍の思いを背負いながら戦いを重ねていきます。
尾到の死
先に述べた通り、城戸村からの仲間であった尾頭は、龐煖に傷を負わされた信を守るため、自分も深手を負いながら必死で逃げて命を落としてしまいます。
この経験は序盤の信にとって、とても大きな痛みと悲しみを伴ったのではないでしょうか。
それでも前に進む信の姿も、隊員たちを勇気づけたと思います。
廉頗四天王、輪虎との戦い
魏の山陽侵攻戦で信は総大将蒙驁(もうごう)の計らいで千人将となります。
しかし条件は千人将なら三つ、将軍なら一つ以上の首を上げること。
それが出来なければ伍長に降格し、飛信隊も事実上の解散と告げられます。
戦は中央に蒙驁本陣を置き、副将の王翦と桓騎が左右から攻めるという形で始まりましたが、中央の前線は苦戦していました。
中央の前線では廉頗四天王の玄峰が奇策を使って翻弄し、秦軍は大きな打撃を受けます。
さらに玄峰の次には廉頗四天王輪虎が指揮をとり攻め込んできました。
輪虎は中央の秦軍を破って突破し、秦軍本陣の後に回って攻め込む廉頗と挟み撃ちで本陣を落とす計画でした。
その計画と輪虎の強さに気付いていた蒙恬は信と王賁に協力して輪虎を討ち取る策を持ち掛けます。
次の日から三隊は独自に策を仕掛け、最初に蒙恬率いる楽華隊が輪虎の精鋭隊である輪虎兵を狙って攻撃、その後タイミングを見計らって飛信隊と玉鳳隊が輪虎の首を狙って突撃しました。
しかし輪虎の予想以上の強さになかなか討ち取ることができない信と王賁。
信は輪虎の強さを体感し、天下の大将軍を目指すには越えなければならない壁だと直感して、必死に食らいつきます。
もう少しで信の限界を越えた強さが引き出されるところまで輪虎と戦いますが、周りを魏軍に囲まれ時間切れとなってしまい退却。
この日は討ち取ることが出来ませんでした。
次の日は前線ではなく予備隊に回されてしまった三隊ですが、運よく飛信隊の持ち場に輪虎が攻めてきます。
輪虎の勢いを何とか受け止めた飛信隊は、信と輪虎の一騎打ちへと持ち込みます。
不意を突いて輪虎に股(もも)を刺され馬上での戦いが不利になった信は、一か八か輪虎を馬から落とし、地上戦へと持ち込みます。
それでも立ち上がって戦い続ける信の異常なほどの精神の強さに輪虎は内心驚いていました。
信と輪虎の戦いは続いていましたが、秦の侵攻を何としても防ぎたい魏軍の一人が一騎打ちに割って入り、それを楚水が咄嗟に受けに行きます。
そして楚水に気を取られた輪虎が一瞬の隙を見せた瞬間、それを見逃さなかった信は輪虎に致命傷を与えました。
それでも立ち上がる輪虎と戦い続ける信。
輪虎は、恩人の廉頗の事を想いながら、王騎が死に、李牧が現れたことで時代は移り変わっていることを悟りながら、最後は信の一撃を身体に受け命を落としました。
信の本来の実力であれば、輪虎を討ち取ることは相当難しかったはずです。
しかし輪虎の強さに対して信の強さが引き出されたこと、これまで命を落とした漂や王騎将軍や仲間たちの思いを背負って前に進むという強い意志が信を勝利へと導きました。
また輪虎は史実では存在していません。
信が強くなる過程で、どうしても輪虎のような大物を討ち取る経験が不可欠だったために描かれた人物だったのではないでしょうか。
また信は、廉頗との出会いによって、「中華の統一」という目標も明確になりました。
この山陽侵攻戦は信の活躍もあり、秦軍の勝利となります。
王騎将軍の死や李牧の出現と同様に、中華の時代が移り変わっていくことを象徴する戦であったともいえます。
万極との戦い
信の初陣、蛇甘平原の戦いで総大将を務めていた麃公ですが、合従軍攻防戦で飛信隊は麃公軍と共に戦うことになります。
対するのは趙軍で、麃公は戦の開始と共に先陣を切って突撃しますが、途中から同じ本能型の将軍慶舎に相手に苦戦し、後方を万極軍に狙われてしまいます。
この危機にいち早く気付いた信は後方へ逆走し、背を討たれた後方の麃公軍を再起させ、被害を最小限に抑えることに成功。
しかし万極軍は秦国に特別に思い恨みを持った将軍でした。
かつて長平の地で六将の白起が投降した趙人四十万人を生き埋めにしたことは有名ですが、万極は家族と共にその地で生き埋めにされ、生き残った人物なのです。
