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『死神坊ちゃんと黒メイド』10巻 ネタバレ&感想
第126ー127話 「アリスの妄想」
使用人日誌を読み、シャロンやシャーデーの手がかりを探そうとする坊ちゃん。
使用人日誌はシャロンの日記のようになっており、シャーデーの手がかりは見つかりません。
しかし、坊ちゃんはシャロンの書いた「考えてることなんか当てちゃって」という文章から、シャーデーが人の心が読める魔女なのではないかと思いつきました。
心が読め、人の心を丸め込み、呪いも物理攻撃もできる魔法の天才。
坊ちゃんはシャーデーについて考えた仮説を有力説としておき、アリスにある頼み事をします。
ザインからもらった「人の妄想が覗ける魔法のボックス」
ボックスを使い、アリスの考えを実際に体験したい、アリスの普段考えていることを知りたい。
そんな坊ちゃんのお願いをアリスは快諾し、「悶々と眠れなくさせたらごめんなさい」と意味深な言葉を言い残して一緒にボックスの中へ入ります。
ボックスで最初に出迎えたのはアリスの母のシャロン。
アリスの妄想では、シャロンは元気に動いて喋っています。
アリスは妄想ではあるものの、元気な母に抱きつき目覚めさせることを改めて誓います。
次の扉を開けると、沢山の人に囲まれて談笑している坊ちゃんの妄想がいます。
意外と健全なアリスの妄想に安堵する坊ちゃんでしたが、次々と現れる部屋には「18禁」の文字が…。
新しい部屋を探す坊ちゃんたち。
妄想を覗いても謎のままのアリスに坊ちゃんは考え込んでしまいますが、妄想の世界の中で楽しそうに走り回る子どもの自分たちを見つけて、アリスが変わっていないことに安堵するのでした。
第128話 「メイクアップ」
本邸にて。
銃の訓練をしているウォルターを木陰からこっそりと眺めるダレスとケト。
ダレスは声をかけることができません。
ケトが促しますが、ダレスは「こんなブスに好かれても迷惑に決まってるわ」と動こうとしません。
そこへ現れたのはヴィオラ。２人を本邸の中に招き入れ、お茶を出します。
ダレスがウォルターを見ていたことを知ったヴィオラはダレスの髪を整え、化粧を始めます。
化粧中に鏡を見られないダレスに気づいたヴィオラは「自分の顔が嫌い？」とダレスに問いかけます。
ダレスは顔の傷が嫌いです。
ダレスの傷はシャーデーがつけたもの。
シャーデーが生きていたころは2人で本邸に出入りしていました。
本邸はシャーデーの記憶を思い出させます。
シャーデーに傷をつけられたことを思い出したダレスは恐怖で汗と震えが止まらなくなります。
ヴィオラにはその事情は分かりませんでしたが、背後からぎゅっとダレスを抱きしめて慰めました。
化粧で傷を隠し、髪を整えたダレスをヴィオラとケトはウォルターに合わせます。
ところがウォルターは外見の変化には一切触れず、いつも通り話を始めます。
変化に鈍感なウォルターにヴィオラとケトは「クズ！」「ゴミ！」と罵倒しますが、ダレスは別れ際にウォルターに笑いかけることができました。
その笑顔にウォルターはドキリとするのでした。
第129話 「名探偵」
別邸にヴィオラがやってきました。
坊ちゃんは魔術学校に行くこと、ヴィオラについてきて欲しいことを言えずにいました。
坊ちゃんの呪いにヴィオラは関係ないばかりか、危険が及ぶかもしれなかったからです。
隠し事のせいで挙動不審になった坊ちゃんをヴィオラは疑います。
探偵の服装に着替えたヴィオラはアリスと一緒に真相を探ります。
ロブに聞き込み、部屋を探索し、とうとう隠されていた魔術学校の制服を見つけてしまいます。
魔術学校に行くことを知ったヴィオラは自分も制服を着て学校に行きたいと訴えます。
坊ちゃんはヴィオラに「怪我するかも…」と思いとどまるよう促しますが、ヴィオラの決意は固く一緒に学校に通うことになりました。
第130話 「旅路」
坊ちゃんたちは魔術学校に向かうため、汽車に乗っていました。
ヴィオラは独断でウォルターも誘い、車両を一両貸し切って賑やかに向かいます。
遠出ではしゃぐザインとカフ、坊ちゃんとの遠出を無邪気に喜ぶアリス、坊ちゃんの呪いの核心に迫るため野心を燃やすウォルター。
ウォルターの動向を探るあまり、こっそりと列車に同乗しているダレスとケト。
色んな思惑を乗せながら汽車で３時間移動し、徒歩でも2時間。