合従軍での万極軍は長平での遺族や遺児のみで構成され、秦への呪いと闇を抱えていました。
万極から長平の話を聞いた信や飛信隊は動揺しますが、この出口のない恨みや戦争の渦を解く答えは、政の掲げる「中華統一」だと気付いた信は迷いなく万極へ襲い掛かり、討ち取りました。
そして信は万極へ宣言します。
「俺は長平みてェなことは絶対にやらねェし!やらせねェ!」
信は万極の呪いを知ることで、これまでの信念と決意が改めて明確に固まったのではないでしょうか。
その夜、麃公は飛信隊の元を訪れ、
「飲めい 小童ァ 今日の勲功者は貴様じゃァ」
と言い酒を酌み交わしました。
麃公との別れ
合従軍との戦いも十五日目にして、秦の勝利がほぼ確定となった時。
李牧が裏で動き、国門の函谷関とは別の南道から精鋭の別動隊と共に秦の王都咸陽へと向かっていました。
遠くの砂煙から、何かあることにいち早く勘付いた麃公は持ち場を離れて南道へと走り、飛信隊も一緒に動きました。
そして地の利を生かしてギリギリのところで追いつき、李牧軍の背を討ちました。
しかし李牧は流動という策を使って秦軍を分断します。
麃公は直感を頼りに李牧の元へ進んでいきましたが、そこで突然龐煖が突然現れ、麃公との一騎打ちとなります。
麃公は武神と名乗る龐煖の本質と矛盾を見抜き互角の戦いをしますが、流動によって周りにいる麃公軍の数があまりにも少なく劣勢となっていました。
信は必死で麃公の元へ向かいますが、それに気付いた麃公は、「前進じゃぁ! 咸陽へ行け!童信!」と言い、信に向かって盾を投げました。
そして麃公は龐煖に討たれてしまいます。
それでも麃公の元へ行こうとする信を壁が一喝し、その場から脱出しました。
信が初陣をかざった戦いで総大将を務めていた麃公は、信にとって王騎将軍と同様に学ぶことの多い将軍でした。
万極を討ち取った夜、信は麃公と酒を酌み交わしながら「俺が天下の大将軍になった暁には六将らと飲んだよりずっとうまい酒を…」と話をしていました。
麃公の死を乗り越えた信はさらに多くの人の思いを背負って強くなっていきます。
龐煖との最後の戦い
信の成長を振り返る上で、龐煖は欠かせない存在ですよね。
李牧は、自分は龐煖を答えに導く者で、信こそが龐煖の求める答えを今持つ者だと考えていました。
王騎将軍の思いを背負って戦い続け、信がついに王騎将軍の矛を自分ものにしたからです。
数々の戦いと死線を乗り越えて強くなった信は、秦趙大戦の朱海平原の戦いの最中、王騎将軍並の重い一刀で岳嬰(がくえい)を討ち取りました。
その時に離れた山地にいた龐煖も、王騎に似た何かを感じ、朱海平原に現れたようです。
李牧本陣へ迫った飛信隊の前に突然龐煖が現れ、最古参の去亥も命を落としてしまいます。
抵抗できなくなってしまった飛信隊の中で、羌瘣が龐煖に斬りかかりますが、ボロボロにやられてしまいます。
そこへ駆けつけた信は龐煖に襲い掛かります。
信は龐煖とは対極にある、龐煖には理解できない力を持っています。
その力とは、「関わる人間達の思いを紡いで束にして戦う力」です。
龐煖には理解できないその力に最初に出会ったのは王騎将軍でした。
求道者龐煖という常軌を逸した人物に対抗できるのは、王騎将軍の亡き今、対極の力を最も強く持っているのが信だという結論が描かれています。
そして信は意識が朦朧としながらも命がけで龐煖に襲い掛かり、遂に龐煖を倒しました。
しかしその瞬間信も倒れ死の淵に立たされますが、羌瘣が禁忌とされる術を使い、信を生き返らせます。
多くの者が命を落とした龐煖との戦いは、この朱海平原で信が終止符を打ちました。
羌瘣がいなければ、龐煖と共に信も命を落としていました。
しかし信が龐煖を討ったことは、数々の戦でたくさんの人の思いを背負って戦い、死線を乗り越えてきた証といえるのではないでしょうか。
最初は手も足も出ない相手だった龐煖を、遂に討ち取るまでに成長した信。
龐煖と戦うことで、その時の信の強さが表現されていたのではないでしょうか。
秦趙大戦の勝利を経て将軍となった信が今後どう成長し活躍するのか、今後の展開も楽しみです。