とうとう森に隠されている魔術学校にたどり着きました。
第131話 「オリエンテーション」
学校にたどり着いた一同をニコとイチが出迎えます。
学校を案内しながらニコとイチは学校での決まりを説明します。
- 学校では魔女や魔術、魔法について教えること。
- 「先生」をつけて呼ぶこと。
- 女子寮と男子寮があり、寮にはいつまでもいていいし、すぐに帰ってもいいこと。
- 食事は食堂で。
制服に着替え、坊ちゃんは学校生活が楽しみになってきました。
一方、外ではダレスとケトがいました。
ダレスはウォルターが女に会いに来ているのではと不安に駆られ、学校の破壊と侵入を試みるのでした。
第132話 「授業開始」
早速授業が始まりました。
家長が決まる春までに呪いを解きたい坊ちゃん、坊ちゃんの役に立ちたいアリス、強くなりたいカフ、魔法を自由に使えないザイン、呪いの真実を突き止めて家長になりたいウォルター、制服が着られるだけで大満足なヴィオラ。
思惑は様々です。
授業開始後すぐに、担任であるフリーが坊ちゃんに魔法でバリアを張ります。
フリーは守護が得意な魔女。
坊ちゃんの身体の周囲にバリアを張ってもらったことで、生徒同士がぶつかっても死なないようになりました。
続けてニコが話し始めます。
- 魔法を使う魔女と魔術を使う魔術師は種族が違うこと。
- 魔術師が生まれる前より魔女はいたこと。
- 魔女にとって魔術師の魔力はまがいもののように感じること。
- ザインの魔法で時間を遡り、シャーデーと直接対決が最終目標であること。
- 授業外で魔術や魔法を使わないこと。
真面目な話でしたが、みんな真面目に話を聞くことができません。
ニコの気遣いで授業は終わりました。授業終わりにウォルターがザインを呼び止めます。
「時間を戻す魔法って、顔についた傷とか治せるのか？」
ウォルターとザインの会話で、ダレスの顔の傷を気遣っていると分かったヴィオラはこっそりほほ笑むのでした。
第133話 「雪見風呂」
アリス、カフ、ヴィオラは学校の露天風呂にいました。
雪も降って素晴らしい景色です。
お風呂を楽しむ3人でしたが、ヴィオラは身体に巻いたタオルを外すことが出来ません。
アリスとカフのボディーラインと自分の身体が比較できなかったためです。
カフは「皆といれてとっても嬉しい」とアリスに抱きつき、アリスもにこやかに受け止めます。
胸が大きく、くっつくことで隙間がなくなった二人の身体にヴィオラは「つけいる隙もない…！」と呟くのでした。
一方、男湯では坊ちゃんとウォルターがいつになく穏やかに湯船に浸かっていました。
温泉の力に坊ちゃんは感謝するのでした。
第134話 「となりの席」
イチに夜通し稽古をつけてもらったカフは疲労と眠気で歩きながら眠っています。
教室に向かうとフリーが上級生の女の子達に囲まれています。
フリーは生徒たちからモテているらしく、ザインは落ち込みます。
授業が始まりました。
フリーの授業は教科書を使い、ノートをとるスタイルです。
魔術の勉強は思った以上につまらないようで、坊ちゃんは授業に集中できません。
更に隣の席になったアリスに見とれて授業になりません。
すかさず坊ちゃんはフリーに授業の問題を出されますが、坊ちゃんは答えることができません。
するとアリスは坊ちゃんの指を握って答えを教えてくれました。
バリアがあるとは言え、急に触られることに驚く坊ちゃん。
アリスはほほ笑み、「バリア越しでも坊ちゃんに触れられることが嬉しくてつい…」とからかうのでした。
第135話 「なんだコレ？」
イチの授業が始まりました。
イチの授業では人間でも使える魔術と道具を実際に使って学んでいきます。
生徒全員に渡されたのは掌ほどの大きさの道具。持ち手がついています。
イチは使い方は教えずに魔術で水を操りながら生徒たちに攻撃をしかけます。
ザイン、カフ、坊ちゃん、アリス、ヴィオラは道具の扱いが分からず次々とびしょ濡れになっていきますが、ウォルターだけが道具を使うことができました。
道具の正体は見えないレイピア。
刺すことに特化した剣です。
刺した時だけ刀身をみることができます。
イチは正解したご褒美にウォルターに見えないレイピアを与え、ウォルターは日々の習い事の成果が出たことにドヤ顔をするのでした。
第136話 「修行の夜」
夜。
カフはイチに修行をつけてもらっていました。
今日の稽古は「魔法を使わないこと」
体術だけでイチの操る水人形と戦います。
イチはカフの運動神経を褒めますが、イチの狙いは違うところにありました。
イチはカフの精神的な弱さを見抜いていました。
ザインを頼りにしており、いざとなればザインが何とかしてくれると思っていること、時々逃げ道を探していることがカフの弱点。
克服するには１人で敵と立ち向かう勇気が必要なのです。
水人形がカフの攻撃を避け、カフに抱きつきます。
顔を水で覆われたカフは呼吸ができず負けてしまいますが、イチはカフの強さを信じ、いつか自分が操る水をも蒸発させるほどの火を手に入れることを期待するのでした。
第137話 「能力勝負」
ダレスは学校に潜り込み、はぐれたケトを探して図書室にいました。
そこへニコが現れ、ダレスを問いただします。
「生き返ったのか？シャーデー」
ダレスは情報を聞き出すためにシャーデーのフリをしますが、ニコはシャーデーをもう一度葬ろうと戦いを仕掛けます。
ニコは空間を操るのが得意な魔術師。
図書館の空間を歪めてダレスに襲い掛かりますが、ダレスは幻覚で対抗します。
ニコを眠らせようとしますが、その瞬間イチが水を使ってニコを正気に戻します。
しかしダレス側にもケトが合流し、植物を操ってイチの水を吸収しました。
2対2で戦いが始まろうとするさなか、「生徒達に危害が及ぶかもしれない」というニコの言葉に、ダレスはウォルターのことを思い出しました。
あっさりと自分がシャーデーではないことを告げ、戦いを無理やり終わらせたのでした。
第138話 「新入生」
ダレスとケトは新入生として学校に迎えられることになりました。
ケトはヴィオラの隣の席です。
仲良しの2人は大喜び。
一方ダレスはウォルターの隣です。
制服の短いスカートの裾が気になり、ダレスは挙動不審になってしまいます。
新入生を迎えてニコの授業が始まりました。
ニコの授業ではシャーデーについての対策を教えています。
- 魔女の寿命には個人差がある。
- シャーデーは長い時間を生きた。
- 先代ボスだった父、女王だった母をもつ魔女のサラブレッド。
- 自らの父を超え、人間の世界を掌握しようとする強欲な魔女。
ニコはダレスにも情報提供を依頼しますが、ダレスは拒否します。
自分が生きている限り、シャーデーの恐怖から解放されることはないこと、骸骨の面を一生被るよう命令されたことを思い出してしまいます。
ニコはダレスの事情を尊重し、無理強いすることはありませんでした。
授業が終わり、ザインは坊ちゃん、アリス、ダレスにこっそりとある考えを伝えます。
「今夜…こっそりさかのぼってみねーか？シャーデーに呪いをかけられる前の過去に…‼」
第139話 「過去へ」
ザインの提案は呪いに関係のある人間だけシャーデーを実際に見て情報を得ようとするものでした。
シャーデーの顔だけ見てすぐに戻る予定です。
過去に戻った時はシャーデーはもちろん、過去の人間に見つからないこと。未来を変えてしまう可能性があるからです。
4人は過去の扉を潜ります。
坊ちゃんとアリスは同じ場所に飛ばされましたが、ザインとダレスはそれぞれ違う場所に飛ばされました。
ザインは本邸に来た事はなく、場所に詳しくありません。
そばの木陰に佇むシスター服を見つけてザインは声をかけました。
シスター服の女性が振り返ります。
その顔に傷はありません。
「私がダレスに見えたのね。あなたはどちら様かしら？」
第140話 「愛ってとっても素晴らしい」
ザインはシャーデーと対峙していました。
シャーデーはザインの誤魔化しも通じず、真剣に一つのことについて聞いてきます。
「愛ってとっても素晴らしいと思わない？」
ザインの言葉はシャーデーには届きません。
シャーデーは自分の言葉だけを話します。
「私にも生まれて初めて…愛する人が出来たの」
「でも、もうすぐ死ぬ」
「ずっと一緒にいたかったのに…邪魔が入った」
「邪魔なのよ、皆」
ザインにいきなり襲いかかるシャーデーでしたが、ダレスの幻覚のおかげで難を逃れます。
坊ちゃんの予想通り、シャーデーは人の心を読むことができる魔女だったのです。
シャーデーはダレスの心を読み、未来のダレスが自分を愛していないことを知ります。
一方、坊ちゃんとアリスの傍に１人の男性が現れました。
坊ちゃんと同じような帽子をかぶり、杖をついた男性に坊ちゃんは思わず「おじい様」と呼びかけてしまうのでした。